入院手続きですか?
そうですか。わかりました。
それでは此方に氏名だけの記入をお願いします。
え?他に書くことはないのかって?
いいえ。何もありませんよ。
アナタは何故この病棟にいるかご存じですか?
そうですか。存じ上げないんですね。それならいいんです。
では、病室にご案内させて頂きますね。
…おっと忘れるところでした。
此方に目を通しておいて下さい。この病棟の規則です。
――では、ご案内致します。
86: 名無しさん@読者の声:2011/12/5(月) 14:10:31 ID:WPeeSjeV3U
――――
「114号室の患者はどうも理解出来ない。脳内を見てみたいよ」
背中を反らし椅子の背凭れに身を委ねたセンセを見下ろしながら溜め息を吐く。
「逆に先生の脳内を見てみたいよ」
「見ても面白くないぞ」
「……見たくないけど」
「どっちなんだ」
すくりと立ち上がり、記事をよこせと言わんばかりの態度。
眉間に皺を寄せ不満そうに口を尖らせているも、素直に束になっている記事を差し出した。
87: 名無しさん@読者の声:2011/12/5(月) 14:18:03 ID:WPeeSjeV3U
「コーヒー置いとくね。いくつ?」
「いくつに見える?」
記事から目を逸らさないセンセはギャクか本気かわからない質問で返すと少年は軽い舌打ち。
「3つでしたよね」
角砂糖がコーヒーの中に姿を消し、溶けて行く。
「……おう」
少し記事に顔を近付け横からも見えないようにと隠す姿は、まるで天敵から逃げる小動物と想像した少年はクスリと笑った。
「で、良いの見つかった?」
コーヒーの湯気が消えるのを少年は見届けながら
本題である質問を口にしたのだった。
88: 名無しさん@読者の声:2011/12/5(月) 15:59:53 ID:0wEUMZPqbc
え、ギャグじゃないのか?
つC
89: 名無しさん@読者の声:2011/12/5(月) 16:50:56 ID:LG1gFhOOtk
>>88
センセ「あ、当たり前だ!ギャグだ!ハハハ」
少年「…………」
センセ「な、何だよその目」
少年「なんでもないです」
支援ありがとう!
90: 名無しさん@読者の声:2011/12/5(月) 20:04:45 ID:Y26KlcU0dY
「やっぱり114号室患者かな。"ネットゲームで協力者募集"
6月上旬に救世主と名乗る者から書き込みがあった。内容は『私と一緒に世界を正さないか』と言うものである。そして6人のグループ"撲滅組"を結成し、殺人を行った。
そして、"撲滅組日記"というサイトを立ち上げ死体の画像や殺害する様子をアップした」
置かれたコーヒーを一口含み口内を潤す。
そして続けた。
「そういえば数字を言っていたな、解るか?」
「うん。携帯貸してくれる?」
ポケットから青い携帯を取り出すと手渡し、まじまじと見つめて様子を窺う。
少年は気にする素振りも見せず携帯を開き操作を始めた。
91: 名無しさん@読者の声:2011/12/5(月) 20:12:49 ID:j7UOLnkwP.
「体に刻まれていたのは770005335555って数字だったよね」
画面から視線は逸らさずに操作しながら問いかければ、センセは「あぁ」と相槌を打ち小さく頷く。
「簡単だよ。数字の分だけ押せば良いんだ」
「77はま行を2回押す。そしたら"み"になる…わかるかな?」
画面を目の前に突き出して、見せ付け首を傾げて確認をする。
「………"みんなしね"って事か」
画面とボタンを交互に見ると納得したように手を叩いた。
「うん。そういうこと」
92: 名無しさん@読者の声:2011/12/5(月) 20:17:46 ID:j7UOLnkwP.
