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姫「結婚相手が男の娘だなんて」
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1: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 21:06:35 ID:qdMevyRfro

姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」

王子「ありがとうございます」

姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」

王子「は?」

姫「見せてみなさい」ガバッ

王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0


427: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 23:57:53 ID:wxB1uZfEsc
ロイさん代わってください、私もクレアたんの風呂場に入りた(ry
428: 名無しさん@読者の声:2011/11/3(木) 00:35:33 ID:emIXT3i.Lo
俺が!バスタオルだ!
429:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 01:23:38 ID:T8hYnX7qxo


──────

姫「……」

王子「……」

姫「…お、王子…」

王子「はい」

姫「…顔、ち、近いんだけど…」

王子「……夜に姫の部屋に行って、何もしないというのは男が廃るかと思いまして」

姫を壁に押しつけ、ぐぃっと顔を近づける。

姫「ばっ… 何いってんのよ!」

王子「僕は本気です」
430:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 01:26:00 ID:2.YmjrSCgk

姫「や、やめてよ。私、王子とそんなことするつもりは──」

王子「さっき僕の涙ぬぐってくれたじゃないですか。凄く嬉しかったです」

姫「そ、それは関係ないでしょ!王子の話聞いたら情が移っちゃったっていうか…」

王子「じゃあ、僕と結婚してくれますか?」

王子の顔が至近距離まで迫る。
ドキッとして押し払おうとすると、手が王子によって握られていた。

姫「…!」

王子「……姫」

ボスンッ、と音がして、

姫はベッドに押し倒されていた。
431:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 01:28:15 ID:yUqErVkrqI

姫「っ…」

王子「……抵抗しないんですね」

姫「あ…、あんたみたいな女顔に押し倒されても何も感じないのよ」

王子「……」

姫「……あんたの考えてること、当ててあげる」

王子「…?」

姫「王子は、無理に男らしくなろうとしてる。私に認めてもらうために」

王子「……」

姫「私を押し倒したのは褒めてあげる。でも、王子はこれ以上は望んでない。私が抵抗するのを待ってる…そんな顔してるわ」

王子「……ずいぶん余裕ですね。顔、真っ赤なのに」
432:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 01:32:58 ID:wUf5zKLk5A

姫「…そりゃ、ちょっとはドキドキしてるから」

姫「でも、王子がそんなに意地をはる必要があるの?王子は王子で、そのままでいいじゃない」

王子「……散々僕の容姿を馬鹿にしたのは姫じゃないですか」

姫「う…」

王子「男らしい人が好きだと言ったのも姫じゃないですか」

姫「……そ、そうだったわね…」

王子「……」


─ボスッ
不意に、王子は姫の首もとに顔を埋めた。

姫「ちょ、お、王子!?」
433:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 01:35:23 ID:O5X0CHOlqg

王子「……安心してください。何もしません」

姫「え…」

王子「姫は、全部お見通しみたいですから」

姫「……」

王子「僕は、この女の子みたいな容姿のせいで、根拠もなく意気地なしとか、男らしくないとか色々言われてきました」

王子「……だからせめて、姫にふさわしい男になれることくらいは、証明したかった」

姫「王子…」
434:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 01:42:18 ID:yCR8lNQFsc

王子「……姫」

姫「…なによ」

王子「抱きしめるくらいは、いいですよね」

姫「……」

姫「……うん」


──次の瞬間。

バタンッ!! 「!?」

勢いよく扉が開き、何かが飛び込んできた。

ジョン「わんわん!わんわん!」
435:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 01:46:21 ID:Xtx7gAHpjY

王子「じょ、ジョン…!?」

ジョン「わんわんっ!わん!」
(ロイの姫に手を出してんじゃねぇよこのカス!!!)

