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出会う感情の名は、
[8] -25 -50 

1:🎏 1 ◆b.qRGRPvDc:2011/10/16(日) 19:19:06 ID:f4A63ChN1o
男「あれ?何してたんだっけ?…なんで此処に居たんだっけ?」

住宅街の路地にポツリと立つ青年。見たところ、学生のようだ。

辺りを見渡しても、まるで自分以外の人間が魔法にでも掛けられたかのように姿を見せない。

灰色に染まった空は雨を降らせてパタパタと音を立てながらアスファルトを濡らしていく。

男「うわ!財布の中身散乱してるし!お札が濡れる!」

散乱しているお金を慌てて掻き集め、乱暴に財布に押し込んだ。


91:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/31(月) 23:40:32 ID:JO97BXhrO.
めぐ…(´;ω;)っCCC
92:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 02:01:27 ID:DupF7GDfog
めぐぅう…(ρ_;)
全力で支援!
93:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 21:10:53 ID:IYtf.Fifp2
>>91-92
支援ありがとうございます。
あー嬉しい(´;ω;`)


めぐ「しえんありがとー!」

少女「馬鹿の一つ覚えだね」フン

めぐ「むー。じゃあお手本見せて!」

少女「…初めまして、今晩は。この度はこのような稚拙な物語にご支援下さってありがとうございます。登場人物を代表して心よりお礼を申し上げry」←早口

めぐ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」アワアワ
94:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 21:19:46 ID:IYtf.Fifp2
男「……」

青年の指がめぐの頬を滑る。めぐはきっと背後のカーテンの向こう側、あの路地に現れるであろう人物を思っているのだろう。

もしも、待ち人が現れたら。

男「居なくなる…のか」

青年はベッドの脇に手を掛けて体を持ち上げる。ギシリと軋んだ音がやけに耳についた。
95:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 21:30:13 ID:IYtf.Fifp2
男「ん?」

立ち上がろうとした青年の服が何かに引っ掛かったように引き付けられた。

そちらに目線をやると、青年の服を掴むめぐの手があった。

男「電気消すだけだよ。って、あれは俺に言ってるわけじゃないわな」

青年は苦笑しながらそっとめぐの手を掴んだ。服から離そうと引っ張ってみるとめぐの手にグッと力が込められた。
96:🎏 もうすぐ100だ!
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 21:51:24 ID:CE5FKk9tr6
めぐ「おと、こ…」

男「え?はい?俺?」

一度だけ、めぐは確かに青年の名を呼んだ。

それに続く言葉はいくら待っても発される事はなかったが、青年は服を握り締めるめぐの手を離す事が出来なかった。
97:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 22:02:06 ID:CE5FKk9tr6
男「……めぐ、俺は―」

何かを言い掛けた青年だったが、続ける言葉が見当たらない。口に出してはいけないような気がして、それ以上は何も言えなかった。

そのままベッドの横に腰を下ろして、めぐの手に自身の手を重ねた。

男「おやすみ、めぐ」

めぐの寝息を子守唄に、青年も眠りに就いた。
98:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 22:33:59 ID:IYtf.Fifp2
男「――めぐ!」

青年の声がワンルームに響き渡る。めぐからの返事はない。

青年が目を覚ますとその肩には昨晩、自分が掛けてやった布団が掛かっていた。重ねた筈の手は解かれ、其処にめぐの姿はない。

開け放たれたベランダから入り込む風がカーテンを揺らしている。

男「まさか、な…」

青年の喉がゴクリと波打つ。震える手でカーテンを握り締めると、勢い良く開け放った。
99:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 22:59:50 ID:CE5FKk9tr6
男「……なんだ、居ないじゃん」

カーテンの向こう側に広がる景色を見て、青年は安堵の息を洩らした。

ベランダから見える景色は相変わらず灰色の空と、降りしきる雨のみだった。昨日見た景色と何も変わっていない。当然、あの路地にも人は見当たらなかった。

男(何処行ったんだよ、あいつ)
100:🎏 祝!100レス目!
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 23:19:45 ID:CE5FKk9tr6
思考を巡らせても、めぐの行き先の検討がつかない。青年の中にあるめぐの情報は、どれも行き先を示すものではなかった。

男「……俺、めぐの事何も知らないじゃん」

はあ、と溜息一つ、頭を抱えて項垂れた。しんと静まり返る部屋の中、喪失感に苛まれる。

男「様子、おかしかったもんな…昨日……昨日?」

青年ははっと顔を上げると立ち上がった。

男「そうだ!昨日のあの子なら!」
101:🎏 ◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 23:27:27 ID:CE5FKk9tr6
今日の更新は此処までとさせて頂きます。

支援して下さった方、このスレを開いて下さった方、読んで下さっている方、本当にありがとうございます!お陰さまで100まで続きました!