今日の投下は以上です!記事をもう少しリアルに書けたらなぁ、と思います(´・ω・)
次の更新までゆっくり待ってくれると嬉しいですw
ではでは
93: 名無しさん@読者の声:2011/12/6(火) 02:12:54 ID:rJcQ8ahNgc
つCCCC
94: 名無しさん@読者の声:2011/12/6(火) 10:53:04 ID:WPeeSjeV3U
>>93
ありがとう(っω;*)
95: 名無しさん@読者の声:2011/12/7(水) 00:36:01 ID:YLFGbCmEZ2
そういやこのスレSS板で唯一見てるSSだww
こういう雰囲気好きです支援(`・ω・´)
96: 名無しさん@読者の声:2011/12/7(水) 10:39:17 ID:XIAVTAtKm2
「てか、センセ馬鹿なの?」
片手で携帯を閉じると放り投げセンセに渡すと同時に暴言にも思える発言をさらりと言ってみせる。
「え。いやいやだって使わないじゃん」
「好きな人に告白する時とかどう?」
「どうじゃねーし。使わないし」
「残念だな」
しゅんと身を縮めて眉を下げ、一瞬長身のセンセを見上げて項垂れて見せた。
97: 名無しさん@読者の声:2011/12/7(水) 10:48:02 ID:qIymICtQKA
視線だけを動かし少年を見ると直ぐに記事に目を移す。
湯気が出ていたコーヒーは冷め始めていた。センセはそれを一口飲む。
「115号室の患者って…」
センセの一言にさっきまで項垂れていた少年は、顔を上げ背後から記事を覗き混み、首を左右に傾け頭上にはクエスチョンマークを浮かばせる。
「10年も前の被害者だったのか。見てみろ、小学校で起こった事件だ」
―"小学校にナイフを持った男乗り込み生徒殺害"―
98: 名無しさん@読者の声:2011/12/7(水) 11:08:17 ID:XIAVTAtKm2
「その中で足を切断する事になった男子生徒がいたんだ。……それが115号室患者、そして殺されたのは…」
「犯人ってわけ」
少年は無言だった。無表情であった。そして記事を再び見ると「へぇ」と笑った。
「僕、復讐とか嫌いじゃないよ」
患者の写真を手に取るとビリッと爽快な音を立て裂かれる。
破られた写真を見つめる少年の表情は今にも泣きそうで、そのまま壊れてしまうんじゃないかと思うほど痛々しくセンセの瞳には映った。
「大丈夫だから」
少年を撫でるセンセの背後でモニターは次の患者を映していた。
99: 名無しさん@読者の声:2011/12/7(水) 11:11:28 ID:XIAVTAtKm2
>>95
それは後悔することになりますww
センセと少年の会話で軽く雰囲気をぶち壊してるかもしれませんが、支援ありがとうございます!
そして今日の投下は以上です、次から再び患者のターン!あと少しで終わる気がします。多分
100: 名無しさん@読者の声:2011/12/8(木) 02:46:31 ID:vWFRRZFXl2
支援age(´∀`∩)↑↑
101: 名無しさん@読者の声:2011/12/9(金) 12:31:30 ID:VfupqGiafg
支援
102: 名無しさん@読者の声:2011/12/9(金) 18:12:58 ID:MvVpHIxlN.
〜116号室患者〜
ゆらりゆらりと蝋燭の火が揺れる。そしてそれを見つめるは男性は、綺麗な容姿をしていた。
円を描くように置かれた沢山の蝋燭と焼かれた写真。
娘が1人と仲良さげに寄り添う2人の夫婦。下半分は燃やされていて、跡形もない。
ゆらりゆらり揺れる灯火が、写真を見つめる虚ろな瞳を照らす。しかし口角を吊り上げ、笑う。
「独りは寂しいねぇ」と穏やかな口調で語る。口角は吊り上げたまま。
「あの顔は忘れないねぇ」と穏やかな口調を保ったまま語る。やはり口角は吊り上げたままだ。
「もう要らないねぇ」と憎さを持った口調で語る。やはり口角は吊り上げている。
最後の1枚である写真を火に近付ける。パチパチと音をたて誘い込む。
「キエロ」
燃やされた写真は灰となり、男性の足元に散らばった。
そしてそれを見つめる瞳は虚ろであった。
103: 名無しさん@読者の声:2011/12/9(金) 20:11:37 ID:hoePZndJKg
支援
104: 名無しさん@読者の声:2011/12/9(金) 22:18:42 ID:tY8D9ZB9XA
まったりwktk(`・ω・´)つCC
105: 名無しさん@読者の声:2011/12/10(土) 01:10:15 ID:1tzHlngH1c
116号室患者結果
名前:梶木 雅人
入院から3ヶ月経過。
現在も生存中
薬の効果
特に無し
会話は可能
106: 名無しさん@読者の声:2011/12/10(土) 01:14:49 ID:1tzHlngH1c
>>100
age支援感謝です!
