少女は走る 走る
その白い足は止まる事を知らない
その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない
その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる
腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする
辿り着いたのは、とある井戸
その向こうは、彼女の世界
449: 名無しさん:2011/7/13(水) 00:38:57 ID:IvjfUba.8M
男「でけー…」
白兎「凄いですね…」
山鼠「だろ?」ドヤッ
男「何でお前がドヤ顔してるのか分からんがな」
山鼠「早く行こうぜ」タッタッ
白兎「山鼠ちゃん生き生きしてますねー」
男「途中でぶっ倒れないか心配だわ」
山鼠「あでっ」コテン
男「言わんこっちゃない」
450: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:08:22 ID:1e0RqNmnOw
男「ほらしっかりしろ」グイ
山鼠「あ、りがと」ヨロッ
白兎「無理しちゃ駄目ですよ」
山鼠「これくらい平気だ。うん、よし」
山鼠「婆ちゃんただいま!」ガチャ
白兎「お邪魔します」
男「同じくです」
451: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:12:49 ID:B4pYf22bqU
婆鼠「……あら、今の声は山鼠かい?」
山鼠「婆ちゃん!」ダキッ
婆鼠「おやおや、二十日が来てくれたと思えば次は山鼠かい
嬉しいねぇ…」ナデナデ
山鼠「へへー!」ポフッ
白兎「(何か邪魔出来ない雰囲気ですね…)」コソコソ
男「(いっそ帰るか)」コソコソ
白兎「(いやいや…)」コソコソ
452: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:17:48 ID:B4pYf22bqU
婆鼠「…ところで山鼠、後ろのお客さんは」
山鼠「ん、あ!」
白兎「は、はじめましてっ!
山鼠ちゃんの友達の…」
婆鼠「そう、白兎ちゃん…」
白兎「しろう……へっ?」
婆鼠「あの女王様のお気に入りの子って言うのは、あなたの事なのねぇ…」
白兎「え…えと…」
男「……?」
453: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:24:02 ID:bskeXDFV8Q
婆鼠「そう、山鼠がシロ、シロって言ってたのはあの子の事なのね…」
山鼠「そう!」
婆鼠「で、其方の方は……」
山鼠「あぁ、あいつは」
男「はじめまして
山鼠の夫です」
山鼠「そうそう、おっ……あ゙?」
婆鼠「ふふ…男さん、年寄りに冗談は止めて頂戴?」
男「あら、バレちゃいます?」
婆鼠「えぇ、そんな事は私『知らない』もの」
454: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:29:36 ID:jox2lqGdgw
男「何で、言ってもない俺達の名前が分かるんで?」
婆鼠「私のアリスへの献上品は『無知』だもの」
男「無知…?」
白兎「知らないものを失ってるってこと、ですか?」
婆鼠「そうねぇ…」
男「献上していくごとに知識が増えていくと」
455: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:36:23 ID:t57GnFDOYg
婆鼠「そういうこと
あなた達の事も殆ど全てわかってしまうわね…」
婆鼠「例えば、白兎ちゃんの献上品は視力かしら?」
白兎「!…はい」
婆鼠「そして……」
男「……」
婆鼠「…山鼠」
山鼠「何?」
456: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:38:58 ID:1b/AplOPAI
婆鼠「地下室から林檎でもとってきてくれる?
歓迎にパイでも作りたいわ」
山鼠「うん!」タッタッ
婆鼠「山鼠には外して貰ったわ
あなた達に、あなたに話があるの」
男「俺、ですか…?」
婆鼠「あなた、未だにアリスに何を献上しているか知らないでしょう?」
男「!」
婆鼠「良い機会だから、教えておきましょう…」
457: 名無しさん:2011/7/13(水) 01:40:55 ID:WeYS042/lU
少なめの更新のつもりだったのに結構書いてしまいました
この調子で試験勉強も捗れば良いんですがね…
>>445
ありがとうございます!
それではまた明日
458: 名無しさん:2011/7/13(水) 02:13:30 ID:23BYopFfCk
つづきたのしみ!
