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嗚咽

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Part4
448 :22歳ですが 1/2 :03/07/16 10:19 ID:f9HVyXOg
今年、母が亡くなった。

遅い反抗期だったと思う。
中学生まで親に逆らわず良い子だった俺が、高校生になり急に親に反抗するようになった。
母親には罵声を浴びせ、家に帰らない日々が続いた。
高校卒業と同時に家出同然に実家を出た。
最初のうちはそれでも住所くらいは伝えていたが、住所を何度か変えるうち
いつの間にか両親との連絡は一切途絶えてしまっていた。

唯一電話番号を教えていた(それでも一切連絡のなかった)弟から電話が来たのは、
俺の彼女のお腹に子供がいることが判明した今年2月の事だった。
母が倒れたと言う。

両親に対する反抗心はもうなかったが、いまさら帰るのは正直億劫だった。
母が深刻な状態などとは思ってもいなかった。
それでも行く気になったのは、彼女を紹介しようと考えたからだ。

母親が亡くなったのは、翌日俺たちが高速道路を走っている頃だったらしい。
久しぶりに会った親父はひどく小さな背中をしていた。
相変わらずの無骨な声で、「よう」だか「おう」だか一言発しただけだった。
母は俺の記憶とは全く違う老いた顔で、それでも安らかな表情で眠っていた。
涙は出なかった。


449 :22歳ですが 2/2 :03/07/16 10:20 ID:f9HVyXOg
葬儀も終わって一週間位たった頃、親父から俺宛にひとつの段ボール箱が届いた。
中身は父の無骨な字で書かれた「母さんの形見だ」というメッセージと大量の手紙、
そして、ひとつの指輪だった。

百通以上はあろうかという手紙は、すべて母が俺に宛てて書いたもので、
俺が家を出た頃から書いていたらしい。母らしい丁寧な字で
ひたすら俺のことを心配する、そして自分の不甲斐なさを俺に詫びる内容だった。
それらの手紙は、親父らしからぬ几帳面さできちんと順番に梱包されていた。

同封されていた指輪にも一通の手紙が添えられていた。
「この指輪は、私のお母さん、つまりあなたのおばあちゃんの形見です。
私が結婚するときにもらったものです。あなたにいい人ができたら、
この指輪をプレゼントしてあげてください。私の両親や私たちのように、
幸せな家庭を築いてください。」

俺は指輪と手紙を彼女に渡して、黙って寝室に行った。
しばらくして彼女が真っ暗な部屋に入ってきて、
俺の背中に背中を合わせて座った。すすり泣いていた。
その時、「あぁ、泣いてもいいんだ」と思った。涙が出てきた。止まらなかった。

母さんごめんな。そしてありがとう。
生まれてくる娘の名前には、あなたから一文字頂きます。
あなたに返せなかった愛情を、そのぶんこの子に与えられるように。
そして、あなたの優しさや強さをこの子に伝えるために。



591 :大人の名無しさん :03/08/09 11:41 ID:H/FVJpNz
ある女の人が学生の頃に暴行されました。
男性不信になった彼女はずっと男性を避けていましたが、会社勤めをしているうちにそんな彼女に
熱烈にアタックしてくる人がいました。
その男性の優しさや「こんな自分でも愛してくれるんだ」という気持ちから、彼女も彼と交際を始めました。
そして交際を重ねて二年、ずっと清い交際を続けてきた彼が彼女をホテルに誘いました。
彼女は「大好きな人とできるのだから怖くない」と自分に言い聞かせましたが、やはりベッドの上で
パニックを起こしてしまったそうです。
その時、彼は彼女が泣きながら切れ切れに語る辛かった過去を辛抱強く穏やかに聞き、最後に
泣き伏してしまった彼女に「ずっと大変な事を一人で抱えてきたんだね」と頭を撫でたそうです。
そして彼女の頭を一晩中撫で続けながら、彼女に語りかけていたそうです。
「これからはずっと俺が守るから。もう怖い思いはさせないから」
「焦る事は無いよ、ゆっくりと分かり合おう」
「君はとてもキレイだよ、ちっとも汚れてなんかいないよ」

「ごめんなさい」と繰り返す彼女に、彼は一晩中優しく語り掛け
「いつか、君が僕との子供が欲しいと思う時まで、心で深く分かり合っていこうよ。
僕が欲しいのは君の体じゃなくて君自身だよ」
と言い、その後彼女と結婚するまでの五年間、おでこにキスくらいまでの清い交際を続けました。
そして結婚してからも焦る事無く、ようやく初夜を迎えることができたのは結婚後二年経ってから
だったそうです。

そして、私と弟が生まれました。

弟が二十歳になるのを待って、母が初めて子供二人に語ってくれた話でした。
その話を聞いたとき、母の苦しみや父の愛情、そしてそれに母がどれだけ癒されたのか、今ここに
自分の生がある事のありがたさを知って、ボロボロと泣きました。
お父さん、お母さん、愛し合ってくれてありがとう。


