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姫「結婚相手が男の娘だなんて」
[8] -25 -50 

1: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 21:06:35 ID:qdMevyRfro

姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」

王子「ありがとうございます」

姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」

王子「は?」

姫「見せてみなさい」ガバッ

王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0


474: 名無しさん@読者の声:2011/11/5(土) 16:18:44 ID:MA8B0c.i1w
>>473
俺がいるww
475:
◆LSV2TFho7E:2011/11/6(日) 00:29:01 ID:AAS5HN/OAk

──────

女兵士「ここが、地下への入り口の1つだよ〜」 ヒック

女兵士に案内されたのは、カフェの裏側にある木の下だった。

ロイ「こんなところに…」

女兵士「まぁ、一目につかない場所を選んでるから。他にも10ヶ所くらいあるんだぁ」

ズズズ、と石のフタを押して横にどける。
奧へ続く階段が現れた。

ロイ「……」

女兵士「あまり奧に行くとみんなに会っちゃうけど、入り口付近なら誰もいなくて静かだよ♪」

ヒョイ、と中へ飛び込んだ。
476:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 00:31:17 ID:hKOyz/u7wA

シーン...と静まり返る地下通路。
所々に火が灯してあるので、暗くはない。

ロイ(この通路は…どこに続いてるんだ?)

奧の方から、かすかな音が聞こえる。

ロイ(─… この音は)

女兵士「さ、ロイくん、ここなら誰にも───って、ロイくん!?」

ロイ「……」

ロイは女兵士を無視して、スタスタと奧へ向かって歩きだした。
477:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 00:34:25 ID:9OlYbe6a82

女兵士「ちょ、ちょっと、待って!!」

酔いがさめたのか、焦ったように女兵士がロイの後を追う。

女兵士「どうしたのよ、ねぇ、ロイくんっ!!」

ロイ「──答えろ」

歩きながらロイが口を開く。

女兵士「え?」

ロイ「この地下は、何のためにある?」
478:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 00:36:17 ID:5RiZkxhOv2

女兵士「そ、それは…」

ロイ「…この国の地上に無かったものが、地下にあるんだろ?」

女兵士「え…」

ロイ「……剣がぶつかる音がする。当ててやるよ、この地下にあるのは」





ロイ「──軍事施設だ」


そう言って、突き当たりの大きな扉を開いた。

479:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 00:41:02 ID:CFz6aP7Usc

──そこにあったのは、部屋と呼ぶにはあまりに大きな空間。

四隅に茶色の袋に包まれた荷物が山積みにされ、中央には何百人もの兵士が集まり、剣や戦陣の訓練をしていた。


ロイ「……やっぱりな。部外者に見られないように軍事施設を地下に作ったってわけか」

女兵士「そ…そうよ。だけどそんなの、ロイくんに関係ないでしょ?」

女兵士「こんなところに外部の人間がいるなんて知られたら、何されるかわからないし… 早く、出口の方へ戻らなきゃ」

ロイ「……」

ロイ「もう1つだけ教えてほしいんだけど」

女兵士「?」
480:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 00:43:28 ID:6ryzL53E0I

ロイ「……ずいぶん、兵士たちの装備がものものしい。それに、周りに山積みにされてる食糧や軍備も本格的だ」

女兵士「それは…」

ロイ「どこかの国と戦争でもすんのか?」

女兵士「……そうよ」

ロイ「どこと?」

女兵士「本国」
481:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 00:46:30 ID:l5Pa902z2Y

ロイ「………は?」

女兵士「明日出発して、本国を攻めにいくの」

ロイ「はぁ!?」

女兵士「な…なによ。何でロイくんがそんなに驚くの?」

ロイ「ありえねぇだろ!本国には今、この国の王子がいるんだぞ」

女兵士「それは、本国を油断させるため」

ロイ「な…」

女兵士「詳しいことは私にもわからないわ。私たちは全て、王の命令で動いてるんだもの」


?????「──その通りだ」

ロイ「……!」

不意に、背中に剣が突きつけられる。

兵士1「…貴様、本国の使いか。生きて帰れると思うなよ」

チャキッ、と剣の鍔が鳴った。
482:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 01:23:05 ID:S20/xVf06Q

