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3センチメンタル・ヤング・ピーポー
[8] -25 -50 

1: :2012/1/28(土) 22:24:39 ID:kbMCzVk3I2

高校生の馬鹿馬鹿しくて、

ちょっぴりセンチメンタルな

青春グラフィティ───開幕。



※登場人物が増える予定の為、名前を付けています。




221: ◆UTA.....5w:2012/2/17(金) 22:48:29 ID:LVNZjJhq3A




「ねぇ、桃山くん。私達、付き合っていたと言えるか分からないけれど──」





222: ◆UTA.....5w:2012/2/17(金) 22:52:50 ID:LVNZjJhq3A

────‐‥


キィ、キィ、と僕を乗せたブランコが、苦しそうな音を立てて揺れる。
すっかり日が沈んだ公園に人の気配はない。野良猫や虫なんかを除けば、今、此処に居るのは恐らく僕だけだろう。

「……っふ、くぅう…ッ」

僅かな電灯と月明かりに照らされながら、僕は泣いた。どういう感情から来るものなのか、僕にも分からない。
それでも、溢れ出る涙を制御出来ない程に、僕は噎び泣いていた。

──別れましょう。


そう言った梅川さんの笑顔が、脳裏に焼き付いているようだった。


223: ◆UTA.....5w:2012/2/17(金) 22:58:34 ID:LVNZjJhq3A

僕は振られたのだ。約半年間付き合ってきた彼女に、やはり理解する事は出来ないと、別れを告げられた。
しかし、それは決して嫌味なものではなかったように思う。

僕も彼女も“本当の部分”を見せ合う事なく、上辺で恋人同士を演じていただけにすぎなかったのだから。

では、僕は彼女の事が好きではなかったのか。その質問に関しては、答えはきっとNOだ。


224: ◆UTA.....5w:2012/2/17(金) 22:59:47 ID:Ga85pR.zOs

だって、こんなにも涙が止まらない。

「う、うぅ…っぐ、ぅ……」

こんなにも、胸が痛い。


上辺だったのかもしれない。本当に想い合ってはいなかったのかもしれない。

それでも、きっと。


きっと、僕は恋をしていた。
僕は、恋をしていたんだ。



桃山少年、十五歳──失恋の、秋である。


225: ◆UTA.....5w:2012/2/17(金) 23:03:15 ID:LVNZjJhq3A

 ***


春。出会いと別れの季節。
僕は高校生になった。

新しい出会いに胸を膨らませ、門の中へと足を踏み入れる。

「…少しくらい、本当の自分を出してもいいわよね」

まだ見ぬ僕の友達よ、君達は僕を受け入れてくれるだろうか。


ありのままの、この僕を──


  桃山少年の憂鬱‐fin.


226: ◆UTA.....5w:2012/2/17(金) 23:04:32 ID:Ga85pR.zOs

これにて投下終了します。
次からは通常営業です。

喜んで下さった皆さんに感謝です!


227: ◆UTA.....5w:2012/2/17(金) 23:11:23 ID:LVNZjJhq3A

>>226
×喜んで
○読んで

どんなミスしてるんだろう…
本当にすみません。


228: 名無しさん@読者の声:2012/2/18(土) 14:03:39 ID:Pk7W0e/gB.
喜んでるよ(´∀`)っC
ドジっ子かわゆすwww
229: ◆UTA.....5w:2012/2/18(土) 20:55:59 ID:qQQzqfVdfw

