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出会う感情の名は、
[8] -25 -50 

1:🎏 1 ◆b.qRGRPvDc:2011/10/16(日) 19:19:06 ID:f4A63ChN1o
男「あれ?何してたんだっけ?…なんで此処に居たんだっけ?」

住宅街の路地にポツリと立つ青年。見たところ、学生のようだ。

辺りを見渡しても、まるで自分以外の人間が魔法にでも掛けられたかのように姿を見せない。

灰色に染まった空は雨を降らせてパタパタと音を立てながらアスファルトを濡らしていく。

男「うわ!財布の中身散乱してるし!お札が濡れる!」

散乱しているお金を慌てて掻き集め、乱暴に財布に押し込んだ。


82:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 23:10:03 ID:sRkUVeeHaQ
つC

ハッピーエンドなんだよな…?めぐにはどうか幸せになってほしい!
83:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/10/30(日) 21:20:37 ID:GF3XScfD5.
>>82
めぐ「しえんありがとー!」

男「ちゃんとお礼が言えるようになりましたよ!」ドヤ

少女「なに当り前の事でドヤ顔してんの。消えたいの?」

男&めぐ「」



めぐにとっての幸せは「現状のまま」男と過ごす事なので、幸せという点ではどうなんでしょう。私にも分からないのです(´・ω・`)

すみません、あまり喋りすぎるのもよくないですねwハッピーエンドのつもりなので見守ってやって下さい!
84:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/10/30(日) 21:28:50 ID:GF3XScfD5.
男「おわっ!?」

少女「…っ…ちょっと!」

青年の声に弾かれるようにして、めぐは地面を蹴った。青年の腕を掴み、まるで逃げるように駆け出す。

状況が掴めないまま、もたつく足で青年も走った。

少女「もう時間がないんだよ?本当は自分でも気付いているんでしょう!?」

走り去る二人に向けて少女は叫んだ。段々と小さくなっていく二人の後ろ姿を見ながら小さく舌打ちをする。

少女「…馬鹿だね、本当に」

少女は降り続ける雨に掌をかざして灰色の空を仰いだ。

少女「君達が見ている世界はこんなにも寂しいのに…」
85:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/10/30(日) 21:45:11 ID:GF3XScfD5.

――‐‥


男「…っちょ、めぐっ!どうしたんだよ…!!」

青年はめぐに引かれるままに走っていた。めぐの足は青年のマンションへと真っ直ぐに向かい、階段を上りはじめる。

五階建てと言えど階段を駆け上がるのは存外辛いもので、青年はすぐにヒィヒィと息を切らせた。

男「め、めぐちゃ…お兄ちゃん疲れちゃっ……うぉお!?」

玄関のドアを開けてすぐに青年の視界は反転した。
めぐの体重で胸が圧迫されている。首の後ろに手を回して、ギュッと青年にしがみ付いた。

男(どうしよう…息苦しすぎてオェッて言っちゃいそうだなんて言えないんだぜ…)
86:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/10/30(日) 21:59:28 ID:m.R0NSndc6
男「おーい、何とか言ってくれよぉー…」

どのくらいこうしているのだろうか。依然として二人は同じ体制のままでいた。青年の呼吸はもう十分整っている。

何も言わずにただしがみ付くだけのめぐに、青年は逐一質問を投げ掛けた。

あの少女は誰か、あの少女とめぐの関係は何か、何故あの少女はめぐの名前を知っていたのか、少女の言葉の意味は、何故逃げたのか、何を隠しているのか―。

そのどれもにめぐは答える事はなく、固く口を結んで青年の首元に顔を埋めていた。
困り果てた青年はただめぐの頭をポンポンと叩きながら彼女の反応を待つのみだった。
87:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/10/31(月) 20:52:20 ID:KtFJ47OitU
男「―‥という訳で俺の初恋は終了したわけだ。甘酸っぱいよなー…って、あれ?」

独り言のように思い出話をしていた青年は、めぐの息遣いの変化に気付いた。
先程までとは違って随分と深く呼吸をしている。首元に回された腕の力も弱まっているように思えた。

男「………寝てやがる!聞いてよ俺の初恋話!」

凡そ一定のリズムを保ってめぐの肩が上下する。
青年が体を起こすと、めぐはずるずると滑り落ちた。
88:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/10/31(月) 21:05:19 ID:7TQFjl8JpQ
男「大した事してないのに汗掻いた…」

めぐに布団を掛けて青年は呟いた。額にはじんわりと汗が滲んでいる。

いくら雨具とはいえ、寝ている間に着ているものを脱がせるという行為は青年にとっては苦悶する事だった。

後ろめたい気持ちを振り払うように、青年は自分の頭にシャワーを浴びせた。
89:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/10/31(月) 21:27:33 ID:7TQFjl8JpQ
男「ふぃー、気持ち良かった」

