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姫「結婚相手が男の娘だなんて」
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1: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 21:06:35 ID:qdMevyRfro

姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」

王子「ありがとうございます」

姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」

王子「は?」

姫「見せてみなさい」ガバッ

王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0


381:
◆qoozyz1NgY:2011/10/31(月) 21:12:16 ID:I.ZpwUjV3w

クレア「んもーっ、ちゃんと聞いててくださいよぉ」

ロイ「わり。何の話だっけ」

クレア「ロイさんはどこへ行こうとしてるんですか?」

ロイ「……隣国」

クレア「隣国!もう目の前じゃないですか」

ロイ「しゃーねぇだろ、日が暮れちまったんだから」

クレア「でもそのおかげでロイさんに助けてもらったんですから、感謝しないといけませんね」 クスクス

ロイ「……ごちそうさん」

カチャリとスプーンを皿の上に置いた。
382:
◆qoozyz1NgY:2011/10/31(月) 21:18:51 ID:hDHpJ5nbX.

クレア「あれ、もういいんですか?」

ロイ「あぁ。うまかったよ、ありがとう」

クレア「ひゃーっ!また褒められちゃった!」

ロイ(変なやつ…)


クレア「…そういえば、どうして隣国へ行こうとしてるんですか?面白いものなんてないと思いますけど」

ロイ「それは──」

次の瞬間。
突然胸に圧迫されるような重みがかかり、何かがこみあげてきた。

ロイ「──っ!」

慌てて口を覆う。

ロイ「ごほっ、ごほっ、ごほっ」

クレア「ロイさん!?」
383:
◆qoozyz1NgY:2011/10/31(月) 21:22:19 ID:Sxz12VfY0s

ロイ「っ、ごほっ、ごほっ、ごほっ…」

苦しそうに顔を歪める。
慌ててクレアがロイに駆け寄った。

ロイ「ごほっ、ごほっ」

クレア「ろ、ロイさん大丈夫ですか!」
背中に手をあて、さする。

ロイ「近づくな…」 ゴホッゴホッ

クレア「咳、止まりませんか!?何か喉につまったでしょうか、それとも──」

ロイ「近づくなっつってんだろ!!!!」

クレア「っ!」 ビクッ
384:
◆qoozyz1NgY:2011/10/31(月) 21:47:58 ID:1aUoG5Q0f2

ロイ「……」 ハァ、ハァ

クレア「……」

ロイ「………わりぃ」

クレア「! いっ、いえ!こちらこそ勝手なことしてごめんなさいっ…」

ロイ「……」

額の汗をぬぐう。
血のついた手のひらを、クレアから見えないようにハンカチで拭いた。

クレア「…すみません…。私、ちょっと馴々しくしすぎましたよね」

ロイ「……風邪、うつしたくねぇから」

クレア「え?」

ロイ「今度咳したくなったら外に行くわ」

クレア「えぇ!?」
385: 名無しさん@読者の声:2011/10/31(月) 23:34:20 ID:T/2e1zFibk
ロイは死んでほしくないぃ
386: 名無しさん@読者の声:2011/10/31(月) 23:38:39 ID:O2iLUoTt4M
いやロイはしななきゃ駄目だ!!!!
しんで王子にあやまらなきゃ…
387: 名無しさん@読者の声:2011/10/31(月) 23:39:50 ID:6iDiLHT5wA
ロイがしんだって王子は喜ばないよ(`;ω;´)!そして私は泣く(`;ω;´)!
388: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 00:05:17 ID:abfFXIg/oE
ロイはもう王子とくっつけばいい
389: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 00:13:20 ID:9OlYbe6a82
クレアたん可愛い俺の嫁
390: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 00:13:57 ID:OxfdlXW7XU
>>388
そ れ だ !
391: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 00:15:17 ID:/h1J5f9sxg
>>388
奇才現る
392: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 00:44:24 ID:emIXT3i.Lo
>>388
アッー
393: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 01:00:14 ID:Cd/PMBqUCQ
イク〜!
394: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 20:53:56 ID:rlABdhtnEw
支援あげ
395:
◆qoozyz1NgY:2011/11/1(火) 23:51:01 ID:GUEAzaQzlA

