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サシャ「味気なくなんかないですよ?」

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Part1
1 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:16:59 ID:4owukzX.
・1『サシャ「キスの味、私に教えてください」』
 2『サシャ「この味は、ウソをついてる味ですね」』
 3『サシャ「二人だけの、秘密の味です」』
 4『サシャ「とくと味あわせてあげましょう!」』
 5『サシャ「同じ味を、知りたいですから」』の続きです
・たぶんネタバレなし

2 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:17:58 ID:4owukzX.
アニ「……」シュッ
サシャ「……」サッ
アニ「……」ヒュッ
サシャ「くっ……」バシッ
アニ「……足元が留守」ブンッ
サシャ「うわっとぉっ! ーーなんの!」バッ
コニー「……なあ、サシャは何やってるんだ?」グデーン
エレン「対人格闘の特訓だとよー」グデーン
コニー「今休憩時間だろ? 物好きだなー。……ていうかサシャってあんなに訓練熱心だったか?」
エレン「いや? 暇さえあれば食料庫に忍び込む奴だろ、サシャは」

3 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:18:47 ID:4owukzX.
コニー「あいつが兵団に入った理由ってさ、確か『おいしいものが食べられる』だったよな」
エレン「だよな。憲兵団に入ったらもっとおいしいもんが食えるって思ってるかもな」
コニー「ありえそうだな、サシャだし……あ、転んだ」
エレン「容赦ねえな、アニ……」
コニー「……」
エレン「……」
コニー「……自主練すっかな。越されたくねぇし」ヨッコラショ
エレン「……俺も。食欲に負けたらみっともないしな」ヨッコラショ

4 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:19:32 ID:4owukzX.
アニ「……大丈夫? 派手に転んだみたいだけど」
サシャ「はい、へっちゃらです!」ムクッ!
アニ「手加減なしでいいって言ったから思いっきりやったんだけど、やりすぎたね」
サシャ「いえ、私が頼んだんですから気にしないでください! それじゃ続きを……」ファサッ
アニ「待ってサシャ。……髪、ほどけてる」
サシャ「え? ……あっ」プラーン...
アニ「髪ゴム切れてるね。……真ん中からだから、もう使えないか」
サシャ「これ、かなり古くなってましたから……新しいの買わないとですね」シュン
アニ「……今日はこの辺にしようか。髪、邪魔になるし」
サシャ「あ、はい! ーーありがとうございました!」ペコッ
アニ「別にいいよ。……じゃあね」スタスタ...
アニ「……」

5 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:20:30 ID:4owukzX.
ーー 夜、女子寮
クリスタ「サシャ、そういえば髪はどうしたの? ご飯の時もずっと結ってなかったけど」ゴロゴロ
サシャ「ゴムが切れちゃったんですよ。替えもちょうど切らしてまして」
ユミル「訓練大丈夫か? 結構長いから邪魔だろそれじゃ。私の貸すか?」ゴロゴロ
サシャ「いえ、次のお休みの日に買ってきますから大丈夫ですよ。立体機動訓練は来週ですし」
クリスタ「……そう、今度の休みに」
ユミル「……なるほどな」
クリスタ「……」
ユミル「……」
ユミル「……レンズ訓練兵、少し話がある。同行したまえ」スッ
クリスタ「承知いたしました軍曹殿」スッ
サシャ「そろそろ消灯時間ですよ? 二人とも」キョトン
ユミル「時は一刻を争うのだよ、ブラウス訓練兵」スタスタ...
クリスタ「サシャは先に寝てていいよ? ちょっと話してくるだけだから」ガチャッ
サシャ「……?? はあ、わかりました」


6 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:21:07 ID:4owukzX.
ユミル「……さて。レンズ訓練兵。貴様の思うところを率直に述べよ」
クリスタ「はっ! 私の記憶によれば、ブラウス訓練兵はいつも街中のアクセサリー屋さんで髪ゴムを調達しているはずであります!」バッ!!
ユミル「ああ、私もそう記憶している。……この機を逃してはならん」
クリスタ「私も軍曹殿と同じ意見であります!」
ユミル「よろしい」
ユミル「暇を持て余した」
クリスタ「女の子の」
ユミル・クリスタ「遊び」ニタァ...
アニ「……あんたたち、トイレの前で何やってるの?」
ミーナ「もう消灯まで時間ないよ?」

