入院手続きですか?
そうですか。わかりました。
それでは此方に氏名だけの記入をお願いします。
え?他に書くことはないのかって?
いいえ。何もありませんよ。
アナタは何故この病棟にいるかご存じですか?
そうですか。存じ上げないんですね。それならいいんです。
では、病室にご案内させて頂きますね。
…おっと忘れるところでした。
此方に目を通しておいて下さい。この病棟の規則です。
――では、ご案内致します。
11: 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 08:36:24 ID:qf2Xyjydl2
〜103号室患者〜
「毎日誰かに見られてるんです。怖いんです」
「毎日誰かに笑われてるんです。怖いんです」
「私怖いです」
目を隠し、耳を塞ぐ彼女は何度も何度も訴えた。
「目を隠してても分かります。耳を塞いでても分かります」
膝を立て、まだ親の腹にいる赤子の様に丸まる。
「やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ」
そして、壊れたラジカセの様に同じ言葉が繰り返される。
頭を抱えて激しく振り乱す。
「あぁあ…あぁぁぁ!」
そしていきなり叫び出したかと思えば手当たり次第に物を壁にぶつける。
「出てけ!来るな!やめてぇぇぇぇ!!」
様々な物が壁に当たり破壊されては、床に散らばる。
「……も、やめて…下さい…」
彼女は何度も謝罪を繰り返し「やめて」と懇願した。
しかし聞こえるという声は、見られているという目は、彼女しか知らない。
それが事実であるのだ。
12: 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 08:37:36 ID:l5Pa902z2Y
103号室患者結果
名前:原 美佳
入院から6ヶ月と2日経過。
現在も生存中
薬の効果
幻覚・幻聴・発狂(精神崩壊も多少)
発狂し始めると手がつけられなくなる。要注意。
会話は可能。
13: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 00:10:43 ID:gkmvJaScFM
|ω・`){もう少し病室の番号が進んだら 患者さん達を描いてもいいですか?]
14: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 10:47:23 ID:TjuDwVsXHM
>>13
魅力的なキャラが出るかわかりませんが、どうぞ!(^ω^)
15: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 13:09:54 ID:OHenw44lQM
〜104号室患者〜
「僕はどうしたらいいのかな〜?」
「わからないな」
「えー。いっつもそれじゃんか!」
「そうか?」
楽しそうな会話が聞こえてくる。声だけ聞けば、少年が友人と楽しそうに会話をしている患者なのだが。
「今日の空は何色かな」
「灰色」
「そうなんだ」
ベッドに仰向けになり、独りブツブツと話す。
周りから見れば独り言に取られるだろう。
「ボクって弱いね」
「オレはお前を守るよ」
そう呟く本人か本人か分からない知らない低い声が返答する。
「ありがと」
そして見た目に合った少年の声が返答し微笑を溢す。それが繰り返された。
「つまんないね」
「そうだな」
「寝る」
「さっきも寝なかったか?」
「良いの!おやすみ」
「おやすみ」
少年は静かに瞳を閉じる。そしてそのまま眠りについた。
眠りながら優しく笑みを浮かべる少年の身体に残る痣を"もう一人の少年"は、ただ悲しそうに見つめるだけだった。
16: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 13:15:21 ID:OHenw44lQM
104号室患者結果
名前:松下 啓太
入院から2ヶ月経過。
現在も生存中
薬の効果
今のところ特に無し
解離性同一性障害(また二重人格)は入院前からであることが判明。
会話は可能。
17: 名無しさん@読者の声:2011/11/15(火) 13:22:37 ID:/FPw2cAcBE
〜105号室患者〜
「生きるのに意味何て無いんだよね」
「でも死ぬのは怖いね」
髪が肩まで伸びきった少年は言葉を続けた。
「痛いのは苦しいね。苦しいのは辛いね」
手首には鋭い刃を持った何かで傷付けた痕。
首には自ら締め付けたと見られる痕。
「――死んだら楽になるのかな」
無表情で物騒な言葉を吐く少年は様々な傷を優しく撫で始める。
「どうしようかな」
「……まだ試してない方法」
そして辺りを見渡し始めると少年は、「あ」っと声を上げた。
少年の瞳に映ったのは浴場。
「苦しいけど大丈夫。我慢すれば大丈夫」
そして頭に思い付いた"新しい方法"を少年は実行した。
「―――――このままお魚さんになれるかな」
それが最期の言葉となってしまった。
18: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 12:57:36 ID:/Wp6oG/dVo
105患者結果
名前:黒井 瑞希
入院から1年と2ヶ月経過。
死因は溺死
薬の効果
鬱病?詳細不明
自傷行為は入院前から現在にかけて行っていた。
会話可能。
19: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 23:01:56 ID:oaV8sFVAmA
―――――…
「センセ。新聞記事持ってきたよ」
見惚れる程の綺麗な銀髪の癖毛を持つ少年は髪を靡かせ、大量の新聞記事を持ち微笑む。
「有り難う。助かった」
それを受け取るのは"センセ"と呼ばれる白衣を身に纏う、眼鏡を掛けた背の高い黒髪の男性。
「まずはこれかな。
102号室、高田優人の記事。
"嫉妬が生んだ悲劇"
高田優人は自室にて恋人が殺害したと、凶器を持ち全身に血を浴びた状態で自首。しかし死体は未だ発見出来ず。高田優人は『彼女が裏切った』と不気味に笑みを浮かべ語ったと警察側は発言していた」
「彼に薬は向かなかったのか。それとも………」
「ね、センセ?僕はねあれで良かったと思うんだ」
言葉を遮る様に銀髪の少年は自分の思いをぶつける。
そして、癖毛の髪を揺らし続けた。
「独りで生きてても辛いだけじゃない。僕もセンセに出会うまで、そう思った」
「俺を殺すなよ?」
「うん」
20: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 23:13:49 ID:OXmxEE5H02
「…興味深いのはこれだな。104号室患者の記事だ。
"日々暴行された少年の復讐?"
