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少年「あなたが塔の魔女?」
Part6


153 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/18(月) 21:38:08 ID:OUFhU7a6
そろそろ訳分からないような感じかもしれないので、登場人物の整理をしておきます。

154 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/18(月) 21:39:14 ID:OUFhU7a6
魔女:塔にいる魔女。
見た目は12〜15歳くらい
金髪
 
少年:魔女に会った主人公
見た目は10〜12歳くらい
多少変人
 
青年:良く出てくる人
見た目は25〜28くらい
爽やかな振りをしている人
パン屋の娘を森に埋めた
ちなみにパン屋の娘以外にしっかりと嫁もいる。
 
娘:パン屋の娘
見た目は17〜20くらい
パン屋の店番をしていた娘
青年に埋められた
 
おじさん:パン屋の親父
見た目は40〜45くらい
少し病んでいる。
 
お母さん等
少年の回想のセリフは本当の肉親。
現在家に居たのは野良犬。
どちらもおじさんに殺されている。

155 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/18(月) 21:40:31 ID:OUFhU7a6
とまぁ、こんな感じです。
なにかご不明な点があれば気軽にどうぞ。

156 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/18(月) 23:05:11 ID:bOTYxCyk
魔女が愛おしくてやばい

157 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/19(火) 12:48:38 ID:W1FJiCuU
青年は不倫野郎だったのか
っーか家族もおじさんに殺られたのか…(´・ω・`)

158 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/19(火) 13:16:03 ID:xbRUbR/A
U^q^Uわんわんお

159 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/19(火) 20:04:09 ID:L4k5Ki9U
再開します。
視点が少しの間、魔女に変わります。

160 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/19(火) 20:06:07 ID:L4k5Ki9U
 塔ーー。
 近い。 澱んだ月は、もう止まらないところまで事態が進んでしまっている事を示している。
魔女「だというのに、僕は何をしているんだろうな……」
 先程までこの空間にいた少年を思い出し、溜め息を吐いた。

161 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/19(火) 20:06:47 ID:L4k5Ki9U
 あの少年は、まるで硝子細工のようだと思う。
 強く触れるだけで、簡単に音を立てて崩れてしまいそうな、繊細さ。
 そして、そんな自分が壊れないように自らを殻で包んでしまっている。
魔女「僕らしくない、ね」
 よく似ている。
 僕は知らぬ内に、彼に昔の自分を投影して、同情していたのかと自嘲気味に笑ってしまった。

162 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/19(火) 20:07:26 ID:L4k5Ki9U
 先程聞いた少年の話は、まぁ、良くある話だと思う。
 疫病を患った家族を、蔓延を恐れた周囲の人間に殺される。
 小さな村の、歪んだ価値観では、それを正当な行為であると信じて疑わない。
 歪んでいない少年にとって、それはこの世の全てを呪う程の出来事ですらあるというのに。
魔女「君は、僕みたいになってはいけないよ?」
 優し過ぎる君に、世界という物は一切の慈悲すら見せてはくれないのだから。
魔女「さて、半世紀ぶりの仕事のだ。 しっかりと準備をしようかな」

163 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/19(火) 20:08:47 ID:L4k5Ki9U
 寝室のクローゼットから愛用の杖を取り出し、外套を羽織る。
 次に、この日の為に日々作り続けていた霊薬を数種、胃に流し込む。
 魔力の限界値を増やす為だが、酷い味だ。
魔女「やはり僕には料理の才は皆無らしい」
 塔を後にする。
 眼前に広がる森に、蠢く影。
 今でこそお伽話の中の存在だが、二百年前までは彼等も又、紛れもなくこの世界の住人だった。
 彼等は、幼子の寝物語に語られる勇者達に滅ぼされた筈の、魔王の従僕。
 魔物と呼ばれ、忌み嫌われる者達がそこには居た。