>>101
支援ありがとうございます!
>>103
支援ありがとうございます!
>>104
wktkするほどのものはないと思われますw
支援ありがとうございます
えっと記事を考えたり患者の色々を考えたりしますので、まったり更新になりますが勘弁してください(´・ω・`)
ではおやすみなさい!
107: 名無しさん@読者の声:2011/12/11(日) 16:08:28 ID:j8XRHVP9WY
支援ー!
108: 名無しさん@読者の声:2011/12/12(月) 10:06:08 ID:3D9c6KqdGQ
支援
109: 名無しさん@読者の声:2011/12/14(水) 14:25:06 ID:4cFvDuF3SA
>>107>>108
支援ありがとうございます!
更新全然出来なくてすいません、患者の話がなかなか思い浮かばないのです(´・ω・`)
センセと少年との会話なら浮かぶのに!と日々思っておるのだす
まだ更新まで時間はかかると思いますが、生暖かい目で見てください!
110: 名無しさん@読者の声:2011/12/15(木) 04:36:16 ID:/t3u.bxZ6I
今さらだけど8位おめでとう!
まったり支援しながら待ってますよ〜(*´ω`*)
111: 名無しさん@読者の声:2011/12/17(土) 18:36:51 ID:7fxGs1aA16
泗嚥
112: 名無しさん@読者の声:2011/12/18(日) 09:03:02 ID:Hs4RB8ND7c
〜117号室患者〜
綺麗でとても心地よい歌声が聞こえた。
しかし内容はとても暗く、痛々しい。
少女の表情は上手く読み取れなくて何を思い歌っているのか分からなかった。
「右腕には煙草を押し付けられて、熱いと言っても止めてくれなかったねお父さん」
布から覗く右腕に残る火傷の痕。
いくつもあった。
「それを見てたのに知らんぷりのお母さん」
足には痣、左腕には何かに切りつけられた痕、しかもいくつも。
「大嫌い。大嫌い。大嫌い。大嫌い。大嫌い」
「お母さんは包丁でぐさぐさ刺して、お父さんは高いところから突き落とす」
頬には引っ掻かれたかの様な傷痕が消えていない。
「楽しいな。楽しいな。楽しいな。楽しいな。楽しいな」
大きく口を開けて、笑い声を響かせ歌い続ける彼女の頬には一粒の涙が流れていた。
113: 名無しさん@読者の声:2011/12/18(日) 09:07:47 ID:rZ3Ot24ApA
117号室患者結果
名前:青木 玲
入院から2週間経過。
現在も生存中
薬の効果
特になし
会話は可能
114: 名無しさん@読者の声:2011/12/18(日) 09:10:21 ID:Hs4RB8ND7c
>>110
ありがとうございます(*`ω´*)
はい、しかしまったりし過ぎ申し訳ない(´ω`;)
>>111
どうもです!
115: 名無しさん@読者の声:2011/12/18(日) 22:16:36 ID:LqVMaomzxU
支援
116: 名無しさん@読者の声:2011/12/20(火) 14:17:21 ID:hLf6S7yPz6
>>115
ありがとう!
投下にはまだ時間がかかりそうです。
見てくださってる方には申し訳ない(´;ω;`)
117: 名無しさん@読者の声:2011/12/20(火) 15:14:37 ID:i20aHeWQRM
大丈夫ですよ(`・ω・´)
お茶飲みながらマターリ待っときますww
\支援!/
゚+ ∧_∧ +。
( ・∀・)
。+(.つ旦と +゚
と_)_) +。
118: 名無しさん@読者の声:2011/12/22(木) 09:56:59 ID:wuCg8lvs3.
