同僚女「信用したいって云うたら嫌いになる?」
Part1
2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 13:35:22.53 ID:qv6ULQoP
【こんかいのぱーてぃー】
・男:体力5 精神力5 技術5 集中力3 把握力5 黒さ5
ぷろじぇくとまねーじゃー。みかけよりくろい。
・女:体力4 精神力5 技術5 集中力5 把握力3 黒さ1
からあげおんな。ぼうりょくがとくい。うぉりあー。
・B男:体力5 精神力4 技術3 集中力5 把握力2 黒さ4
にんじゃ。ごびがござる。いがいにも、おとなだ。
・C男:体力4 精神力3 技術3 集中力4 把握力1 黒さ1
はいきせいじん。をたく。おんなにほれている。
・新人:体力3 精神力3 技術2 集中力2 把握力3 黒さ2
すいーつ。そしてゆとり。なにかになりたい、あこがれるきもち。
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 13:35:36.41 ID:qv6ULQoP
――5/28、火曜日 14:00 神楽坂作業室
女「……おっけ。いいよー、このまま進めて」
新人女「……。ん」
新人女:カタカタカタ
C男「了解」
女「えーっと……。ふぅ」
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
新人女「……大丈夫ですか? 女さん」
女「へ? なんで?」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
新人女「いえ。体調」
女「へいきへいき。うち、ウォリアだもん」
新人女「でも、顔色悪いです」
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 13:36:07.86 ID:qv6ULQoP
女「まぁ、時期がね。忙しいから体力はきついけどね」
新人女「はい」
C男「――」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「笑えているうちは平気」
新人女「?」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「いやね。人間、忙しいから気持ちが折れるんじゃないよね。
笑えないから、気持ちが折れるんだよ。
だから、忙しくても笑うんよ。そうすれば、平気」
新人女「――」
C男「サボりマネジは捨てよう」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「男はクライアント回ってる。締め切り交渉含めて。
うちらには出来ない仕事してるんだよ」
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:36:40.04 ID:qv6ULQoP
新人女「……」にこっ
C男「!?」
女「うん、そうだよ。くわ、新人女ちゃんは反則だなっ。
その微笑みで何人犠牲者にしてきたことか」
新人女「……こんなの役に立たないですよ」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「そうなん?」
新人女「欲しくないものが増えて、
欲しいものとは交換できないです」
女「いや、それも大概リア充な意見だと思うけど」
新人女「……」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「ね、C男も可愛いと思うよね」
C男「戦場豚はかわいさを捨てる」
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:36:55.13 ID:qv6ULQoP
新人女「ほら」
女「そこは空気を読め、C男っ!」べきっ
C男「……かわ、いい」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「――わらにでもすがるって言うかさ。なんにも
出来ないときは、せめて笑うくらいしないと。
それくらいしか身内にしてやれない時ってのもね。
あったりしちゃう困った業界なんだな」
新人女「……」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
C男「……そうだ」ニカッ
女「あんたは笑わないでいいや。けふんっ」
新人女「……」
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:37:07.44 ID:qv6ULQoP
――5/29、水曜日 9:00 神楽坂作業室
ピロリ
C男「メール着信」
女「あー。うちだ。仕事のにはアラーム設定してある」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
新人女「男さんでしょうか? でも今日は直行で蕨って
行ってましたよね」
女「なんか訂正じゃないのかなー? んーっと」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「……」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「……っ」
新人女「どうされました?」
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:37:24.31 ID:qv6ULQoP
C男:カタカタカタカタ
女「ん」
新人女「……」
C男:カタカタカタカタ
女「仕様漏れ。……設計前でトラブってる」
C男:ぴたり
新人女「よく判りません」
C男「……いつの? 何件?」
女「池袋が持ってた仕事。もうほとんど終わらせてた。
件数は10万以上。ってか、データ構造に手をつけて
リテイクだ」
新人女「……?」
C男「――捨てよう。捨てる。いや捨てさせる」
新人女「……??」
女「後ろから撃たれるんか……。あはは」
どくん
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 13:38:05.23 ID:qv6ULQoP
新人女「トラブルなんですか?」
C男「……捨てよう」
女「ま、ね。うん。この件はうちと男で相談するから。
いまのところは、目の前の仕事進めておいて」
どくん どくん
新人女「はい。……女さん?」
女「へ?」
新人女「いえ、汗が」
女「もう暖かいしね。ちょい、たんまね」
どくん どくん
C男「本部に行って首の十や二十は捨てたい」
女「ま、ま。そう言わないで。えへへ」
どくん どくん
女「だいじょぶ。うち、せふせふ」
新人女「……っ」
C男:カタカタカタカタガガガ
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:39:09.41 ID:qv6ULQoP
――5/29、水曜日 13:00 神楽坂作業室
男「ん。概要はわかった。で、電話は誰から?」
女「部長」