601 :591 :03/08/11 10:45 ID:c/BoqKRz
さらにその後、父とその件について話した事があったのですが、ホテルでの一件の後
父は結婚してから母を一人にする事のないように自営業を始めるため、五年間貯金を
したそうです。
開業資金、結婚資金が貯まって、母にプロポーズをした時も「一生子供が作れなくてもいい」
と思っていたそうです。
実際、振り返ってみても父と母はいつも一緒にいた所しか思い出せません。
そんな両親も今はこの世にはいません。
二年前に母がすい臓ガンで、昨年父が脳卒中でこの世を去りました。
母の命日に位牌を抱いたまま冷たくなっていた父を見て、弟と二人号泣しました。
「お父さん、本当にお母さんのことが大好きだったんだね」と大の大人が葬式で
わぁわぁ泣きました。
法事まで母を一人にできなくて同じ日に亡くなったんでしょうか。

私たちを叱る時、精一杯厳しくしようとして、出来なくて、目に涙を浮かべながら
一生懸命大きな声を出していた父と、大きくなって「恥ずかしいよ」と文句を言っても
私たちの頭を良く撫でてくれた母。
本当に最高の両親でした。



88 :大人の名無しさん :03/03/21 18:02 ID:hIId7vE5
もう10年以上前に妹を亡くしました
母が妊娠中期過ぎあたりで早産し、生後1週間ほどでこの世を去りました

ミルクも飲めず管をたくさん付けられて、保育器の中で一生懸命動いていました
小さい小さい体でよく1週間も生きていてくれました。

家に連れて帰り、管の付いていない顔を見ている時はなんとも思わず
顔だちが綺麗だとか、もったいないとかそんな話をしていました
葬式の準備の為父の実家に行き、妹を仏壇の前に寝かせて大人達が
せわしなく動いている様子を見ていましたが、服を着せるのか何か
準備があったようで(このあたりうろおぼえなのですが)叔母が
布団をめくったとき
「ああ、ちゃんと手を組んでるんだねぇ」と言ったので、妹の手に
目をやりました。

小さい手、細い指、それがしっかりと胸の上で組まれているのを見た瞬間
のどの奥に物凄い圧迫感を感じ、瞬時に「吐く!」と思ったので
突っ伏したのですが、のどの奥からは何も出て来ず、かわりに涙がぼろぼろ
出て来るのを止められませんでした。

その後の事はあまり良く憶えていません、次にある記憶は火葬場でした。

未だに妊婦さんや赤ちゃんを見るとふとこの事を思い出してしまいます。




304 :大人の名無しさん :03/05/25 22:14 ID:Qre67Gk0
先日、一人でテレビを見つつ、酒の肴に鍋を食べていた。
自分なりに、見切りのアラとか、そこそこ野菜も贅沢した上で満足して
ハフハフ食べていたとき、なんか思い出したことがあった。

あれは、俺が中学一年の頃、父が亡くなって半月ほど経った日だった。
それまでバタバタ非日常の日々を送っていた母と俺、そして弟がやっと
落ち着いてコタツを囲んで鍋を突付いてた日のことだった。
確かあの日も、近所のスーパーで魚のアラが安くて、母が買ってきて
鍋にしよう、と言ったんだと思う。父の飲み残した酒を「もう飲まないから
いいよね」と母がどぼどぼ鍋に注いで、ああ勿体無いなぁと話したのを
覚えている。

ぐつぐつ煮立っている音とは別に、弟がいきなり泣き出した。ほんとうに
突然泣き出したんだ。俺はそれをすごく女々しいと思い「お前が泣いたら
お母さんが泣いちゃうだろ。泣くな!」と強がって言ったけど、そうしたら、
今考えてみたら当たり前だけど、母も泣いちゃったんだよね。つられて
俺も泣いた。わんわん、三人で泣きながら鍋を食べた。

ふと思い出したことだけど、あれは家族の情景というにはあまりに過酷で
切ない思い出だった。今の俺には、その切ない思い出を共有できる人が
居ない。それもとても寂しい。



107 :大人の名無しさん :03/04/01 02:25 ID:qLQp5+3Y
高校生の頃、親友が自殺した。
原因は、中絶したことの罪悪感からだった。
その子はとても大人しくて男と付き合って、
ましてやそんなことをするようには
全く見えない子だった。
初めにうち明けられた時は、彼女のお腹には赤ちゃんがいた。
両親とはもめたが産むことを許してもらえたと、とても嬉しそうだった。
しかし、彼女の笑顔を見たのはそれが最後だった。
保母さんになるのが夢だった子供好きの優しい子だった。

