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出会う感情の名は、
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1: 1 ◆b.qRGRPvDc:2011/10/16(日) 19:19:06 ID:f4A63ChN1o
男「あれ?何してたんだっけ?…なんで此処に居たんだっけ?」

住宅街の路地にポツリと立つ青年。見たところ、学生のようだ。

辺りを見渡しても、まるで自分以外の人間が魔法にでも掛けられたかのように姿を見せない。

灰色に染まった空は雨を降らせてパタパタと音を立てながらアスファルトを濡らしていく。

男「うわ!財布の中身散乱してるし!お札が濡れる!」

散乱しているお金を慌てて掻き集め、乱暴に財布に押し込んだ。


94:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 21:19:46 ID:IYtf.Fifp2
男「……」

青年の指がめぐの頬を滑る。めぐはきっと背後のカーテンの向こう側、あの路地に現れるであろう人物を思っているのだろう。

もしも、待ち人が現れたら。

男「居なくなる…のか」

青年はベッドの脇に手を掛けて体を持ち上げる。ギシリと軋んだ音がやけに耳についた。
95:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 21:30:13 ID:IYtf.Fifp2
男「ん?」

立ち上がろうとした青年の服が何かに引っ掛かったように引き付けられた。

そちらに目線をやると、青年の服を掴むめぐの手があった。

男「電気消すだけだよ。って、あれは俺に言ってるわけじゃないわな」

青年は苦笑しながらそっとめぐの手を掴んだ。服から離そうと引っ張ってみるとめぐの手にグッと力が込められた。
96: もうすぐ100だ!
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 21:51:24 ID:CE5FKk9tr6
めぐ「おと、こ…」

男「え?はい?俺?」

一度だけ、めぐは確かに青年の名を呼んだ。

それに続く言葉はいくら待っても発される事はなかったが、青年は服を握り締めるめぐの手を離す事が出来なかった。
97:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 22:02:06 ID:CE5FKk9tr6
男「……めぐ、俺は―」

何かを言い掛けた青年だったが、続ける言葉が見当たらない。口に出してはいけないような気がして、それ以上は何も言えなかった。

そのままベッドの横に腰を下ろして、めぐの手に自身の手を重ねた。

男「おやすみ、めぐ」

めぐの寝息を子守唄に、青年も眠りに就いた。
98:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 22:33:59 ID:IYtf.Fifp2
男「――めぐ!」

青年の声がワンルームに響き渡る。めぐからの返事はない。

青年が目を覚ますとその肩には昨晩、自分が掛けてやった布団が掛かっていた。重ねた筈の手は解かれ、其処にめぐの姿はない。

開け放たれたベランダから入り込む風がカーテンを揺らしている。

男「まさか、な…」

青年の喉がゴクリと波打つ。震える手でカーテンを握り締めると、勢い良く開け放った。
99:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 22:59:50 ID:CE5FKk9tr6
男「……なんだ、居ないじゃん」

カーテンの向こう側に広がる景色を見て、青年は安堵の息を洩らした。

ベランダから見える景色は相変わらず灰色の空と、降りしきる雨のみだった。昨日見た景色と何も変わっていない。当然、あの路地にも人は見当たらなかった。

男(何処行ったんだよ、あいつ)
100: 祝!100レス目!
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 23:19:45 ID:CE5FKk9tr6
思考を巡らせても、めぐの行き先の検討がつかない。青年の中にあるめぐの情報は、どれも行き先を示すものではなかった。

男「……俺、めぐの事何も知らないじゃん」

はあ、と溜息一つ、頭を抱えて項垂れた。しんと静まり返る部屋の中、喪失感に苛まれる。

男「様子、おかしかったもんな…昨日……昨日?」

青年ははっと顔を上げると立ち上がった。

男「そうだ!昨日のあの子なら!」
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