だらだらと続いていますが、もう少しお付き合い下さいませ(´・ω・`)
102:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 23:37:12 ID:JLU0toeGlQ
めぐは俺の嫁!!
つCCCCC
103:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 23:38:24 ID:emIXT3i.Lo
じゃあ少女は俺が貰ってくよ

C
104:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 08:15:16 ID:R4AFrbnJ1A
熱烈支援(`・ω・´)っC
105:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/2(水) 18:28:36 ID:4LZl.mGheA
>>102
めぐ「おれのよめー!」
男「嫁…だと…?だが断る!!」
少女「めぐは君の嫁でもないし拒否権は君にはないけど?」
男「」
少女「泣かないでよ気持ち悪い」


>>103
少女「趣味が悪いね」
男「顔が赤いぞ?」ニヤニヤ
めぐ「赤いぞー!」
少女「君達うるさいよ。消えたいの?」ピキピキ
男&めぐ「」
少女「…一応、礼は言っておくよ」
男(こいつ、ツンデレか…!!)


>>104
男「支援ありがとう!ところで、君は俺を嫁にm「いらないでしょ」
少女「需要ないんだよ、君」
男「辛すぎる!誰か俺を好きになって!!」



支援ありがとうございます!本当に励みになります(´;∀;`)

また後で投下しにきます。
106:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/2(水) 22:41:04 ID:VDnJeC4e6A
雨の中、傘も持たずに青年は家を飛び出した。階段を駈け降り、少女の居た場所へと向かう。

踏み締めたアスファルトからパシャパシャと水しぶきが上がる。
ズボンの裾が濡れる事も構わず、青年は走った。

男「…居ない」

肩で息をしながら辺りを見回したが、少女の姿は疎か、人の気配すらない。
相変わらず人気のない路地で一人、へなへなとその場にしゃがみこんで頭を掻き毟った。

男「あー、もう!何処に居るんだよ幽霊さんも、めぐも!」
107:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/2(水) 23:02:17 ID:VDnJeC4e6A
少女「めぐは此処には居ないよ」

男「ぎゃーっ!」

突然聞こえた背後からの声に、青年は体を跳ねさせた。
恐る恐る振り返ると、耳を押さえた少女が眉を寄せながら青年を見下ろしていた。少女は昨日と何ら変わりない格好で其処に居た。

少女「うるさいよ」

男「す、すみません幽霊さん…」

少女「本当に幽霊って呼ぶんだね」

男「じゃあ、女の子だから霊子さん」

少女はげんなりとした表情で頭を押さえた。
108:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/2(水) 23:24:58 ID:VDnJeC4e6A
少女「で?」

少女は首を傾げて青年に話の先を促した。

少女「私に何か用?」

男「あ、はい。その、めぐの事なんですけど…」

ああ、と頷いて少女は踵を返した。スカートの裾がふわりと風に揺れる。

少女「彼女の事なら知らないよ。第一、私から逃げたんだから知るわけがないでしょ」

ひらひらと手を振りながらその場から離れて行く少女を、青年は追い掛けた。

男「待ってくれよ!あいつ“居なくならないで”って言ったんだよ。だったら、居なくなるのはあいつじゃないだろ?」
109:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/2(水) 23:57:28 ID:VDnJeC4e6A
少女は足を止めて青年に向き直った。

少女「じゃあ、居なくなるのは誰なのさ」

男「それは……誰だ?」

相変わらずの仏頂面で青年を見上げて溜息を吐く。その動作は至極面倒そうなもので、青年はたじろいだ。

少女「…君は鈍いのか鋭いのかどっちなんだい」

男「へ?」

少女「“めぐ”を一番知っているのは君だと思うけど。それに、私が知る限りは彼女は此処と君の家しか知らない筈だよ」

男「此処と、俺の家…?」
110:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/3(木) 00:17:50 ID:VDnJeC4e6A
青年が気が付いた時にはもう少女の姿は何処にも見当たらなかった。呆然と立ち尽くす青年に、雨は降り注ぎ続ける。

青年のズボンはすっかり色が変わってしまっていた。

男「霊子さんが知らなくて俺とめぐは知ってる場所…?」

青年はぼんやりと路地を見つめる。雨具姿のめぐが楽しそうにくるくると回る姿が見えた気がした。

男「一つしかない、か」
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