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ゲーセンで出会った不思議な子の話

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Part7
271:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/17(火) 21:13:30.08 ID:WJObiXhX0
彼女「中学の時ゲーセンで出くわしてね、当時って、まだそんなに若い
女の子とかゲーセンにほとんどいなかったの。
だからお互いに気になって話したら意気投合して」
俺は話しいることが信じられなかった。彼女にとってゲーセンという存在が
ここまで大きいなんて、にわかには信じられなかった。
彼女「そしたらてて子は中高一貫の私立に通ってる子で、
少し遠いけど私はその高校に行こうって決心した。」

272:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 21:14:29.10 ID:9+mZc5QFO
せつないのう

273:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/17(火) 21:17:20.83 ID:WJObiXhX0
彼女「当時はね、うちの近くにもゲーセンがあったんだ。
っていうか、今よりずっとずっとあった。今は少なくなったよ。」
彼女「わたしはそこが好きだった。店長さんも優しくて、常連さんもたくさんいた。
たまにヤンキーとかもいたけど、大して気にならなかった。
てて子もね、うちの近くに住んでたんだ。」
俺「今、そのゲーセンは…?」
彼女「ないよ。潰れちゃった。」
彼女は苦笑いした。

301:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/17(火) 22:23:11.30 ID:WJObiXhX0
彼女「それからは、高校は女子高だったけどとても楽しかったよ。」
彼女「いつもわたしがばかなこと言ってたけどw」
彼女の持ち前の明るさやアホなところはそこに由来するのかなあと思った。
彼女「だからね、わたしこんなにゲーセンが好きなんだー。
なんて言ったらいいか分からないけど。」
彼女は笑いながら話す。
今まで彼女がどうしてここまでゲーセンに入れ込むのか不思議に思うこともあった。
それが解けた気がした。

305:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/17(火) 22:30:08.67 ID:WJObiXhX0
彼女「わたしね、ゲーセンがあったから楽しい高校に行って過ごすことができたし、
夢を持つことが出来て、美大に進学したんだよ。大袈裟かな?w」
俺「そんなことないよ。すごいと思う。ゲーセンっていいとこだしねぇ。」
彼女「富澤もいたしなあw」
彼女は凄く照れくさそうに、ぽろっとそんなことをこぼした。


306:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 22:30:57.33 ID:PzbDXNom0
あああああああああああああああああああああ
胸がきゅんきゅんするぜえええええええええええ

307:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 22:31:55.89 ID:0S8eC5BA0
ゲーセンにもドラマやロマンがあるんだな

310:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/17(火) 22:37:22.85 ID:WJObiXhX0
彼女は夢を語りだした。
彼女「ゲーセン減らないでほしい。どんどん減ってる。
わたし、いろんな人が楽しめるアーケードゲームを作るのが夢だった。」
それを語る彼女は、いつにも増して真剣そのものだった。
凛とした視線で、かっこいいとさえ思った。
彼女「ゲーセンでしか味わえないドキドキがあるんだよ。
富澤はどんな時にそう思う?」「わたしはね」
彼女はまっすぐだった。まっすぐすぎて、胸が痛くなるくらいだった。
普段アホなことをけっこう言うくせに、まっすぐで、ひたむきで…
夢を語る彼女に憧れた。

314:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/17(火) 22:44:27.09 ID:WJObiXhX0
俺は最初こそ笑って聞いていたが、
だんだんくったく無く夢を語る彼女を見ているのが辛くなった。
夢があって、それを追いかけてるってだけで人は眩しく見える。
でも、彼女が置かれている状況を思い出すと、俺はもうダメだった。
俺は夢を語る彼女の前で泣いてしまった。
「すごい…すごいよ…」と言ってボロボロ泣いてしまった。
彼女の前で、泣いてしまった。
彼女「ありゃりゃ、わたしそんな泣くほど感動するほど凄いこと言ったか…?」
と彼女は動揺した。
俺「絶対叶えようね、その夢…」って言いながら俺は泣いてた。
そうすると彼女もぼろぼろ泣き出して、
二人してわんわん泣いてしまった。

316:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 22:46:13.05 ID:PzbDXNom0
全俺が泣いた

318:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 22:47:57.76 ID:tjSVWJwaO
うらやませつない (ノ_・。)

319:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 22:48:02.20 ID:sBTcTbu30
あ、マジで涙出てきた

320:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 22:49:05.54 ID:DJrGJDj00
やべ泣けてきた・・・

338:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/17(火) 23:05:36.01 ID:WJObiXhX0
泣きながら抱き合った。
この時ばかりは俺も運命という言葉を信じた。
あの日、たまたまゲーセンに行って、偶然彼女を見つけて、
柄にも無く、自分から話しかけた。
あの日、まっすぐ家に帰っていたらどうなっていた?
俺はこの時彼女を一生守ろうと心に決めた。
これからどんなことが待っていようと、決心した。
それと同時に俺の中で、彼女にしてあげたいことが一つ増えた。

344:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/17(火) 23:12:03.29 ID:WJObiXhX0
俺はその日は彼女が切望するので、彼女宅に泊まることにした。
彼女のお父さんと一杯やった。
彼女がビールをついでくれて、なんだか新婚にでもなった気分だった。
そのあと、なんとなく居間のソファで寝ることにした。
彼女といられる日常の時間が、少しでも多く続いて欲しかった。

354:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/17(火) 23:30:40.89 ID:WJObiXhX0
その次の日も、結局俺は彼女宅にいることになったんだけど、
彼女はお父さんとお母さんと買い物に行くようで、
ついていったけど俺はなるべく家族水入らずを邪魔しないように徹していた。
荷物持ちとかしつつ、会話を聞く役目に徹していた。
俺はもう、十分彼女との日常を満喫した。
お父さんとお母さんだって、娘と過ごしたいに決まってる。
俺は流石に、空気を読んで最終日までいるのは避けた。
4日目の夜に、家に帰ることにした。
彼女とお母さんが作ってくれた晩御飯を食べて、俺は彼女宅を出ることにした。

361:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/17(火) 23:38:19.80 ID:WJObiXhX0
彼女は、5日目の夜に病院に帰るという。
俺は、その次の朝に会いに行く約束をした。
俺「じゃあ、家族団らんを楽しんでね。」
彼女「もっといてもいいのに。」
俺「いや、明日で最後だし、お父さんとお母さんも俺がいたら色々やりづらいこともあるでしょ。」
彼女「次に会うのは、また病室だね。」
俺は黙った。
彼女「絶対、会いに来てね。待ってるから。」

364:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 23:41:34.98 ID:xIn/gNxP0
>>361
これから彼女にとっても家族にとっても過酷な日々が始まるな
抗がん剤治療という
あぁ…

369:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/17(火) 23:47:25.65 ID:WJObiXhX0
彼女とずっと一緒にいて、離れると、とんでもないほどの虚無感に襲われた。
あれ、俺の日常って、こんなに何もなかったか?
と思うほどに電車の中でも、家に帰ってからも無気力になり、何もかも手につかなくなった。
無理もなかった。今まで不可能だった、彼女と普通の日常を送る、
ということが俺にとって楽しすぎて、本当に心地良かったからだ。
色々思い描いた。彼女が完治して、もう一度普通の生活をして、
一生、平凡に暮らしていくのを想像した。

373:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/17(火) 23:54:04.19 ID:WJObiXhX0
彼女が病院に戻った朝、俺は一目散に駆けつけた。
早く、会いたかった。
俺は花を持っていった。
彼女の好きなトルコキキョウ。
病院にもどってすぐ花ってのもどうかと思ったが、少しでも彼女の気が紛れるなら、と思った。
病室に着くと、彼女に「ようこそ」と言われた。
彼女「なんでだろう、やっぱり変に落ち着くねw」
また、籠の中に戻されてしまったような気しか、俺にはしなかった。


378:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/17(火) 23:59:06.36 ID:WJObiXhX0
それからの日々は割と穏やかに進んでいったと思う。
でも、俺は残された時間が迫ってきているのを感じていた。
病室で彼女に会えない時間が、苦しくて仕方なくなってた。
頻繁に病院に泊まるようになった。
いつのまにか、大学はまったく行かなくなっていた。

383:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 00:04:20.45 ID:qvl4xiwbi
>>378
大学は行けwww
いや、お前は病院に行け
あの親父なら分かってくれる

385: 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :2012/01/18(水) 00:05:45.65 ID:oPbRAh/5i
久々に泣けた

386:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 00:06:39.84 ID:VEa4UjXG0
彼女が病院にもどってからしばらくすると、俺の誕生日が近づいていた。
そして、その約一ヶ月後に、彼女の誕生日だった。
俺は自分の誕生日の日にも、いつもと変わらず病室に向かった。
彼女にはちょろっと教えていたが、前日にも何も言われなかったし、
きっと忘れているだろうな、と思ってた。
病室に着くと、彼女がニヤニヤしていた。
その日はいつもよりだいぶ元気そうで、俺は驚いた。

392:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 00:18:30.58 ID:VEa4UjXG0
彼女のお母さんが冷蔵庫からケーキの箱を取り出して、
小さなショートケーキを3つ取り出す。彼女は「おめでとう!」と言った。
俺が「ありがとうー」とビックリして言うと彼女はそのまま歌い出した。
「きょうはとくべつなよるさー!すてきなーゆめをみれたらなー!」
それはフジファブリックのbirthdayだった。
歌ってこちらを見て笑った。
ありがとう、と言って頭を撫でると、彼女は「わんわん」と小さく言った。
お母さんがいるから恥ずかしかったのだろうか。

394:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 00:21:43.24 ID:TLYSEojTO
彼女、眩しいな。
話を読んだだけで太陽の様な姿が目に浮かぶようだ。

395:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 00:24:53.92 ID:9c4eEsQt0
すごいドキドキしてきた

396:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 00:25:20.45 ID:nDUTjXmqO
最初から読んでてずっと思ってた
「わんわん」可愛いすぎるだろ

404:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 00:37:36.43 ID:VEa4UjXG0
俺は、彼女と会ってから少しでも彼女の片鱗を感じたくて、
彼女が良いと言った音楽や本は、家にいる時に狂ったようにチェックしていたから、
その曲もフジのそれだと、すぐ気付いた。
彼女「プレゼントがあるのです」
そう言って彼女は俺にマフラーを渡した。
彼女「それ、わたしの使ってたマフラーなんだ。これから寒くなるでしょ?
ここに来てもらうのに、風邪ひいたりとか心配だし…」
俺「うわーありがとう!」
彼女「あとね…」
お母さんが何やら包みから取り出す。それは格ゲーのアケコンだった。
彼女「これでもっと練習してねw」
俺は思わず吹き出してしまった。

406:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 00:42:51.04 ID:VEa4UjXG0
素敵な誕生日だった。
病院にいながら、病気と闘いながら、どれだけ俺のことを思ってくれていたんだろう。
彼女の笑顔を見ながら、俺は決心した。
その日の後、俺は彼女が元気な日にそっけなく聞いた。
「やっぱり、ウェディングドレスとかって、女の子は憧れるの?」
彼女「それは憧れるよー!真っ白だしね。なんで?着せてくれるの?w」
俺「いや…wなんとなく聞いただけ」

407:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 00:47:03.28 ID:GiMQqHjD0
>>406
着せてあげて欲しい!!

409:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 00:48:20.01 ID:VEa4UjXG0
彼女の誕生日まで、あと少しだった。
俺は、すぐさま実家に帰って妹に相談した。
ウェディングドレスのような衣装が作りたい、と妹に相談した。
妹は不審そうにしていた。
けど、ワケを話せることもなく、大学のサークルで必要なんだとかそれっぽい
理由をつけて、どうにかこうにか生地選びや作り方まで、一から聞いた。
何かできるなら、もう今しかない、そう思って必死になっていた。
悠長なことは言っていられなかった。本当に必死だった。

411:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 00:50:56.63 ID:wBa3Kpcn0
間に合ってくれ

413:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 00:53:54.24 ID:FvJaK9/di
映画化決定だな

414:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 00:54:27.98 ID:ZbrbZjlai
>>1
カッコよ過ぎだろ〜

415:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 00:57:31.96 ID:VEa4UjXG0
結果、不器用な俺には歯が立たず、かなり妹の力を借りて、
純白なドレスを作ったのだった。
それでも俺は妹と一緒に生地を買いに行ったり、生地を切ったり、
一緒にどういうデザインにしたいか草案を考えた。
二週間くらい、作るのに時間がかかってしまった。
俺はその間も、実家と彼女の病院を行き来したりしていた。
その出来は、決していいものではなかった。でも、白いドレスの形にはなっていた。
ウェディングドレスと言えば、そう見えないこともない。
手伝ってくれた妹には、本当に頭があがらない。
俺はこれを着た彼女の姿を想像して、ついつい口がにやけてしまった。

416:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 00:58:00.06 ID:UZ1GF9qB0
もちろん間に合うんだよな?
だよな?

417:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:00:16.16 ID:eYGtQhNc0
>>1かっこいい

418:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 01:06:22.50 ID:VEa4UjXG0
ドレスが出来上がったのは、彼女の誕生日の二日前の事だった。
ドレス作りは間に合った。
完成したときは嬉しくて本当に泣きそうになった。
俺は、それを宅配便で送るつもりでいたが、もう時間も迫っていたので
大きな紙袋にいれて、自力で、向こうの自分の家まで持っていくことにした。
このときは本当に寝不足続きで、目薬とフリスクが手放せなかった。

420:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 01:10:37.72 ID:VEa4UjXG0
彼女の誕生日の日がやってきた。
まず、彼女の調子がよければいいが。行っても寝ている時が増えていたのだ。
そして俺は重大なことに気づく。
「俺、自分のタキシードとかねえじゃん…」
俺は仕方なく、スーツで行くことにした。ちょっと洒落たネクタイをすればいいだろう。
俺は、紙袋にドレスと想いを込めて、家を飛び出した。
そして、この日は俺にとって忘れられない日となる。

421:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:11:08.88 ID:fmBwI2Gs0
まさか・・・
いやまだだよな?

422:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:11:29.83 ID:7Rw3FX/J0
なんか胸騒ぎが・・・こわい・・・

423:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:11:41.27 ID:Ha9LZt050
良い意味で…だよな…?

424:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:11:51.89 ID:5ggZrC0P0
なんかやな感じがするのは何故だ

428: 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :2012/01/18(水) 01:13:42.48 ID:oPbRAh/5i
気になって眠れない

430:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:13:51.57 ID:MnJM/s69O
良い意味であって欲しい……

431:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:14:07.38 ID:rzoqNA0iO
ちょ
このタイミングで寝れねぇぇぇ

432:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:14:13.25 ID:wBa3Kpcn0
ざわ・・・ざわ・・・

436:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 01:15:59.80 ID:VEa4UjXG0
俺は途中でいい感じの花束を買っていった。
ブーケのつもりだった。
気分は新郎。楽しい気分で一杯だった。
病室に着く。彼女は、起きていた!
俺は心のなかで「やった」と思うと、彼女に向かって
「誕生日おめでとう!!」と言って花束を渡した。
彼女は一度「わっ」と言うと笑顔で
「嬉しいー!ありがとう〜!」と言った。

437:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:16:14.25 ID:vOnMAmMj0
奇跡を信じる

438:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:17:00.79 ID:FO9QRbW/0
頼むぞ、信じてるからな

439:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:17:41.62 ID:PyqpFDjX0
奇跡よおこれ

442:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:18:31.69 ID:9f/ojy+l0
まじ頼む

449:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 01:21:20.94 ID:VEa4UjXG0
笑顔が返ってくるのが嬉しくて、嬉しくて、もう仕方なかった。
彼女「スーツなんて気合い入ってるねーw」
俺「ちっちっちっ。今日はこれだけじゃないんですよ」
正直緊張で胸がやばかった。
俺は紙袋から、想いを詰めたドレスを取り出す。
「じゃーん!」
彼女「え!え!何これ!!ウェディングドレス!?」
彼女は途端に興奮して目をキラキラと輝かせた。

465:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 01:28:05.88 ID:VEa4UjXG0
彼女「え、え、え、どうしたのこれ!?」
俺「俺が作ったんだーw」
俺は照れながら、誇らしげに答えた。
俺「着てみる?」
彼女「うんうん、着る着る!!」
少し、大変だった。お母さんとか看護婦さんを呼んで、
どうにか彼女が着替えられる体勢にした。
その後、
彼女「着替えるから待っててね。」
といわれてカーテンが閉じられた。新婦のお色直しを待つ、新郎のような気分だった。

469:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:29:38.33 ID:+LGyCUrG0
>>465
二人だけの結婚式?
。。。ごめん、言葉にしたらすごく切ないな

471:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:30:39.44 ID:nhTDgWxt0
やっと追いついた…
既に涙が止まらないよ……

475:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:37:00.84 ID:UdSexZFQ0
ほんとハッピーエンドであってほしい。

476:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 01:37:41.97 ID:VEa4UjXG0
彼女「できたよー!」
カーテンが開いたその向こうには、
俺の作ったちょっぴり不格好な純白のドレスを着て、はにかむ彼女がいた。
「似合ってるでしょー?」
と彼女は笑いながら俺に尋ねた。
俺は、この日見たこの光景を一生忘れることはない。
彼女は、ただただ、綺麗だった。
嫌なことも辛いことも、何もかもがふっとんだ。

490:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 01:49:53.79 ID:VEa4UjXG0
俺は彼女の手をとった。
そうすると、彼女は歌い出した。
「ばたふらいーきょうはーいままーでーの」
「どんなーときよーりすばらしいー!」
木村カエラのbutterflyだった。その歌は、彼女が歌い出すと
近くにいた看護婦さんまで歌い出した。
4人部屋だったんだけど、病室の人たちは笑って手拍子をしていた。
俺は彼女に向かって言った。
俺「一生にそばにいるね。」
彼女は「わたしも。」と小さく頷いた。

495:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 01:55:20.94 ID:VEa4UjXG0
そういう流れだったのか、恥ずかしくて仕方なかったけど、
俺たちはお母さんやら患者さん、看護婦さんたちの前で
小さくキスをした。唇が触れ合うくらいの、優しいものだった。
そして何より、これが彼女との初めてのキスだった。
自然と拍手みたいのが起きてしまって、とても恥ずかしかった。
俺たちはお互いに見あって、笑いあった。
キスしたらそれがおかしくて、ふたりで笑いが止まらなかった。

496:1 ◆WiJOfOqXmc :2012/01/18(水) 01:56:40.40 ID:VEa4UjXG0
まだ起きている人はありがとう。
このペースなら間違いなく今日このまま完結しますので、
お付き合い頂けたら幸いです。

497:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:56:49.68 ID:RoR7iMk30
おう

498:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:57:36.33 ID:uNLlqxAdi
待ってるぞ!!

500:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:57:53.72 ID:mQPGRlAVi
おし起きてるわ
頑張れ

513:名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 01:59:51.93 ID:OuXjV46H0
最後まで見守ってる!!

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