ゲーセンで出会った不思議な子の話
Part8
537:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:09:18.32 ID:VEa4UjXG0
その日は幸せのど真ん中にいた。
しばらく、スーツとドレスのままで二人で話した。
不思議な気分で、一生このままならいいのに、と願わずにいられなかった。
彼女はすごく喜んでくれた。
「ありがとう、すごく幸せ」と言ってつけている俺のあげたネックレスを握っていた。
「こんな日にはAnthemが似合う」と一人でフジファブリックのそれを口ずさんでいた。
しばらくするとお母さんが来て、
「写真撮るね。」と言って写真を撮った。
「何も言わなくても、幸せそうな顔してるねw」
そう言われたのが印象的だった。
540:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:16:15.01 ID:VEa4UjXG0
俺にとって、彼女といられる日はいつも特別だったけど、
この日はそれ以上に特別だった。
楽しくて、時が止まれと思った。
この日が過ぎたあとも、しばらくは穏やかな日が続いた。
俺たちはいつも病室で一緒にいたけど、いてもいても足りないくらいだった。
普通だったら毎日毎日顔合わせてたら少しは退屈になったりするんだろうけど、
俺たちはどんなに話しても笑いが絶えなかった。
どうしてだろう、話しても話しても、もっと一緒にいたい、
そういう想いが募るだけだった。
541:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:16:33.77 ID:PQVzt6CC0
見ているぞ!!!
奇跡よ起こってくれ!!!
549:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:27:34.77 ID:VEa4UjXG0
彼女は病室でぼそっと100sのセブンス・ワンダーを歌って見せたことがあった。
彼女「この病院には七不思議があるんだよ。」
俺「へえ〜何それ?」
それは彼女が勝手に考えたヘンテコなものだった。
実に下らない内容で、俺は一緒になって笑った。
俺「7つ目は?」
彼女「わたしが入院してることかなー」
俺はそれを言われて言葉を失った。
彼女「はやく、元気になりたいなー」
それが彼女が珍しく弱音を吐いた瞬間だった。
俺「すぐによくなるよ、必ずね。」
俺だって、すごく不安だったけど、信じるしかなかった。
553:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:32:38.96 ID:VEa4UjXG0
12月になって、クリスマスが近くなったあたりから、彼女の様子は徐々に変わり始める。
現実が、音を立てて彼女と俺に牙をむき始めた。
彼女は辛そうにしていることが増え、行っても一日話せないことが増えた。
クリスマスイブもクリスマスも行った。
クリスマスは、まだなんとか調子がよくて、少しは話すことができた。
正念場だった。俺はストレス性の胃炎に何回かなった。
554:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:33:12.33 ID:PQVzt6CC0
やめてくれ,,,,,,
556:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:34:07.57 ID:3YzCxcUB0
あうう、神様・・・・・・・・・
558:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:35:09.19 ID:MnJM/s69O
奇跡を、奇跡を…!!
