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出会う感情の名は、
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1: 1 ◆b.qRGRPvDc:2011/10/16(日) 19:19:06 ID:f4A63ChN1o
男「あれ?何してたんだっけ?…なんで此処に居たんだっけ?」

住宅街の路地にポツリと立つ青年。見たところ、学生のようだ。

辺りを見渡しても、まるで自分以外の人間が魔法にでも掛けられたかのように姿を見せない。

灰色に染まった空は雨を降らせてパタパタと音を立てながらアスファルトを濡らしていく。

男「うわ!財布の中身散乱してるし!お札が濡れる!」

散乱しているお金を慌てて掻き集め、乱暴に財布に押し込んだ。


135:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/6(日) 23:18:44 ID:dhwnfalxmU
客人だからとめぐにベッドを譲っていた青年だったが、何度別に寝ても青年が目を覚ますとめぐは青年に寄り添うように眠っていた。
何の為に固い床で我慢しているのか―そんな疑問は二人でベッドで眠るという選択で容易に解決した。

“そういう関係”でないのは分かっているが、だからこそあまり密着するのも憚られる。青年はいつも気を遣ってベッドの脇に寄っていた。

しかし、この状況は青年にとってもあんまりだった。

男「……めぐちゃん。そんなに寄って来られたら落ちちゃうんですけど、俺」

ベッドに横になる青年に、めぐはぴったりと密着していた。
136:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/6(日) 23:42:36 ID:dhwnfalxmU
めぐ「…男、あのね」

男「ん?」

布が擦れる音がする。暗闇の中でめぐはうつ伏せの態勢を取った。

めぐ「“トモダオレ”ってどういう意味?」

男「読んで字の如く、だな。共に倒れる事だよ。助け合ったりした結果、二人共駄目になっちゃうって感じかな」

めぐ「二人共…」

男「うん。それがどうかした?」

青年はチラリと横目でめぐを見た。表情までは見えないが、小さな頭を枕に埋めている姿がぼんやりと見えた。
137:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/7(月) 00:11:13 ID:dhwnfalxmU
男「めぐ?何かあったのか?」

めぐ「な、何でもない!」

青年の声と同時にめぐははっと顔を上げた。慌てて仰向けに態勢を変えると、顔だけを青年に向けて笑った。

めぐ「おやすみなさい、男」

男「…ん。おやすみ、めぐ」
138:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/7(月) 00:14:37 ID:dhwnfalxmU
もう少し投下したかったのですが寝てしまいそうなのでこれにて終了とさせて頂きます!

読者スレで此処の名前が出ているのを発見してニヤニヤが止まらない1です。幸せな気持ちのまま眠りに就きたいと思います(*´∀`*)

支援して下さった方、ありがとうございます!おやすみなさい
139: 名無しさん@読者の声:2011/11/7(月) 01:18:37 ID:/c1i8FH/0g
めぐどうしたぁぁぁ(;ω;)っC

勝手にSS絵スレでリクエストしてしまったけどよかったかなぁ…勝手な事してごめん!
140:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/7(月) 17:38:21 ID:e5rqslqDyc
>>139
支援ありがとうございます!
拝見させて頂きました。印象に残ったというのは私としては凄く嬉しいですよ!リクエストして頂けた事もとてもとても嬉しかったです(´ω`)
絵スレの1さんのご迷惑でなければ私からもお願いしたい程ですw139さんもよかったら…(チラッチラッ



めぐ「支援ありがとー!あのね、ボクね「セェェェイ!」
男「ネタバレ駄目絶対!!」
めぐ「…小せぇ男だな」ボソッ
男「…え?何?」
めぐ「ううん、何でもないよ」ニコ
141: ◆b.qRGRPvDc:2011/11/7(月) 17:41:18 ID:e5rqslqDyc
少し相談をば…

本編とは全く関係のないネタのようなものがあるんですが、本編を少し投下してネタを投下してもいいでしょうか?

さっさと本編終わらせんかい!
という意見がありましたら言ってやって下さい(`・ω・´)

また夜に投下しに来ます!
142:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/7(月) 21:06:02 ID:mqN6SPO.86
深く呼吸を繰り返す音が暗闇の中、一つ聞こえる。もう一人はどうやら眠っていないらしい。

布が擦れる音がして、小さな人影が起き上がった。

めぐ「……」

体を起こしためぐは黙って青年を見つめていた。視界がぼやけて青年の顔がよく見えない。

めぐは涙を流していた。
143:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/7(月) 21:22:28 ID:mqN6SPO.86
青年の髪に、瞼に、頬にと触れる。どれも暖かく、めぐにとって心地好いものだった。

めぐ「…っく、うぅ……」

静かにしなければ青年が目を覚ましてしまう、そう思ってはいるものの、溢れるものが止まらない。
しゃくり上げそうになるのを堪えて青年の頬をそっと撫でた。

めぐ「ご、めんね、ごめっ…男には、居なくならないでほしいから…」
144:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/7(月) 21:43:04 ID:mqN6SPO.86
めぐの両手が青年の頬を包み込む。小さな人影がゆっくりと動き、重なって行く。

