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男「釣りロマンを求めて」幼友「第一回!」幼馴染「釣り大会編です」

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Part4

523 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 15:24:23 AWLR86Eg

……………
………


…少女の家


全員「カンパーイ!」


男「少女母さん、今夜はお世話になります」

弟「どどどんなお世話?」ハアハア

幼友「あんた、節操無さすぎ」


少女母「ええから、飲んで飲んで! たくさんあるけんね!」

男「お言葉に甘えて」

幼友「今日は負けませんよー!」

少女母「ふふん、漁師の妻に簡単に勝てると思わんでよ」ニヤリ


524 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 15:25:00 AWLR86Eg


幼馴染「少女ちゃん、またあとで抜け出してパジャマパーティーしましょう」

少女「そう言ってくれると思って、今日はお母さんにお菓子買って貰っといたんよ!」


少年「いいなー、僕も参加していいですか?」

幼馴染&少女「だめー」

少年「えっ」


幼馴染「パジャマパーティーは女性だけでするものです。…男性の前ではできない話などを、あれこれと」

少女「へへっ、そういう事ー」


525 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 15:25:57 AWLR86Eg

少年(男性の前ではできない話ってなんだろ…)ドキドキ

弟「少年、エロい顔になってるぞー?」

少年「なっ…そ、そんな顔してません!」ギクッ


弟「心配すんな、こっちもエロエロ教えてやんよ」ニヤリ

男「少年君に変な事を吹き込まないように」

弟「えー、少年だって興味あるはずだよ。僕、この頃はもう興味深々だったもん」

男「…それは俺自身も否定できない…けど、少年君は違うかもしれません」


弟「どうなの?」

少年「…………ある」

男「ならばよし」


526 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 15:26:58 AWLR86Eg

………



男「ぷは…飲んだ、しこたま飲みましたよーっと」ケラケラ

幼友「これ以上はたぶん悪いお酒になるから、やめとこ」

少女母「あらあら、まだ私には勝てんねえ。じゃけどそのラインでストップできるんは感心な事よ」

幼友「少女母さん、ほんと強いなぁ…」


男「俺は少しだけ飲み過ぎました、ちょっと酔い冷ましに海風に当たってきます」

幼友「あ、じゃあ私も行こうかな」


幼馴染「それなら私もご一緒します。酔っ払い二人が海に落ちてはいけないので」

少女「あれ? パジャマパーティーは?」

幼馴染「あまり長く散歩していたら風邪をひきます。戻ってからでも充分時間はあるはず」

少年「じゃあ僕も」

弟「流れで僕もー」


527 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 15:30:26 AWLR86Eg

………



幼友「港の端は砂浜だから、波音がいいねー」

幼馴染「灯りが少ないから星もすごいです」


男「この時間のオリオン座、随分低くなったものです」

少年「春ですからね」

幼馴染「オーリーオーンーのー右肩ーに輝ーくー」

少女「ベーテールーギウスーはーもう無ーいーとーー」


弟「幼友ちゃん、もう砂浜の方へ行ってるよ。兄ちゃん達も上ばっかり見てないでさ…」

男「馬鹿やろ」

弟「えっ」

男「ほら、早く行け」

弟「兄ちゃん……」コクン

タッタッタッ…



528 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:12:24 AWLR86Eg

少年「あれ? 弟さんと幼友さんが…」

少女「少年っ」

少年「えっ? …えっ?」

幼馴染「当たり前ですが、少年君もまだまだ気が利きません」

男「オトコってのはそんなもんです」


男「少年君達も、二人で話したい事もあるでしょう」

少女「う…うん」ドキッ

幼馴染「子供が夜に家から離れるのは感心しないので、私達が去ります」

男「ちょっとすぐそこ…防波堤の先くらいまで散歩してくるので、寒くなったら先に入っておいて下さい」

少年「わかりました」


少女「お酒飲んどるんじゃから、本当に海に落ちたらいけんよー」

幼馴染「私がいるから大丈夫です」


529 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:13:49 AWLR86Eg

………



少年「…二人だけになっちゃったね」

少女「夜にこんな風にするの慣れんから、ドキドキする…」

少年「そうだね」


少女「……少年、聞いとる?」

少年「何を?」

少女「男さんと幼馴染ちゃんも、オサナナジミなんじゃって」

少年「うん、そうらしいね」

少女「少年が引っ越す前に私達が喧嘩した時、幼馴染ちゃん『ハッキリできない私の気持ちが解る』って言ってくれたん」


530 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:14:30 AWLR86Eg

少女「でもその時、幼友ちゃんはすごく怒って…それはオサナナジミの立場に甘えとるだけじゃ…って」

少年「…それは僕も同じだったよ」


少女「でも少年は喧嘩しとっても、何度も会いに来てくれたよ?」

少年「…男さんに背中を押してもらわなかったら、きっと好きとは言えてなかったと思う」


少女「……二人みたいになれたらええね」

少年「男さんと幼馴染さん?」

少女「うん、あとの二人は…見てて面白いけど」


531 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:15:02 AWLR86Eg

少年「弟さん達はどうなんだろうね、お似合いだと思うけどなあ」

少女「弟さんが男さんくらい釣りが上手くなったら、幼友ちゃんも振り向くかもしれんねっ」

少年「あはは…それが関係あるかは分からないけど……でも、釣りって難しいけど面白いね」

少女「うん、すごく面白い」


少年「今回はハンデをもらって、マダイ釣りでは一位になれたけど…」

少女「ハンデは仕方ないと思うよ、でもせっかくなら勝ちたいね」

少年「そうだね」


532 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:15:48 AWLR86Eg