少し補足
姫の国→本国
王子の国→隣国と表記します

隣国の人でも自分の国を「隣国」と呼ぶのでご注意を
396:
◆qoozyz1NgY:2011/11/1(火) 23:53:08 ID:NA5BbxDVyU

クレア「…もし、具合悪かったら言ってくださいね。風邪薬くらいはありますから」

ロイ「…あぁ」

クレア「……」


クレア「──隣国へは、行かないほうがいいですよ」

ロイ「は…?」

クレア「私はその隣国から逃げてきたんですから」

ロイ「!」

クレア「……」

ロイ「……隣国について、知ってることを教えてほしいんだけど」

クレア「知らないのに隣国へ行こうとしてたんですか?」

ロイ「外面なら知ってるさ。けど…俺にも事情がある」

クレア「……」

クレア「…わかりました。私の知ってる範囲で、お話します」
397:
◆qoozyz1NgY:2011/11/1(火) 23:56:40 ID:QFizjqWWJ6

───城(夜)、姫の部屋


姫「──そういえば、ロイの姿を見ないわね」

侍女「はい、そうですね… どこかへお出かけになっているようですけど」

姫「あら、そうなの?」

侍女「婚約パーティーまでにはお帰りになられるそうですよ」

姫「な〜んだ…せっかく他国視察から帰ってきてくれたのに。近衛隊長も暇じゃないのね…」

侍女「…さ、寝台の準備が終わりましたよ」 パッパッ

姫「ん、ありがと」

コンコン

姫「?」

侍女「誰か来ましたかね」

コンコン、

『王子です。姫、ちょっといいですか?』
398:
◆qoozyz1NgY:2011/11/1(火) 23:58:01 ID:Ix/8/HR8zU

姫「……夜にレディの部屋に来るなんて、あんたも大胆なことするじゃないの」

王子「え! いやいや、違いますよ、そんなつもりは微塵も」

姫「じゃあ何の用よ」

王子「暇だったので。トランプやりませんか?」

ニコッと笑って、得意気にトランプを取り出す。

姫「……それだけのために来たの?」

王子「はい。あ、ポーカーじゃなくてもいいですよ。ババ抜きでも七並べでも」

姫「やだ。負けるの目に見えてるもん」

王子「えー」

姫「……」

王子「…? どうかしましたか、急に難しい顔して」

姫「……思い出した。王子、あんたにずっと聞きたいことがあったの」
399:
◆qoozyz1NgY:2011/11/1(火) 23:59:34 ID:HUyNmpQ.3E

王子「聞きたいこと…?」

姫「政略結婚のこと。私はずっと嫌だ嫌だ言ってたけど、あんたの意見を何も聞いてない」

王子「……」

姫「王子はどういうつもりで私との結婚を承諾したの?やっぱり国のため?」

王子「……そうですね。国のため、といえば国のためです」

姫「この国との戦争を避けるため?」

王子「…それは、隣国にはあてはまりません」

姫「?」
400:
◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 00:02:19 ID:NHcPp6t4no

姫「どういうこと?隣国との不和の原因は国境争いで、その衝突を避けるための政略結婚なんじゃないの」

王子「姫は本当に何も知らないんですね」

姫「む。しょ、しょうがないじゃない!外交とかお父様に任せきりで、全然興味なかったし」

王子「…確かに簡単に言えば国境争いですが、国境を変えようと積極的に働きかけているのは隣国です」

王子「一方この国は保守的で、国境を広げようとも狭めようともしていません」

姫「……じゃあ、不和の原因は隣国だってこと?」

王子「はい」
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