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出会う感情の名は、
[8] -25 -50 

1: 1 ◆b.qRGRPvDc:2011/10/16(日) 19:19:06 ID:f4A63ChN1o
男「あれ?何してたんだっけ?…なんで此処に居たんだっけ?」

住宅街の路地にポツリと立つ青年。見たところ、学生のようだ。

辺りを見渡しても、まるで自分以外の人間が魔法にでも掛けられたかのように姿を見せない。

灰色に染まった空は雨を降らせてパタパタと音を立てながらアスファルトを濡らしていく。

男「うわ!財布の中身散乱してるし!お札が濡れる!」

散乱しているお金を慌てて掻き集め、乱暴に財布に押し込んだ。


494:
◆b.qRGRPvDc:2012/1/2(月) 20:02:54 ID:Iihr5bPMRg
短いですが、今回は此処までとさせて頂きます。

親戚の集まりで従妹が離してくれません…(´・ω・`)
495: 名無しさん@読者の声:2012/1/4(水) 16:51:13 ID:UjCotXF3.6
1さんあけましておめでとう!このSSのキャラ全員に私の愛を!!

っCCCCC
496:
◆b.qRGRPvDc:2012/1/4(水) 21:08:56 ID:l.vCnJsXL6
>>495
明けましておめでとうございます。今年初の支援、ありがとうございます!嬉しいです(*´・ω・`*)

もう少しで終わってしまいますが、登場人物共々今年も宜しくお願い致します!

めぐ「あけめでー!」

元祖男「それを言うならあけおめです」

ノエル「495さんが全員にと言ってくれたからね」

弟「まさかの全員集合だよ」

母「私もいいのかしら///」

女「いいのいいの!全員なんだから!」

男「意外と少ないもんだね」

めぐ「じゃあ皆でいくよー!せーのっ」

全員「今年もよろしくー!」

⊃愛⊂ ギュッ
497: 番外編
◆b.qRGRPvDc:2012/1/4(水) 21:22:18 ID:DJX01rDP6M

ノエル「…やあ、久しぶりだね」

弟の前に立っているのは、紛れもなくノエルだった。艶々と眩しく光る黒髪に、語り掛けるような黒目がちな瞳。そのどれもが弟にはいとおしく、とても苦しい。

ノエル「いつかこんな日が来るんじゃないかと、ずっと思っていたよ」

ノエルの瞳が、ゆらゆらと揺れる。

ノエル「もう、君とはお別れだ」


498: 番外編
◆b.qRGRPvDc:2012/1/4(水) 21:53:04 ID:6umHgByXfw

弟「これは夢、なんだよね?僕はまた夢を見てるんだよね?」

顔を歪めながら、弟がノエルに問う。──そうだと言ってほしい。そうでなければ彼女は一体、何者だというのだろう。

僅かに唇を震わせたノエルから、表情が消える。弟の願いも虚しく、その首は左右にふるふると揺れた。

ノエル「……夢じゃないよ。悪いけど、もう時間がないんだ」


499: 番外編
◆b.qRGRPvDc:2012/1/4(水) 22:47:23 ID:IZ/YJxW.FM

弟「ノエルは、猫なの?」

弟は、おずおずとノエルを見ながら言った。足元から髪の先まで、先程までの黒猫の面影は、今のノエルには感じられない。

ぷっ、とノエルが笑った。きょとんと首を傾げる弟が、やけに幼く見える。

ノエル「緊迫感というものを知らないのかい、君は」

恥ずかしさから、弟が顔を真っ赤にして取り乱した。

弟「だ、だって!だって、目の前で、ノエルが…」


500: 祝!500レス!
◆b.qRGRPvDc:2012/1/4(水) 23:19:07 ID:jsJ4QOAmCk

愛らしく染まる頬に、ノエルは顔が綻ぶ思いがした。じわりと暖かくなる、胸の辺りが擽ったい。
久しぶりに感じる温もりに、ノエルの胸は締め付けられる。

ノエル「そうだね…“あれ”も私だよ」

だけど。そう言って、ノエルの表情が陰った。伏せられた睫毛が寂しげに揺れる。

ノエル「私は……存在してはいけないものだから」


501: 番外編
◆b.qRGRPvDc:2012/1/4(水) 23:55:31 ID:Hwuqpvf2x2

消え入りそうな声で紡いだ言葉は、弟の心臓を激しく脈打たせた。

弟「どういう、意味…」

ノエル「前に、めぐの事を一度話したね。彼女も私と同じ、存在してはいけないものだったんだよ」

弟「待ってよ。めぐとはまた会えるって、ノエル言ってたじゃないか。意味が分からないよ。だって、ノエルは存在してる」

弟の揺れる瞳の中に、ノエルは自身の姿を見た。丸い瞳の中に、確かに捕えられている。
まだあどけなさの残る弟の顔が、柔らかく、しかし切なげに微笑んだ。


502: 番外編
◆b.qRGRPvDc:2012/1/5(木) 00:18:32 ID:Iq5y0MHOi2

弟「ほら、存在してるよ」

ノエルの手を、弟の両手が優しく包み込んだ。初めて触れ合う肌の感触に、ノエルの胸の底から、じわりじわりと何かが込み上げてくる。

ノエル「本当に君は、あの子と同じような事を言う」

自分というものが何かを知れば、弟は何と思うのだろうか。ノエルの手が弟の温もりから、するりと離れる。弟の目を見る事も出来ない。

ノエル「君の大切なものを、奪ってしまう私を許しておくれ……」


503:
◆b.qRGRPvDc:2012/1/5(木) 00:27:27 ID:WXjkvrjhD.
今回は此処までとさせて頂きます。

以前、最後の締め方を悩んでいると雑談スレで話していたのを見て下さった方、或いは覚えて下さっている方はおられるでしょうか?
実は、展開は決まっているのですが、物語の締め方が頭に二つありまして。まだ悩んでいる私です。

そこで、雑談スレでもあったように皆さんのお力をお借りしようかと…(´・ω・`)
>>505(ゴーゴー!)の安価を踏んだ方に、「1,最初に思い付いた締め方」か、「2,後に思い付いた締め方」かを決めて頂きたいと思います。

他人任せにすんな!という喝を入れて下さっても構いません。宜しくお願い致します…!
504: 名無しさん@読者の声:2012/1/5(木) 07:54:48 ID:R/pXqWMDcs
ゴーゴワロタw
ハッピーエンドで頼む!