男「……おっけ。ま。仕事してて」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
男「もしもし? はい。神楽坂です。はい、お疲れ様です。
部長いますか? はい、おねがいします」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「……」すとん
女:カタカタカタカタカタ
男「はい。話の概要を聞きました。――はい? はい。
ふむ。はい。……そうです。はい。
――要件定義ですよね? それは」
男「ふむふむ。うちに降りてきている書類では、
前回のデータ構造ですよ。
いえ、僕はそのクライアントとはお会いしてないんです」
C男「ボクを捨てよう」
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 13:39:29.59 ID:qv6ULQoP
男「管理部の人間は呼ばれていませんよ。え? ああ。
池袋班が? なるほど……。はい」
女「……っ」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
男「そうなりますね。……いえ、お受けできないです。
体力? ……は、まぁ、はい。相当きついですが。
それは今回のボトルネックではないですよ。
はい、はい……」
男「いえ、そうではないです。
ただし、このリテイクの作業を行うとなると、現在業務に
手をつけている7社分はすべて期限内の実行が
不可能となります。体力よりも、すでに実時間レベルの
問題になっていますから……。はい」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
男「もちろんです、はい。……そうなりますね。
池袋班? ……池袋班は、実働体制にないですよね。
人数補充の予定は先週でしたが……。いえ、聞いていません。
はい。……そうですか」
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:40:01.86 ID:qv6ULQoP
男「いえ。そうですね。……では直接伺ってみます」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
男「そう言う訳にも行きませんよ。
あははは……はい、仕事ですから。
えっと、その足で開発に回って、時間があったら
そちらにお邪魔しても良いですか?」
女「……っ」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
男「いえいえ。では、そうですね。はい。
17:00過ぎにはお伺いできると思います」
新人女「……」 C男「……」
女「あんな。……どうやった?」
男「やっぱ出向いて聞かないと判らないかな。
――やだなぁ。
そう思い詰めた顔しないで。先輩らしくもない。あはは」
男「こんな逆境今までいくらでもあったでしょ?
話聞いてきますから」
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:40:20.89 ID:qv6ULQoP
――5/29、水曜日 20:00 神楽坂作業室
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
新人女「帰ってきませんね。男さん」
C男「捨てよう。マネジは」
女「……」
C男「マネジが仕事断れないから、
俺たちが地獄に捨てられる」
新人女「……」
C男「俺たちががんばっても全力だしても、
終わらないし、終わらせられない。
それなら捨てるのが正しい。捨てよう」
新人女「……」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
どくん
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:40:36.42 ID:qv6ULQoP
C男「M野の仕事なんだし。拾うのが間違い」
女「そうやんね。けふんっ」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
女「うちも、そうやって男を何回も、
あの会議に行かせたなぁ。たくさんやった」
C男「マネジが断れば、それで丸く収まる」
女「そやな。そうかもしれないね……けど。
そしたら、男は首にされて、
次はうちがマネジやるんだろな……。けふんっ」
C男「そうすれば無茶な仕事しないで済む」
女「そかな。うち、もたんと思う。それこそ一月さえ」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタガ
女:カタカタカタカタ
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:40:54.49 ID:ob4JXAAO
ここか
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:40:58.15 ID:qv6ULQoP
女「うちが辞めたら、B男かな。C男かな。けふっ」
新人女「……」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタガガ
女:カタカタカタカタ
女「大根おろしみたいに、一人ずつ削り取られて、
誰もいないようになってしまうと思うんだよ」ぽそり
新人女「……」 C男「……」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタガガガガ
女:カタカタカタカタ
女「だから……」
C男「だから、仕方ない?」
C男「いつも、いつまでも、ずっと使い捨て」
C男「捨てられて、捨てられて、仕方ない?」
C男「――笑止。マネジが弱い、捨てるべき」
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:41:25.18 ID:qv6ULQoP
――5/29、水曜日 23:00 神楽坂作業室
きぃ。きぃ……。がちゃん。
男「ただいま、っと」
C男「おか」
男「お。C男だ。どした? 終わらない? みんなは?」
C男「帰った」
男「そか。……プリン食う?」
C男 こくり
男:カタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
男「ほい、どうぞ」
C男「……」もそもそ。もぐっ
男「今日は、風が強いな」
C男「雨がくる」
男「うん」
C男「仕事」
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:41:41.06 ID:qv6ULQoP
男「ん?」
C男「増えたか?」
男「ん。増えたね。困ってる」
C男「人ごとじゃない」
男「人ごとじゃないね」
C男「……」
男「……」
C男「断って」
男「……だめ」
C男「断れないのは、弱い」
男「……それでもだめ」
C男「なぜ」
男「断れば強い訳じゃない。強ければ勝てる訳じゃない」
