姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」
王子「ありがとうございます」
姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」
王子「は?」
姫「見せてみなさい」ガバッ
王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0
390: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 00:13:57 ID:OxfdlXW7XU
>>388
そ れ だ !
391: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 00:15:17 ID:/h1J5f9sxg
>>388
奇才現る
392: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 00:44:24 ID:emIXT3i.Lo
>>388
アッー
393: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 01:00:14 ID:Cd/PMBqUCQ
イク〜!
394: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 20:53:56 ID:rlABdhtnEw
支援あげ
395: ◆qoozyz1NgY:2011/11/1(火) 23:51:01 ID:GUEAzaQzlA
少し補足
姫の国→本国
王子の国→隣国と表記します
隣国の人でも自分の国を「隣国」と呼ぶのでご注意を
396: ◆qoozyz1NgY:2011/11/1(火) 23:53:08 ID:NA5BbxDVyU
クレア「…もし、具合悪かったら言ってくださいね。風邪薬くらいはありますから」
ロイ「…あぁ」
クレア「……」
クレア「──隣国へは、行かないほうがいいですよ」
ロイ「は…?」
クレア「私はその隣国から逃げてきたんですから」
ロイ「!」
クレア「……」
ロイ「……隣国について、知ってることを教えてほしいんだけど」
クレア「知らないのに隣国へ行こうとしてたんですか?」
ロイ「外面なら知ってるさ。けど…俺にも事情がある」
クレア「……」
クレア「…わかりました。私の知ってる範囲で、お話します」
397: ◆qoozyz1NgY:2011/11/1(火) 23:56:40 ID:QFizjqWWJ6
───城(夜)、姫の部屋
姫「──そういえば、ロイの姿を見ないわね」
侍女「はい、そうですね… どこかへお出かけになっているようですけど」
姫「あら、そうなの?」
侍女「婚約パーティーまでにはお帰りになられるそうですよ」
姫「な〜んだ…せっかく他国視察から帰ってきてくれたのに。近衛隊長も暇じゃないのね…」
侍女「…さ、寝台の準備が終わりましたよ」 パッパッ
姫「ん、ありがと」
コンコン
姫「?」
侍女「誰か来ましたかね」
コンコン、
『王子です。姫、ちょっといいですか?』
398: ◆qoozyz1NgY:2011/11/1(火) 23:58:01 ID:Ix/8/HR8zU
姫「……夜にレディの部屋に来るなんて、あんたも大胆なことするじゃないの」
王子「え! いやいや、違いますよ、そんなつもりは微塵も」
姫「じゃあ何の用よ」
王子「暇だったので。トランプやりませんか?」
ニコッと笑って、得意気にトランプを取り出す。
姫「……それだけのために来たの?」
王子「はい。あ、ポーカーじゃなくてもいいですよ。ババ抜きでも七並べでも」
姫「やだ。負けるの目に見えてるもん」
王子「えー」
姫「……」
王子「…? どうかしましたか、急に難しい顔して」
姫「……思い出した。王子、あんたにずっと聞きたいことがあったの」
399: ◆qoozyz1NgY:2011/11/1(火) 23:59:34 ID:HUyNmpQ.3E
王子「聞きたいこと…?」
姫「政略結婚のこと。私はずっと嫌だ嫌だ言ってたけど、あんたの意見を何も聞いてない」
王子「……」
姫「王子はどういうつもりで私との結婚を承諾したの?やっぱり国のため?」
王子「……そうですね。国のため、といえば国のためです」
姫「この国との戦争を避けるため?」
王子「…それは、隣国にはあてはまりません」
姫「?」
400: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 00:02:19 ID:NHcPp6t4no
姫「どういうこと?隣国との不和の原因は国境争いで、その衝突を避けるための政略結婚なんじゃないの」
王子「姫は本当に何も知らないんですね」
姫「む。しょ、しょうがないじゃない!外交とかお父様に任せきりで、全然興味なかったし」
王子「…確かに簡単に言えば国境争いですが、国境を変えようと積極的に働きかけているのは隣国です」
王子「一方この国は保守的で、国境を広げようとも狭めようともしていません」
姫「……じゃあ、不和の原因は隣国だってこと?」
王子「はい」
