姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」
王子「ありがとうございます」
姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」
王子「は?」
姫「見せてみなさい」ガバッ
王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0
527: 名無しさん@読者の声:2011/11/7(月) 21:00:09 ID:O2Dmey52w.
(・ω・)つCCCCCCCCCC
528: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 11:58:25 ID:oaV8sFVAmA
────────
姫「王子―、用意できたー?」
王子「あ、はい。いつでも行けますよ」
侍女1「姫さま、どちらへ?」
姫「城下よ」
侍女1「あ、左様ですか。それでは、明日時間を空けて頂いてもいいですか?」
姫「いいけどなんで?」
侍女2「試さなきゃいけないことがあるんですよねー♪」
侍女3「ねー」
姫「?」
529: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 12:02:01 ID:2.YmjrSCgk
王子「姫、今日はどこへ行きますか?」
姫「お買い物に行きたいわ。あと、美術館、動物園… お昼は庶民的な所がいいわね」
王子「この国は本当に色々ありますねぇ。羨ましいです」
姫「隣国にはないの?」
王子「無いですね。特に美術館や動物園なんてものは…。必要最低限のものしかないので」
530: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 12:09:47 ID:O5X0CHOlqg
姫「ふぅん」
王子「この町は緑も多くて綺麗です。僕もこの国に生まれたかったなぁ」
姫「そしたら私たち、姉弟ね」
王子「え。そ、それは困ります!」
姫「ばか、何真面目に考えてるのよ」 クスクス
姫「さっ、今日はパーッと遊びましょ、パーッと!ボケッとしてると置いてくわよ!」 タタタッ
王子「あ、姫!待ってくださいっ」
タタタッ
────────
王「ふふふ、あの二人も大分仲良くなったようじゃのう」
大臣「はい。これなら、婚約パーティーもスムーズに行えそうですね」
531: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 14:35:42 ID:oXJpTUulPQ
────荒原を、ただひたすらに馬に乗って駆けていく。
クレア「……」
クレア「ロイさん、大丈夫ですか?」
先ほどから会話も途絶え、クレアの耳にはただ小さくロイの息切れが聞こえるだけだった。
ロイ「ん…」
クレア「血、止まりませんか?」
ロイ「……応急用の包帯くらいは、持ち歩いてたから。止血できた」
クレア「ホントですか!」
ロイ「あぁ」
532: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 14:38:31 ID:UdCBQzYwOk
クレア「良かった… 私、ロイさんが死んじゃったらどうしようかと」
ロイ「まだ死なねぇよ…」
ロイ「ごほっ、ごほっ」
クレア「そういえば、昨日も咳してましたね。風邪こじらせちゃいましたか」
ロイ「……」
ロイ「……あぁ」
クレアの後ろで、手のひらについた血を眺める。
ロイ「……」
ロイ「……死んで、たまるかよ…」
クレア「何か言いました?」
ロイ「いや、何も」
533: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 14:40:54 ID:9uEahCTKxM
──そのとき。
突如周囲の岩陰から十数人の男たちが飛び出してきた。
クレア「!?」 バッ
馬「ヒヒーン!」
思わず手綱を引いて馬を止める。
野盗1「──ひひ、1日ぶりだなぁ兄ちゃんたち」
クレア「あ、あなたたちは…!」
それは、昨日クレアに絡み、ロイによって懲らしめられていた野盗だった。
野盗2「今度は仲間を連れてきたからなぁ。昨日のようにはいかねぇぜ!」
クレア「っ…」
ジリジリと馬のまわりを囲まれる。
野盗1「散々バカにしやがって。
ブッ殺してやらぁ!」
534: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 14:46:49 ID:KdRzS59wow
ロイ「うぜぇなぁ…」
ロイが剣を握り、馬から降りようとする。
クレア「ろ、ロイさんダメです!ケガしてるんですから降りないでください!」
野盗がニヤリと笑った。
野盗3「こりゃあいい、男の方はケガしてんのかい」
野盗4「がはは、いいリンチになるぜぇ!!」
クレア「ふ、ふざけないで!私たちは急いでるんです!」
キッと睨みつけるが、野盗たちは下賤な笑みを浮かべたまま道を開けようとはしてくれない。
ロイ「……クレア」
クレア「え?」
ロイ「手綱を握れ」
535: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 14:49:34 ID:IsuJYzf34o
次の瞬間、ロイが馬上から大きく剣を振った。
「!?」
血とともに、二人の野盗の首が宙を舞う。
ロイ「クレア!」
クレア「はっ、はいっ!!」 ピシッ
馬「ヒヒーン!」 ダッ
野盗たちが狼狽えた隙に、一気に馬を走らせる。
野盗1「まっ、待ちやがれ!」
野盗2「この野郎…!」
──馬は勢いよく駆け、野盗たちから離れていった。