C男「生き残るのが勝利。クライアント捨てよう」
男「……もぐっ」
C男「捨てるべき」
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:41:57.21 ID:qv6ULQoP
男「それが勝ちなら」
C男「……」
男「生き残りさえすれば勝ちなら、
明日全員辞めればそれで勝ちか」
C男「……っ」
男「それは勝ちじゃない」
C男「……」
男「負けないのと勝ちは、違う」
C男「でも、みんな死ぬ」
男「――」
C男「気持ちも、身体も、折れる」
男「――」
C男「それでも、まだ仕事引き受けた方がよいのか」
男「そう」
C男「捨てたい」
男「許可できない」
C男「籠城してどうなる」
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 13:43:06.54 ID:qv6ULQoP
C男「舐められてる。くだらないバカに。
会社を人質にして。俺たちの意地を利用して。
働かせようとしている」
男「そうだよ」
C男「がんばっても、笑うのは、あっちで
俺たちは貧乏くじ」 ぎりっ
男「そうだよ」
C男「それでもか」
男「そうだよ」
C男「なんでだ」
男「理由かー……」
C男「……」
男「理由は、無いな。
でも、これが一番良い選択肢なんだ。
いまは地獄だけど、他の選択肢は『地獄以下』だと
思うんだよ」
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:44:43.00 ID:qv6ULQoP
C男「捨てちゃダメなのか」
男「いや。判らないよ、そんなのさー。
でも、捨てて良いものと、捨てちゃいけないものは
あるっしょ。いま捨てると、すり落ちちゃうものもある」
C男「……」
男「まぁ、俺たち野良だから。C男が受けられないって
云うのは仕方ない。身を守るのが大事なのは重々判ってる」
C男「……ん」
男「だから、気に入らないのなら仕事は振らない」
C男「……」
男「でも、なんつか。ここは逃げちゃいけない
タイミングだと思うんだわ」
C男「プリン」
男「?」
C男「ごちそうさま」
男「いえいえ」
C男「――プリン一個分だけ拾う」
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 13:55:15.01 ID:0PAbu.DO
最初のスレから見てきた
今も休憩中に読んでる
ちゃんと見てるぞ
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 13:59:40.85 ID:srNM2Jso
しえん
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 14:08:51.36 ID:qv6ULQoP
パー速だから、お猿とかいないので
支援はへいきだよー。書き込みあると嬉しいけどねっ。
連投規制もないので、固まりでちょいちょい落とすんで
雑談でもして暇つぶしててください(T∇T)
みんなのアイドルM野の出番まつとかっ
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:00:54.90 ID:qv6ULQoP
――5/30、木曜日 08:00 神楽坂作業室
女「おっはよー」
男:カタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
男「おはよー」
C男「夜を捨てよう」
女「あれ? C男泊まったの? めずらし」
C男「プリン」
男:カタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「へ?」
男「……そゆこともあるよ」
新人女「おはようございますっ」
女「おお。おはよう新人女ちゃん」
男「おはよー」
C男:カタカタカタカタ
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:02:12.01 ID:qv6ULQoP
女「うっし、けふっ。うちもいこかなっ」
男「大丈夫? 女先輩」
女「んー。ちょっと頭痛い。週末に病院いく」
男「体調管理してね。無理させてるこっちが悪いんだけど」
女「まーかせてっ」
男:カタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
新人女「……」もそもそ
男「あれ、何してるの? 新人女さん」
新人女「あ、いえ。……作業着をと思って」
女「うわ、可愛いなー。それ」
新人女「ひらひらのはやっぱり不便ですよね。袖とか」
女「着実に場慣れしていくなぁ」
C男「戦場豚」
男:カタカタカタカタ
新人女「あはは。自分でもびっくりの順応です」
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:02:32.22 ID:qv6ULQoP
――5/30、木曜日 10:20 神楽坂作業室
男「んー。新人女さん、ドキュの準備」
新人女「あ、出来てます」
男:カタカタカタカタカタカタ
男「概要をメールになげてー」
新人女「はいっ」
男:カタカタカタカタカタカタ
男「女先輩、麹町用のマクロって?」
女「ああ、うん。保険屋のマクロの改造でいけたよ。
テストおわってる」
男:カタカタカタカタカタカタ
男「B男のとこに投げておいてくださいな。りどみつけて
あれば勝手にやるでしょ」
男:カタカタカタカタカタカタ
C男「俺は15、8、2、26終わった。全部aで」
男「先読みするなぁ。んじゃ+1してbやって。
で、おわったら」
C男「判ってる」
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:04:29.96 ID:qv6ULQoP
女「男、メチャクチャ飛ばしてるなぁ」
新人女「今日はいつにもましてすごいですね」
女「なんやろなぁ、仕事はうちの方が早いんやけど
こういう時は敵わない感じで悔しいな」
新人女「ですか?」
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
女「ちょっとね。ウォリアの血」
新人女「判りますけれど。圧倒されますよね」
C男「……」
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタカ
男「女先輩。俺昼前に出ちゃいます」
女「はいはい。留守番してるよー。今日はどっち?」
男「本部と、麹町に。帰りは15時過ぎの予定で」
女「うち、今日はシュークリーム食いたいな」
男「は?」
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:06:07.35 ID:qv6ULQoP
女「シュークリーム食いたい」
男「何言ってるんですか?」
男:カタカタカタカタカタカタ
女「シュークリームってふわふわ&さくさくで、
ひんやり甘いよね? ね、ね? 新人女ちゃん」
新人女「ええ。……そうですね。はい?」