〜118号室患者〜
"うさぎ 猫 鶏"
沢山の動物の鳴き声が個室に反響する。
少年は辺りを見渡してはメモ帳に書き込んでいく。
「ちょっと待ってね」
ベッドから立ち上がる、ギシリと軋む音が痛々しい。
"ハムスター 犬 人間"
メモ帳には、そう書かれていた。
動物の中には剥製も置かれていて、それを撫でながら少年は生きている動物に餌を与える。
「楽しみだなぁ」
薄気味悪い笑みを浮かべて美味しそうに餌を頬張る動物を眺めていた。
「人は難しそう」
視線は次第に鏡に映る自分に向けられる。
「あーあ」
残念、と呟き剥製に再び視線を移す。
剥製を愛しそうに見つめながら、生きた動物を指で擽り楽しそうな笑みを浮かべていた。
119: 名無しさん@読者の声:2011/12/22(木) 09:59:44 ID:wuCg8lvs3.
118号室患者結果
名前:伊吹 翔
入院から1年経過。
現在も生存中
薬の効果
特になし
会話は可能
120: 名無しさん@読者の声:2011/12/22(木) 18:36:48 ID:AXHvj7glAs
支援支援ー!
121: 名無しさん@読者の声:2011/12/23(金) 08:42:54 ID:.UPaASQov2
〜119号室患者〜
ぐっ、と力を込めた拳を降り下ろし壁を殴る。
どんっ、と鈍い音が響く。
今度は額を強く壁に打ち付けた。
「へ、はは……血だぁ…綺麗でしょ?…ふふ」
切れた額からは赤い雫が滴り、顔に線を描く。少女はぺろりと舌を出し、血を舐めとると満足そうな笑顔。
「足りない」
今度は不満そうな表情を浮かべる。
「切れるの。きれるの。キレルノ」
「やっぱりこれしかないのかな。」
引き出しを開けると宝物の様に保管された鋏。
しかし錆びており、血痕もべったりと付着していた。
首筋に押し当てる。
ゆっくりと引いていく。
しかし全く切れてはいなかったのか、再び押し当てて今度は一気に引いた。
「っ…ごっ…ぁ」
飛び散る鮮血、真っ白な壁を染めていく。
荒い息でゆっくりと近付き、指で血を掬うと口に含んだ。
歩くたびにピチャリと水音がする。止まらない血を抑えながら少女は笑う。
そして力尽きた様に壁に凭れながら、ずるずると床に崩れていく。
真っ赤な水溜まりに倒れ込み、恍惚の表情を浮かべていたかと思えば、しばらくすると何度か痙攣を繰り返し静かに息を引き取った。
122: 名無しさん@読者の声:2011/12/23(金) 08:45:50 ID:.UPaASQov2
119号室患者結果
名前:飯田 真美
入院から2ヶ月経過。
死因は大量出血
薬の効果
精神崩壊・幻聴
会話は可能
123: 名無しさん@読者の声:2011/12/23(金) 08:57:41 ID:iaGtp/4v.o
「このまま上手く行くと思ったんだけどな。そう甘くはないんだね」
死を迎えた患者を映したままのモニターが同時に消える。
残った人達を見て、可笑しそうに少年は笑った。
「落ち着け」
少年はまだ笑う。
センセは少年を抱き締めた。どうしてこんな事をしたのか自分でも出来なかったのか、力の加減が上手く出来てなくて少年は「痛いよ」と呟く。
「……………センセ」
「ん?」
「次の患者さんは今から来るよ」
「そうなのか」
力を弛める。
124: 名無しさん@読者の声:2011/12/23(金) 09:05:54 ID:.UPaASQov2
「あ、ほら来たよ」
モニターを指差し病室に入ってきた人物を主張した。
「よし。じゃあ始めるか」
少年から手を離し立ち上がると置かれたマイク片手に持ち、椅子に座る。
「ようこそ初めまして」
「アナタは何故この病室に連れてこられたか解りますか?」
モニターに映る人物は呆然としていた。
「自分の犯した罪を思い返して下さい。……覚えてない、と最初は皆さんそう言います」
センセは続けた。
「ここにいる方々は異常があると見なされた人です」
「え?違うって?」
「最初は皆さんそう言いますよ」
125: 名無しさん@読者の声:2011/12/23(金) 09:10:39 ID:dQdSMz.X2A
wktk支援
126: 名無しさん@読者の声:2011/12/23(金) 09:13:24 ID:.UPaASQov2
今日の更新は以上です!この話も、もうすぐ終わる(´-ω-`)
自分でもオチは酷いと思ってしまうww
>>117
ありがとうございます(´;ω;`)
支援ありがとうございます!