王子「!?」

王子「いっ、いたたたたっ」

ジョンがベッドへ向かって飛翔し、王子の腕に勢いよく噛み付いた。

ジョン「がるるるるる」 ガブガブ

王子「ま、待って待っていきなり何なの!?」

姫「……」 ボーゼン

ジョン「がるるるるる!!」ガブガブ

王子「ちょっ、ストップ、ストップジョン!!」

ジョン(ロイ… 約束>>239は果たしたぜ!!!) ドヤァ
436: 名無しさん@読者の声:2011/11/3(木) 05:43:26 ID:qSwxP77vlw
ジョンwww空気読めwwwww
437: 名無しさん@読者の声:2011/11/3(木) 16:38:29 ID:vJ5YwfnO9A
ジョンのアフォwwwwwいいところだったのにwwwww
438:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:40:04 ID:oXJpTUulPQ

──翌日、朝4時

ロイ「……」

クレアが寝ているのを確認しつつ、身支度を整えて腰に剣をさす。

クレア「…zzZ」


ロイ「……」

ロイ「……ま、縁があったらまたどこかで」

ふわりと外套を翻すと、静かに小屋を後にした。
439:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:42:50 ID:OEv/Nma8qg

──馬を走らせて、2時間弱。

ロイ「……着いたな」

馬「ヒヒーン」

隣国は頑丈な鉄壁に囲まれており、外からは国の中は見えない。

ロイは入国手続きをするために門番のところへ行った。


ロイ「──どうも」

門番「ん?なんだお前は」

ロイ「ただの旅人です。観光に来たんですけど、入国してもいいですか?」

門番「ほう。入国料は2万ゼニーだ」

ロイ「高いですね」

門番「文句を言うなら帰れ。あと、お前の持ち物を全てチェックさせてもらおう」
440:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:45:17 ID:QP6X0Gynu.

門番「……ふむ。そこの腰に下げている剣以外は、特に怪しいものはないな」

ロイ「旅をしていれば、護身用に剣を持ち歩くのは当然ですよ」

門番「そんなことは聞いていない。その剣は、こちらで預からせてもらおう」

ロイ「はぁ」

門番「なんだ、文句があるのか?」

ロイ「いいえ、何も」

涼しげな表情をして、ロイは剣を門番に手渡した。


門番「──よし。入国料も貰ったし、入国を許可しよう。入れ」

ギイイイィ、と音を立てて灰色の門が開いた。
441:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:47:38 ID:apt6p77LGE


ロイ「……」

歩きつつ、ぐるりと周りを見渡す。

ロイ「……息がつまりそうだ」

無機質な光景。
木や草花がほとんどなく、あるのは質素な家屋と農地。

それが東西南北飽きることなく続いていた。

ロイ「…あの女が言っていたことは本当みたいだな」

黙々と農作業をする人々。
その目は曇り、諦めに似た色が見えた。
442:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:49:52 ID:nylk54VH.6

ロイ「……」

だが、予想とは違い農民が過酷な重労働を強いられているようには見えなかった。

鞭をもった役人もいなければ、剣をもった兵士もいない。

ロイ「……静かだな」

ロイ(ひょっとして、案外治安は保たれているのか?)


畑仕事をする一人の老人に歩みよる。

ロイ「……よう、爺さん」
443:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:52:40 ID:oaV8sFVAmA

老人「ん…?」

ロイ「ちょっと聞きたいことがあるんだが」

老人「……見ない顔だな。外の人間かい」

ロイ「あぁ。観光にきた」

老人「この国に観光とは珍しいことだ。何も面白いものはなかろう」

ロイ「んー、まぁな。ところで爺さん、この国は今どういう状況なんだ?」

爺さん「……」
444:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:54:25 ID:6ryzL53E0I

ロイ「あと、この国の王とか王子のこととかも知りたいんだが」

老人「……」

ロイ「……?」

老人「……」

ロイ「……なんだよ、教えてくれねぇのか?」

老人「…部外者に余計なことを言わないというのがこの国の決まりだ。何も言うことはない」

ロイ「……あ、そう…」
445:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:56:59 ID:apt6p77LGE

…他の国民に尋ねても、結果は同じだった。
誰も何も教えてくれない。


ロイ(……怪しいな)

ロイ(いっそ、本国の近衛隊長と名乗って城に入れてもらうか)

ロイ(……あ。隊長バッジ忘れた)


ロイ「……つーか、こうまで面白みの無い国じゃ、調べるものもねぇな」

ロイ「あるのは農地と住宅地と小さな商店街、か…」
446:
◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 00:00:48 ID:eaK745q2DQ

ロイ(……待てよ。確か、隣国は内乱を鎮圧するだけの軍事力があるんだよな)

再び周りを見渡す。

ロイ「……軍事施設はねぇ、な…」

考える。
地上には何もない、それならば──




ロイ「─……地下」
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