401: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 00:03:54 ID:YvuzyYVhZU
クレア「──隣国は、資源的に貧しい国です。木や草がなく、土地は枯れ、満足に作物を収穫することができません」
クレア「ですから、国民が懸命に働いても食料が賄いきれないのです。飢餓で亡くなる人も少なくありません」
ロイ「…確かにな。俺もここまで走ってきてわかったが、隣国へ近くなるほど土地が痩せてきている」
クレア「はい。…ですが、王はそのような国民の事情をわかっていてもなお、重い税を課してきます。自分たちの、裕福のために」
402: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 00:06:06 ID:M97GWVJjkM
王子「……僕の父さんは、冷酷な人です。そして、二人の兄さんも」
王子「土地が痩せているのは国民が手入れを怠けているからだと。米の収穫が悪いのは、苗を作っている農家が悪いからだと言うんです」
姫「…隣国が悪政だというのは聞いたことがあるけど…、土地のことは知らなかったわ…」
王子「はい。けど、やはり獲れないものは獲れませんから。父さんも、やっとそれに気づいたみたいで… 資源豊かなこの国に、目をつけたんです」
姫「!」
403: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 00:08:05 ID:qWiM/K5756
王子「父さんは、この国の王に国境を変えるよう要請しました。この国は自然豊かで、食べ物にもさほど困っていませんから、その肥沃な大地を欲しいと思ったんでしょう」
王子「ですが、この国の王はそれを断りました」
姫「お父様が…?」
王子「僕の父のような暴君に、土地を分け与えるのは良くないと判断したんでしょう」
王子「しかし、それでも父は土地を分譲するよう迫りました。それが、本国と隣国の不和です」
404: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 00:10:25 ID:x4x9i9Nzlc
ロイ「──つーかよ、そんなに悪政ならなんで内乱が起こらないんだ。国民が団結して王を倒せばいいだろ」
クレア「内乱は何度も起こりました。…ですが、城の軍事力がとても強いのです。起こす度に鎮圧されました」
ロイ「…マジか」
クレア「特に3人の王子は、とても武力に長けているのです。一度か農民軍がかなり有利に内乱を進めたことがあったのですが、そのときは直々に出陣した王子によって、壊滅せしめられました」
ロイ「…!」
クレア「国から逃げようとすれば、門番に殺されます。…まぁ、私はちょっと特殊な方法で逃げることができたんですけどね」
405: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 00:12:37 ID:8C0o4sgn8A
王子「──僕には、何もできなかった。僕は第3王子で、地位も兄さんたちより低いから、権力なんて思ったほどないんです」
王子「でも、この国の王が、隣国との和解のために、僕と姫との結婚を提案してくれました。……僕にもやっと、祖国のためにできることが生まれたんです」
姫「え、でもそれじゃ──」
王子「僕たちの結婚によって、隣国が本国の土地を求めないこと、本国が隣国に相当量の穀物を分け与えることが約束されています」
姫「…!」
406: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 00:17:33 ID:svXBI68Hng
姫「……じゃあ王子は、本当に、『政略結婚』するつもりなんだ」
王子「…僕も、はじめはそのつもりでした」
姫「はじめ…?」
王子「今は、姫と結婚したいと心から思っています」
姫「っ…!」
王子「これ以上国民が重税や飢餓に苦しむところをみたくない…。でも、戦争はもっと嫌だ…
……僕にできることは、これが全てなんです」
姫「……王子」
王子「姫の気持ちはわかります。でも…でも、どうか、わかってください」
姫「─……王子、あんた泣いてるの?」
王子「え?」
──はらりと、王子の頬に一筋の涙がつたった。
407: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 02:02:21 ID:xhfzhuhFdc
王子タンセツナス(・ω・`)
やっぱ良い子!
そしてロイははやくしんじゃえ!!プンプン
408: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 02:25:38 ID:56UEjhngyc
>>407かわいく言っても「しんじゃえ」はねーよ
409: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 04:16:10 ID:r517UsUXT6
>>408
はげど
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