164 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/19(火) 20:13:55 ID:L4k5Ki9U
獣鬼の群れ「グルルル」
 まずは、牛のような頭部に、筋骨隆々の毛深い人間のような胴体の、昔馴染みに挨拶をするとしよう。
魔女「〜〜」
 呪文を唱え、獣鬼の群れに魔法を放つ。
 放ったのは、家が一つ吹き飛ぶ程度の爆発を起こす火球を飛ばす魔法だ。
獣鬼の群れ「グギャアァァア」
 閃光と爆炎に包まれた獣鬼の群れの断末魔を聞くと、昔の事を思い出すようで、あまり好きではない。
 だから。
魔女「〜〜〜」
 それを振り払うように今度は、骸骨の騎士達に、周囲を焼き払う規模の火焔の魔法を放った。
 月はやっと頭上まで昇るかどうかといったところだというのに。
魔女「まったく、長い夜になりそうだ」
 ーーー。

167 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/21(木) 21:45:59 ID:3vXy7r4U
少年「もう、朝になっちゃったんだ」
 立ち尽くしている内に、朝になってしまったみたいです。
 村は静かです。 人の気配すら感じません。
 魔女に会いたいです。
 会って、ひとりぼっちじゃないって安心したいです。
村人「うあ゛あ゛あ゛」
少年「!?」
 村の人がいきなり襲いかかってきました。

168 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/21(木) 22:00:12 ID:3vXy7r4U
ごめんなさい。
今日の更新は以上となります。
完結の目処は200〜250の間だと思います。
それまで、宜しければお付き合い頂ければ嬉しく思います。

172 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/25(月) 23:44:05 ID:wTx6pZr.
魔女「更新するよ」
魔女「……まぁ、僕なんかを待ってる物好きなんて居るかは分かんないけど」
魔女「でも、待ってる人が居てくれるなら素直に嬉しいな」

173 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/25(月) 23:45:09 ID:wTx6pZr.
 村人のおばさんは、どうにも正気ではないみたいです。
 言葉らしい言葉を話す訳でもありませんし、目つきも虚ろな感じがします。
 おばさんの手に持っている鉈が真っ赤な血で汚れている所を見ると、きっと使用済みでしょうね。
 いったい何に使ったんでしょうか?

174 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/25(月) 23:45:36 ID:wTx6pZr.
 何に使ったにせよ、僕に鉈を使う理由が分からないので、やめてほしいです。
村人2「あああああっ」
村人3「おおおぉぉぉっ」
 たくさん集まってきました。
 みんな正気とは思えません。
 このままだと殺されちゃいそうなので、逃げます。 もう一度魔女に会いたいから死にたくないですもん。

175 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/25(月) 23:45:52 ID:wTx6pZr.
 村の出口まで走ります。
 途中、なにやら赤黒い塊が何個も転がってました。
 人は生きているから人なんです。
 死んでしまったらそれはもうその大きさの肉の塊だと僕は思います。
 だって、そうでなければ悲しすぎませんか?
 大切な人がだんだんと腐っていくなんて。
 だから、身体から魂は離れ、別の場所に行くんです。
 そう、思いたいんです。
少年「なんでこんな風になっちゃったんだろう? 魔女なら分かるかな」
 村を抜け、魔女の元まで走ります。
 森はまるで戦争でもしたみたいに焼けたり弾けたり抉れたりしていました。

176 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/25(月) 23:46:37 ID:wTx6pZr.
魔女「今日は以上だよ」
魔女「おやすみなさい」

177 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/27(水) 19:24:50 ID:XGV2TegA
キャラに代弁させるのハンパ無くキモいわ

178 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/27(水) 22:06:52 ID:5GAQ61X2
他でウケてたから真似した。
不愉快なら辞めるわ

179 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 00:15:53 ID:jMRwpJXA
 それは塔に近づくほど激しくなり、塔の入り口は焼け野原みたいです。
 魔女が、心配です。
 階段を駆け上ります。 心臓はいつもよりも早く動き、肺は苦しくて潰れそうです。
 これは、激しい運動をしているからでしょうか?
 それとも、不安だからでしょうか?
 階段を登りきり、魔女の部屋の入り口までたどり着く頃には、息が上手くできなくなっていました。
 口から胃が出てきちゃいそうです。

