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姫「結婚相手が男の娘だなんて」
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1: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 21:06:35 ID:qdMevyRfro

姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」

王子「ありがとうございます」

姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」

王子「は?」

姫「見せてみなさい」ガバッ

王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0


548:
◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 16:39:17 ID:9uEahCTKxM

王子「だ、だから… あの時は確かにちょっとお世辞入ってましたけど、今は本心です!本気です!」

姫「え…」

顔を真っ赤に紅潮させて、姫を見つめた。

王子「す…すごく、綺麗です」

姫「……!」

王子「ぼっ、僕が、今まで見てきた女性の中で…、い、一番綺麗で可愛いです!」
549:
◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 19:20:47 ID:eaK745q2DQ

姫「お、王子…」


───そのとき、突如廊下の方から慌ただしい声が聞こえた。

「ろ、ロイ殿っ!どうなされたのですかそんなに急いで…!」

「服が血まみれですよ!そのような恰好で王間に入れるわけには」

「うるせぇ、んなこと言ってる場合じゃねぇんだよっ」

「それに誰ですかこの少女はっ」

「ロイさんの付き添いですのでお気になさらずっ」


姫「……?」
550:
◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 19:25:15 ID:OqXv9TpU5w

王「なんじゃ…?」

ガタンッ、と扉が開かれる。


ロイ「──王!!」

ロイとクレアが王間に飛び込んできた。

王子「!」

姫「ロイ!? あんた、今までどこに出かけて──」

ロイが姫の方を見て、咄嗟に叫ぶ。

ロイ「姫!そいつ──、王子から今すぐ離れてくださいっ!!」

姫「え…?」
551:
◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 19:29:06 ID:6WPIlMnLYs

姫「な…、何言ってるのよ、王子から離れろ?」

ロイ「そうです!早くこちらへ来てください!」

王「これ、ロイ。お前は何を言うておる?ちゃんと説明せい」

大臣「そうですよ。それに、その血は… 一体何があったというのです」

ロイ「っ… すみません、隣国視察のご報告をします」

王子「!」

姫「隣国視察!?」
552:
◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 19:37:52 ID:l5W1Sce4Lg

ロイ「──報告。隣国は婚約パーティーに乗じて本国を攻めるつもりです」

「なっ…」

王「なんじゃと!?」

大臣「そ、そそそそれは本当なのですかっ」

ロイ「はい。この目でその軍隊を見てきましたし、実際にそうであると隣国の兵士から聞きました」

王「な、なんと…」

騒然とした空気が王間に漂う。

姫「…嘘……」

ロイ「そして王子がここにいるのは、本国を油断させ、軍の準備をさせないためです」

姫「……王子……」


姫「………王子っ!!」
553:
◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 19:42:55 ID:3MiYLEePlw

王子「……」

姫「ロイの言ってること、本当なの!?隣国がここを攻めてくるの!?」

王子「……」

姫「あんたはそれ知ってたの!?知ってて、この国に来たの!?」

王子「……」

姫「どういうつもりで、私と仲良くしたのよっ!」

王子「……」

王子の肩を掴み、揺さぶる。

姫「王子っ… 黙ってないで答えなさいよ、王子ぃっ!!」

ロイ「姫…!」


──シャキン、と剣が抜かれる音がした。

姫「…!?」

グイッと引き寄せられ、姫の喉元に剣刃が当てられる。

……氷のような瞳が、見えた。




王子「──動くな。動けば、姫を殺す」
554: 名無しさん@読者の声:2011/11/9(水) 19:55:24 ID:RCXCl5If6k
!!!!!!(;Д;)王子ぃぃぃい!!
CCCCCC
555: 名無しさん@読者の声:2011/11/9(水) 20:15:59 ID:.Km5JWzyXY
(´;д;`)王子信じてるからな……

つC
556: 名無しさん@読者の声:2011/11/9(水) 22:32:02 ID:O2Dmey52w.
BADだけは勘弁してくれ・・・
泣きそうだ(;д;)

つCCCC
557: 名無しさん@読者の声:2011/11/9(水) 23:49:17 ID:RVOhnVQ0xw

しえんしえん!