ロイ「……」

見渡すと、ロイに向かって剣を構えているのは一人だけではなかった。
何十人もの兵士がこちらへ目を向け、ロイの周囲を囲みはじめた。

ロイ「…ちょっと声が大きかったか」
苦笑する。さすがにもう少し警戒すべきだった。


女兵士「ま…待ってください、この人は関係ありません!」

兵士1「なんだと?」

女兵士「私が連れてきたんです!だから、罰なら私が受けます!」

ロイ(あのバカ…)
483:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 01:26:09 ID:uI2Wh2UJdg

兵士1「部外者を地下へ連れてくるとは、とんでもない女だな。では、まずお前を──」

ロイ「待てよ」

兵士1「ん?」

ロイ「俺がその女脅してここまで案内させたんだ。その女は悪くねぇよ」

女兵士「ろ、ロイくん!!」

兵士1「ほう、庇いあいか… しかし、どちらであろうと貴様らに罰を与えるのは変わらないことだ」

兵士1「特に、そこの男。貴様はここで死んでもらう。本国を攻めることを知られてしまったからな」
484:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 01:28:27 ID:O5X0CHOlqg

ロイ「あー、まぁそれは正論だと思うんだけど」

ニッコリと笑って両手をあげる。

ロイ「見てよ。俺、門番さんに剣渡しちゃって、丸腰なんだよね」

ロイ「だから、あんたたちに抵抗することなんてできない」

兵士1「ほう…」

ロイ「だからさ、殺すのだけは勘弁してくんない?牢にでも何でも入るからさ」

兵士1「……」

女兵士「わ、私からもお願いします!」 ペコリ
485:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 01:34:09 ID:x4x9i9Nzlc

……まわりは完全に、兵士たちによって包囲されていた。

どう見ても丸腰の人間が突破できる状況ではない。

兵士1「……」

兵士1「……良かろう。この男の目を隠し、手首を拘束しろ」

そう言って、兵士が剣を下ろした瞬間。



ロイ「───なーんちゃって」

外套が翻り、背に隠し持っていた2本目の剣が引き抜かれる。

兵士「──!?」

ロイ「死ぬのはてめぇらだ」

鋭い音と共に、血飛沫が舞った。
486: 名無しさん@読者の声:2011/11/6(日) 02:10:53 ID:lNbS31iwTM
今1から一気に読んだが凄く面白い!!
つCCCCCCCCCCCC
487:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 02:13:16 ID:aotAc0vzsc

「ぐあっ!!」

「ぎえぇっ…」

次々と斬りかかる兵士をなぎ払い、切り捨てていく。

兵士「きっ…貴様ああぁ!!」

ザシュッ! 「ぎゃっ!!」

ロイ「てめぇらみたいな雑魚、相手にならねぇんだよ!!」

ロイは迷うことなく兵士を斬り、突き刺し、殺していく。

女兵士「あわわ…」 ガタガタ

兵士1「何をしている、相手は一人だぞ、さっさと殺せ!!」
488:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 02:25:21 ID:fLSctY7Zi.

ロイ「一般兵ごときが…!」

剣を大きく横に引きつける。

ロイ「この俺にかなうわけねぇだろ!!!」

ザシュザシュザシュッ!!!

一気に振りぬき、肉を切り裂く。

兵士「……!!」

ロイの服が、返り血で赤く赤く染まっていく。

ロイ「本国を騙しやがって!!ぜってぇ許さねぇからな!!」

ザシュザシュザシュッ!

「ぎえぇっ」

ドスッ!

