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姫「結婚相手が男の娘だなんて」
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1: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 21:06:35 ID:qdMevyRfro

姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」

王子「ありがとうございます」

姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」

王子「は?」

姫「見せてみなさい」ガバッ

王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0


749:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:23:29 ID:WpDpWV85XM

第2王子「ボクは、葉が散ったら王子が一生目を覚まさないことに賭ける」

姫「!?」

第2王子「だから、お姫様は葉が散るまでに王子が目を覚ますことに賭けて」

姫「……」

姫「何で、そんなことしなくちゃいけないのよ」
750:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:25:52 ID:9uEahCTKxM

姫「そんな期限必要ないわ。葉が散ったって、王子はいつかちゃんと目覚める」

第2王子「そうやって、いつまで待つつもりなの?」

姫「え…」

第2王子「いつかきっと目を覚ましてくれる、こうやって毎日傍にいて話しかければ、いつか起きてくれる」

第2王子「……そういうの、夢みすぎじゃない?」

姫「…何ですって?」

第2王子「もっと現実みようよ」
751:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:28:32 ID:nky3KnsThQ

第2王子「起きる奴は起きるけど、寝てる奴は一生寝たままだよ」

姫「…!」

第2王子「だから、諦める期間を作ってあげようってわけ。葉が散るまでに王子が起きればいいけど、起きなかったら諦める」

姫「……諦めるって、何するのよ。まさか墓に入れろっての?」

第2王子「違うよ。王子を隣国にもどす」

姫「!」

第2王子「王子と本国の関係を断ち切るんだ。王子とお姫様は、サヨウナラ」
752:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:31:33 ID:T77F4lTOsc

姫「っ… ふざけないで!そんなことする必要がどこにあるのよ!」

姫「私は王子が起きるまで傍にいるわ!」

第2王子「……」

第2王子「…それって、王子は喜ぶのかなぁ」

姫「……え」

第2王子「お姫様が毎日毎日、寝てる王子のところへやって来て時間を過ごす」

第2王子「自分を幸せにしてくれると言った男も振って、そばにいようとする」

姫「……!」

第2王子「王子はそれを、喜ぶのかな?」
753:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:33:39 ID:uI2Wh2UJdg

姫「っ…」

第2王子「……ボク、間違ってないよね」

姫「……」

姫「……賭けは、」

第2王子「?」

姫「賭けは、私が勝ったら何があるの?」

第2王子「……そうだね、」

第2王子「お姫様が賭けに勝ったら、王子とお姫様の結婚式でスピーチ読んであげるよ」

姫「は!?」

第2王子「あと、子供の名前はボクがつけてあげる」
754:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:35:26 ID:AAS5HN/OAk

姫「……それ、私が賭けに勝つ意味あるのかしら。全然得してない気がするんだけど」

第2王子「別にいいじゃん。お姫様は王子が目を覚ましてくれさえすれば、もう他に望むものなんてないでしょ?」

姫「……」

第2王子「あ、ちなみにボクが賭けに勝った場合だけど」

第2王子「ボクが勝ったら、ボクと結婚してね」
755:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:36:58 ID:9uEahCTKxM

姫「はっ…」

姫「はあぁ!?」

第2王子「あ、勘違いしないでねー。ボク別に、お姫様のことが好きなわけじゃないから」

姫「じゃあ何で…!」

第2王子「あれ、こういう話きいてない?戦争が終わったけど、確実な和平を結ぶためにはやっぱり両国の姫と王子の結婚が必要だって話」

姫「…!?」

第2王子「兄さんは隣国の政治で手いっぱいだし、王子は寝てるし。ボクしかいないってわけ」
756: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 17:37:22 ID:7gpeoe13BM
初リアルタイム\(^O^)/

支援支援
っC
757:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:42:24 ID:VtaVdMdf4E

姫「じょ、冗談じゃないわ!」

第2王子「まぁまぁ。別にチラッと出ただけで、今はそんな予定は全くないし。ボクが頼み込んだりしない限り、実現しないだろうね」

第2王子「…それに、こういう賭けの方が、王子も目を覚ましやすいんじゃないかなぁって」

姫「!」

第2王子は静かに立ち上がると、ドアに手をかけた。


第2王子「──ボクとお姫様を結婚させたくないなら、起きるよ」

ニッコリと笑って、病室から出ていった。
758: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 19:52:19 ID:kU0.TrIKHA
ラストに向けて頑張って!!
支援CCCCCCC
759: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 22:45:44 ID:Stzh54P18g
第2王子め…
キザったらしいのは次男特有だな…

んで次男らしく的を射た発言…

王子頑張れ!!
っ支援

今回は>>1にはナシだ
っ梨
760: 梨もぐもぐ(^〜^)
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:07:05 ID:9u8vOEqdD6

───────


姫「……」

姫「何だかんだで第2王子に乗せられちゃったけど…」

窓の外にたたずむイチョウの木を眺める。

姫「……もう散り始めてるし…」

ヒラヒラと黄色い葉が風にそよがされて舞っている。

姫「……」

姫「…全部散るまで、2週間くらい…?」
761:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:09:55 ID:0YxcWEDMGI


