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姫「結婚相手が男の娘だなんて」
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1: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 21:06:35 ID:qdMevyRfro

姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」

王子「ありがとうございます」

姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」

王子「は?」

姫「見せてみなさい」ガバッ

王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0


658:
◆qoozyz1NgY:2011/11/15(火) 21:59:24 ID:KdRzS59wow

────中庭


姫「……」

おぼつかない足取りで、中庭の芝生を踏みしめる。

姫「……」

姫「……王子が……」

姫「死んじゃった……」

ポロポロと涙が落ちていく。

姫「……なんで…?」

姫「何でいつも、勝手なことするのよ…」

ぎゅっ、とドレスの裾を握り締めた。涙が止まらない。

喉の奥から押し出る声を、我慢できない。

姫「っ…」

姫「わあああぁぁ……っ」

そのままそこに、崩おれた。
659:
◆qoozyz1NgY:2011/11/15(火) 22:16:10 ID://Pq5MFqdI

───隣国、城


第1王子「父さん、」

バタンと扉を開ける。
ディナーの最中だった隣王が目を向ける。

隣王「ん、なんじゃお前。帰ってきたのか」

第1王子「第2王子が捕まりました」

隣王「な、なんだと!?」 ガチャン

第1王子「これで戦力も大幅に減るし、こちらの情報が漏れる恐れがあります」

隣王「ぬうぅ… あやつめ、またどこかで気を抜いておったな」
660:
◆qoozyz1NgY:2011/11/15(火) 22:20:29 ID:OXmxEE5H02

第1王子「どうしますか。思ったより戦況が悪いですし、何か別の作戦を…」

隣王「お前に任せる」

第1王子「は?」

隣王「お前は頭も良いし、しっかり者じゃから、何とかできるであろう!」

第1王子「俺がどうするというより、兵士の戦意がないので困っているんです」

第1王子「父さんに戦場へ出向いて頂き、兵士たちを叱咤してもらいたい」

隣王「……」
661:
◆qoozyz1NgY:2011/11/15(火) 22:24:36 ID:etb2FfO1cY

隣王「…やむを得ん。明日、出向こう」

第1王子「ありがとうございます」

隣王「しかし、第1王子たるもの、兵士にやる気を出させることもできんようでは困るぞ」

第1王子「……はい」

隣王「第2王子はどこか抜けておるし、第3王子に至っては裏切りの大馬鹿者。お前以外にワシのあとを継げる者はおらんのだ」

第1王子「……父さん」

隣王「ん?」
662:
◆qoozyz1NgY:2011/11/15(火) 22:29:46 ID:LIrhX9.mL.

第1王子「もし俺が死んだら、どうしますか?」

隣王「…なに?」

第1王子「……弟が二人もいなくなると、結構つらいものですよ」

隣王「なんじゃ、弱音か?お前らしくないな」

隣王「大丈夫だ、自分に自信を持て。お前ならできる」

第1王子「……」

第1王子「はい」
663: 名無しさん@読者の声:2011/11/15(火) 22:39:48 ID:kU0.TrIKHA
第一王子…頑張れ

支援
664: 名無しさん@読者の声:2011/11/15(火) 22:48:50 ID:N0nxWG/O6Y
長男って辛いよな
わかるよ

支援
665: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 05:53:56 ID:O9oYtu06ZI
次男って馬鹿だよな…
わかるよ!!

支援
666: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 06:10:03 ID:Lnjzi0A3ek
何だかんだで三男って一番出来がいいよね
分かるよ
667: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 07:37:13 ID:p03NM465TM
うわぁああぁあぁあぁああああぁあやっぱ面白れぇなぁ!
続きめっちゃ気になる!紫煙紫煙紫煙!


668: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 13:38:20 ID:Sbys4aIzKQ
本国も、隣国も幸せになる事を願って…

CCCC

669: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 17:33:19 ID:xr/aBhm7kA
っCCCCC
670: 支援ありがとうございます
◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 21:24:48 ID:KQAgxdxGac

