男「あれ?何してたんだっけ?…なんで此処に居たんだっけ?」
住宅街の路地にポツリと立つ青年。見たところ、学生のようだ。
辺りを見渡しても、まるで自分以外の人間が魔法にでも掛けられたかのように姿を見せない。
灰色に染まった空は雨を降らせてパタパタと音を立てながらアスファルトを濡らしていく。
男「うわ!財布の中身散乱してるし!お札が濡れる!」
散乱しているお金を慌てて掻き集め、乱暴に財布に押し込んだ。
220: ◆b.qRGRPvDc:2011/11/18(金) 22:15:23 ID:r517UsUXT6
男「黙ってるのも辛かったよな、ごめんな」
めぐは左右に首を振った。
めぐ「違う、ボクがいけなかったんだ」
ギュッ、とめぐの手に力が入る。
自分を見つめる青年の目が優しすぎて、それが余計に胸を締め付ける。青年の優しさは今のめぐにとってはとても辛いものだった。
めぐ「…男と、一緒に居たかったの。男に居なくならないでほしかったの。ボクの心の中に、閉じ込めていたかったの。ボクがいけなか…ッ……」
めぐは言葉が体の衝撃に遮られた。青年の体温がめぐを包み込んでいる。
気が付けば、青年の腕の中にめぐは居た。
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