高校生の馬鹿馬鹿しくて、
ちょっぴりセンチメンタルな
青春グラフィティ───開幕。
※登場人物が増える予定の為、名前を付けています。
942: ◆UTA.....5w:2012/7/13(金) 19:48:42 ID:5p4jzTnu52
清瀬「ち、ちち……?」
橘「若けりゃ狼がホイホイ釣れるとでも思ったのか?否!狼にだって選ぶ権利というものがある!」
清瀬「うち、別に食べて欲しいやなんて……」
橘「赤ずきんは狼に食べられる。そんな常識も知らんのか」
清瀬「そ、そんな常識知りません!」
橘「いや、いい。別にお前の貧しい乳を責めてる訳じゃないんだ」
清瀬(何やろう、この悔しさは……)
橘「俺は何も豊満な乳が好きな訳ではない。その乳の形とバランスを一番に重視しているつもりだ。従って、お前の貧しい乳でも許容範囲ではある訳だ。
では、何がいけないか。バランスだ。バランスが悪いんだよ、お前は。
腰の括れからなる乳に掛けてのラインがまるでなっていない!ただの平坦な更地の様なものにこの俺が欲情するとでも思っ──…」
943: 投下終了です ◆UTA.....5w:2012/7/13(金) 19:49:58 ID:ekiZWtbcuU
\ ボフン! /
大きな音と共に狼の声は止み、その姿は何処にもありませんでした。
代わりに赤ずきんの前に立っていたのは、先程の黒いローブの少女──魔法使いでした。
清瀬「あ、あれ?橘く……狼さんは?」
鈴木「ごめん、キャストミスだった」
清瀬「ああ、うん……うち、もうお家に帰るな……」
心に深い傷を負った赤ずきんは、ふらふらと覚束ない足取りで帰路に就きました。
その先が、自分の家ではない事にも気付かずに。
鈴木「……魔女には十分ご注意を」
【後半へ続く…】
944: 名無しさん@読者の声:2012/7/14(土) 09:02:54 ID:5IrvKAGojw
ここ最近の楽しみがこのSSだったりするんだぜ!
CCCCCCC
945: 名無しさん@読者の声:2012/7/17(火) 08:48:21 ID:cYbHYCPh8g
まだかなまだかなー
しえーん
946: 名無しさん@読者の声:2012/7/17(火) 22:55:53 ID:NvUNuZVwhg
キートン山田で再生された『後半へ続く』ww
後半wktk支援なのねー!!
947: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:12:29 ID:i4fPg2J7q6
>>944
そんな嬉しい事を言って頂いていいのでしょうか。もう、私の中に住み着いている小さいおっさんが踊り過ぎて大変です。
これからも頑張ります!本当にありがとうございます!
>>945
お待たせしてしまってばかりで申し訳ございません…orz
そして、こんなマイペースなSSを待っていて下さってありがとうございます!
>>946
何というまるちゃんw脳内再生余裕でしたw
もうキートン山田さんでしか再生されなくなってしまいました…!
946さんのwktkに応えられるように頑張りますね!
支援感謝です。投下します。
948: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:13:45 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬「……お腹空いたなあ」グゥ
すっかり日も暮れた夜の森を、赤ずきんは一人歩きます。
きっと、お母さんが心配しているに違いない。
そう思って、森の奥へと。
清瀬「あれ……?」
ふと、足を止めた赤ずきんは、大変な事に気付きました。
清瀬「お家、どっちやったやろか」
真っ暗な森の中、頼りはふんわり優しい月明かりだけ。
明るい内とは景色が違って見えたのでしょう。
赤ずきんは、道に迷ってしまったのでした。
949: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:25:00 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬「ど、どないしようっ……迷子になってしもた」
一人佇む赤ずきんに手を差し伸べてくれる人は、夜の森には誰も居ません。
このまま帰れなかったらどうしよう。
もしも悪い人に襲われたりしたら。
時折聞こえる虫の囀りや、梟のほうほうといった鳴き声が、途端に赤ずきんの不安を煽りました。
清瀬「だ、誰か居ませんか?誰か……」
涙で歪む視界の中、ほんのり見える小さな灯り。
家だ!