試験も根を詰めすぎない程度に頑張って下さいまし〜
あと>>456のIDが「アップルパイ」と読めなくもないw
459: 名無しさん:2011/7/13(水) 04:19:50 ID:zffT4OvZNo
>>456
アップルオッパイwwwww
460: 名無しさん:2011/7/13(水) 07:45:57 ID:SJzSf1p/CA
続きわくてか!!
頑張れ!!試験も!
461: 名無しさん:2011/7/13(水) 19:23:35 ID:q7WYcuVBgk
CCCCCCCCC
はあ…無邪気な山鼠ちゃんもかわいい…
ついに男の秘密が… CCCCCCCCC
462: 名無しさん:2011/7/14(木) 00:13:55 ID:JZ308n9LZ6
>>458
ありがとうございます
数学逝ったからやけくそ気味に書いていきますwww
>>459
_ ∩
( ゚∀゚)彡
⊂彡
>>460
書きため無くなりましたが頑張っていきます
>>461
Cで囲みたかったけど失敗しちゃったんですかぬ?
そこまでいけるか不安ですが、はじめていきます
463: 名無しさん:2011/7/14(木) 00:39:33 ID:bskeXDFV8Q
男「俺の?」
婆鼠「えぇ…」
婆鼠「少し、酷かも知れないけどいつかは知らないといけないから」
男「……」
白兎「……」
婆鼠「…あなたは」
山鼠「に゙ゃああぁぁ!!」
男「」ビクッ
白兎「」ビクッ
婆鼠「あら…どうしたのかしら」
464: 名無しさん:2011/7/14(木) 00:43:54 ID:jox2lqGdgw
白兎「や、山鼠ちゃん?…頭に乗せてるのは…どちら様です?」
山鼠「し、シロ!」ドタドタ
婆鼠「家の中で走るもんじゃ無いですよ」
山鼠「婆ちゃん!こいつ誰だ!」
?「あぅー?」グイー
山鼠「いだいいだいいだい!!髪引っ張るな!!」
男「カオス」
465: 名無しさん:2011/7/14(木) 00:51:07 ID:zY8aT7nkmQ
婆鼠「孫鼠や、婆ちゃんはこっちだよ」
孫鼠「う?あー!」ピョン
山鼠「…やっと解放された」
婆鼠「駄目ですよ孫鼠
髪は女の命なの」
孫鼠「うぅ?」キョト
白兎「大丈夫でした?」
山鼠「頭ヒリヒリしやがる…」
466: 名無しさん:2011/7/14(木) 00:56:25 ID:1e0RqNmnOw
山鼠「婆ちゃん、誰なんだよそれ…?
」
婆鼠「この子はね、私の実の孫だよ」
山鼠「いたっけそんなの?」
婆鼠「山鼠や二十日が出てった後引き取ったからね
知らなくても無理はないさ」
山鼠「婆ちゃんが世話してるの?」
婆鼠「そうさ。お前達が出てってから寂しくてね…」
婆鼠「私の息子が戦争に出るって言うから引き取ったのさ」
孫鼠「あーぅ」
467: 名無しさん:2011/7/14(木) 01:01:49 ID:SBxlnoh5O6
山鼠「今いくつ?」
婆鼠「あんたの三つ下さね」
男「え」
婆鼠「おや、どうしたの?」
男「三つ下でそれは、幼過ぎません」
白兎「お、男さん…失礼ですよ…?」
婆鼠「しょうがないさ
この子はアリスに『知』を献上したんだから」
山鼠「ち…?」
468: 名無しさん:2011/7/14(木) 06:35:10 ID:t57GnFDOYg
婆鼠「言ってしまえば私の逆さ
この子の知識は、どんどん減っていく」
婆鼠「こないだ、言葉を無くした所だね」
男「…それはキツいですね」
婆鼠「……そうね」
婆鼠「何にしてもごめんなさいね
孫鼠が髪を引っ張ったりしたみたいで」
山鼠「あ、や、別に平気
元からボサボサだし」
婆鼠「それじゃ女の子らしくないわ
後で直してあげる」
山鼠「あ、うん」
婆鼠「ごめんなさいね男さん。さっきの話はまた夜にでも」
男「……」
山鼠「…なんのこと?」
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