暖まった青年の頬は赤みを帯びている。満足気に顔を綻ばせながらその頬を両手で二度叩いた。

ベットに目をやると昨夜のように寝息を立てているめぐの姿があった。その寝顔を見つめる青年の目は慈愛に満ちているようだった。

青年の手がめぐの髪にそっと触れた時、めぐの唇が微かに動いた。

めぐ「……ぃ……で…」

男「ん…?」
90:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/10/31(月) 22:01:08 ID:KtFJ47OitU
めぐ「ごめ…なさ……居なくならないで…」

男「めぐ…?」

めぐの頬には涙が伝い、擦れた声で何度も同じ言葉を繰り返している。

青年の指先がめぐの涙に触れる。
親指を滑らせて涙を拭ってやると、めぐはまた寝息を立て始めた。
91:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/31(月) 23:40:32 ID:JO97BXhrO.
めぐ…(´;ω;)っCCC
92:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 02:01:27 ID:DupF7GDfog
めぐぅう…(ρ_;)
全力で支援!
93:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 21:10:53 ID:IYtf.Fifp2
>>91-92
支援ありがとうございます。
あー嬉しい(´;ω;`)


めぐ「しえんありがとー!」

少女「馬鹿の一つ覚えだね」フン

めぐ「むー。じゃあお手本見せて!」

少女「…初めまして、今晩は。この度はこのような稚拙な物語にご支援下さってありがとうございます。登場人物を代表して心よりお礼を申し上げry」←早口

めぐ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」アワアワ
94:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 21:19:46 ID:IYtf.Fifp2
男「……」

青年の指がめぐの頬を滑る。めぐはきっと背後のカーテンの向こう側、あの路地に現れるであろう人物を思っているのだろう。

もしも、待ち人が現れたら。

男「居なくなる…のか」

青年はベッドの脇に手を掛けて体を持ち上げる。ギシリと軋んだ音がやけに耳についた。
95:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 21:30:13 ID:IYtf.Fifp2
男「ん?」

立ち上がろうとした青年の服が何かに引っ掛かったように引き付けられた。

そちらに目線をやると、青年の服を掴むめぐの手があった。

男「電気消すだけだよ。って、あれは俺に言ってるわけじゃないわな」

青年は苦笑しながらそっとめぐの手を掴んだ。服から離そうと引っ張ってみるとめぐの手にグッと力が込められた。
96:🎏 もうすぐ100だ!
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 21:51:24 ID:CE5FKk9tr6
めぐ「おと、こ…」

男「え?はい?俺?」

一度だけ、めぐは確かに青年の名を呼んだ。

それに続く言葉はいくら待っても発される事はなかったが、青年は服を握り締めるめぐの手を離す事が出来なかった。
97:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 22:02:06 ID:CE5FKk9tr6
男「……めぐ、俺は―」

何かを言い掛けた青年だったが、続ける言葉が見当たらない。口に出してはいけないような気がして、それ以上は何も言えなかった。

そのままベッドの横に腰を下ろして、めぐの手に自身の手を重ねた。

男「おやすみ、めぐ」

めぐの寝息を子守唄に、青年も眠りに就いた。
98:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 22:33:59 ID:IYtf.Fifp2
男「――めぐ!」

青年の声がワンルームに響き渡る。めぐからの返事はない。

青年が目を覚ますとその肩には昨晩、自分が掛けてやった布団が掛かっていた。重ねた筈の手は解かれ、其処にめぐの姿はない。

開け放たれたベランダから入り込む風がカーテンを揺らしている。

男「まさか、な…」

青年の喉がゴクリと波打つ。震える手でカーテンを握り締めると、勢い良く開け放った。
99:🎏
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 22:59:50 ID:CE5FKk9tr6
男「……なんだ、居ないじゃん」

カーテンの向こう側に広がる景色を見て、青年は安堵の息を洩らした。

ベランダから見える景色は相変わらず灰色の空と、降りしきる雨のみだった。昨日見た景色と何も変わっていない。当然、あの路地にも人は見当たらなかった。

男(何処行ったんだよ、あいつ)
100:🎏 祝!100レス目!
◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 23:19:45 ID:CE5FKk9tr6
思考を巡らせても、めぐの行き先の検討がつかない。青年の中にあるめぐの情報は、どれも行き先を示すものではなかった。

男「……俺、めぐの事何も知らないじゃん」

はあ、と溜息一つ、頭を抱えて項垂れた。しんと静まり返る部屋の中、喪失感に苛まれる。

男「様子、おかしかったもんな…昨日……昨日?」

青年ははっと顔を上げると立ち上がった。

男「そうだ!昨日のあの子なら!」
101:🎏 ◆b.qRGRPvDc:2011/11/1(火) 23:27:27 ID:CE5FKk9tr6
今日の更新は此処までとさせて頂きます。

支援して下さった方、このスレを開いて下さった方、読んで下さっている方、本当にありがとうございます!お陰さまで100まで続きました!

だらだらと続いていますが、もう少しお付き合い下さいませ(´・ω・`)
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