隣人からの苦情で少年が日々虐待を受けていたのが発覚した。そして、それから数週間後には少年が趣味で使用していたバットで、母親と父親を殴り殺害した。
少年曰く『アイツらが悪い。死んで当然だ』と供述した」
記事を読み終わると、ふぅと息を吐き「当然、…ね」何て
21: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 23:16:38 ID:OXmxEE5H02
>>20しくじったですorz
明日再び書き込みます
なので今日の投下はこれだけです!
文章読みずらくないか心配(´・ω・`)マズヒトミテルカワカラナイケド←
22: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 23:17:59 ID:RXwsYJSRA.
割とすごい勢いでwktkしてる
っCCC
23: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 23:30:31 ID:GlzETAUq3E
センセと少年がドツボ…二人はわたしが貰った
24: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 23:31:54 ID:AKEZMREro2
毎日全裸待機してる
CCC
25: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 23:37:59 ID:etb2FfO1cY
>>22
嬉しいです(`・ω・´)
文章読みにくくないですか?平気ですk((
>>23
全然喋らせていない気が……、はっ!容姿か!
「僕はセンセが居るとこなら何処でも良いよ」
「お前変な気だけは起こすなよ」
「うん」
26: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 23:41:25 ID:sv4nAwFHwA
>>24
(゚Д゚)
靴下とネクタイは絶対ですよ!
ありがとうございます(`ω´)
27: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 08:46:51 ID:iJXw5bvN36
>>20続き
「…興味深いのはこれだな。104号室患者の記事だ。
"日々暴行された少年の復讐?"
隣人からの苦情で少年が日々虐待を受けていたのが発覚した。そして、それから数週間後には少年が趣味で使用していたバットで、母親と父親を殴り殺害した。
少年曰く『アイツらが悪い。死んで当然だ』と供述した」
記事を読み終わると、ふぅと息を吐き「当然、…ね」何て困った様に頭を掻く。
「そう言えば、光希(こうき)って…いや何でもない」
「変なセンセ」
銀髪の少年は光希と呼ばれておるらしく、その光希はセンセを笑った。
28: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 12:14:40 ID:HUyNmpQ.3E
「えっと…今は101号室、102号室、105号室の患者は亡くなってる。残りの患者さんはどうなるんだろ」
「どうかな。生きる意志が弱い者はきっとすぐに死んでしまうだろう」
患者の写真を眺めながら男性は眉を下げ、悲しげに言葉を返した。
そしてホワイトボードに写真を貼り付け、その下に×印を書き込む。
「助けられると良いね」
「そうだな。成功したい」
「センセなら出来るよ。じゃあ、僕は情報また持ってくる」
光希は顔を覗かせ笑顔で励ますと、美しい癖毛を靡かせ記事を探しに走り去った。
その後ろ姿は翼を持たない天使に見える。
「さて。――次の患者でも見ようかな」
男性は、ぎしりと音をたて軋む椅子に座り、モニターに視線を移した。
29: 名無しさん@読者の声:2011/11/18(金) 21:26:49 ID:X/e8SDb5uw
〜106号室患者〜
ただ涙を流すだけだった。
声も出さずに、小さな身体を震わせ泣いている少女。
時折耳に入るのは「ごほごほ」と苦しそうに咳き込む声。
「いけないのは…ウチじゃないもん………悪くない…もん…」
「そ…うだよ…あはは…何だ、あはははは!ははははっ!」
ようやく口を開いたかと思えば、吹っ切れた様に我を忘れて笑う少女の表情から、感情は読み取れない。
「…………ウチが正しいんだよ…」
一気に力が抜けたように壁に凭れながら床に座り込むむ。
何度も「正しい」と繰り返し気を落ち着かせているようで、それが呪文の様に聞こえる。
今度は身体をビクッと跳ねさせ、顔色を変え、怯えた様子で廊下を見つめた。
「や……やぁああぁあ!」
立ち上がり、そのまま廊下へ駆けて走る。
転んでもすぐに立ち上がり、よたよたと危なっかしい足どりで何かから逃げ続けた。
「―――――…あっ」
階段で足を踏み外し、身体が浮くと頭から落ち、骨が砕けた音が聞こえる。
ぱくぱくと金魚の様に口を動かして、しばらくすれば涙を流し呼吸をしなくなってしまった。
30: 名無しさん@読者の声:2011/11/18(金) 21:36:34 ID:X/e8SDb5uw
106号室患者結果
名前:村山 まどか
入院から3ヶ月と4日経過。
死因は転落
薬の効果
幻覚・精神崩壊(発狂)
異常な程に泣いては叫ぶを繰り返す。
会話は不可能に近い。
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