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姫「結婚相手が男の娘だなんて」
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1: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 21:06:35 ID:qdMevyRfro

姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」

王子「ありがとうございます」

姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」

王子「は?」

姫「見せてみなさい」ガバッ

王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0


741:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:07:58 ID:tP/EhEtJvg


第2王子「──あれ、いたの」

姫「だ、第2王子…!」

第2王子「何でそんなビックリしてるの?」

姫「ノ…ノックぐらいしてよ」

第2王子「……あぁ、ごめんごめん」

第2王子は悪びれる様子もなく 端にあった椅子を持ってくると、姫の隣に座った。

姫「……何で隣に座るのよ」

第2王子「ん? いーじゃん、ボクも王子のお見舞いに来たんだからさ」
742:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:10:04 ID:SroD4kWui2

姫「……珍しいわね、第2王子がここに来るなんて」

第2王子「そうでもないよ?たまに覗いたりしてる」

第2王子「でも、こいつずっと寝たままじゃん?もー暇で暇で」

姫「人質のくせにいい身分ねぇ」

第2王子「ほんとほんと。ボク、いつになったら隣国に帰れるんだろうね」 ケラケラ

姫「……」

姫「…第2王子は、さ」

第2王子「ん?」

姫「…王子が隣国軍と対峙したとき、どんな気持ちだったの?」
743:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:12:02 ID:ucuJBTcCFk

第2王子「……変なこと、聞くね」

姫「変じゃないわよ。別に責めてるわけじゃないけど… あんたは、王子をこんなふうにした張本人の一人だから」

第2王子「ははっ、まーねぇ」

第2王子「実際、王子の腹あたりにある傷はボクがつけたものだし」

姫「……」

第2王子「でもさぁ、気持ちなんて聞かれても、そんな複雑なものはないんだよ」

姫「え…」
744:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:14:11 ID:l5Pa902z2Y

第2王子「ボクも王子も、隣国が良くなるように… 隣国のためを思って、起こした行動だから」

第2王子「それがボクや兄さんと王子の間で食い違っちゃっただけなんだよね」

姫「……」

第2王子「まぁ、王子は本国のことまで考えてたみたいだから、王子の方が一枚上手なのかなぁ」 ケラケラ

姫「……ごめん」

第2王子「何が?」

姫「……あんたも、辛かったよね」
745:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:16:27 ID:aMQyUdLMrI

第2王子「……」

姫「ほんとは… ほんとは、王子を傷つけたくなんかなかったよね」

姫「…大事な、家族だもん…」


第2王子「……」

第2王子「……ねぇ、お姫様」

姫「?」

第2王子「ボクと、賭けをしようよ」
746:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:18:37 ID:yMRb0gueNs

姫「賭け…?」

第2王子「うん」

姫「どういうこと?」

第2王子「…そこの窓から、イチョウの木が見えるでしょ」

姫「えぇ」

第2王子「今、真っ黄色にイチョウの葉っぱがついてるけど、一枚一枚散っていってる」

姫「……?」

第2王子「あの葉が全部散ったら、王子は死ぬ」

姫「はぁ!?」
747: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 17:20:46 ID:cc5v0xbd.w
おお、初めて遭遇した

CCCCCCC
748:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:21:18 ID:MD.Og/oBiw

姫「なに馬鹿なこといってるのよ、意味がわからないわ」

第2王子「ほら、童話とかでよくあるじゃん?病気を患ったいたいけな少女が、病室の窓から外を見て『あぁ…、あの木の葉っぱが全部散ったら、きっと私死ぬんだわ』って」

姫「王子をそんな世界へ連れていかないで」

姫「そんな話でたらめに決まってるし、第一賭けと全然関係ないじゃない」

第2王子「んー、まぁ死ぬってのは冗談だけど」

第2王子「タイムリミットが葉が散るまでってことで、どうかな?」

姫「…?」
749:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:23:29 ID:WpDpWV85XM

第2王子「ボクは、葉が散ったら王子が一生目を覚まさないことに賭ける」

姫「!?」

第2王子「だから、お姫様は葉が散るまでに王子が目を覚ますことに賭けて」

姫「……」

姫「何で、そんなことしなくちゃいけないのよ」
750:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:25:52 ID:9uEahCTKxM