559: 忍法帖【Lv=24,xxxPT】 :2012/01/18(水) 02:35:29.75 ID:W5VM0uND0
こういう、辛いことや悲しいことが起こる時に命って光り輝くんだなぁ、、、
560:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:35:59.08 ID:VEa4UjXG0
年が明けた。
これほど世間の「あけおめ」ムードが恨めしかったことはない。
浮かれている人々が、すごく憎たらしく感じた。
この頃から、俺は彼女の両親とも連絡をより密にとるようにした。
そろそろ、いつ何が起こるか分からない状態、にまで来ていた。
そう、いざそういう状態になってからは、状況はみるみるうちに進展していった。
昨日までの状態が、次の日になれば嘘みたいになっていることも、ありうる。
561:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:36:30.32 ID:jlubkleX0
神様ひでぇよ…(。・ω・。)
563:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:37:34.09 ID:wBa3Kpcn0
すごく胸が痛い・・・・・・
568:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:40:33.18 ID:VEa4UjXG0
俺はこの頃から、彼女との話せる時間を本当に、本当に、大切にした。
弱った彼女を見るのは辛かった。けど、優しく、笑顔で、話しかけた。
俺は今までも、楽しかった日のことは決して忘れないように日記にしたためていたが、
この頃から彼女の写真や映像もより積極的に撮るようにしていた。
571:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:45:24.83 ID:VEa4UjXG0
刻一刻と、命の火が燃えていく気がした。
俺は、今、自分が何をしているのか分からなくて、
どうしようもなく辛くなるときもあったが、病室に行って彼女の顔を見て
どうにか耐えていた。
彼女の両親との協力は、不可欠だった。
しばらくすると、彼女はとうとう個室に移った。
573:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:45:28.42 ID:3YzCxcUB0
彼女の彼氏が>>1で良かったと心底思うよ。。。
575:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:53:12.71 ID:VEa4UjXG0
病室に座る。
俺と、彼女だけ。
俺は優しく語りかける。
「今日は寒いね。」
「最近スパ4強くなったんだ俺ー」
「今度画材屋行こうと思うんだけど、何か欲しい?」
「俺はね、水彩色鉛筆がしたくて…」
返事が返ってこない日のほうが多かった。
たまに、すごくゆっくりだけど、答えてきたり、
自分から話そうとすることもあった。
577:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:56:17.27 ID:W8UbBmSj0
>>575
がんばれ彼女。
576:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:55:09.88 ID:jlubkleX0
辛すぎる…
579:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:57:47.25 ID:VEa4UjXG0
彼女の両親と、俺で、彼女を見守る。
彼女は俺に言った。
彼女「富澤…いるの…?」
俺「いるよ!俺はここにいるよ!」
彼女は少し笑みをこぼしてみせた。
彼女「あのね…。少しだけね…言いたいの…。」
俺「ゆっくりでいいんだよ、俺は、ずっと、ずっと、そばにいるんだから。」
彼女「いつもね…一緒に…いてくれた…人…」
俺「うん、うん。」
俺は半泣きだった。
彼女の両親も、泣き出していた。
580:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:58:45.57 ID:PyqpFDjX0
涙が溢れてきた
581:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:59:45.24 ID:/4ekVXGZ0
もはや釣りであって欲しいとすら思うレベル
583:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:01:05.30 ID:szJSk2LX0
うわぁぁぁぁ!!
神様ー!!どうか>>1を幸せにしてー!
599:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 03:11:38.26 ID:VEa4UjXG0
彼女「富澤は…わたしの…大切な人…」
俺「うん、俺も、吹石が大切だよ…」
彼女「わたしが…いなくなっても…富澤はきっと…しあわせに…なってね…」
俺「違うんだよ!!吹石も一緒に幸せになるんだよ、ずっと一緒なんだから!」
彼女は少し笑みを含んで、
彼女「こんなわたしを…大切に想ってくれて…ありがとう…ありがと…」
俺「うん、うん。」
彼女「わたしは…だいじょうぶ…たのしかった…」
彼女はゆっくりだけど、確かに、俺にそう伝えると、
そのあとお母さんやお父さんに懸命に、話していた。
俺は、泣きすぎた。
その日だけで一年分くらいの量の涙を流したかもしれない。
602:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:12:54.18 ID:9c4eEsQt0
切ない・・・
606:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:14:00.21 ID:3YzCxcUB0
怒らないから嘘だと言ってくれ・・・
608:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:14:39.39 ID:p1GDdYAK0
サヨナラのかわりに花束を
614:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:16:14.17 ID:0jioi2tK0
もう涙が・・・
618:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 03:18:01.04 ID:VEa4UjXG0
それから二日後、彼女は俺と両親に見守られながらこの世を去った。
享年24歳。
最後は安らかに、眠りに落ちるようだった。
俺はしばらく式やその他の彼女に関わることの整理で、忙しくなり、気が張った。
目の前で進行していく数々の出来事が、俺の脳をただただ通過していくだけだった。
633:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:20:13.97 ID:MnJM/s69O
>>618
嘘だと言ってくれ……
624:角笛吹き ◆D3wTy8Z7ck :2012/01/18(水) 03:19:12.47 ID:O7bS0mc20
あぁ…
625:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:19:18.24 ID:/1cDilIN0
そうか…
626:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:19:20.94 ID:8nddEFZl0
呆然としちゃうよな、そういう時って
634:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:20:15.22 ID:9f/ojy+l0
若すぎるだろ・・・
638:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:20:52.91 ID:p1GDdYAK0
もうやだ、こんな話やだ、耐えられん
639:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:21:02.65 ID:vzGjKqEU0
うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ
640:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:21:10.12 ID:obXvQdZQ0
釣りだと言ってくれ…
642:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:21:43.30 ID:deUbLQzV0
くそ、悔しい。。。
653:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 03:25:36.02 ID:VEa4UjXG0
彼女がいなくなったこと、続けざまに起こる法要、
俺は、ただ呆然としていた。
心にぽっかり、穴が開いた。
彼女のお墓の前に言った時、俺があまりに号泣しすぎて
周りにも奇異な眼差しで見られた。
655:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:26:25.31 ID:jz+7O6820
事実は小説よりも奇なりか…
673:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 03:32:24.58 ID:VEa4UjXG0
気づいていた人は大勢いると思うけど、
俺と彼女は最初から最後まで「好き」という言葉を互いに
口にすることがなかった。なぜなのか俺にも未だに不思議なんだけど、
そんなこと口にしなくてもお互いが大切に想ってるって分かってたし、
一緒にいて共に過ごしてること自体がそういうことなんだから、
口にしなかったんだと思う。
言おうと思ったこともなかった。
誰かが磁石が惹きあうみたいって言ってくれたけど、それがすごくしっくりきた。
680:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:36:35.86 ID:jlubkleX0
>>673
それも1つの愛の形だな
674:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:34:11.92 ID:eYRmsKzc0
最後までって…
もう見てられないよ
お休みなさい
1幸せになれよ!
675:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:35:09.40 ID:87nACf510
>>1と彼女の心は繋がってるよ。 今でも。
677:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:36:04.00 ID:ItVhZz9y0
上手く言えないけど、
俺はこの話に出逢えてほんとによかったと思う。
681:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:37:15.18 ID:UcvTtKg+0
>>677
同じく、1よ・・・ありがとう
684:名も無き被検体774号:2012/01/18(水) 03:38:20.87 ID:QpCO8ARs0
こんなに純粋な愛がある世界でよかった。
多分好きという言葉じゃ足りないほどなんだろうな
686:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:39:07.83 ID:I67ljKQbi
俺周りの人をもっと大切にするわ
692:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:42:16.80 ID:aHxRc4hxi
ありがとう
なんだかわかんないけど
ありがとう
693:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:42:38.28 ID:9c4eEsQt0
本当にこのスレに出会えて良かったよ
695:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:43:02.88 ID:ob0W8tQ/0
相手が居るのに喧嘩ばっかな自分が情けない
1と彼女さんよ…本当にありがとう
696:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:43:05.30 ID:3YzCxcUB0
長生きしたからと言ってこんな純粋な恋愛が出来る訳じゃないしな
神様は>>1という出来る限りのプレゼントをしたんだと思うよ
703:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:44:53.54 ID:x7/jBVUh0
>1ほんとにありがとう
今から読み返してくる
709:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:47:02.81 ID:Mmg5o1dw0
読み返してるけどやばい
712:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 03:48:19.07 ID:VEa4UjXG0
みなさん、ここまで付き合ってくれて、本当にありがとう。
ここまで書くのは、正直本当に辛かったけど、みんなの支えがあったおかげで、
途中で折れずに最後まで書けました。
一服、と言って泣いてることも実はけっこうありましたw
今は乗り越えたとは言えませんが、整理はつきました。
最後に、花言葉でしめた方がいいのでしょうか?
721:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:49:42.61 ID:ULCabgGO0
>>712
あなたの文才で、ぜひ花言葉でしめてください
720:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:49:38.44 ID:3YzCxcUB0
そうだね、花言葉知りたい
722:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:50:19.45 ID:9f/ojy+l0
花言葉が「釣り」だったらどんなにいいか
724:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:50:50.32 ID:3YzCxcUB0
>>722
その発想はなかったw
725:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:51:21.62 ID:UcvTtKg+0
>>722
禿同
734:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 03:55:01.82 ID:VEa4UjXG0
複数あるようですが、
彼女が大好きだったトルコキキョウの花言葉は、
「永遠の愛」です。
彼女のことはこれからも、ずっと想い続けます。
745:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:57:29.81 ID:BqW5TJtni
>>734
お疲れ様
748:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:57:51.97 ID:836j5cAy0
>>734
よい語らい 優美 希望 変わらぬ美 永遠の愛
750:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:58:00.49 ID:ob0W8tQ/0
>>734
調べず待っててよかった!!
1から聞けて本当に…
755:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:59:02.12 ID:UcvTtKg+0
>>734
いい花言葉だな・・・1と彼女にぴったりだよ
736:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:55:29.73 ID:HgB5lEcII
>>1乙!!
739:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:56:07.03 ID:9tfWldQ60
>>1乙!!そして本当に本当にありがとう!!
754:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:58:24.42 ID:/k/e5NZP0
1よお疲れ様。
ゆっくり休んで下さい。
757:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:59:55.58 ID:0jioi2tK0
お疲れ様です。
書くの辛かったと思うけど本当にありがとうございました。
772:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 04:02:47.29 ID:1JlyRfFf0
辛い思い出を聞かせてくれてありがとう
彼女も天国で見守ってるよ
>>1の人生に幸せが訪れることを願います
791:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 04:08:47.24 ID:VEa4UjXG0
みんなここまでありがとう。
本当に、ありがとう。
彼女が亡くなった直後は一ヶ月近くまともにメシ食べれませんでした。
でも今は割と穏やかに、普通に過ごしています。
ゲーセンにも行っているよ。
やっぱり、あそこは楽しい。
みんなも、もっとゲーセンに行ってゲーセンを盛り上げてくれるといいな。
それでは、本当にありがとう。
またいつか、今度はゲーセンとかで会えたらいいね。
その日は幸せのど真ん中にいた。
しばらく、スーツとドレスのままで二人で話した。
不思議な気分で、一生このままならいいのに、と願わずにいられなかった。
彼女はすごく喜んでくれた。
「ありがとう、すごく幸せ」と言ってつけている俺のあげたネックレスを握っていた。
「こんな日にはAnthemが似合う」と一人でフジファブリックのそれを口ずさんでいた。
しばらくするとお母さんが来て、
「写真撮るね。」と言って写真を撮った。
「何も言わなくても、幸せそうな顔してるねw」
そう言われたのが印象的だった。
540:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:16:15.01 ID:VEa4UjXG0
俺にとって、彼女といられる日はいつも特別だったけど、
この日はそれ以上に特別だった。
楽しくて、時が止まれと思った。
この日が過ぎたあとも、しばらくは穏やかな日が続いた。
俺たちはいつも病室で一緒にいたけど、いてもいても足りないくらいだった。
普通だったら毎日毎日顔合わせてたら少しは退屈になったりするんだろうけど、
俺たちはどんなに話しても笑いが絶えなかった。
どうしてだろう、話しても話しても、もっと一緒にいたい、
そういう想いが募るだけだった。
541:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:16:33.77 ID:PQVzt6CC0
見ているぞ!!!
奇跡よ起こってくれ!!!
549:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:27:34.77 ID:VEa4UjXG0
彼女は病室でぼそっと100sのセブンス・ワンダーを歌って見せたことがあった。
彼女「この病院には七不思議があるんだよ。」
俺「へえ〜何それ?」
それは彼女が勝手に考えたヘンテコなものだった。
実に下らない内容で、俺は一緒になって笑った。
俺「7つ目は?」
彼女「わたしが入院してることかなー」
俺はそれを言われて言葉を失った。
彼女「はやく、元気になりたいなー」
それが彼女が珍しく弱音を吐いた瞬間だった。
俺「すぐによくなるよ、必ずね。」
俺だって、すごく不安だったけど、信じるしかなかった。
553:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:32:38.96 ID:VEa4UjXG0
12月になって、クリスマスが近くなったあたりから、彼女の様子は徐々に変わり始める。
現実が、音を立てて彼女と俺に牙をむき始めた。
彼女は辛そうにしていることが増え、行っても一日話せないことが増えた。
クリスマスイブもクリスマスも行った。
クリスマスは、まだなんとか調子がよくて、少しは話すことができた。
正念場だった。俺はストレス性の胃炎に何回かなった。
やめてくれ,,,,,,
556:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:34:07.57 ID:3YzCxcUB0
あうう、神様・・・・・・・・・
558:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:35:09.19 ID:MnJM/s69O
奇跡を、奇跡を…!!
559: 忍法帖【Lv=24,xxxPT】 :2012/01/18(水) 02:35:29.75 ID:W5VM0uND0
こういう、辛いことや悲しいことが起こる時に命って光り輝くんだなぁ、、、
560:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:35:59.08 ID:VEa4UjXG0
年が明けた。
これほど世間の「あけおめ」ムードが恨めしかったことはない。
浮かれている人々が、すごく憎たらしく感じた。
この頃から、俺は彼女の両親とも連絡をより密にとるようにした。
そろそろ、いつ何が起こるか分からない状態、にまで来ていた。
そう、いざそういう状態になってからは、状況はみるみるうちに進展していった。
昨日までの状態が、次の日になれば嘘みたいになっていることも、ありうる。
561:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:36:30.32 ID:jlubkleX0
神様ひでぇよ…(。・ω・。)
563:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:37:34.09 ID:wBa3Kpcn0
すごく胸が痛い・・・・・・
568:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:40:33.18 ID:VEa4UjXG0
俺はこの頃から、彼女との話せる時間を本当に、本当に、大切にした。
弱った彼女を見るのは辛かった。けど、優しく、笑顔で、話しかけた。
俺は今までも、楽しかった日のことは決して忘れないように日記にしたためていたが、
この頃から彼女の写真や映像もより積極的に撮るようにしていた。
571:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:45:24.83 ID:VEa4UjXG0
刻一刻と、命の火が燃えていく気がした。
俺は、今、自分が何をしているのか分からなくて、
どうしようもなく辛くなるときもあったが、病室に行って彼女の顔を見て
どうにか耐えていた。
彼女の両親との協力は、不可欠だった。
しばらくすると、彼女はとうとう個室に移った。
573:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:45:28.42 ID:3YzCxcUB0
彼女の彼氏が>>1で良かったと心底思うよ。。。
575:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:53:12.71 ID:VEa4UjXG0
病室に座る。
俺と、彼女だけ。
俺は優しく語りかける。
「今日は寒いね。」
「最近スパ4強くなったんだ俺ー」
「今度画材屋行こうと思うんだけど、何か欲しい?」
「俺はね、水彩色鉛筆がしたくて…」
返事が返ってこない日のほうが多かった。
たまに、すごくゆっくりだけど、答えてきたり、
自分から話そうとすることもあった。
577:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:56:17.27 ID:W8UbBmSj0
>>575
がんばれ彼女。
576:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:55:09.88 ID:jlubkleX0
辛すぎる…
579:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 02:57:47.25 ID:VEa4UjXG0
彼女の両親と、俺で、彼女を見守る。
彼女は俺に言った。
彼女「富澤…いるの…?」
俺「いるよ!俺はここにいるよ!」
彼女は少し笑みをこぼしてみせた。
彼女「あのね…。少しだけね…言いたいの…。」
俺「ゆっくりでいいんだよ、俺は、ずっと、ずっと、そばにいるんだから。」
彼女「いつもね…一緒に…いてくれた…人…」
俺「うん、うん。」
俺は半泣きだった。
彼女の両親も、泣き出していた。
580:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 02:58:45.57 ID:PyqpFDjX0
涙が溢れてきた
もはや釣りであって欲しいとすら思うレベル
583:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:01:05.30 ID:szJSk2LX0
うわぁぁぁぁ!!