>>120
支援感謝です!
127: 名無しさん@読者の声:2011/12/23(金) 09:16:01 ID:iaGtp/4v.o
>>125
そんなwktkされるとプレッシャーが((;´゚Д゚`)))gkbr
支援感謝です!
128: 名無しさん@読者の声:2011/12/24(土) 12:14:04 ID:V0CJLQQpnI
「そこにある薬が見えますか?」
「はい、それです。飲んで下さい」
「説明を受けましたよね…え?この薬が何かって?」
手元にあった同じ薬を見つめながらセンセは、静かに言った。
「症状を明らかにする薬です」
「人によっては効果があったり無かったり…」
129: 名無しさん@読者の声:2011/12/24(土) 12:41:12 ID:V0CJLQQpnI
「症状が表れた患者に関しては次の治療が始まります」
ぽいっと投げられた薬は水槽に入り魚は餌と勘違いし反応した。
「どんな効果かって?」
「アナタは質問ばかりですね。それは私達も知りません」
目を伏せ質問に確実に答える。その表情はどこか暗い。
そんな表情を横で窺う少年はいまだに無表情で何を考えているのかわからなかった。
130: 名無しさん@読者の声:2011/12/24(土) 12:55:53 ID:/3MIJ0S1EM
「結局は生きるも死ぬも患者次第なのを理解して頂きたい」
そして再び目を開けた。とても冷めた様にも見えたのは少年だけである。
「では改めて……」
少年とセンセは目を合わせるとにやりと笑って見せた。
「「ようこそ、特別病院へ」」
二人の声が重なり不気味に密室に響き渡り、それがいっそう寒気を覚えた。
「先行ってるね。センセ」
満足した様子で少年は髪を靡かせ部屋を出ていった。
それをセンセは見送ると切られたモニターとマイクの電源を落とす。しばらく部屋を眺め、同じように部屋を出ていった―――。
131: 名無しさん@読者の声:2011/12/24(土) 13:06:29 ID:V0CJLQQpnI
――あれから数年の月日が経った。
「ねえ知ってる?」
「何をー?」
二人組の少女道を歩きながら話している。夕日は少しずつ沈み暗くなり始めていた。
「ここの近くに病院があったんだって」
「へえ」
「そこで沢山の犯罪者が実験台にされてたんだって。…確か精神を安定させる実験だったかな」
「どうせ都市伝説とかでしょ?聞いたことないもん」
けらけらと可笑しそうに笑う少女にもう一人の少女は続けて話す。
「そうだよね」
そして売地と書かれた看板の横を通り過ぎる途中足元にあるボロボロの新聞が目に入った。
132: 名無しさん@読者の声:2011/12/24(土) 13:25:32 ID:V0CJLQQpnI
『光希と名乗る少年は"センセ"と呼び親しくしていた人の首を持ち警察署へ来た。死亡した日は―――』
「怖いね…」
「私そんなこと出来ないよ」
ははっと苦笑いし、拾い上げた新聞記事を捨て再び歩き出した。
風に煽られ紙は空を舞いどこかへと運ばれていく。
そして夕日も沈み、静かな夜を迎え始める。
聞こえるのは風が揺らす草木の音と虫の声だけであった――…。
END
133: 名無しさん@読者の声:2011/12/24(土) 13:28:36 ID:/3MIJ0S1EM
…こんなはずじゃなかったぁぁ!
中途半端に終わってしまうし、雑だし本当に申し訳ありませんでした(´・ω・)
次はオマケとして、センセと少年の出合いを書いていきたいと思います。
見てくださった方々、本当にありがとうだお!
134: 名無しさん@読者の声:2011/12/24(土) 18:34:04 ID:h9zi9vGP96
あぁ...終わってしまった......
でも、乙でした!!!