男「なんだかなぁ。お使いですか?」
女「ううん、マネジの奢り」
男「んなわけいかないでしょ、女先輩!」
女「新人女ちゃん、ね。ね。今日は何色?」
新人女「えっ!? あ。あ、あ……そのぅ」ぼそぼそ
C男「!?」
女「……ふむふむ。……うぉ、後で見せてっ。
で、……ふむ。おとこーっ♪」
男「ううう」
女「んじゃ、二人の分を発表するねー。あんな、あんな!」
男「シュークリーム買って参りますっ」
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:08:00.38 ID:qv6ULQoP
――5/30、木曜日 14:00 神楽坂作業室
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタカ
女「シュークリーッム、シュークリーッム」
新人女「ご機嫌ですね」
女「うち、安上がりな女なんだ。シュークリーム期待で
テンションあがっちゃうくらいで」
新人女「あははっ。私も楽しみですっ」
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタカ
女「そうそう、甘いものがあるから、日々を生き抜いて
いけるよね。けひゅんっ」
C男「……」ぽいっ
女「おお、ティッシュさんきゅ!」 もそもそ
女:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカ
女「うちはティッシュも持ってないと思われたんかーっ!」
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 15:09:31.79 ID:qv6ULQoP
C男「鼻をかんだら捨てよう」
女「捨てるよ、それはっ」
新人女「あははっ」にこっ
女「C男にはハンニバル・レクター式学習法でも
生ぬるいみたいやんねっ。こうなったら禁断の
虎眼流式学習方法で……」
C男「それは捨てよう」
女「遠慮しないでいいんよ。うちが一撃必殺で
教授したげるから。授業料はあばら二本で」
C男「デスマ。仕事」
C男:カタカタカタカタカ
女「ちぇっ。C男も遊んでくれない」
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタカ
とうぅるるるる。とぅるるるる。
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:10:46.26 ID:qv6ULQoP
新人女「電話ですよ」
女「誰かな。本部かなぁ、こんな時間に。クライアントかな」
女「はい。もしもし。神楽坂作業室です」
「もしもし? 神楽坂さん?」
女「そうです」
「目黒のDM興業だけど」
女「先月納品させていただいた。はい、お世話になって
おります。どのようなご用件でしょうか?」
「あー。用件? わかんないの?」
女「申し訳ありません。把握していませんが……」
「昨日納品だろう? どんなことになってるんだよっ?」
女「え? 先月の」
「それは第一期だろっ? こっちは二期の話してるんだよっ」
女「すみません、どういったご予定だったのでしょうか?」
「予定もクソもないよ。そっちがスケジュールだして
くれるはずだろ。こっちは昨日納品としか聞いてない」
どくんっ
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 15:13:50.39 ID:qv6ULQoP
女「では、お手元のプロジェクトシートの右肩の番号を」
どくんっ
「だから神楽坂さんってのかい?
俺はイヤだって云ったんだよなぁ。
M野さんにさ。聞いてるよ。
仕事もしないくせに何でもいちいち
書面確認しなきゃサボってばっかりのお荷物なんだろう?
そっちの神楽坂ってのはさ。
池袋さんなら口頭発注で良いって言うからお願いしたのにさ」
どくんっ
女「いえ、しかし。スケジュール確認を」
「M野さんのほうでフォーマットは作ったんだろ?
流し込みなんだからさっさと済ませてくれよ。
で、どうなの? いつあがんの?」
どくんっ
女「それは、確認して」
「御託はいいからさぁ。そっちに仕事は引き継いだって
聞いてるよ。こっちの仕事、待たせてんだよなぁ」
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:14:57.96 ID:qv6ULQoP
女「それは、私達のほうでは連絡を受けていなくて」
どくんっ
「それは、お宅の都合でしょ? こっちは発注してるんだよね。
そっちの社内のこととか、お荷物とかさ。
そういうの関係ないんだ。
あー、M野さんがいってたのはこういうことなのねー」
どくんっ――きーんっ
「お宅、あれでしょ? 派遣でしょ?
派遣は責任取らないもんね。話にならないや。
良いよ良いよ、判ったから。変わって」
女「はい?」
――きーんっ
「いいから正社員に変わってよ。
派遣じゃ話が通らないって云ってるんだよ。
こっちはあんたらみたいに、遊んで金もらってられる
立場じゃないんだからさ。
神楽坂のそこの責任者、出して」
女「申し訳ありません。ただいま席を外して」
「言い逃れしてるんじゃねェよ」
――きいぃぃぃぃんっ
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:17:34.53 ID:qv6ULQoP
「――。――」
女「はい?」
新人女「おんな、さん?」
「――。――」
女「申し訳ありません。ただいま席を外して」
新人女「女さん」
「――。――」
女「はい。……はい、早急に、はい」
「――。――」
女「ご連絡させていただきます」
「――。――」
女「――申し伝えさせていた――きま――す」
「――。――」
女「はい。はい。申し訳ございませんでした。
――失礼――させて――いた――きます」
新人女「女さん……?」
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:21:22.77 ID:qv6ULQoP
かちゃり
女「……」
新人女「女さん……顔色が」
女「C男。――目黒のDM屋さん。連絡行き違い。
昨日納品分の発注漏れ。男に連絡で確認
優先度最大」
新人女「女さんっ?」
女「あはは……」
女「うちら。甘え、過ぎだ。これ、やらせてたの――か」
C男「っ」
新人女「女さんっ?」
女「――ごめん」
どさっ
新人女「女さんっ!!」
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 15:22:42.28 ID:qv6ULQoP
うし。ひとかたまり、終了-。
ちょっと席外しまする-。
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 15:23:28.77 ID:xpa2wM6o
乙
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 15:23:30.43 ID:BOEds6Eo
女あああああああああああ!!!!