姫「そんな期限必要ないわ。葉が散ったって、王子はいつかちゃんと目覚める」

第2王子「そうやって、いつまで待つつもりなの?」

姫「え…」

第2王子「いつかきっと目を覚ましてくれる、こうやって毎日傍にいて話しかければ、いつか起きてくれる」

第2王子「……そういうの、夢みすぎじゃない?」

姫「…何ですって?」

第2王子「もっと現実みようよ」
751:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:28:32 ID:nky3KnsThQ

第2王子「起きる奴は起きるけど、寝てる奴は一生寝たままだよ」

姫「…!」

第2王子「だから、諦める期間を作ってあげようってわけ。葉が散るまでに王子が起きればいいけど、起きなかったら諦める」

姫「……諦めるって、何するのよ。まさか墓に入れろっての?」

第2王子「違うよ。王子を隣国にもどす」

姫「!」

第2王子「王子と本国の関係を断ち切るんだ。王子とお姫様は、サヨウナラ」
752:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:31:33 ID:T77F4lTOsc

姫「っ… ふざけないで!そんなことする必要がどこにあるのよ!」

姫「私は王子が起きるまで傍にいるわ!」

第2王子「……」

第2王子「…それって、王子は喜ぶのかなぁ」

姫「……え」

第2王子「お姫様が毎日毎日、寝てる王子のところへやって来て時間を過ごす」

第2王子「自分を幸せにしてくれると言った男も振って、そばにいようとする」

姫「……!」

第2王子「王子はそれを、喜ぶのかな?」
753:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:33:39 ID:uI2Wh2UJdg

姫「っ…」

第2王子「……ボク、間違ってないよね」

姫「……」

姫「……賭けは、」

第2王子「?」

姫「賭けは、私が勝ったら何があるの?」

第2王子「……そうだね、」

第2王子「お姫様が賭けに勝ったら、王子とお姫様の結婚式でスピーチ読んであげるよ」

姫「は!?」

第2王子「あと、子供の名前はボクがつけてあげる」
754:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:35:26 ID:AAS5HN/OAk

姫「……それ、私が賭けに勝つ意味あるのかしら。全然得してない気がするんだけど」

第2王子「別にいいじゃん。お姫様は王子が目を覚ましてくれさえすれば、もう他に望むものなんてないでしょ?」

姫「……」

第2王子「あ、ちなみにボクが賭けに勝った場合だけど」

第2王子「ボクが勝ったら、ボクと結婚してね」
755:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:36:58 ID:9uEahCTKxM

姫「はっ…」

姫「はあぁ!?」

第2王子「あ、勘違いしないでねー。ボク別に、お姫様のことが好きなわけじゃないから」

姫「じゃあ何で…!」

第2王子「あれ、こういう話きいてない?戦争が終わったけど、確実な和平を結ぶためにはやっぱり両国の姫と王子の結婚が必要だって話」

姫「…!?」

第2王子「兄さんは隣国の政治で手いっぱいだし、王子は寝てるし。ボクしかいないってわけ」
756: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 17:37:22 ID:7gpeoe13BM
初リアルタイム\(^O^)/

支援支援
っC
757:
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:42:24 ID:VtaVdMdf4E

姫「じょ、冗談じゃないわ!」

第2王子「まぁまぁ。別にチラッと出ただけで、今はそんな予定は全くないし。ボクが頼み込んだりしない限り、実現しないだろうね」

第2王子「…それに、こういう賭けの方が、王子も目を覚ましやすいんじゃないかなぁって」

姫「!」

第2王子は静かに立ち上がると、ドアに手をかけた。


第2王子「──ボクとお姫様を結婚させたくないなら、起きるよ」

ニッコリと笑って、病室から出ていった。
758: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 19:52:19 ID:kU0.TrIKHA
ラストに向けて頑張って!!
支援CCCCCCC
759: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 22:45:44 ID:Stzh54P18g
第2王子め…
キザったらしいのは次男特有だな…

んで次男らしく的を射た発言…

王子頑張れ!!
っ支援

今回は>>1にはナシだ
っ梨
760: 梨もぐもぐ(^〜^)
◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:07:05 ID:9u8vOEqdD6

───────


姫「……」

姫「何だかんだで第2王子に乗せられちゃったけど…」

窓の外にたたずむイチョウの木を眺める。

姫「……もう散り始めてるし…」

ヒラヒラと黄色い葉が風にそよがされて舞っている。

姫「……」

姫「…全部散るまで、2週間くらい…?」
288.35 KBytes

名前:
sage:


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