姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」
王子「ありがとうございます」
姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」
王子「は?」
姫「見せてみなさい」ガバッ
王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0
563: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:23:07 ID:4HN.k5LX7c
王子「……」
王子「はい、嘘です」
「!!」
姫「…呆れた… とんだ嘘つきね」
王子「はい。僕は嘘つきですから」
小さく目を細めて、グイッと刃を姫に近づける。
王間にいる兵士たちを見渡す。
王子「……姫を殺してほしくなかったら、黙って道をあけろ」
王「……何をするつもりだ」
王子「さすがの僕も城内全ての兵士を相手にしようとは思わないので。ここにいる理由ももうないし、潔く退かせてもらいます」
564: 名無しさん@読者の声:2011/11/10(木) 20:27:48 ID:uXbwh/DWnY
嘘つきってことはあれだろ!!どれだ!!っCCCC
565: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:32:13 ID:WpDpWV85XM
ロイ「……逃がすかよ」
王子「…お前は威勢がいいな。
ケガしてるくせに」
「!!」
王子「脇腹の傷。早く手当てした方がいいんじゃないのか?」
クレア「…!」
ロイ「…てめぇに心配されるほど落ちぶれてねぇよ」
王子「あ、そう」
ロイ「……」
王子「確か、お前は近衛隊長だったな。今すぐ、城内の兵士に王子には手を出すなと指示を出せ。姫を殺されたくなかったらの話だが」
ロイ「……んなことする必要ねぇ」
王子「へぇ、余裕だな」
静かに視線を動かす。
…今なら、いける。
ロイ「──ジョン!今だ!!」
566: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:35:29 ID:esacBCDh.U
次の瞬間、今まで隠れていたのか、玉座の陰からジョンが飛び出してきた。
ジョン「わんわん!わんわん!」
王子「!?」
勢いよくジャンプし、王子の腕に噛み付く。
ジョン「がううぅ―!!」ガブガブ
王子「っ、この犬は何度も何度も…!!」
振り払うと、ジョンは身を翻して床に着地した。
王子「──!?」
ジョンに気をとられた隙に、姫がするりと王子の腕から抜け出した。
王子「あ…!」
姫「この…!」
姫がくるりと王子の方を振り返る。
姫「バカ王子!!!」
勢いよく腕を振り上げた。
567: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:40:34 ID:mUCDMF7VaQ
──バシッ
…しかし、いつもの子気味良い音は鳴らなかった。
姫「…!」
王子が頬の横で、姫の平手打ちを止めていた。
姫「あ…」
王子「……残念でしたね」
小さく笑って、再び姫を拘束しようとしたとき。
「──させるかよ」
王子「!!」
ロイが王子の背後に回っていた。
568: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:45:11 ID:FsedaSvsrA
王子「く…」
腕に加速をつけ、王子に向かって剣を振りぬく───が、
ロイ「!?」
ロイの剣は空を斬っただけだった。
───シュタッ
王子が少し離れた窓際に着地する。
王子「……危なかった」
ロイ(あ、ありえね―… あのタイミングで飛んで避けやがった…)
569: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:54:59 ID:yUqErVkrqI
窓際に立つ王子に、全員の視線が集まる。
王子「…これ以上長居できないな」
ボソリと呟くと、窓に手をかけた。
ロイ「な…」
姫「王子!?」
王子「……」
ニッコリと微笑む。
王子「この際だから言いますけど、早く軍の準備をした方がいいですよ。国を失いたくなかったら」
姫「王子!」
王子「僕は隣国の軍勢に加わりますので。ひょっとしたら、また後で会えるかも」
姫「王子っ…、王子!!」
王子「──ごきげんよう」
静かに言い放つと、窓から飛び降りた。
570: 名無しさん@読者の声:2011/11/10(木) 21:04:51 ID:Kwo9hE/z3E
それでも王子を信じるよ……。゚(。ノд<)つCCCC
571: 名無しさん@読者の声:2011/11/10(木) 21:18:24 ID:TcxQr27ML2
王子達最高だぜ
面白くなってきやがった
572: 名無しさん@読者の声:2011/11/11(金) 20:34:06 ID:AKEZMREro2
ヤベー。展開が読めねぇ。
ささやかですが。
4円
573: 名無しさん@読者の声:2011/11/11(金) 21:06:20 ID:n9ecgHDJME
この展開、BADENDでも面白そうだな…何でもないです!
