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姫「結婚相手が男の娘だなんて」
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1: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 21:06:35 ID:qdMevyRfro

姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」

王子「ありがとうございます」

姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」

王子「は?」

姫「見せてみなさい」ガバッ

王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0


589: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 09:53:26 ID:nUErM70S8M
ちょっ…
ロイに殺意わいた

いいんだクレアたんは私が幸せにするもん!!!

っCCCCCC
590: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 18:56:51 ID:r517UsUXT6
ロイとクレアがくっついたら殺意わく!

ロイは一途に姫を思ってたらいいなぁ


591:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:09:51 ID:dOfZ1I1ro.

──────


侍女1「……ねぇ、姫さまは?」

侍女2「なんか部屋に閉じこもってるみたいで。開けてくれないの」

侍女3「誰も入ってこないでー、だって」

侍女2「そりゃあショックよねぇ…王子様がいなくなっちゃったんだもの」

侍女1「心配だわ…」


「──ねぇ」
592:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:11:46 ID:yUqErVkrqI

侍女1「へっ!?」

侍女3「ロイ様!び、びっくりするじゃないですかぁ〜」

ロイ「わり。……姫は?」

侍女2「ご自室におられます」

ロイ「ふーん」

ロイ「…俺、入ってもいいかな?」

侍女3「えぇ!?」

侍女1「さ、さすがにロイ様でもそれは… 誰も入れるなと命じられていますので」

ロイ「……」
593:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:14:08 ID:OSGANJ/Nfc

 - 姫の部屋 -


姫「……」 グスン

姫(……なによ、王子のばか)

姫(やっぱり私となんか結婚したくなかったんじゃない。私のことなんて何とも思ってなかったんじゃない)

姫(……しかも、政略結婚ですらなかった)

姫(王子はただ、戦争に勝ちたかっただけ)

姫(……)

姫(あ…あんな薄情な奴と少しでも仲良くしてたなんて…)

姫(ほんと、馬鹿みたい…) グスッ


──コンコン

姫「……」

コンコン

姫「……誰よ。入ってこないで」
594:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:16:44 ID:TtEmcv5bDI

ロイ『…俺です』

姫「……ロイ?」

ロイ『はい。……姫、中に入ってもいいですか』

姫「……」

姫「……ごめん、誰にも会いたくない」

ロイ『……あまり気を病まないようにしてください』

ロイ『王子は、あの程度の男だったんです。姫が気にすることはありません』

姫「っ…」
595:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:20:23 ID:5tYfNPQVjY

ロイ『所詮、冷酷な隣国の人間です。自分勝手で、強欲だ』

ロイ『……俺たちと、わかり合うことなんてできないんです』

姫「……お、王子は…」

ロイ『?』

姫「そんな…そんな男じゃないわ」

ロイ『……え』

姫(…! わ、私なに言って…)

ロイ『……』
596:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:23:29 ID:3MT/HFyZ1E

ロイ『……姫』

姫「……なに?」

ロイ『…俺はもう城を出るので、また暫く姫とは会えなくなると思います』

姫「……そっか」

姫「無事に帰ってきて、ね」

ロイ『……はい。最後に、姫にひとつだけ言っておきたいことが』

姫「?」

ロイ『……』

ロイ『俺が、姫を幸せにします』
597: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 20:25:21 ID:kU0.TrIKHA
姫は幸せ者だな
598: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 20:26:48 ID:CT7VV0836g
ロイ(つд;*)

つC
599:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:57:10 ID:n4xBg0Pe5M


───王子は馬に乗り、荒原を駆けていた。

その方角にあるのは、隣国。
本来の予定なら、そろそろ自国の軍隊が出発する時刻である。


…走り続けて、3時間ほどたった頃。

王子「……!」


ザッザッ、と土を踏みしめる音と共に
前方から、隣国の軍勢が現れた。
600:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:00:40 ID:l5Pa902z2Y