「ごふっ」

倒れた兵士から剣を奪うと、さらにそれを投げて他の兵士へ突き刺した。


ロイ「こっちは可愛い姫を差し出しってんのに、てめぇらは平気で裏切りかよ!ふざけんな!!姫はこんな腐れ隣国と仲良くするために生まれてきたんじゃねぇ!!!」

鬼のごとく叫び、剣を振るう。


──まさに無双。
ロイに近づく兵士は、片っ端から容赦なく斬られ、倒れた。
489:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 02:29:32 ID:M97GWVJjkM


──しかし、人数が圧倒的に違いすぎる。

ロイ「……っはぁっ、はぁっ」

否が応でも身体が疲労し、限界が近づいてくる。

兵士「きええええぇっ」

ザシュッ!! 「ぐへぁっ」


斬っても斬ってもキリがない。

真っ赤に染まった手を握り締める。

ロイ(本国へ……本国へ、早く、連絡しなければ)

地下からの出口へ目をやる。


──一気に走り抜けて、地上へ出て、隣国を脱出しなければ。

隣国が本国へ到着するよりも早く、自分が本国へ到着しなければ。


ロイ(─…俺が、死ぬ前に)
490:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 02:58:04 ID:U0P6p.FErc

応戦しながら、脱出するタイミングをはかる。

ロイ「……」 ハァ、ハァ

ザシュッ!!!

数十人目の兵士が倒れたとき。

出口へ続く地下通路への道が、わずかにひらけた。

ロイ(──今だ!!)

両脇にいた兵士を斬り捨てると、通路へ向かって一気に走りだす。


兵士1「! 逃げたぞ!!」

兵士2「追え、追え!!」 ダッ
491:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 03:05:18 ID:MmjrPVvqx6

ロイ「はぁっ、はぁっ」

無我夢中で地下通路を駆け抜ける。
通路は50メートル程度だ、さほど時間はかからない。


地上へと繋がる階段をあがり、石の扉をこじあけた。

ロイ「──うぜぇんだよっ!!」

ザンッ!ドスッ!

兵士「ぎゃあっ!!」

当然、地下扉のところに兵士が待ち受けていることなど読めていた。

地上からの光が注いだ瞬間に、剣を突き刺して足で蹴りとばす。


ロイ「っ……」 ダッ

休む暇なく、今度は門番がいる国門へと走る。
そこには自分の馬もいるはずだ。
馬に乗りさえすれば、追いつかれることはない。
492:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 03:22:00 ID:/FPw2cAcBE

ロイ「──!」

不意に背後から殺気を感じ、振り返る。

キィンッ!

振り下ろされた剣を受けとめた。

ロイ「……!?」

明らかに、今までの兵士とは風体が違い、剣の威圧も異なる。


?????「──おかしな部外者がいると聞くから、来てみれば」

ガキィンッ、と剣がはじかれる。

?????「まさか、こんな俺と年差もない男がね」 ニヤリ

ロイ「……誰だてめぇ」

?????「俺?俺は──」

どこかで見たことのある面影が揺れる。


?????「──この国の第1王子だ。お前みたいな下賤な奴に、てめぇ呼ばわりされるいわれはないな」

ニッコリと笑って、ロイへ向かって剣を振りぬいた。
493:
◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 03:44:21 ID:yTWeyWMdBg

ロイ(はえぇっ…!)

ギィンッ!

振りぬかれた剣を斬られる寸前で止める。

第1王子「へぇ、やるね」

グググッ、と均衡する。

第1王子「…でも、君の動きを止めるのなんてわけないよ」

ロイ「!」

次の瞬間、第1王子が腰ベルトから短剣を引き抜く。

ロイ「な…」

第1王子「……」 ニッコリ

第1王子「──お疲れ様」


腕が振り上がる。

第1王子は満面の笑みを浮かべて、それをロイの脇腹に突き刺した。


反応、できなかった。
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