赤ずきんは、縋るような思いで駆け出しました。
950: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:25:39 ID:i4fPg2J7q6
清瀬「あれ?なんか、あのお家……」
赤ずきんは目を凝らしながら、ゆっくりと近付いて行きました。
だけども不思議なそのお家。
近付いても近付いても、何だかとても小さいのです。
清瀬「うち、背ぇ伸びたんかな!」
嬉々として声を上げる赤ずきん。
いいえ、そうではありません。
ドアも、窓も、中を覗いて見えたテーブルも、赤ずきんの知っている物よりも随分小ぶりです。
背の低い赤ずきんでも屈まなければならない程、小さな家が建っていたのでした。
951: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:26:52 ID:i4fPg2J7q6
清瀬「わあ、可愛い!」
こんな素敵な家に住んでいるのは、一体どんな人だろう。
兎さん?アライグマさん?
もしかすると、妖精さんかしら?
小さな家を目の前にして、赤ずきんは心が踊る思いでした。
清瀬「はしゃいでる場合やなかった……道を訊かへんと!」
ふう、と一息、赤ずきんはドアをノックします。
清瀬「ご、ごめん下さーい」
返事はありません。
清瀬「あの、す、すみません、何方か居てはりますか?」
やはり返事はありません。
清瀬「道を訊ねたくて……、え?」
そっとドアノブに触れてみると、あっさりとドアは開いてしまいました。
952: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:27:53 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬「こ、今晩はー…誰か居てはりますか?」
恐る恐る中を覗いてみたけれど、其処には誰も居ませんでした。
テーブルの上には小さなティーカップが七つ。
その周りにも、小さな椅子が七つ。
奥にはベッドが七つ見えます。
清瀬「お邪魔しても、ええやろか」
此処には居ない住人に挨拶をして、赤ずきんは家に入る事にしました。
外は真っ暗な夜の森。
それに、今日は駆け回ってばかりでくたくたでした。
だからでしょうか。
清瀬(七人家族なんやろか……)
そんな事を考えている内に、赤ずきんは眠ってしまったのでした。
953: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:30:37 ID:i4fPg2J7q6
─────‐‥
誰かの声が聞こえます。
誰だこいつ。寝ているぞ。
少女を囲む七つの影、その中の一人が言いました。
鳴海「こいつ知ってる!白雪姫だ!」
清瀬「うひゃあ!?」
その声に驚いて飛び起きた少女。
彼女の名前は、白雪姫。
白い肌が若々しい、普通の女の子です。
清瀬「すすす、すみません!うち、寝てしもていつの間にか朝に……って、鳴海くん、が七人!?」
鳴海2「あ?鳴海?誰だそれ」
清瀬「しかも、なんかちっこい……」プププ
鳴海3「何だこいつ!失礼な奴だな!」
鳴海4「本当に白雪姫なのかよ」
954: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:31:47 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬「へ?し、白雪姫?うちは赤ずきん──…」
鳴海5「何言ってんだよ、お前白雪姫だろ。んで、俺達は七人の小人」
鳴海6「意地悪なババアから逃げて来たんだろ?」
鳴海7「心配すんなって、俺達が匿ってやるから」
清瀬「そうやったっけ……」
そうでした。
恐ろしい継母から逃れる為、白雪姫は森の中をを彷徨っていたのです。
嗚呼、可哀想な白雪姫。
鳴海1「んじゃ、オモテナシしなきゃな」
鳴海2「よっしゃー!狩りだー!」
955: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:36:15 ID:RKZRGBLt.Q
鳴海3「留守番頼んだぞ、白雪姫さーん?」
鳴海4「材料は揃えるから、後で料理宜しくな!」
清瀬「あ、はい。分かりました」
小人達は意気揚々と家を後にしました。
鳴海5「あ、そうだ」
鳴海6「誰か来ても絶対に開けちゃ駄目だぞ?」
鳴海7「約束だからな」
そう、言い残して。
清瀬「開けたアカンて……なんでやろ?」キョト
956: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:41:18 ID:i4fPg2J7q6
小人達が狩りに出掛けている間、白雪姫は掃除に取り掛かる事にしました。
お世話になっているお礼にと、ピカピカになるまで床を磨きます。
清瀬「ふう、大分綺麗になったかな」
白雪姫が一息吐いた頃、誰かがドアをノックしました。
\ トントン /
清瀬「は、はいっ、どちら様でしょうか!」
扉の向こうで声がします。
こんにちは、林檎は如何?