神様ー!!どうか>>1を幸せにしてー!
599:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 03:11:38.26 ID:VEa4UjXG0
彼女「富澤は…わたしの…大切な人…」
俺「うん、俺も、吹石が大切だよ…」
彼女「わたしが…いなくなっても…富澤はきっと…しあわせに…なってね…」
俺「違うんだよ!!吹石も一緒に幸せになるんだよ、ずっと一緒なんだから!」
彼女は少し笑みを含んで、
彼女「こんなわたしを…大切に想ってくれて…ありがとう…ありがと…」
俺「うん、うん。」
彼女「わたしは…だいじょうぶ…たのしかった…」
彼女はゆっくりだけど、確かに、俺にそう伝えると、
そのあとお母さんやお父さんに懸命に、話していた。
俺は、泣きすぎた。
その日だけで一年分くらいの量の涙を流したかもしれない。
602:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:12:54.18 ID:9c4eEsQt0
切ない・・・
606:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:14:00.21 ID:3YzCxcUB0
怒らないから嘘だと言ってくれ・・・
608:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:14:39.39 ID:p1GDdYAK0
サヨナラのかわりに花束を
614:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:16:14.17 ID:0jioi2tK0
もう涙が・・・
618:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 03:18:01.04 ID:VEa4UjXG0
それから二日後、彼女は俺と両親に見守られながらこの世を去った。
享年24歳。
最後は安らかに、眠りに落ちるようだった。
俺はしばらく式やその他の彼女に関わることの整理で、忙しくなり、気が張った。
目の前で進行していく数々の出来事が、俺の脳をただただ通過していくだけだった。
633:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:20:13.97 ID:MnJM/s69O
>>618
嘘だと言ってくれ……
624:角笛吹き ◆D3wTy8Z7ck :2012/01/18(水) 03:19:12.47 ID:O7bS0mc20
あぁ…
625:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:19:18.24 ID:/1cDilIN0
そうか…
626:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:19:20.94 ID:8nddEFZl0
呆然としちゃうよな、そういう時って
634:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:20:15.22 ID:9f/ojy+l0
若すぎるだろ・・・
638:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:20:52.91 ID:p1GDdYAK0
もうやだ、こんな話やだ、耐えられん
639:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:21:02.65 ID:vzGjKqEU0
うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ
640:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:21:10.12 ID:obXvQdZQ0
釣りだと言ってくれ…
642:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:21:43.30 ID:deUbLQzV0
くそ、悔しい。。。
653:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 03:25:36.02 ID:VEa4UjXG0
彼女がいなくなったこと、続けざまに起こる法要、
俺は、ただ呆然としていた。
心にぽっかり、穴が開いた。
彼女のお墓の前に言った時、俺があまりに号泣しすぎて
周りにも奇異な眼差しで見られた。
655:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:26:25.31 ID:jz+7O6820
事実は小説よりも奇なりか…
673:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 03:32:24.58 ID:VEa4UjXG0
気づいていた人は大勢いると思うけど、
俺と彼女は最初から最後まで「好き」という言葉を互いに
口にすることがなかった。なぜなのか俺にも未だに不思議なんだけど、
そんなこと口にしなくてもお互いが大切に想ってるって分かってたし、
一緒にいて共に過ごしてること自体がそういうことなんだから、
口にしなかったんだと思う。
言おうと思ったこともなかった。
誰かが磁石が惹きあうみたいって言ってくれたけど、それがすごくしっくりきた。
680:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:36:35.86 ID:jlubkleX0
>>673
それも1つの愛の形だな
674:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:34:11.92 ID:eYRmsKzc0
最後までって…
もう見てられないよ
お休みなさい
1幸せになれよ!
675:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:35:09.40 ID:87nACf510
>>1と彼女の心は繋がってるよ。 今でも。
677:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:36:04.00 ID:ItVhZz9y0
上手く言えないけど、
俺はこの話に出逢えてほんとによかったと思う。
681:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:37:15.18 ID:UcvTtKg+0
>>677
同じく、1よ・・・ありがとう
684:名も無き被検体774号:2012/01/18(水) 03:38:20.87 ID:QpCO8ARs0
こんなに純粋な愛がある世界でよかった。
多分好きという言葉じゃ足りないほどなんだろうな
686:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:39:07.83 ID:I67ljKQbi
俺周りの人をもっと大切にするわ
692:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:42:16.80 ID:aHxRc4hxi
ありがとう
なんだかわかんないけど
ありがとう
693:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:42:38.28 ID:9c4eEsQt0
本当にこのスレに出会えて良かったよ
695:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:43:02.88 ID:ob0W8tQ/0
相手が居るのに喧嘩ばっかな自分が情けない
1と彼女さんよ…本当にありがとう
696:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:43:05.30 ID:3YzCxcUB0
長生きしたからと言ってこんな純粋な恋愛が出来る訳じゃないしな
神様は>>1という出来る限りのプレゼントをしたんだと思うよ
703:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:44:53.54 ID:x7/jBVUh0
>1ほんとにありがとう
今から読み返してくる
709:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:47:02.81 ID:Mmg5o1dw0
読み返してるけどやばい
712:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 03:48:19.07 ID:VEa4UjXG0
みなさん、ここまで付き合ってくれて、本当にありがとう。
ここまで書くのは、正直本当に辛かったけど、みんなの支えがあったおかげで、
途中で折れずに最後まで書けました。
一服、と言って泣いてることも実はけっこうありましたw
今は乗り越えたとは言えませんが、整理はつきました。
最後に、花言葉でしめた方がいいのでしょうか?
721:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:49:42.61 ID:ULCabgGO0
>>712
あなたの文才で、ぜひ花言葉でしめてください
720:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:49:38.44 ID:3YzCxcUB0
そうだね、花言葉知りたい
722:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:50:19.45 ID:9f/ojy+l0
花言葉が「釣り」だったらどんなにいいか
724:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:50:50.32 ID:3YzCxcUB0
>>722
その発想はなかったw
725:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:51:21.62 ID:UcvTtKg+0
>>722
禿同
734:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 03:55:01.82 ID:VEa4UjXG0
複数あるようですが、
彼女が大好きだったトルコキキョウの花言葉は、
「永遠の愛」です。
彼女のことはこれからも、ずっと想い続けます。
745:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:57:29.81 ID:BqW5TJtni
>>734
お疲れ様
748:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:57:51.97 ID:836j5cAy0
>>734
よい語らい 優美 希望 変わらぬ美 永遠の愛
750:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:58:00.49 ID:ob0W8tQ/0
>>734
調べず待っててよかった!!
1から聞けて本当に…
755:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:59:02.12 ID:UcvTtKg+0
>>734
いい花言葉だな・・・1と彼女にぴったりだよ
736:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:55:29.73 ID:HgB5lEcII
>>1乙!!
739:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:56:07.03 ID:9tfWldQ60
>>1乙!!そして本当に本当にありがとう!!
754:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:58:24.42 ID:/k/e5NZP0
1よお疲れ様。
ゆっくり休んで下さい。
757:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:59:55.58 ID:0jioi2tK0
お疲れ様です。
書くの辛かったと思うけど本当にありがとうございました。
772:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 04:02:47.29 ID:1JlyRfFf0
辛い思い出を聞かせてくれてありがとう
彼女も天国で見守ってるよ
>>1の人生に幸せが訪れることを願います
791:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 04:08:47.24 ID:VEa4UjXG0
みんなここまでありがとう。
本当に、ありがとう。
彼女が亡くなった直後は一ヶ月近くまともにメシ食べれませんでした。
でも今は割と穏やかに、普通に過ごしています。
ゲーセンにも行っているよ。
やっぱり、あそこは楽しい。
みんなも、もっとゲーセンに行ってゲーセンを盛り上げてくれるといいな。
それでは、本当にありがとう。
またいつか、今度はゲーセンとかで会えたらいいね。
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