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 15:24:46.67 ID:66cnKHsP
うわああああああああああああああああああああ
【こんかいのぱーてぃー】
・男:体力5 精神力5 技術5 集中力3 把握力5 黒さ5
ぷろじぇくとまねーじゃー。みかけよりくろい。
・女:体力4 精神力5 技術5 集中力5 把握力3 黒さ1
からあげおんな。ぼうりょくがとくい。うぉりあー。
・B男:体力5 精神力4 技術3 集中力5 把握力2 黒さ4
にんじゃ。ごびがござる。いがいにも、おとなだ。
・C男:体力4 精神力3 技術3 集中力4 把握力1 黒さ1
はいきせいじん。をたく。おんなにほれている。
・新人:体力3 精神力3 技術2 集中力2 把握力3 黒さ2
すいーつ。そしてゆとり。なにかになりたい、あこがれるきもち。
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 13:35:36.41 ID:qv6ULQoP
――5/28、火曜日 14:00 神楽坂作業室
女「……おっけ。いいよー、このまま進めて」
新人女「……。ん」
新人女:カタカタカタ
C男「了解」
女「えーっと……。ふぅ」
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
新人女「……大丈夫ですか? 女さん」
女「へ? なんで?」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
新人女「いえ。体調」
女「へいきへいき。うち、ウォリアだもん」
新人女「でも、顔色悪いです」
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 13:36:07.86 ID:qv6ULQoP
女「まぁ、時期がね。忙しいから体力はきついけどね」
新人女「はい」
C男「――」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「笑えているうちは平気」
新人女「?」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「いやね。人間、忙しいから気持ちが折れるんじゃないよね。
笑えないから、気持ちが折れるんだよ。
だから、忙しくても笑うんよ。そうすれば、平気」
新人女「――」
C男「サボりマネジは捨てよう」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「男はクライアント回ってる。締め切り交渉含めて。
うちらには出来ない仕事してるんだよ」
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:36:40.04 ID:qv6ULQoP
新人女「……」にこっ
C男「!?」
女「うん、そうだよ。くわ、新人女ちゃんは反則だなっ。
その微笑みで何人犠牲者にしてきたことか」
新人女「……こんなの役に立たないですよ」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「そうなん?」
新人女「欲しくないものが増えて、
欲しいものとは交換できないです」
女「いや、それも大概リア充な意見だと思うけど」
新人女「……」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「ね、C男も可愛いと思うよね」
C男「戦場豚はかわいさを捨てる」
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:36:55.13 ID:qv6ULQoP
新人女「ほら」
女「そこは空気を読め、C男っ!」べきっ
C男「……かわ、いい」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「――わらにでもすがるって言うかさ。なんにも
出来ないときは、せめて笑うくらいしないと。
それくらいしか身内にしてやれない時ってのもね。
あったりしちゃう困った業界なんだな」
新人女「……」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
C男「……そうだ」ニカッ
女「あんたは笑わないでいいや。けふんっ」
新人女「……」
――5/29、水曜日 9:00 神楽坂作業室
ピロリ
C男「メール着信」
女「あー。うちだ。仕事のにはアラーム設定してある」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
新人女「男さんでしょうか? でも今日は直行で蕨って
行ってましたよね」
女「なんか訂正じゃないのかなー? んーっと」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「……」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「……っ」
新人女「どうされました?」
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:37:24.31 ID:qv6ULQoP
C男:カタカタカタカタ
女「ん」
新人女「……」
C男:カタカタカタカタ
女「仕様漏れ。……設計前でトラブってる」
C男:ぴたり
新人女「よく判りません」
C男「……いつの? 何件?」
女「池袋が持ってた仕事。もうほとんど終わらせてた。
件数は10万以上。ってか、データ構造に手をつけて
リテイクだ」
新人女「……?」
C男「――捨てよう。捨てる。いや捨てさせる」
新人女「……??」
女「後ろから撃たれるんか……。あはは」
どくん
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 13:38:05.23 ID:qv6ULQoP
新人女「トラブルなんですか?」
C男「……捨てよう」
女「ま、ね。うん。この件はうちと男で相談するから。
いまのところは、目の前の仕事進めておいて」
どくん どくん
新人女「はい。……女さん?」
女「へ?」
新人女「いえ、汗が」
女「もう暖かいしね。ちょい、たんまね」
どくん どくん
C男「本部に行って首の十や二十は捨てたい」
女「ま、ま。そう言わないで。えへへ」
どくん どくん
女「だいじょぶ。うち、せふせふ」
新人女「……っ」
C男:カタカタカタカタガガガ
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:39:09.41 ID:qv6ULQoP
――5/29、水曜日 13:00 神楽坂作業室
男「ん。概要はわかった。で、電話は誰から?」
女「部長」
男「……おっけ。ま。仕事してて」
女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
男「もしもし? はい。神楽坂です。はい、お疲れ様です。
部長いますか? はい、おねがいします」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「……」すとん
女:カタカタカタカタカタ
男「はい。話の概要を聞きました。――はい? はい。
ふむ。はい。……そうです。はい。
――要件定義ですよね? それは」
男「ふむふむ。うちに降りてきている書類では、
前回のデータ構造ですよ。
いえ、僕はそのクライアントとはお会いしてないんです」
C男「ボクを捨てよう」
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 13:39:29.59 ID:qv6ULQoP
男「管理部の人間は呼ばれていませんよ。え? ああ。
池袋班が? なるほど……。はい」
女「……っ」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
男「そうなりますね。……いえ、お受けできないです。
体力? ……は、まぁ、はい。相当きついですが。
それは今回のボトルネックではないですよ。
はい、はい……」
男「いえ、そうではないです。
ただし、このリテイクの作業を行うとなると、現在業務に
手をつけている7社分はすべて期限内の実行が
不可能となります。体力よりも、すでに実時間レベルの
問題になっていますから……。はい」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
男「もちろんです、はい。……そうなりますね。
池袋班? ……池袋班は、実働体制にないですよね。
人数補充の予定は先週でしたが……。いえ、聞いていません。
はい。……そうですか」
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:40:01.86 ID:qv6ULQoP
男「いえ。そうですね。……では直接伺ってみます」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
男「そう言う訳にも行きませんよ。
あははは……はい、仕事ですから。
えっと、その足で開発に回って、時間があったら
そちらにお邪魔しても良いですか?」
女「……っ」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
男「いえいえ。では、そうですね。はい。
17:00過ぎにはお伺いできると思います」
新人女「……」 C男「……」
女「あんな。……どうやった?」
男「やっぱ出向いて聞かないと判らないかな。
――やだなぁ。
そう思い詰めた顔しないで。先輩らしくもない。あはは」
男「こんな逆境今までいくらでもあったでしょ?