7 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:21:42 ID:4owukzX.
ユミル「よお、アニにミーナ。ーーサシャが髪ゴム切らしちまったって知ってるか?」
ミーナ「ああ、それなら今……」チラッ
アニ「う……」グサッ
クリスタ「……何か心当たりがあるの? アニ」
アニ「心当たりというか、私が原因というか……」ズーン...
ユミル「ほーお……詳しく聞かせろその話」
ミーナ「サシャの髪ゴムが切れたのって、アニとの特訓中なんだって。私もさっき聞いたばかりなんだけど」
ユミル「……なるほどねぇ、直接的な原因ではないにせよ、責任は感じますわなぁ」ニヤニヤ
クリスタ「ですなぁ」ニヤニヤ
アニ「……何? 二人揃ってその顔は」
ユミル「いや別に? ーーでも、そういうことなら今回は少し噛んでもらおうか、アニ」ニヤッ

8 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:22:22 ID:4owukzX.
ーー 翌日朝、食堂
アニ「……話があるんだけど。ライナー」
ライナー「急ぎの話か?」
アニ「まあ、早いほうがいいかな」
ライナー「なら、ベルトルトを呼んでくる。ちょっと待て」スッ
アニ「いや、違うよ。……あんただけに用事だ」ボソボソ
ライナー「? 珍しいな。ーー何かあったのか?」ボソボソ
アニ「……何かあったのは私じゃないけどね」...ハァ
ライナー「? ……わかった。もう時間もないし、手短に済ませよう」
アニ「手短にすむといいけどさ……そこの三人次第だろうね」
ライナー「三人?」
クリスタ「そうそう。一人占めはよくないもんね?」ポン
ミーナ「それと、早く終わるかはライナー次第だよ?」ポン
ユミル「ーーというわけでライナー、ツラ貸しな?」ポン
ライナー「」

9 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:22:59 ID:4owukzX.
アルミン「……行っちゃったよ? いいの?」
ミカサ「一人占めはよくない。ので、今回は見守る」モグモグ
アルミン「……ミカサも変わったよね」
ミカサ「私が?」
アルミン「うん。優しくなった。最近はサシャと一緒にいるところ、よく見かけるよ?」
ミカサ「……自分では、そんな気はしない」
アルミン「自分の変化って気づきにくいものだからね。特に心の変化って表に出ないし」
ミカサ「……私は、知らないうちにエレンやアルミンをおろそかにしていた?」
アルミン「おろそか……っていう表現は違うんじゃないかな」

10 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:23:31 ID:4owukzX.
アルミン「僕たちはずっと三人だったからね。他の人と関わり出すと、そんな風に思っちゃうのかもしれないけど」
アルミン「でも、誰かを大事にするために、他の誰かと関わらないってのはおかしいと思うんだ」
アルミン「だからさ、誰かと関わって、ミカサの世界が広がっていくことは、とてもいいことだと僕は思うよ」
ミカサ「ーーうん。私もそう思う。……思いたい」フキフキ
エレン「ちょっ、ミカサ! 人が食べてる時に口元を拭うなよ! 食いづらい!!」
アルミン「……エレンは一人占めしていいの?」
ミカサ「エレンは別腹」キリッ

11 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:24:06 ID:4owukzX.
サシャ「……♪~」モグモグ
サシャ「……あ」...ピタッ
サシャ(アニと、ミーナと、ユミルと、クリスタと……ライナー……)
サシャ(五人で、どこに……)
サシャ「……」
サシャ「……」ムー...
モブ訓練兵「サシャおはよー。……あ、パンあげようか? 少しだけだけど」
サシャ「……今日はいらないです」ムスッ

13 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:24:53 ID:4owukzX.
ーー 兵舎裏手
ライナー「……女四人に取り囲まれるような真似はした覚えがないんだが」
ユミル「違うな、これからしてもらうんだよ」
ミーナ「そうそう。ーーライナーは、サシャの髪のこと知ってる?」
ライナー「髪? ……そういえば、昨日の晩から結っていないな」
クリスタ(わぁー……ちゃんとサシャのこと見てるんだぁ……///)
アニ「髪ゴム切らしちゃったんだよ。今は予備もないみたいでね」
ライナー「……お前ら、俺が髪ゴム持っていると思ってるのか?」ドンビキ
ユミル「なんでそんな発想になるんだよ馬鹿! ーー買ってやれ。できるだけ洒落たヤツをだ。金がないなら私たちが出してやる」ズイッ
ライナー「はぁ? なんでそんな話にーー」