少し太い、何処かで聞いた事のある男性のような声でした。
957: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:46:31 ID:i4fPg2J7q6
清瀬「えっと、でも、その……」
白雪姫は迷いました。
林檎は食べたいが、小人との約束がある。
このドアを開けていいものか、と。
桃山「あら、恐がらなくていいのよ?アタシはただの林檎売りなんだから」
清瀬「桃さん!?」バタン!
桃山「ぎゃっ!いきなり過ぎるわよ!」
林檎売りの声に反応した白雪姫は、約束も忘れてドアを開けてしまいました。
驚いた様子の林檎売りは、いつぞやの魔法使いによく似た黒いローブを身に纏ったオカマでした。
958: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:52:28 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬「やっぱり桃さんや!」
桃山「桃さんって誰よ、ちょっと可愛いじゃないの」
清瀬「も、桃さんまでそんな事言わはるんですか」
桃山「何処のプリティーボーイと間違えてるか知らないけれど、アタシはただの林檎売りですぅー」
清瀬(どう考えても桃さんやねんけどなあ……)
桃山「そんな事より、これ!アンタ可愛いから特別にタダであげちゃう!」
ずい、とオカマの林檎売りが差し出したのは、赤く光った一つの林檎。
ピカピカと太陽の光を反射して、とても甘くて美味しそう。
959: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:55:28 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬「これ、うちに…?」
桃山「ふふ、そうよ。可愛子ちゃんにプレゼント」
清瀬「えへへ、可愛子ちゃんやなんて」テレテレ
そう言って、白雪姫は林檎を受け取りました。
桃山「とっても甘くて美味しいのよ!食べてみて頂戴!」
清瀬「あの、ホンマに貰てもええんやろか……」
桃山「勿論よ。お友達のしるしに」ニコ
清瀬(友達…)
清瀬「ありがとうございます!」
白雪姫は涙を目に浮かべながら、貰った林檎を噛りました。
涙で歪んだ視界の先の、不適な笑みには気付かずに。
960: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:57:51 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬「うっ……!?」
林檎を飲み込んだその直後、白雪姫は喉を押さえて苦しみました。
苦しい、息が出来ない。
縋る思いでオカマの林檎売りに手を伸ばします。
清瀬「桃、さ……助けて……」
桃山「何度言ったら分かるのかしら。アタシは桃さんじゃないわよ、このちんちくりん!」
桃山「アタシは魔女。林檎売りでも何でもない、世界一美しい魔女様よ!」
何という事でしょう。
オカマの林檎売りは魔女だったのです。
真実を知らされ、ちんちくりんと罵られた白雪姫は、ぱたりと倒れてしまいました。
961: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:00:32 ID:RKZRGBLt.Q
桃山「……ふふ、うふふふ、やったー!これでアタシが世界一の──…」
鳴海1「何してやがるこのオカマー!」
魔女の後ろから飛び蹴りを食らわせたのは、狩りから戻った小人達でした。
鳴海2「あー、やっべー…間に合わなかった」
鳴海3「マジで!?白雪姫死んだのかよ!」
鳴海4「嘘だろ、おい……」
鳴海5「だから開けるなって言ったのに」
白雪姫を取り囲み、悲しみに暮れる小人達。
皆が何を言っても、白雪姫からの返事はありません。
その時、小人達の背後から魔女の叫び声が聞こえてきました。
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