オマケ楽しみにしています!!
135: 名無しさん@読者の声:2011/12/24(土) 19:00:15 ID:m89zjFo/aY
お疲れさまです!
136: 名無しさん@読者の声:2011/12/25(日) 07:38:40 ID:dWAyjl2I9o
お疲れ様です!
センセ…(´;ω;`)
おまけwktk
137: 名無しさん@読者の声:2011/12/25(日) 12:33:22 ID:OgM81a6u2A
お疲れ様でした!
138: 名無しさん@読者の声:2011/12/27(火) 08:39:13 ID:bpxgVUgziY
皆様ありがとうだお!(´;ω;`)
オマケ(番外編)も気長にやっていくので、生暖かく見守ってやってください!
139: 番外編:2011/12/27(火) 08:42:05 ID:E7unVwV4mg
「傘持ってきて良かった」
ポツリポツリと雨粒がアスファルトに落ち、小降りだった雨は次第に大降りになった。
傘を開く俺の横を通り過ぎるのは、頭を手で覆い走る沢山の人達。俺はその人達を横目で見ながら歩く。
「ハズレ」
思い返せば朝のニュースでは雨は降らないと言っていたのに。
空は厚い雲で隠れて灰色になっていて、何故か寂しさを覚える。
コンビニ寄ろう
自分でも驚くくらい、いきなりな考えに戸惑いながらも足はしっかりとコンビニに向かって歩いていた。
140: 名無しさん@読者の声:2011/12/27(火) 08:56:44 ID:9hcHD347TQ
「いらっしゃいませ」
店員のいつもの挨拶、俺はいつものように本を立ち読み。別に買うわけでも無いが。
客はあまりおらず静かな店内で、俺の読む本のページを捲る音だけが微かながらも聞こえる。
しばらくしてから俺は本を戻し、飲み物を求め違う棚に移動。
そしていつものようにオレンジジュースを手に取り会計。
「ありがとうございました」
戸を明けて一歩外に踏み出せば、雨はまた小降りになり始めていた。
141: 名無しさん@読者の声:2011/12/27(火) 09:06:30 ID:9hcHD347TQ
袋から買った商品を取り出して、蓋を開けて一口飲む。目の前にある公園が目に入ったので、そこで休むことを決めた。
外は雨のせいなのか暗く、ひんやりとした空気。
「………ふう」
ベンチに座り一息つく。
それとドンッと同時に鈍い音が俺の耳を刺激した。
何事かと辺りを見渡して見るけれど、さっきの音の原因が見当たらない。
「何だったんだ・・・」
気のせいかと思い再びオレンジジュースを飲む。
そしてまた、ドンッと鈍い音がした。
142: 名無しさん@読者の声:2011/12/28(水) 13:22:53 ID:7RJL/fdGxQ
目を向けた先には影があった。少し目を細めて明確にしようとじっくりと眺める。
……少女?
長い銀髪が輝いていて、とても美しく惹かれた。
手には何かを持っており俺は次第に理解する。
「…………バットだ」
振り下ろされる。
また鈍い音がした。
からん、と手からバットが落ちたかと思えば少女は項垂れており、気付けば俺は彼女に近づいていた。
「………………見てた?」
人通りが少なく、周りにだって人がいない。俺に言われてるのはすぐに分かった。
143: 名無しさん@読者の声:2011/12/28(水) 13:27:09 ID:7RJL/fdGxQ
視線を落として、彼女が見る先を見れば数人が悶えていた。
ああ、殴られたのか。
冷静に判断する俺に少女は続けた。
「警察に言わないの?」
「どうして?」
「悪いことしたから」
「そうだね。行きたい?」
「やだ」
「なら止めよっか」
「変なの」
口元を抑える手は震えていた。
144: 名無しさん@読者の声:2011/12/28(水) 13:36:18 ID:kwLgI0/6TA
「何でこんなことしたの?」
「………この人は泥棒なの」
また視線を落とす。
「僕の家に入ってきたの。皆殺されたの」
声が震えていた。
………え、僕?