話聞いてきますから」
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:40:20.89 ID:qv6ULQoP
――5/29、水曜日 20:00 神楽坂作業室
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
新人女「帰ってきませんね。男さん」
C男「捨てよう。マネジは」
女「……」
C男「マネジが仕事断れないから、
俺たちが地獄に捨てられる」
新人女「……」
C男「俺たちががんばっても全力だしても、
終わらないし、終わらせられない。
それなら捨てるのが正しい。捨てよう」
新人女「……」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
どくん
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:40:36.42 ID:qv6ULQoP
C男「M野の仕事なんだし。拾うのが間違い」
女「そうやんね。けふんっ」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
女「うちも、そうやって男を何回も、
あの会議に行かせたなぁ。たくさんやった」
C男「マネジが断れば、それで丸く収まる」
女「そやな。そうかもしれないね……けど。
そしたら、男は首にされて、
次はうちがマネジやるんだろな……。けふんっ」
C男「そうすれば無茶な仕事しないで済む」
女「そかな。うち、もたんと思う。それこそ一月さえ」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタガ
女:カタカタカタカタ
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:40:54.49 ID:ob4JXAAO
ここか
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:40:58.15 ID:qv6ULQoP
女「うちが辞めたら、B男かな。C男かな。けふっ」
新人女「……」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタガガ
女:カタカタカタカタ
女「大根おろしみたいに、一人ずつ削り取られて、
誰もいないようになってしまうと思うんだよ」ぽそり
新人女「……」 C男「……」
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタガガガガ
女:カタカタカタカタ
女「だから……」
C男「だから、仕方ない?」
C男「いつも、いつまでも、ずっと使い捨て」
C男「捨てられて、捨てられて、仕方ない?」
C男「――笑止。マネジが弱い、捨てるべき」
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:41:25.18 ID:qv6ULQoP
――5/29、水曜日 23:00 神楽坂作業室
きぃ。きぃ……。がちゃん。
男「ただいま、っと」
C男「おか」
男「お。C男だ。どした? 終わらない? みんなは?」
C男「帰った」
男「そか。……プリン食う?」
C男 こくり
男:カタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
男「ほい、どうぞ」
C男「……」もそもそ。もぐっ
男「今日は、風が強いな」
C男「雨がくる」
男「うん」
C男「仕事」
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:41:41.06 ID:qv6ULQoP
男「ん?」
C男「増えたか?」
男「ん。増えたね。困ってる」
C男「人ごとじゃない」
男「人ごとじゃないね」
C男「……」
男「……」
C男「断って」
男「……だめ」
C男「断れないのは、弱い」
男「……それでもだめ」
C男「なぜ」
男「断れば強い訳じゃない。強ければ勝てる訳じゃない」
C男「生き残るのが勝利。クライアント捨てよう」
男「……もぐっ」
C男「捨てるべき」
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:41:57.21 ID:qv6ULQoP
男「それが勝ちなら」
C男「……」
男「生き残りさえすれば勝ちなら、
明日全員辞めればそれで勝ちか」
C男「……っ」
男「それは勝ちじゃない」
C男「……」
男「負けないのと勝ちは、違う」
C男「でも、みんな死ぬ」
男「――」
C男「気持ちも、身体も、折れる」
男「――」
C男「それでも、まだ仕事引き受けた方がよいのか」
男「そう」
C男「捨てたい」
男「許可できない」
C男「籠城してどうなる」
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 13:43:06.54 ID:qv6ULQoP
C男「舐められてる。くだらないバカに。
会社を人質にして。俺たちの意地を利用して。
働かせようとしている」
男「そうだよ」
C男「がんばっても、笑うのは、あっちで
俺たちは貧乏くじ」 ぎりっ
男「そうだよ」
C男「それでもか」
男「そうだよ」
C男「なんでだ」
男「理由かー……」
C男「……」
男「理由は、無いな。
でも、これが一番良い選択肢なんだ。
いまは地獄だけど、他の選択肢は『地獄以下』だと
思うんだよ」
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 13:44:43.00 ID:qv6ULQoP
C男「捨てちゃダメなのか」
男「いや。判らないよ、そんなのさー。
でも、捨てて良いものと、捨てちゃいけないものは
あるっしょ。いま捨てると、すり落ちちゃうものもある」
C男「……」
男「まぁ、俺たち野良だから。C男が受けられないって
云うのは仕方ない。身を守るのが大事なのは重々判ってる」
C男「……ん」
男「だから、気に入らないのなら仕事は振らない」
C男「……」
男「でも、なんつか。ここは逃げちゃいけない