めぐの唇がそっと青年の唇に触れた。

それは、とても短い口付けだった。

めぐ「…さようなら、男」

窓を開けて振り返る。青年は今だにすやすやと寝息を立てていた。

小さな人影がパタパタとはためくカーテンの向こう側に消える。外の雨はもう、小雨になっていた。
145:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/7(月) 22:12:35 ID:mqN6SPO.86
男「……はぁ…」

青年は一人、身を捩った。寝返りを打とうとした際に意識がはっきりとしてしまった。

目を閉じていても瞼からオレンジ色が映る。もう朝なのだろうか。どれくらい自分が眠っていたのかも分からないでいた。

夢を見た気がする。内容は覚えてはいないけれど、何だか寂しい気分になるのはその所為かもしれない。

目を開けなくても、青年には分かった。

男「なんでまた居なくなるんだよ、めぐ…」
146:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/7(月) 22:40:42 ID:e5rqslqDyc
手の甲を瞼に押しあてる。自然と口からは溜め息が洩れた。

『傍に居てはいけない』

『このままじゃ君も消える事になる』

少女の声が青年の脳内で谺する。黒目がちな瞳が青年を捕えた。

男「…っ!」

走馬灯のような映像が流れる。あの時のように青年の頭がズキン、ズキンと痛んだ。
147:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/7(月) 23:01:04 ID:e5rqslqDyc
砂嵐のようなものに交ざって人影が二つ、動いている。

『…本当に、送り届けないといけないのかな』

『傍に居たら、消えちゃうの…?』

ノイズ交じりに女の子の声が聞こえる。やがて砂嵐は無くなり、女の子の顔がはっきりと浮かんだ。

『…さようなら、男』

月明かりに浮かぶ黒猫と重なって見えた、一人の少女の姿。

それは紛れもなく、

男「……めぐ…なんで………」
148:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/7(月) 23:08:00 ID:e5rqslqDyc
今日は此処までとさせて頂きます。今週中に完結出来る、かな?

>>141のしょうもない発言は忘れて下さいw完結して需要があれば投下したいと思います(`・ω・´)

それから私信になりますが>>139さん!絵スレの1さんが素晴らしい絵を描いて下さいました!!
もう涙ちょちょ切れです。リクエストして下さってありがとうございました(´;ω;`)
149: 139:2011/11/8(火) 00:34:42 ID:lc8RQVBUOw
見ました!!あれはヤバイ泣ける(;ω;)

SSで泣いちゃったの初めてだったんだぜwwこちらこそ素晴らしいSSを書いてくれて有難う

今日の展開もヤバイっすw名無しに戻って期待してます!!っCCCCCCCC
150: 名無しさん@読者の声:2011/11/8(火) 23:48:55 ID:KjMJHnHQms
っC
151:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/9(水) 21:00:48 ID:xoGBRqKnAA
>>149
支援ありがとうございます!
こんな稚拙なもので涙して頂けたというだけで、私が泣いてしまいそうです(´;ω;`)

読んでくれてありがとうございます。期待に応えられるように全力で頑張ります!


>>150
支援ありがとうございます!
沢山あるSSの中でこのスレを開いて下さって、本当に(´;ω;`)



男「支援ありがとう!1も喜んでおる!」
少女「何だい、その喋り方は」
男「特に意味はないのである!」エッヘン
少女「だったら止めた方がいいよ。気持ち悪いから」
男「霊子さんって俺の扱い酷くない!?」
152:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/9(水) 21:03:09 ID:mYM8Ym1HnU
夢で見た不思議な光景、あの声はめぐのものだった。

同じ場所、あの路地に居た少女と黒猫は、雨の中同じ“誰か”を待っていたのだろうか。青年は頭を抱えて俯いた。

カーテンの向こうを見るのが怖い。何かを知るのが怖かった。

――それでも。

男「…何も知らないまま居なくなられるのは、もう嫌だ」
153:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/9(水) 21:21:29 ID:mYM8Ym1HnU
青年は震える手を抑えるようにぎゅっと握った。空気を吸い込むと、喉がヒュッと渇いた音を洩らす。

一度目を閉じて、ゆっくりと開く。

男「霊子さん、居るんだろ?」

シンと静まり返るワンルームを見渡して、

男「霊子さん!頼むよ!!」

少女「うるさい」

男「ヒッ…!!」

青年の背後に少女は居た。

二度目と言えど、青年の体は大きく跳ねる。声が出そうになるのを辛うじて堪えて、ゴクリと唾を飲み込んだ。
154:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/9(水) 21:44:05 ID:mYM8Ym1HnU
少女「あのねぇ…」

少女はポリポリと頭を掻きながら青年を見た。眉間には深々と皺が刻まれている。

少女「子飼いじゃあるまいし、呼べばすぐ来ると思わないでくれるかな。私にだってすべき事はあるんだから」

それと、と付け足して少女は自分の胸を叩く。

少女「私の呼び名!変な呼び名付けないでくれるかい?」

男「ごめんなさい、霊子さん」

シュンと肩を竦める青年から目を逸らして、やり場のない感情を舌打ちで弾いた。
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