「男?」
「うん」
「名前は?」
「無いよ」
長い銀髪は風に靡き、まるで生き物みたいに動いて見せる。
彼の言葉ひ考えて俺は口を開く。
145: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 00:39:59 ID:4cFvDuF3SA
「………家族は?」
「いないよ。僕小さい頃から施設で育ったの」
こんな重い内容をあっさりと告白する彼に俺は何故か感心した。
そしてしばらく沈黙が続く。
「来る?」
俺は沈黙を破り彼を見つめながら言った。いきなりのことに、もちろん彼はぽかんと間抜けな顔をしていて首を傾げる。
「俺の家」
この一言にも彼はぽかんとしたまま。
146: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 00:47:42 ID:DPz2SFX2Rw
「帰る場所をあげる」
「どうして」
「なんとなくさ」
「………変なの」
また彼は笑った。
「名前もあげる」
「勿体無いよ」
眉を下げ今度は悲しそうな表情を浮かべる。
「光希。…希望に光がありますように、どう?」
俺の問いにまた彼は笑った。笑ったり悲しんだり、大変だなって思いながらも俺も笑う。
そして彼は言った。
「変なの」
147: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 00:58:06 ID:4cFvDuF3SA
空は再び泣き始める。
大降りになる雨が俺と光希を打ち付ける、とても心地よかった。
輝く銀髪は濡れ、美しさが増す。俺は傘を開き彼に翳して雨にかき消されてしまうくらいの小声で呟く。
「帰ろう」
彼は泣いた。
降る雨の如く沢山の涙が頬を伝い落ちる。
何でこんなこと言ったんだろう。
自身に訪ねるが答えは出なかった。
歩き出す。
振り向けばすでに息絶えた人間が転がっていた。
148: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 01:27:23 ID:lPDOndQsx.
あの日の出来事はニュースになったものの、暴力団が原因と片付けられてしまっていた。
「もうすぐ夕方か」
まだ帰らない彼を待つ俺は新婚の妻の気分だ。
しばらくして鍵が開く音がする。
「ただいま」
ドタドタと廊下を騒がしく走る彼に俺は呆れ気味に思いながらも、笑って返した。
「おかえり」
おわり
149: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 01:29:00 ID:lPDOndQsx.
微妙過ぎたwwww
はい、これで本当に終わりますー!
読んでくださった方々、本当に本当に感謝です!
ではでは〜(^ω^)
150: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 01:31:21 ID:riAK.jgmGM
いい忘れていたorz
沢山の誤字とか本当にすいません!
支援、ランキング入り、本当に嬉しかったです!
151: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 01:42:45 ID:z38h1VTRk6
お疲れ様でしたー
ヽ(´∀`*)
152: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 13:24:07 ID:0YL9Uv0OTE
お疲れ様でしたぁ。゚( ゚´∇`゚)゚。
これでもう本当の完結かぁ
寂しくなるね
153: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 15:17:49 ID:gxDSHASFOs
>>151
ありがとうございます!
>>152
完結しましたー、大変でしたけど楽しかったです
二人の会話は書いてて楽しかったので自分も寂しくなります…
154: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 21:22:49 ID:w8/WNNkvZY
今までお疲れさまでした! いつも楽しみにしていたのに残念です・・・。 そして乙でした!!
155: 名無しさん@読者の声:2011/12/31(土) 00:28:27 ID:df/De3TGVs
>>154
楽しみにしててくれて嬉しいです…
いえいえ、こちらこそ読んで頂きありがとうございました!
156: 名無しさん@読者の声:2012/1/1(日) 04:46:24 ID:KYav5sRe9I
お疲れ様でした!
いやー…読んでて楽しかった
157: 名無しさん@読者の声:2012/1/2(月) 00:00:46 ID:WaxinZxJMc
>>156
そう言っていただけると嬉しいです!
158: 名無しさん@読者の声:2012/1/2(月) 01:57:37 ID:XQInfNlUFc
読解力ない自分に愛の手を…よければ教えてください
どうしてセンセは生首になっちゃったの?
159: 名無しさん@読者の声:2012/1/2(月) 13:01:13 ID:ybRiD2Xm4Q
>>158
うーん、なんと言うか…難しいですね(´・ω・`)
そこは想像でなんとか!
160: 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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