536: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 14:51:45 ID:YvGSKaKD7o
ロイ「──全く、懲りねぇ奴らだ」
クレア「……」
ロイ「……?」
クレア「……」 ガタガタ
ロイ「……お前、震えてんのか」
クレア「っ!」 ビクッ
ロイ「……」
ロイ「……わり。ちょっと過激なの見せちまったな」
クレア「す…すみません、大丈夫です。ちょっとビックリしちゃっただけで…」
ふ―、と深呼吸をする。
ロイ「クレア…」
クレア「さ、さぁ、だんだん本国に近づいてきましたよ!頑張りましょう!」
ぎこちなく笑って、ピシャリと馬をたたいた。
537: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 18:25:34 ID:JGzeeerFDo
───隣国の軍隊は、予定を早めて祖国を出発。
およそ千人の兵士が、一歩一歩と本国へ近づいていく。
だがそれを、本国の人々は知る由もない。
知っているのは、ただ一人だけ。
その一人と、彼を支える少女が、本国の危険を知らせるために、
走る。
日が暮れ、夜になっても休むことなく、寂れた荒原を走った。
そして運命は、婚約パーティーの前日へ。
538: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 18:28:03 ID:DGaa3FR.z2
姫「──えぇっ!? これ着るの!?」
侍女1「昨日、特注したのが届いたんです!サイズが合うか見なくちゃいけませんからね!」
姫「き、気が早いって!婚約パーティーもまだ終わってないのに…」
侍女2「でも、近いうちに着なきゃいけないものですから」
侍女3「そーそー」
姫「わっ、私はそんなつもりは…!」
侍女1「はいはい、早く着て王子様に見せてあげましょうね〜」
姫「そんな恥ずかしいことできるわけないじゃない!」
侍女3「えーいっ、強行手段!」
ガバッ
姫「きゃー!!」 ジタバタ
539: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 18:29:57 ID:w.7DrG1zg2
──────
王子「……なんか騒がしいですね」
大臣「侍女たちが興奮してるのでしょう」
王子「はは、相変わらずですね」
王「まぁ、アレが届いたからのう」
王子「アレ?」
王「いやいや、何でもない」 グフフ
王「ところで王子よ、明日はいよいよ婚約パーティーだな」
王子「はい」
王「どうだ、この1週間姫と過ごしてみて」
540: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 18:32:02 ID:eaK745q2DQ
王子「……やっと少し、僕に心を開いてくれたみたいです」
王「ほう」
王子「はじめは、こんな女みたいな奴イヤだって、ボロクソ言われてましたから」
王「そういえばそうじゃったのう」
大臣「そう考えると大進歩ですね」
王子「まだ色々悪口言われますけどね」 ハハハ
541: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 18:34:15 ID:LIrhX9.mL.
王「……王子や」
王子「はい」
王「お主は見た目よりもしっかりした奴じゃから、わざわざ言う必要はないと思うが…」
王「──姫を、頼むぞ」
王子「……」
瞳が揺れ、様々な感情が交差する。
王子「──はい」
静かに、答えた。
542: 名無しさん@読者の声:2011/11/8(火) 22:26:28 ID:LMpZijVXKE
っCCCCC
543: 名無しさん@読者の声:2011/11/9(水) 07:14:29 ID:abfFXIg/oE
毎日見てるよ(*^^)つCCCCC
544: ◆LSV2TFho7E:2011/11/9(水) 16:28:40 ID:JGzeeerFDo
馬「ヒヒーン!」 ブルルッブルルッ
クレア「──ロイさん、ロイさんっ!本国が見えてきました!」
ロイ「あぁ。俺の顔を見せればすぐ入国できるから、そのまま城へ向かってくれ」
クレア「わかりましたっ!」
ロイ「あ、あとそれから」
クレア「はい!」
ロイ「……なんか言うタイミングがわからなかったんだけど、」
クレア「?」
ロイ「その… ありがとう」
545: ◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 16:30:14 ID:E41Ru0zsdI
──────
ワイワイ ガヤガヤ
姫「やだーっ!!絶対行かないっ、恥ずかしいってば!!」
侍女2「何をいまさらっ!すごくお似合いですよ!」
侍女3「さ、早く王間に入ってくださいっ」
姫「サイズ合ったんだからもういいでしょっ」
侍女2「いい加減勘念してください!」
侍女1「お待たせしましたー!姫さまのお着替えが終わりましたっ!」
バタンッ、と勢いよく王間の扉が開けられた。
546: ◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 16:32:09 ID:GUEAzaQzlA
王子「……!」
入ってきたのは、純白のウエディングドレスを着た姫だった。
姫「っ…」 カアアァ
王「ほう」
大臣「これはこれは…」
侍女1「特注しておいたウエディングドレスでございます。サイズや素材の質も、全く問題ありません」
王「うむ。…似合っておるぞ、姫。父は嬉しい」
大臣「お…幼い頃から姫を見てきた私は、泣いてしまいそうです」
グスッ
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