支援してます
574: 名無しさん@読者の声:2011/11/11(金) 21:19:57 ID:A36.rRUHjU
やっぱハッピーエンドじゃなきゃ。
ロイ、死なないで(´`)
575: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:15:59 ID:CFz6aP7Usc
支援&コメありがとうございますm(*__)m!!
完結まで返レスができないことをお許しください
576: 名無しさん@読者の声:2011/11/11(金) 22:16:52 ID:EKSJzxcqmM
物語の最初の雰囲気と最近の雰囲気の違いにびっくりwww
だが面白い!!
これ漫画化じゃね?
C!
577: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:18:12 ID:CFz6aP7Usc
王「──やむを得ん。今すぐ国中の兵士を召集し、軍隊を編成しよう」
ロイ「よろしくお願いします。隣国がこちらへ到着するのにはまだ時間がかかるはずですから…
できる限り人数を集めてください」
王「うむ。ここで国を失うわけにはいかんからのう…。お前が報告してくれたおかけじゃ。感謝するぞ、ロイ」
ロイ「いえ… 国に仕える身として当然のことをしたまでです」
王「ご苦労であった。お前は早く城医のところで手当てしてもらえ」
ロイ「はい」
578: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:22:48 ID:T77F4lTOsc
王「……」 フゥ
王「…のう、大臣」
大臣「はい」
王「ワシは未だに王子に裏切られたということが信じられんのだ」
大臣「……」
王「あんなに素直で、姫のことを慕っていてくれたのにのぅ…
ワシは夢でも見ていたんじゃろうか」
大臣「……私も同じ気持ちですよ。つい数時間前までは、ここで談笑していたのに」
王「うむ…」
大臣「……姫さまは、大丈夫でしょうか」
王「……今はそっとしておくしかなかろう。これから我が国は臨戦態勢に入らなければならぬ。姫には今暫く、耐えてもらわねば…」
579: 名無しさん@読者の声:2011/11/11(金) 22:30:19 ID:I1hh53K5aA
久しぶりに来たらなんか凄い展開に…((゚Д゚ll))
王子…でも本心じゃないと信じてるよ…
CCCCCCC
580: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:31:38 ID:gg9sVDbflo
大臣「戦争ですか… 我が国が最も避けたかった事態になってしまいましたね」
王「うむ…。もし王子が自分は何も知らなかったと言ってくれたら、もう少し状況が変わっていたかもしれん」
王「しかし…王子の言葉を聞いて、もはや契約云々で済むことではないと悟ったよ」
大臣「…そうですね…」
王「……じゃがな、大臣」
大臣「はい」
王「ワシはまた、あの可愛い王子が帰ってきてくれるような気がしてならん」
王「今もワシの目には、二人がトランプをしたり城下町へ出かける姿が、見える。……瞼の裏にはりついて、とれんのじゃ」
581: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:39:15 ID:Xsg4vDSHiM
- 医務室 -
城医「──はい。とりあえず脇腹の手当ては済みましたよ」 スッ
ロイ「ありがとうございます」
城医「本来ならもっと安静にしていてほしい傷ですよ。ふさがってないし…、痛いでしょう?」
ロイ「思ったより深くねぇみたいだし、大丈夫だよ」
ロイ「…それに、他の兵士が戦争にいくってのに、近衛隊長の俺が寝てるわけにはいかねぇ」
城医「……」
城医「……先日行ったロイ殿の診断結果なのですが、」
ロイ「あ?」
城医「──ロイ殿は、結核です」
582: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:41:59 ID:esacBCDh.U
ロイ「……」
城医「せ、戦争前にこのようなことをお伝えするのはどうかと思ったのですが…」
城医「私は医者として、どうしても…黙っていることが…」
ロイ「……いいよ」
城医「え?」
ロイ「薄々気づいてたし。覚悟はしてた」
城医「ろ、ロイ殿…」
ロイ「別に今すぐ死ぬってわけじゃねぇんだろ?だったら、治療は戦いが終わってからでいい」
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