戦いの日々が続いた。

当初の予定とは反対に、本国軍が優位に戦争を押し進め、徐々に隣国軍を後退させていく。


──そしてついに1ヶ月後、本国軍が隣国へ到達した。

堅く閉ざされた鉄壁の周囲を、何百人もの兵士が取り囲む。

事実上、隣国は籠城を余儀なくされる状況となっていた。



ロイ「──よし。あとはどうやって鉄壁を乗り越えて隣国に進入するかだな」

兵士1「なかなか頑丈にできていますね… 高さもありますし」

ロイ「ぶっ壊すのは無理だろうな」

兵士2「積み荷を何メートルもして飛び越えるというのは?」

ロイ「悪くねぇけど、のぼった瞬間矢で射られるぞ。あいつら、ずっとスタンバってやがる」
671:
◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 21:27:26 ID:a/d3N7/7Ow

兵士2「では、どうすれば…」

ロイ「……やっぱり国門を破壊するしかねぇな」

兵士1「できますかね?」

ロイ「……」

ロイ「もしくは、掘る」

兵士1「へ?」

ロイ「門の下なら金属が地中まで到達してないから、掘れば通り抜けする空間が作れるはず」

兵士2「なるほど…」
672:
◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 21:31:01 ID:bYbkJjNr/E

──────


隣王「──何故だ!!」

ダンッ、とテーブルを叩く。

第1王子「……」

隣王「我が国の軍事力は本国より強いはずだ!本来なら我が国が本国へ攻めこんでいるはずなのに……何故だ!!」

隣王「なぜ、我々が籠城しておるのだ!!!」

第1王子「……」

隣王「答えよ、第1王子!」

第1王子「……原因は色々考えられますが…」

窓際に歩み寄り、鉄壁を取り囲む本国軍を眺める。

第1王子「俺の、力不足です」
673:
◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 21:34:48 ID:2f74OR/8Q6

隣王「なに…?」

第1王子「…これからどうしましょうか、父さん」

隣王「……」

隣王「…他に手段がないというなら、籠城戦でかまわん。籠城戦であれば、兵の数が少なくても対抗できるだろう」

第1王子「……確かに籠城して守備に撤すれば、食糧的に半年はもつでしょう」

第1王子「ですが、籠城戦には高められた士気が絶対的に不可欠です。閉ざされた空間での、兵士たちの不安感やストレスは尋常じゃない… 今の我々には無理だと思われます」

隣王「では、どうしろというのだ!」

第1王子「降伏です」

隣王「…!?」

第1王子「俺はもう、疲れました」
674:
◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 21:40:01 ID:l5Pa902z2Y

隣王「疲れただと…?」

第1王子「1ヶ月、よく頑張ったと自分を褒めてやりたいくらいですよ」

隣王「勝たなければ意味がない!」

第1王子「父さんは何もしてないでしょう」

隣王「なに?」

第1王子「……」

第1王子「隣国の兵士は、もはやはじめの10分の1程度です。これ以上戦っても、俺は勝てる気がしません」

第1王子「意味のない戦いを、これ以上する必要がありますか?」
675:
◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 21:52:00 ID:sv4nAwFHwA

──そのとき、慌ただしい音がして、王間に兵士が飛び込んできた。


兵士「たっ、たたた大変です!!国門が突破されました!!!」

第1王子「!」

隣王「なんじゃと!?」

兵士「国門の下にトンネルを掘ったようで… どんどんと敵兵が進入してきます!!」

隣王「……」 ワナワナ

第1王子「……思ったより早かったですね」

隣王「っ… 絶対に城には侵入させるな!近づいてくる奴には矢を放て、石を落とせ!!」
676:
◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 21:56:00 ID:KdRzS59wow

──────


ロイ「っしゃぁ!5メートルくらいは掘ったぞ!!」 バッ

兵士1「た、隊長、顔が真っ黒です」

ロイ「ぺっ、ぺっ!土食っちまった!」

兵士2「隊長、お疲れ様です!」

兵士3「俺、一生隊長についていきます!」

ロイ「俺だけで掘ったわけじゃねぇし!──よし、穴堀り隊はちょっと休んでていいぞ!他の奴らは全員突撃準備しろ!!」

「はっ!!!」
677:
◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 22:02:27 ID:/kU2jJP7Ck


第1王子「──まぁ、父さんが戦えというなら、戦ってもいいですよ。俺は死なんか怖くない」

第1王子「でも… 戦えば、隣国は本当に滅ぶことになる。それでもいいんですか?」

隣王「…降伏したところで、隣国に何が残る」

第1王子「わかりません。終わった後に決まることですから」

隣王「……」

隣王「馬鹿らしい話だ。余裕綽々だった1ヶ月前が嘘のよう」

第1王子「それは俺も同じですよ」
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名前:
sage:


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