>>228
喜んで頂けて嬉しいですw
可愛いドジっ子になりたいものです。切実に。

支援感謝です。投下します。


230: ◆UTA.....5w:2012/2/18(土) 20:57:24 ID:qQQzqfVdfw

桃山「>>159-164 >>168-176 >>180-186 >>192-199 >>203-212 >>216-225…という訳なのよ」

橘「長い。三行で」

鳴海「オカマは
   女装が
   趣味だった」

篠原「メ
   イ
   ド」

橘「よかろう」

桃山「よくないわよ。それじゃあ読んでない人に伝わらないでしょ」

鳴海「読んでない人って何だよ」

桃山「こっちの話よ」


231: ◆UTA.....5w:2012/2/18(土) 21:00:07 ID:9gYoXiEfsA

橘「姉のふりをして女装をしていたら癖になってしまった。つまり、こういう事だろうが」

桃山「う…まぁ、簡潔に言えばそうね」

篠原「これも忘れちゃ駄目だよ!桃ちゃんには梅川さんっていう彼女が居た!」

鳴海「メイドのコスプレしてるとこ見られて振られたってのもな」ニヤニヤ

桃山「この子達相手に真剣に語るんじゃなかった」


232: ◆UTA.....5w:2012/2/18(土) 21:08:32 ID:qQQzqfVdfw

桃山「ところで、アンタ達親御さんには連絡入れたの?」

篠原「メール送っといた!」

橘「心配すんな。抜かりない」

鳴海「あー、してねぇや。一応しとくかな」

鳴海「……携帯の充電切れてら。お前ん家の電話借りていい?」

桃山「リビングにあるわよ」

鳴海「りょーかーい。借りてくる」


233: ◆UTA.....5w:2012/2/18(土) 21:16:05 ID:qQQzqfVdfw

橘「………」そわそわ

橘「やっぱりもう一度電話掛けてくる」

篠原「あれ、何処行くの?」

橘「外。家族との会話をお前らに聞かれてたまるか」



篠原「…行っちゃった。照れ屋さんだね」クスクス

桃山「」

篠原「桃ちゃん?鼻血出てるよ?」

桃山(篠くんと二人きり…メガネとチビGJ…!)ボタボタ


234: ◆UTA.....5w:2012/2/18(土) 21:18:57 ID:9gYoXiEfsA

──リビング


鳴海「あのーすんません。電話借りてもいいですか?」

桃姉「ああ、弟の友人の内の一人の背の低い子か。構わないよ」

鳴海「長いわ!」

鳴海「(ついツッコミ入れちまった…)鳴海っすよ、俺の名前」

桃姉「鳴海。了解した」

鳴海(…ロボットみたいな奴だな)


235: ◆UTA.....5w:2012/2/18(土) 21:28:52 ID:9gYoXiEfsA

『ただ今、電話に出る事が出来ません。ピッという発信音の後に──』

鳴海「……やっぱ出ねぇな。留守電入れとくか」

鳴海「あー…今日、帰りませんので。宜しくデス」

ガチャ

桃姉「……鳴海、」

桃姉「あれだけで、構わないのか」


236: ◆UTA.....5w:2012/2/18(土) 21:40:21 ID:qQQzqfVdfw

鳴海「え?…ああ、大丈夫っす。両親共働きであんま家居ねぇし」

桃姉「そうか」

桃姉「……」

鳴海「何すか…?」

桃姉「ああ、いや…弟は、学校で上手くやっているのだろうか」


237: ◆UTA.....5w:2012/2/18(土) 21:47:14 ID:9gYoXiEfsA

──桃山の部屋


篠原「桃ちゃん、落ち着いた?」

桃山「はあはあ…ごめんなさい、つい興奮しちゃって」

篠原「……ねぇ、桃ちゃん?」

桃山「なぁに?」

篠原「しんどくないの?自分を演じる、って」

桃山「……」


238: ◆UTA.....5w:2012/2/18(土) 21:57:58 ID:qQQzqfVdfw

桃山「うーん、そうねぇ…。しんどいわね。でも、」

篠原「でも…?」

桃山「篠くん達と居ると、毎日が凄く楽しいのよ」ニコ

桃山「クラスの皆も、気持ち悪がらずに接してくれる。これって、凄く幸せな事だと思わない?」

篠原「…じゃあ、これからもずっとそうしてくつもりなの?」

篠原「“学校での自分”と“家での自分”を演じ続けるの?」


239: ◆UTA.....5w:2012/2/18(土) 22:02:35 ID:qQQzqfVdfw

桃山「それはないわね」キッパリ

篠原「え?」

桃山「今のアタシは皆の前でだけ。本来のアタシは……僕は、この家での僕だから」

篠原「……」

桃山「元々、卒業したらちゃんと僕だけになるつもりだったんだ。だから、皆が受け入れてくれて本当に嬉しかった」

篠原「桃ちゃん…」

桃山「なーんてね!篠くんの前では卒業してもずっと乙女なんだからね!」


240: ◆UTA.....5w:2012/2/18(土) 22:04:12 ID:9gYoXiEfsA

これにて投下終了します。
やっと通常営業に戻れました。

読んで下さった皆さんに感謝です!


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