馬「ヒヒーン」

隣国の軍隊と向き合う形で、馬を止める。


第1王子「──あれ」

第2王子「王子じゃーん。何でこんなトコにいんの?」

先頭には、同じく馬に乗った二人の王子がいた。

王子「……」

第2王子「あ、そっかぁ〜。バレちゃったから、本国にいられなくなっちゃったんだね」

第1王子「あぁ、そういうことか。それは悪かったな」

王子「……出発時刻を早めたんだね」

第1王子「あぁ。予定が変わった」

第2王子「全く、兄さんが侵入者を逃がすからだよ」
601:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:05:30 ID:3U3Hhll63g

王子「父さんは?」

第2王子「城で待機。ボクたち王子が出陣すれば十分だってさ」

王子「……そう」

第1王子「お前も早く、軍に加われ。また本国へ戻ることになるがな」

第2王子「王子が加わればもう最強だよねぇ。本国なんて相手にならないや」 クスクス

王子「……」

第2王子「……?」

第1王子「どうした?」
602:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:08:12 ID:Ep/rQ5.Aro

王子は軍隊の前で馬に乗ったまま、動こうとしない。

馬「……」 ブルルッブルル

第2王子「……」

第1王子「……何を、考えている」


王子「……僕は、」

王子「僕は、戦争なんてするつもりはなかった」
603:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:12:22 ID:nky3KnsThQ

第1王子「……あぁ、その話か」

王子「確かに、僕の役目は本国に潜り込んで油断させ、軍の準備をさせないこと…」

王子「だけどそれは、『戦争をせずに本国を降伏させる』ためだ」

第2王子「……」

王子「…僕は、戦争は嫌だと… 人が死ぬのは嫌だと、ずっと父さんに言ってきた」

王子「……でも、自国のためには、本国の土地が必要なんだと言われた。穀物を送られる程度じゃ足りない、もっと隣国の人々が豊かで幸せになるためには、どうしても本国の土地が必要だって」
604:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:15:31 ID:wUf5zKLk5A

第2王子「そうさ。隣国は、もはやあの痩せた土地じゃ暮らしていけない。王子だってわかってるでしょ?」

王子「わかってる。わかってるから、本国へ行くことを了承した」

王子「……でもそれは、戦争に勝つためじゃない。本国に無血開城させるためだ」

王子「僕は、本国の人々を殺してまで土地を手に入れるのは絶対に嫌だ。そんな土地で、生きたいとは思わない」

第1王子「……お前は、相変わらず甘いな」
605:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:19:53 ID:qf2Xyjydl2

第1王子「だが、仕方がないだろう。隣国に本国の侵入者が入ったせいで、計画がバレた」

第1王子「本国も軍の準備を始めただろう。もはや戦争は避けられない」

第2王子「それにさぁ、無血開城なんてほざいてたのはお前だけだよね?本国なんて、さっさと滅ぼしちゃえばいいんだよ」

第2王子「ほら、世の中焼肉定食っていうじゃん?」

第1王子「弱肉強食だ」
606:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:30:15 ID:KqTJbdQyF2

王子「……そうさ、もう戦争は避けられない」

王子「だから僕は、本国を裏切ってきた」

第1王子「…?」

王子「……もう誰かが血を流すことを避けられないなら… どうせ戦争をするなら、僕は本国を支援する」

第1王子「!」

第2王子「はぁあ!?」

王子「本国にはもう、戦争をすることに迷いがない。僕がそうするように仕向けた」
607:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:42:02 ID:qWiM/K5756

第1王子「…挑発でもしてきたか」

王子「あぁ。もうスッパリ嫌われてきた」

第2王子「……へぇ。まさか本気で本国に勝たせるつもりなんだ?」

第1王子「自分の国を捨ててか。
本国で情にでもほだされたか?」

王子「……」

王子「本国に、未練はない。未練があったら、これから僕のやろうとしてること… 僕の、責任を果たすことができそうにないから、全部切って捨ててきた」

第2王子「…?」

王子「…それに、これは隣国のためでもある」

第1王子「なに?」
608: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 21:42:19 ID:oLaq8djkcQ


王子っ信じてたよ(´Д⊂グスン



っCCCCC
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