超支援そして加速(`・ω・´)
505: 名無しさん@読者の声:2012/1/5(木) 21:04:25 ID:2sJHKm0DGg
ハッピーエンド願い高らかと2を表明する
506: 名無しさん@読者の声:2012/1/6(金) 07:50:50 ID:dQzi.35icA
ハッピーエンド!ハッピーエンド!
ノエルは幸せにならないと駄目なんだからね(´;Д;)っCCC
507:
◆b.qRGRPvDc:2012/1/6(金) 18:30:44 ID:jsJ4QOAmCk
>>504
支援と加速、ありがとうございます!しかし掲示板に入れない時間が何時間も続くという…(´ω`;)
優柔不断な私のお尻を叩いて頂く、というのも含めて無理矢理な語呂合わせで行きました!笑って頂けて光栄です(笑)


>>505
ありがとうございます!ありがとうございます!正直、誰も安価踏んでくれなかったらどうしようかと不安になったりしていたので、凄く嬉しいです(*´・ω・`*)
私としてはハッピーエンドのつもりなのですが、505さんの納得のいく終わらせ方が出来るかどうか…高らかに2でゴーゴー!


>>506
支援ありがとうございます!
ノエルの幸せを願って頂ける事が、既に幸せだと思っています。幸せな奴です、ノエルめ(`・ω・´)
上でも言った通り、ハッピーエンドのつもりです。が、皆さんにとってもハッピーエンドだと思って頂けるといいな…(*´・ω・`*)
508: 名無しさん@読者の声:2012/1/6(金) 18:53:26 ID:xhhM9QiWvs
支援!
弟もお姉ちゃんも幸せになってほしい!
509:
◆b.qRGRPvDc:2012/1/7(土) 15:42:46 ID:GLdkpQmdpQ
>>508
支援ありがとうございます!
姉弟の幸せを願って下さる方がいらっしゃるとは…感無量です。皆それぞれ、今となっては愛着が沸いてしまいました。
皆さんがこうして各々の幸せを願って下さり、少しでも後味のいい終わらせ方をしたいと考えた結果、>>503に至ったわけであります(`・ω・´)

もう、本当に本当にありがとうございます!書いててよかった…!構成も練り直したので、ラストに向かってゴーゴーあるのみ!

それでは、長くなってしまいましたが>>502の続きです。
510: 番外編
◆b.qRGRPvDc:2012/1/7(土) 15:48:40 ID:GLdkpQmdpQ

弟「それって、姉ちゃんの事?」

どうして、とノエルの瞳は大きく揺れた。何かを悟ったような弟の表情は、先程までの幼さは感じられない。

弟「夢で見たんだ。ノエルが姉ちゃんを連れて行く夢……ノエルは一体、何なの?姉ちゃんを何処へ連れて行くの?」

弟の瞳に悲しみの色が宿る。ああ、もう駄目だとノエルの眉が下がった。

やはり、関わってはいけなかったのだ。幼い少年を巻き込むには、あまりに酷な話だ。何故、彼と出会ってしまったのだろう。
──何故、こんなにも胸が苦しいのだろう。

ノエル「…もう、君に隠す必要はないね」


511: 番外編
◆b.qRGRPvDc:2012/1/7(土) 16:04:45 ID:GLdkpQmdpQ

震える喉を堪えながら、ノエルは重い口を開いた。自分というものの在り方、その存在の意味。
まだ子供の弟に理解が出来るとは到底思えなかったが、それでもノエルは語り続けた。

めぐのように、誰かの心に刻み込む事ができるのなら。
それが許されるのならば、私は──

弟はもう、以前のように笑い掛けてはくれないのだろう。それでも、ノエルに立ち止まる事は許されない。
胸の内を吐き出す度に、支えていた何かが軽くなるのを感じた。喪失感にも似たそれは、ノエルの心を軽くすると共に大きな風穴を開けてゆく。


512: 番外編
◆b.qRGRPvDc:2012/1/7(土) 16:36:05 ID:2BGOPg1qkI

ノエル「──これで分かったろう。私達は関わるべきでは、なかったんだ」

今更嘆いても、もう遅い。頭を垂らすノエルの鈴が、チリリと小さく音を鳴らした。

ノエル「君と共に在りたいだなんて、願ってはいけなかった。私は君とは違う。それなのに…」

ノエルが背負った罪は、こんなにも重くて辛い。解放される事を望んでも、救いの手は未だ差し伸べられる事はなかった。


513: 番外編
◆b.qRGRPvDc:2012/1/7(土) 16:53:24 ID:2BGOPg1qkI

ひとしきり黙って話を聞いていた弟が口を開いた。

弟「何だかノエル、天使みたいだね。それとも死神?僕、そういうの見た事ないんだけど、浮いたりしないんだね」

無邪気に笑いながら言う弟に、ノエルは呆気にとられた。
いや、これが普通の反応なのかもしれない。こんな馬鹿げた与太話のようなものを、理解出来たとて信じる方がどうかしている。
しかし、弟のその笑顔はノエルの胸をきつくきつく締め付けた。


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