みんな大好きだが、第2王子が気になる…(´・ω・`)メロメロズッキュン
558: 名無しさん@読者の声:2011/11/10(木) 00:05:49 ID:p50CKzsejo
面白くなってきたな



っCCCCC
559:
◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:07:40 ID://Pq5MFqdI


……何が起こっているのか、わからなかった

だって、私に剣を当てているのが王子だったから

私が何言っても怒ったりしなくて

いつも微笑んでいてくれたから

姫、姫って名前を呼んで

傍にいてくれたから


その剣は、私を守るために使ってくれたから



王子「──…馬鹿だな」

小さく笑って、呟いた
でもそれは、いつもの優しい笑みじゃない


王子「僕が本当にこんな女と結婚すると思ってたのか?」


信じられなかった
──これは本当に、王子、なの?
560: 名無しさん@読者の声:2011/11/10(木) 20:09:45 ID:zL1WLCW5ps
更新ktkr!!


つC
561:
◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:14:14 ID:Ri/0Dq7liI

姫「っ…」

王子「くだらない。1週間過ごそうが1ヶ月過ごそうが、こんな乱暴な女と結婚したいなんて思わないよ」

ロイ「てめぇ…!」

王子「にしても、余計なことをしてくれたな…ロイ。このまま行けば僕たちの計画は完璧だったのに。まさか隣国視察に行っていたなんて、盲点だったよ」

ロイ「……やっと化けの皮が剥がれやがったな」

王子「化けの皮?」 クスリ

王子「──これが僕だ。それ以外の何でもない」
562:
◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:19:22 ID:8C0o4sgn8A

王「お、王子よ… お主はいったい」

王子「ロイの言ってることで間違いないですよ。隣国はここを攻めてくるし、僕の役目は本国に軍の準備をさせないことだ」

姫「…!」

王子「まぁ、おかげで予定が狂っちゃったけど。……他に質問はありますか?」

姫「……王子」

王子「はい」

姫「…王子が、私と結婚したいって言ってくれたこと… 私をか、可愛いって言ってくれたこと…
あれも嘘、なの?」
563:
◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:23:07 ID:4HN.k5LX7c

王子「……」

王子「はい、嘘です」

「!!」

姫「…呆れた… とんだ嘘つきね」

王子「はい。僕は嘘つきですから」

小さく目を細めて、グイッと刃を姫に近づける。
王間にいる兵士たちを見渡す。


王子「……姫を殺してほしくなかったら、黙って道をあけろ」

王「……何をするつもりだ」

王子「さすがの僕も城内全ての兵士を相手にしようとは思わないので。ここにいる理由ももうないし、潔く退かせてもらいます」
564: 名無しさん@読者の声:2011/11/10(木) 20:27:48 ID:uXbwh/DWnY
嘘つきってことはあれだろ!!どれだ!!っCCCC
565:
◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:32:13 ID:WpDpWV85XM

ロイ「……逃がすかよ」

王子「…お前は威勢がいいな。
ケガしてるくせに」

「!!」

王子「脇腹の傷。早く手当てした方がいいんじゃないのか?」

クレア「…!」

ロイ「…てめぇに心配されるほど落ちぶれてねぇよ」

王子「あ、そう」

ロイ「……」

王子「確か、お前は近衛隊長だったな。今すぐ、城内の兵士に王子には手を出すなと指示を出せ。姫を殺されたくなかったらの話だが」

ロイ「……んなことする必要ねぇ」

王子「へぇ、余裕だな」


静かに視線を動かす。

…今なら、いける。

ロイ「──ジョン!今だ!!」
566:
◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:35:29 ID:esacBCDh.U

次の瞬間、今まで隠れていたのか、玉座の陰からジョンが飛び出してきた。

ジョン「わんわん!わんわん!」

王子「!?」

勢いよくジャンプし、王子の腕に噛み付く。

ジョン「がううぅ―!!」ガブガブ

王子「っ、この犬は何度も何度も…!!」

振り払うと、ジョンは身を翻して床に着地した。

王子「──!?」

ジョンに気をとられた隙に、姫がするりと王子の腕から抜け出した。

王子「あ…!」

姫「この…!」

姫がくるりと王子の方を振り返る。

姫「バカ王子!!!」

勢いよく腕を振り上げた。
567:
◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:40:34 ID:mUCDMF7VaQ

──バシッ

…しかし、いつもの子気味良い音は鳴らなかった。

姫「…!」

王子が頬の横で、姫の平手打ちを止めていた。

姫「あ…」

王子「……残念でしたね」

小さく笑って、再び姫を拘束しようとしたとき。



「──させるかよ」

王子「!!」

ロイが王子の背後に回っていた。
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