182 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/01(日) 21:24:14 ID:kuW5v2Uc
少年「魔女!」
 扉を開けます。 
魔女「騒々しいね、どうしたんだい?」
 魔女は、いつものように安楽椅子に身体を預け、本を読んでいました。
少年「魔女に会いたくて」
魔女「随分と使い古された口説き文句だね」
 魔女はいつものように、全部お見通しの深紫の瞳を僕に向けました。
 でも、なんだか顔色が良くないように見えます。

183 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/01(日) 21:24:58 ID:kuW5v2Uc
少年「魔女、なんだか体調が悪そうだね」
魔女「けして良くはないね」
 魔女は笑いました。
 僕は悲しくなりました。
少年「魔女は何を隠そうとして、そんな顔で笑ったの?」
 魔女の笑顔は、何かを誤魔化そうとして浮かべている笑いだってすぐに分かってしまったからです。

184 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/01(日) 21:25:36 ID:kuW5v2Uc
 魔女にはそんな不細工な笑い顔は似合いません。
魔女「変に鋭いよね、君って奴は」
少年「普段の魔女の笑顔の方が僕は好きだよ。 何かあったんだよね?」
 もしかしたら、村の異変と関係があるのかもしれないです。
 魔女にまで迷惑をかける人達だったなんて、余計に村の人たちが嫌いになりそうです。
魔女「君には嘘は通用しそうにないね……。 でも、話した所で意味もない。 さて、どうしたものか」
 なんだか、大変な話みたいです。

185 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/01(日) 21:26:09 ID:kuW5v2Uc
少年「僕なんかに話しても何にもならないけど。 それでも、魔女が辛い思いをしているなら知りたいな」
 これは、僕の我が儘なんでしょうね。
 それでも、魔女の事を少しでも理解したいんです。
 魔女も、きっと一人ぼっちだと思うから。
 一人ぼっちって、すっごく辛いから。

186 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/01(日) 21:26:23 ID:kuW5v2Uc
魔女「うん、君ならそう言うと思ったよ」
少年「話してくれるの?」
魔女「あぁ、なにから話そうかな」
 魔女が微笑みました。
 今度の笑みは素敵です。
 ただ、やっぱり魔女の笑みは悲しそうな笑みでした。
少年「魔女の話しやすいことからでいいよ」
魔女「そうか、じゃあ」
少年「うわっ!?」
魔女「ッ!?」
 魔女が口を開こうとした瞬間、塔が激しく揺れました。

187 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/01(日) 21:27:01 ID:kuW5v2Uc
以上です。

188 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/01(日) 21:34:37 ID:Hqc1DV.2
(;゚д゚)なんだと?

189 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/05(木) 21:07:12 ID:ye9dqiig
多少更新しようと思います。

190 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/05(木) 21:08:59 ID:ye9dqiig
 まるで大きな岩が塔にぶつかったような衝撃でした。
少年「今のはなに?」
魔女「……」
 魔女が険しい顔になったような気がします。
 普段から無表情ではあるんですがね。
魔女「少年、君にお願いしたいことがある」
少年「なに?」
 魔女はそういうと小さな手で僕の頬を挟みました。
 すぐ近くに魔女の顔があります。
 やっぱりすごくきれいです。

191 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/05(木) 21:09:14 ID:ye9dqiig
魔女「君に留守番を頼みたいんだ。 この塔から出ないで、僕の帰りを待っていてくれないか?」
少年「別に良いけど……。 魔女はどこかに出かけるつもりなの?」
魔女「さて、ね。 もちろんお駄賃はあげるよ?」
魔女「しかも先払いで、ん……」
 唇に違和感が起こりました。
 柔らかい感触が押し当てられているようです。
 魔女の顔は凄く近いです。
少年「!!??」
 魔女が僕に何をしているのか理解した瞬間、思わず叫びそうになっちゃいました。