タイミングだと思うんだわ」
C男「プリン」
男「?」
C男「ごちそうさま」
男「いえいえ」
C男「――プリン一個分だけ拾う」
最初のスレから見てきた
今も休憩中に読んでる
ちゃんと見てるぞ
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 13:59:40.85 ID:srNM2Jso
しえん
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 14:08:51.36 ID:qv6ULQoP
パー速だから、お猿とかいないので
支援はへいきだよー。書き込みあると嬉しいけどねっ。
連投規制もないので、固まりでちょいちょい落とすんで
雑談でもして暇つぶしててください(T∇T)
みんなのアイドルM野の出番まつとかっ
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:00:54.90 ID:qv6ULQoP
――5/30、木曜日 08:00 神楽坂作業室
女「おっはよー」
男:カタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
男「おはよー」
C男「夜を捨てよう」
女「あれ? C男泊まったの? めずらし」
C男「プリン」
男:カタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女「へ?」
男「……そゆこともあるよ」
新人女「おはようございますっ」
女「おお。おはよう新人女ちゃん」
男「おはよー」
C男:カタカタカタカタ
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:02:12.01 ID:qv6ULQoP
女「うっし、けふっ。うちもいこかなっ」
男「大丈夫? 女先輩」
女「んー。ちょっと頭痛い。週末に病院いく」
男「体調管理してね。無理させてるこっちが悪いんだけど」
女「まーかせてっ」
男:カタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
新人女「……」もそもそ
男「あれ、何してるの? 新人女さん」
新人女「あ、いえ。……作業着をと思って」
女「うわ、可愛いなー。それ」
新人女「ひらひらのはやっぱり不便ですよね。袖とか」
女「着実に場慣れしていくなぁ」
C男「戦場豚」
男:カタカタカタカタ
新人女「あはは。自分でもびっくりの順応です」
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:02:32.22 ID:qv6ULQoP
――5/30、木曜日 10:20 神楽坂作業室
男「んー。新人女さん、ドキュの準備」
新人女「あ、出来てます」
男:カタカタカタカタカタカタ
男「概要をメールになげてー」
新人女「はいっ」
男:カタカタカタカタカタカタ
男「女先輩、麹町用のマクロって?」
女「ああ、うん。保険屋のマクロの改造でいけたよ。
テストおわってる」
男:カタカタカタカタカタカタ
男「B男のとこに投げておいてくださいな。りどみつけて
あれば勝手にやるでしょ」
男:カタカタカタカタカタカタ
C男「俺は15、8、2、26終わった。全部aで」
男「先読みするなぁ。んじゃ+1してbやって。
で、おわったら」
C男「判ってる」
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:04:29.96 ID:qv6ULQoP
女「男、メチャクチャ飛ばしてるなぁ」
新人女「今日はいつにもましてすごいですね」
女「なんやろなぁ、仕事はうちの方が早いんやけど
こういう時は敵わない感じで悔しいな」
新人女「ですか?」
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
女「ちょっとね。ウォリアの血」
新人女「判りますけれど。圧倒されますよね」
C男「……」
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタカ
男「女先輩。俺昼前に出ちゃいます」
女「はいはい。留守番してるよー。今日はどっち?」
男「本部と、麹町に。帰りは15時過ぎの予定で」
女「うち、今日はシュークリーム食いたいな」
男「は?」
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:06:07.35 ID:qv6ULQoP
女「シュークリーム食いたい」
男「何言ってるんですか?」
男:カタカタカタカタカタカタ
女「シュークリームってふわふわ&さくさくで、
ひんやり甘いよね? ね、ね? 新人女ちゃん」
新人女「ええ。……そうですね。はい?」
男「なんだかなぁ。お使いですか?」
女「ううん、マネジの奢り」
男「んなわけいかないでしょ、女先輩!」
女「新人女ちゃん、ね。ね。今日は何色?」
新人女「えっ!? あ。あ、あ……そのぅ」ぼそぼそ
C男「!?」
女「……ふむふむ。……うぉ、後で見せてっ。
で、……ふむ。おとこーっ♪」
男「ううう」
女「んじゃ、二人の分を発表するねー。あんな、あんな!」
男「シュークリーム買って参りますっ」
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:08:00.38 ID:qv6ULQoP
――5/30、木曜日 14:00 神楽坂作業室
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタカ
女「シュークリーッム、シュークリーッム」
新人女「ご機嫌ですね」
女「うち、安上がりな女なんだ。シュークリーム期待で
テンションあがっちゃうくらいで」
新人女「あははっ。私も楽しみですっ」
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタカ
女「そうそう、甘いものがあるから、日々を生き抜いて
いけるよね。けひゅんっ」
C男「……」ぽいっ
女「おお、ティッシュさんきゅ!」 もそもそ
女:カタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカ
女「うちはティッシュも持ってないと思われたんかーっ!」
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 15:09:31.79 ID:qv6ULQoP
C男「鼻をかんだら捨てよう」
女「捨てるよ、それはっ」
新人女「あははっ」にこっ
女「C男にはハンニバル・レクター式学習法でも
生ぬるいみたいやんねっ。こうなったら禁断の
虎眼流式学習方法で……」
C男「それは捨てよう」
女「遠慮しないでいいんよ。うちが一撃必殺で
教授したげるから。授業料はあばら二本で」
C男「デスマ。仕事」
C男:カタカタカタカタカ
女「ちぇっ。C男も遊んでくれない」
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタカ
とうぅるるるる。とぅるるるる。
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:10:46.26 ID:qv6ULQoP
新人女「電話ですよ」
女「誰かな。本部かなぁ、こんな時間に。クライアントかな」
女「はい。もしもし。神楽坂作業室です」
「もしもし? 神楽坂さん?」
女「そうです」
「目黒のDM興業だけど」
女「先月納品させていただいた。はい、お世話になって
おります。どのようなご用件でしょうか?」
「あー。用件? わかんないの?」
女「申し訳ありません。把握していませんが……」
「昨日納品だろう? どんなことになってるんだよっ?」
女「え? 先月の」
「それは第一期だろっ? こっちは二期の話してるんだよっ」
女「すみません、どういったご予定だったのでしょうか?」
「予定もクソもないよ。そっちがスケジュールだして
くれるはずだろ。こっちは昨日納品としか聞いてない」
どくんっ
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 15:13:50.39 ID:qv6ULQoP
女「では、お手元のプロジェクトシートの右肩の番号を」
どくんっ
「だから神楽坂さんってのかい?
俺はイヤだって云ったんだよなぁ。
M野さんにさ。聞いてるよ。
仕事もしないくせに何でもいちいち
書面確認しなきゃサボってばっかりのお荷物なんだろう?
そっちの神楽坂ってのはさ。
池袋さんなら口頭発注で良いって言うからお願いしたのにさ」
どくんっ
女「いえ、しかし。スケジュール確認を」
「M野さんのほうでフォーマットは作ったんだろ?
流し込みなんだからさっさと済ませてくれよ。
で、どうなの? いつあがんの?」
どくんっ
女「それは、確認して」
「御託はいいからさぁ。そっちに仕事は引き継いだって
聞いてるよ。こっちの仕事、待たせてんだよなぁ」
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:14:57.96 ID:qv6ULQoP
女「それは、私達のほうでは連絡を受けていなくて」
どくんっ
「それは、お宅の都合でしょ? こっちは発注してるんだよね。
そっちの社内のこととか、お荷物とかさ。
そういうの関係ないんだ。
あー、M野さんがいってたのはこういうことなのねー」
どくんっ――きーんっ
「お宅、あれでしょ? 派遣でしょ?
派遣は責任取らないもんね。話にならないや。
良いよ良いよ、判ったから。変わって」
女「はい?」
――きーんっ
「いいから正社員に変わってよ。
派遣じゃ話が通らないって云ってるんだよ。
こっちはあんたらみたいに、遊んで金もらってられる
立場じゃないんだからさ。
神楽坂のそこの責任者、出して」
女「申し訳ありません。ただいま席を外して」
「言い逃れしてるんじゃねェよ」
――きいぃぃぃぃんっ
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:17:34.53 ID:qv6ULQoP
「――。――」
女「はい?」
新人女「おんな、さん?」
「――。――」
女「申し訳ありません。ただいま席を外して」
新人女「女さん」
「――。――」
女「はい。……はい、早急に、はい」
「――。――」
女「ご連絡させていただきます」
「――。――」
女「――申し伝えさせていた――きま――す」
「――。――」
女「はい。はい。申し訳ございませんでした。
――失礼――させて――いた――きます」
新人女「女さん……?」
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 15:21:22.77 ID:qv6ULQoP
かちゃり
女「……」
新人女「女さん……顔色が」
女「C男。――目黒のDM屋さん。連絡行き違い。
昨日納品分の発注漏れ。男に連絡で確認
優先度最大」
新人女「女さんっ?」
女「あはは……」
女「うちら。甘え、過ぎだ。これ、やらせてたの――か」
C男「っ」
新人女「女さんっ?」
女「――ごめん」
どさっ
新人女「女さんっ!!」
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 15:22:42.28 ID:qv6ULQoP
うし。ひとかたまり、終了-。
ちょっと席外しまする-。
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 15:23:28.77 ID:xpa2wM6o
乙
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 15:23:30.43 ID:BOEds6Eo
女あああああああああああ!!!!
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 15:24:46.67 ID:66cnKHsP
うわああああああああああああああああああああ
続きの記事 同僚女「観念してうちを撫でるんやね」
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