次にあった時彼女はとてもやせこけていた。
彼女は何も喋らなかった。ただただ泣いていた。
きけば、相手の親にこっぴどく罵倒されたと彼女の母から聞いた。
しかも相手の男は、声も出さずに泣いていた彼女をかばうことなく
淡々としていたというのだ。
そして、「うちの息子の子供だという確証はあるんですか?」とか
「子供が出来たのはお嬢さんの知識が不十分だったんじゃありません?」
とまで言われたのだという。

ただでさえ精神的に弱っていた彼女は追い詰められ、とうとう中絶を決意した。
そうでもしなければ、相手の親が毎日でも嫌がらせにやってきていた。


108 :続き :03/04/01 02:28 ID:qLQp5+3Y
手術当日、私は彼女に付き添って病院まで来ていた。
あれ以来ほとんど何も食べていない彼女の身体はやせほそって
手術に耐えられるかどうかさえ危なかった。
直前まで彼女はずっと空を見ていた。
会話は全く無かった。

数時間後、彼女の手術が終わった。
まだ完全に麻酔の切れていない彼女は、泣きながら上の空でずっと
「赤ちゃん天国いけるよね・・・」「赤ちゃんちゃんと供養されるよね・・・」
「ごめんね・・・ゆるして・・・」と繰り返していた。

私は彼女が落ち着くまでしばらく会わないほうがいいと思い、
家に立ち寄らなかった。
今思えば、もっと会いに行けば良かった。本当に後悔している。
数週間後、彼女の母から電話があった。
彼女が自殺した、と。
呆然とした。何も考えられなかった。
もしかしたら手術の失敗で・・・とも思った。
自殺だとは考えられなかった。
私はまっさきに相手の男に問いただした。
すると、手術代に慰謝料まで上乗せしたしたんだから
もう関係ない、自分は悪くない、と抜かしたのだ。
生まれて初めて、人に殺意を抱いた。
泣きながら、そのどうしようもない男に目一杯の言葉を
浴びせてやった。男は反省の色など全く見せなかった。


109 :続き :03/04/01 02:29 ID:qLQp5+3Y
通夜にも葬式にも相手の親は表れなった。
世間体、彼女の死の原因は拒食症、ということになっていた。
私は悔しくてたまらなかった。
相手の学校にバラしてやろうかとも思った。
だが必死に押さえた。そんなことをしてもあの子は喜ばない。

納骨された彼女の骨はほんとうにわずかで、少なかった。
高校二年の冬のことだった。

あれからあの子のような経験をする子が一人でも減らしたいと思い、
産婦人科医を目指したが挫折し、今は高校の保険医をしている。
複数の異性と付き合うのが当たり前になってしまった
現代の子供達の、私のお説教がちゃんときいているかは
分からない。が、避妊に対する考えを改めてくれた生徒もいる。
今でも、彼女の親とは交流が続いていて、月命日には
お線香をあげにいっている。



358 :大人の名無しさん :03/06/13 01:02 ID:JV1dRlb4
父親が死んで随分経つんです。
父親はまあ、母親に言わせると「ろくでもない人」で、
とある自営の仕事についていて、その仕事には随分とお金がかかり、
家には一銭も金を入れない。母親の稼ぎでうちは食べていたよう。
裕福な暮らしじゃなかったですよ。借金もあったみたい。
荒い気性で、カーッとなるとワァワァ五月蠅く手は早く、
ぼごぼご叩かれたり、縁側から蹴り落とされたりしましたねぇ。
でも、母親のおかげで食べていけてるという気持ちはあったようで、
なんかたまにヒクツなところがあったと、子供心に思い出せます。
ある日突然、心不全でなくなってしまったんですけどね。

それでね、聞いてください。ついさっきのこと。
あまり使わない箪笥のひきだしの奥、なんか紙みたいのがつっかえてるんですよ。
何だろ?と思って取り出してみると、家の設計図みたいなの。
きれいな図面で、専門家が描いたものだと思います。
母親は外に勤めに出ていた美容師で、なんとその図面には美容室がある。
わたしの部屋は庭に面していて、なんかキンモクセイって鉛筆の手書きで書いてある。
わたしは金木犀が好き。庭があったら植えたいなぁって思ってた。
いちばん笑ったのが父の仕事の作業場。すんごいデカイの!
母とお茶を飲みながら、
バカだー、借金もあるのにさ!いつ描いて貰ったんだこんなのーとか、
笑ってたんですけど、いつの間にかわたしも母も泣いていた。

喧嘩ばっかりしてたけど、お母さんのことやっぱり好きだった?
金木犀が好きなんて、わたしいつ言ったっけ?
しんどいしんどいって言ってたけど、やっぱり仕事好きだったんだ?
そういうの隠さないで、もっともっと口に出して欲しかったよ。
ああ、もうつまり……どうしてあんなに早く死んじゃったの?
わたしが大人になるまで、今こうやって、少しはあなたの気持ちをわかるまで、
この家を建てられるまで、生きていて欲しかった。

ひきだしの奥に隠してあったわたしの、お父さんの、夢の家。

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