15 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:26:18 ID:4owukzX.
ユミル「い・い・か・ら、グダグダ言ってないで行けってこのすっとこどっこい!!」ギロッ
アニ「身体に直接言い聞かせないとわからないの?」ギロッ
クリスタ「ライナー、お願い……」ジワァ...
ミーナ「男なんだからしっかりしなさいよ!」バンッ!
ライナー「待て待て、誰も行かないとは言ってないだろう! ……金は受け取れない。俺から買ってやる。それでいいか?」
アニ「行けって言ってるのは私たちだから、少しなら出すけど」
ライナー「やめろ。万が一サシャが知ったら、お互い気まずいだろう」
ユミル「ま、それもそうだな。ーーじゃあ今すぐ約束取り付けに行け。ほらほら早く早く」グイグイ
ライナー「忙しないな……わかった、行ってくる」

16 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:27:06 ID:4owukzX.
ーー 食堂
サシャ「……」ボーッ
ライナー「ちゃんと食わないと保たないぞ、サシャ」
サシャ「え? ーーあ、そうですね」モグモグ...
ライナー「ところで……今度の休日、暇か?」
サシャ「あー……その日はちょっと用事があるんですよ。すみません」シュン...
ライナー「その用事、ついていってもいいか?」
サシャ「えと……嬉しいですけど、ただの買い物なのでつまらないと思いますよ?」
ライナー「どうせ暇だからな、いいんだ。邪魔ならやめるが……」
サシャ「全然! 全然邪魔じゃないですよ!」ブンブン
ライナー「そうか。ーーじゃあ、今度の休みにな」
サシャ「はい、よろしくお願いしますっ!」

17 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:27:58 ID:4owukzX.
サシャ「……」モグモグ
サシャ「……」...ピタッ
サシャ(二人で、街に……)
サシャ「……」
サシャ「……」
サシャ「……やったぁ」

18 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:28:32 ID:4owukzX.
ーー 数日後 休日朝 女子寮 ユミルたちの部屋
ミーナ「見てよこれ! この嫌みのないふんわり感!!」ドヤァ
ユミル「……嫌みのあるふんわり感ってなんだ?」
アニ「私に聞かないでよ」
サシャ「おおっ……! ブラシとクシと霧吹きでここまでふんわりできるんですね……!」フンワリ
ミーナ「サシャもちょっとずつ覚えていこ? 私が教えるから。ねっ?」ナデナデ
サシャ「なんだかお世話になりっぱなしで、すみません……」シュン
ミーナ「いーのっ! お世話したいからしてるの! 気にしない気にしない!」ポンポン
クリスタ「今日はキュロットなんだね。髪型と合ってていい感じかも」ジーッ
アニ「……何かされたら思いっきり蹴ってきな」ボソッ
サシャ「はい! 今日は負けません! ーーじゃあ行ってきますねー!」ガチャッ

19 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:29:53 ID:4owukzX.
アニ「……」
ユミル「……さて、レンズ訓練兵。貴様の本日の予定を述べよ」
クリスタ「はっ! サシャ・ブラウス訓練兵の追跡任務であります!」バッ!!
ミーナ「よろしい。ーーじゃあ、はじめましょうか」
ユミル「暇を持て余した」
クリスタ「女の子の」
ミーナ・ユミル・クリスタ「遊び」ニタァ...
アニ「……それ気に入ったの?」
クリスタ「アニもやろうよぉ」ネーネー
ユミル「本当は一番興味あるんだろ? な? な?」ニヤニヤ
ミーナ「やりたそうな顔してるの、私にはバレバレだよー?」クイクイ
アニ「私は別に、興味なんか……」フイッ

20 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/08(月) 07:30:35 ID:4owukzX.
ーー 昼前 街中
ライナー「……」ボーッ
ライナー(やっぱり街で待ち合わせする意味はない気がするな……今度は兵舎からそのまま来るか……)ウーン
サシャ「ーーすみません、お待たせしました!」タタタッ
ライナー「いや、そんなに待ってない。……今日は印象が違うな」ジーッ
サシャ「変ですか? ミーナとアニに見繕ってもらったんですけど」アセアセ
ライナー「まあ……そういうのも悪くないんじゃないか?」
サシャ「本当ですか?」パァッ...!
ライナー「ああ。ーーそれじゃあ、道案内頼む」
サシャ「はいっ! 任せてください!」

21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/08(月) 07:31:18 ID:DzOvcmeE
新作きましたか!
期待

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