少女「明日もがんばろうっ」

少年「うん、がんばって…それで総合一位になれたら」

少女「……なれたら?」


少年「少女…キスしてくれる?」ドキドキ

少女「!!」


少年「ご、ごめん! 今の無し! はは…何言ってんだろ…」アセアセッ

少女「……ええよ」ボソッ

少年「えっ」

少女「絶対に勝とうねっ!」ニコッ


533 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:16:47 AWLR86Eg

………


…砂浜


幼友「あれ? みんなは?」

弟「はぐれちゃった」

幼友「呼びに行く?」

弟「…その方がいいなら、行く」


幼友「……まだまだだなぁ」チッチッ

弟「?」

幼友「そこは『二人きりがいい』って言いきらないと…なんてねっ」クスッ


534 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:17:27 AWLR86Eg

幼友「夜の砂浜って、好きなんだ」

弟「うん、なんかいいよね」

幼友「もう少し暖かかったら、足を浸してみるんだけどなー」


弟「……幼友ちゃん」

幼友「ん?」


弟「僕と付き合って下さい」


幼友「…やだよ」

弟「やっぱり」

幼友「まだ、気が早いよーだ」


535 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:17:58 AWLR86Eg

弟「…見込みはある?」

幼友「無いと思ってる?」

弟「ある……つもり」ポリポリ

幼友「なら、そうなんじゃない?」クスクス


弟「寒くない?」

幼友「お酒飲んでるから、ちっとも。…弟君は?」

弟「ドキドキしてそれどころじゃない」

幼友「あははっ、じゃあもうちょっと歩こう」


536 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:18:34 AWLR86Eg

弟「…試しに言ってみる」

幼友「なにを?」

弟「手を繋ごう」スッ


幼友「……ま、いいでしょう」ギュッ


弟「やったあ」

幼友「その『やったあ』は、口に出さない方がいいね」ププッ

弟「あい」


537 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:19:07 AWLR86Eg

幼友「しっかし、マダイ釣りはハンデ有りとはいえ最下位だったね」

弟「でもウキ釣りは今のところ、ハンデを考慮しても一位だよ」

幼友「そうだね」


弟「手を繋ぐの、成功したから」

幼友「うん?」

弟「もうひとつ…ものは試しかな。当たって砕けろだよ」

幼友「よっし、砕いてやろう」


弟「もし釣り勝負、総合で一位になれたら」

幼友「…うん」

弟「今度、デートして下さいっ」


538 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:19:44 AWLR86Eg

弟「……って、まだそれも気が早いよねー!」

幼友「いいよ」

弟「うん、ごめんごめん! そうだと思った、そりゃ……ん? 今、なんて?」

幼友「一位になれたら、デートしてもいいよ」


弟「はわ…はわわ……とうとうそのおっぱいを泳ぐ日ががが…」ドキドキ

幼友「ちょっと待て、そのデートってどこに行く気」

弟「ごめん、今のは冗談。…でも、本当にいいの?」

幼友「いいってば。その代わり、ちゃーんと楽しませてよね」


弟「どこ行く!? どこにしよう!?」

幼友「勝ってからの話でしょ」

弟「他の人のラインをちょん切ってでも勝つ!!!」


539 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:51:17 uGW3FEfg

………


…防波堤


幼馴染「弟君、上手くやってるでしょうか」

男「うーん、上手くやるとは思えません」

幼馴染「でも、幼友も嫌ってはいないと思います」

男「だといいのですが」


幼馴染「釣り、どのチームが勝つでしょう」

男「まあ、誰が勝っても構いません…が」

幼馴染「…が?」

男「俺は本当に勝敗はどうでもいいです。でも幼馴染の頑張りは、報われて欲しいような気もします」


540 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:51:47 uGW3FEfg

幼馴染「マダイは妙に好調でした」

男「あれは神がかっていました、さすがです」ナデナデ


幼馴染「…では、その頑張りに何かご褒美を頂けないでしょうか」

男「ご褒美?」

幼馴染「もし、総合一位になれたらの話です」


男「……じゃあ、前に話した事を」

幼馴染「いつの事でしょう」

男「年越しの時『たまには恋人らしいデートを』という話をしました」

幼馴染「ああ、そういえば」


541 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:52:26 uGW3FEfg

男「結局まだ果たしていないので、もし総合一位になれたら釣りやアウトドアとは関係ない、それらしいデートを計画して誘います」

幼馴染「俄然やる気です」フンス


男「まあ、そうでなくともその内…というつもりではありますが」

幼馴染「それでもここは勝って獲得したいところです」

男「じゃあ、明日も頑張りましょう」


幼馴染「それにしてもチーム名、ひどいです」ジトー

男「すみません、ちょっと悪ふざけしました」

幼馴染「壁で悪かったですね」

男「昼間も言いましたが、俺はそれが好きです」

幼馴染「本当でしょうか」

男「…知らないわけでは無いはずですが」


542 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:53:02 uGW3FEfg

………


…少女の家


弟「ただいまー」

少女「おかえりなさーい」

幼友「少女ちゃん達、先に帰ってたんだ」

少年「はい、少し前に」


弟「兄ちゃん達は?」

少女「まだ帰っとらんのよ、防波堤の方へ行ったんじゃけど」



543 : ◆M7hSLIKnTI:2014/04/04(金) 16:53:44 uGW3FEfg

…ガラガラッ


少女「あ、帰ってきたっぽいよ」

弟「よかった、海には落ちてなかったね」

少年「お帰りなさい」


男「ただいまです」ツヤツヤ

幼馴染「帰りました」ツヤツヤ


幼友「こいつら…」チッ


続きの記事 弟「釣りロマンを求めて」幼友「春の淡水釣り編だよー」

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