───ただ淡々と、毎日が過ぎていく。


ロイは隔離治療室に入ったため、滅多なことがない限り会うことはなくなった。

第2王子は、あれから一度も王子の病室に来ていない。

廊下ですれ違っても軽く挨拶を交わす程度で、第2王子から話しかけてくることはほとんどなかった。

ただ、王子を隣国へ連れ帰りたいと王に掛け合っている光景を見たので、
葉が散るまでに王子が目覚めなかったら……という賭けは本気なのだろう。


そして、あっという間に2週間が過ぎた。
762:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:13:14 ID:etb2FfO1cY

姫「っと…」 ギュウゥ-

タオルをお湯につけ、ぎゅっと絞る。

姫「熱くないかな?」

絞ったタオルを自分の頬に当ててみる。

姫「うん、大丈夫」

よいしょ、と身を乗り出すと、タオルで王子の顔を拭きはじめた。

擦りすぎないように、丁寧に拭いていく。

姫「……」

姫「……これでよしっ、と」

拭き終えると再び身体を椅子に戻して、ちゃぽんとタオルをお湯の中に入れた。


姫「……」

姫「……あーあ」

姫「もう、散っちゃいそう」
763:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:15:22 ID:EgOrOssl86

イチョウの木は、もうほとんど葉が散って枝だけになっていた。

木の根元に鮮やかな黄色が積もっている。


姫(……別に葉が散ったからって王子が目覚めないなんて思わないけど)

姫(……なんか、不安)


再び王子の顔を見つめる。

もう自分はどれだけ、こうやって目を閉じている王子の顔を見たのだろうか。

毎日見ていて、王子の表情に全く変化はないのだけれど、何だか今にも瞼を開けてくれるような気がしてならない。


姫「……ねぇ、王子」

姫「まだ、起きないの?」
764:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:18:58 ID:U0P6p.FErc

姫「……別に葉なんて散ったっていいんだけどね、」

姫「葉が散るまでに王子が起きないと、第2王子が王子を隣国に連れ帰っちゃうんだって」

姫「……そんなの、ダメよ」

姫「散々私に看病させといて、お礼も言わずに隣国に帰るの?それって凄く失礼だと思うわ」

姫「……」

姫「……それにね、ひょっとしたら私、第2王子と結婚させられちゃうかも」

姫「あんたそれでいいの?お兄さんに好き勝手されて平気なの?」

姫「……もし、このままずっと寝てるつもりなら、あんたのこと見損なうわよ」

姫「顔が女のくせして、心もヘタレなの?」

姫「………ほら、反論してみなさいよ。僕はそんな情けない男じゃないって」

姫「……」

姫「…でも、私はもう、そんなふうに思ってないわよ。王子のことはちゃんと認めてるから」

姫「……だから、」

姫「だから、起きてよ」

姫「ねぇ、」

姫「……お願い、だから……」


──いつのまにか、泣いていた。

もう数枚しか残っていないイチョウの葉を、眺める。

姫「……ばか……」

小さく呟くと、そのまま王子の胸元に顔を埋めた。


765:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:21:58 ID:qWiM/K5756

─────────

──────


どれくらい、経っただろうか


肩に若干の重みを感じる

…そっか、きっと私が寝てる間にお父様が来て、上着をかけてくれたんだ

………

あぁ、目を開けたくない

開けたらきっと、イチョウの葉が全部散ってしまっているから

王子とさよなら、しなきゃいけなくなるから

………

ずっとこうやって、

王子の胸で眠っていたい

私も目を開かなければ、

王子と一緒にいられる気がする


766:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:24:28 ID:zZ0LLNhnzs


──不意に、ぎしりと何かが軋む音がして

唇に柔らかい感触が落ちてきた


……?

今の、なに?


誰かが、自分の髪にふれている

私の髪を、優しく撫でている


これは誰?

お父様?

ロイ?


それとも────、



767:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:26:20 ID:0VQbs4Y8tE


……うっすらと、目を開けた


寝起きだからか、視界がぼやけてよく見えない


「………?」


だんだん視界がはっきりしてくる


「………!」



見覚えのある顔


この2ヶ月、1日たりとも欠かさずにずっと見てきた、


「……おはようございます、姫」


王子の、顔



768:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:28:55 ID:Zn..IGjcXM


姫「……おう、じ……?」


王子が少し困ったように顔を赤らめ、微笑む


王子「す…すみません、姫。姫の寝顔があまりに可愛かったもので…」

王子「……が、我慢できなくなって、その…き、キスをしてしまったんですが…」

王子「怒らないでください、ね…?」


姫「っ…!!」



もう、何も考えられなかった


ただ、王子が目を開けて喋っているのがどうしようもなく嬉しくて、嬉しくて


手をのばして、王子に触れる


王子「わっ… 姫!?」


夢だったら怖いから

絶対に逃がさないように、また眠らないように


──おもいきり力をこめて、王子を抱きしめた



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