入院手続きですか?
そうですか。わかりました。
それでは此方に氏名だけの記入をお願いします。
え?他に書くことはないのかって?
いいえ。何もありませんよ。
アナタは何故この病棟にいるかご存じですか?
そうですか。存じ上げないんですね。それならいいんです。
では、病室にご案内させて頂きますね。
…おっと忘れるところでした。
此方に目を通しておいて下さい。この病棟の規則です。
――では、ご案内致します。
2: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 14:53:06 ID:bTX/yIH.Mo
規則
※他の死は見ぬ振り
※患者同士の会話禁止
※刃物等の持ち込み禁止
※帰宅禁止
この病院には101号室から121号室の20部屋しかありません。
親族、また友人との面会は許可されておりません。
入院されてから1週間薬を飲んで頂きます。
3: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 14:57:39 ID:MD.Og/oBiw
〜101号室患者〜
「かあいそかあいそかあいそかあいそかあいそかあいそ」
幼い女の子は何も無い空間を指差しケタケタと笑い乍ただ言葉を発する。
「かあいそかあいそ」
笑い声は次第に大きくなり、最後には
「…ひとりぼっちかあいそ」
と、笑い声が止んだと同時に小さく呟いた。
幼女はぐるりと振り返り元気にパタパタと廊下を駆け始める。
長い長い廊下。
出口も入り口も無い。人すらも通らない廊下をただ走り続けていた。
「まってまってまって」
見えない相手を追い掛けている様で、楽しそうな表情を浮かべており、それが不気味にも感じられた。
そして扉に辿り着けば幼女はガチャガチャとドアノブを回す。
「おそとおそとおそとおそと」
ガチャガチャガチャ。
幼女の力とは思えないほど、乱暴に回されるドアノブ。
――ガチャリ。
扉が開くと同時に足場のない外に出て行く。
「ひとりじゃないかあいそじゃない」
どこか優しく微笑み呟く幼女は何かに解放されたようだった。
そして、そのまま固い地面に叩きつけられた。
4: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 15:06:25 ID:qf2Xyjydl2
101号室患者結果
名前:綾瀬 鈴花
入院から3ヶ月経過。
死因は飛び降り。
薬の効果
幻覚・幻聴・精神崩壊
言葉は単語でしか話せなくなり、会話は不可能。
5: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 15:11:23 ID:RVOhnVQ0xw
カアイソウ思い出した
6: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 18:13:05 ID:7qWZnYTPBM
こんな雰囲気好きだー
つCC
7: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 18:18:37 ID:XLNG6aGxg6
CCCCCCCCCCCCCCCOCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC
8: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 18:46:36 ID:AAS5HN/OAk
>>5
未解決…事件でしたよね……
>>6
そうですかね?嬉しいです!
支援ありがとうございます(・∀・)
>>7
何かOが混じってるw
支援ありがとうございます(・∀・)
9: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 21:55:54 ID:CFz6aP7Usc
〜102号室患者〜
「今日の君も可愛いよ」
車椅子を押す男性はまるで恋人とでも会話しているように優しく語りかける。
「やっぱり喋ってはくれないのかい?」
前屈みになり相手の様子を見るが、明らかに普通ではない。
正しく言えば"生きた人間"ではないのだ。
「照れちゃって可愛いなぁ」
そして再び車椅子を押し始める。
「君は僕が好きかい?…ふふ。やっぱり恥ずかしいんだね」
「僕が死んだら君も一緒に死んでくれる?」
歩くテンポが速くなる。
「僕に死ぬのは無理って思ってるの?出来るよ、君の為なら」
言葉とは合わない笑顔を向けて病室に戻った。
「そこで見ててね」
ベッドのシーツを剥ぎ取ると、彼は輪を作り自分の体重を支えられるのを探す。
見付けると其所に引っ掛けて軽く引っ張り確かめた。そして、輪に顔を通す。
「――アイシテルヨ」
その一言を残して彼は愛する者の前で逝った。
10: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 22:25:06 ID:wUf5zKLk5A
102患者結果
名前:高田 優人
入院から2週間経過。
死因は首吊り。
薬の効果
幻覚・精神崩壊
会話は可能だか精神に異常有り。
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