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サシャ「二人だけの、秘密の味です」

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Part2
26 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:39:22 ID:8nmqkpf2
ライナー「…………」
サシャ「? どうしたんですか? 早く食べてくれないとチーズが落ちちゃいますよ?」キョトン
ライナー「…………」スッ
サシャ「……? ああ、皿の上に乗せてくれってことですね。じゃあ乗せますねー」ヒョイッ
ライナー「…………どうも」
サシャ「? どうしたんですか? 早く食べないと冷めますよ?」キョトン
ライナー「…………そうだな」
サシャ「そうだ、私にも一口くださいよ! 冷めちゃったらおいしくないですし」
ライナー「…………」ヒョイッ
サシャ「おおー……これがおろしハンバーグですか……! いただきます!」パクッ
ライナー「…………いただきます」モグモグ....
サシャ「さっぱりしていていいですねぇ、おろしハンバーグ。これからの季節にはいいかもしれません」ホンワカ
ライナー「…………うまいな。チーハン」モグモグ
サシャ「おいしいですよねぇ」ホンワカ

27 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:40:16 ID:8nmqkpf2
女店員「お待たせしましたー」コトッ
サシャ「? ……あの、他に頼んでないはずですけど」
女店員「いえ、こちらは私からのサービスです。あなたたち、二人だけに」ニッコリ
サシャ「いいんですか? やったー!」バンザイ
ライナー「すみません、ありがとうございます」
女店員「いえいえー。お客さん、いつもおいしそうに食べてくれるんで」スマイル
女店員「この夏から出そうと思ってる氷菓子の試作なんですよー。後で感想聞かせてくださいねー」
サシャ「はいっ! いただきまーすっ♪」
ライナー「じゃあ、いただきます」
女店員「……あの」コソッ
サシャ「? なんですか?」
女店員「……向かいの彼、彼氏さんですか? うまくいくといいですね!」ボソッ
サシャ「」

28 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:41:30 ID:8nmqkpf2
ライナー「……おお、冷たくてうまいな」シャリシャリ
サシャ「そ、そうですね……」シャリッ
ライナー「確かに夏場に食べるにはいいな、これ」シャリシャリ
サシャ「そ、そうですね……」シャリッ
サシャ「…………」シャリッ
サシャ「甘いですね……このお菓子」
サシャ(…………)
サシャ(恋人同士に……見えるんですかね……?)
サシャ(でも、ライナーは……私のこと、特に何とも思っていない気がするんですが……)

29 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:42:29 ID:8nmqkpf2
サシャ「えっと……ごちそうさまでした」
ライナー「ごちそうさまでした。ーーよし、出るか」スッ
サシャ「そうですね。いくらでしたっけ?」ゴソゴソ
ライナー「いや、ここは俺が全部出す」
サシャ「え? 私も出しますよ?」キョトン
ライナー「うまい食堂を教えてもらった礼だ」
サシャ「お礼なんてそんな……ここに誘ったのは私ですし」
ライナー「こういう時は男に奢らせるもんだ。先に出てろ」
サシャ「……えっと、じゃあ、お願いします」

30 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:43:19 ID:8nmqkpf2
ーー昼 大衆食堂前
サシャ「……」ボンヤリ
サシャ(待ってるのって暇ですねー……)ボンヤリ
サシャ「……」ボンヤリ
サシャ(お菓子、おいしかったなぁ……)ボンヤリ
モブ男「なあ、ねーちゃん一人?」ポンポン
サシャ「」ビクッ
サシャ「……一人じゃありません」ボソッ
モブ男「なあ、そこにオススメの店があんだけど一緒に来ない?」
サシャ「……」ジッ...
モブ男「あー警戒してるの? 大丈夫だって、怖くないよー?」
モブ男「あのさ、そっちの食堂よりももっとメシがうまい店なんだけどーー」
サシャ「おいしいパァンですか? 行きますっ!」ハイッ


31 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:44:02 ID:8nmqkpf2
ーー昼 大衆食堂
女店員「ありがとうございましたー、また来てくださいね」スマイル
ライナー「ありがとうございました。おいしかったです」
女店員「いえいえ、あの子いつも来てくれるんで。もう常連になっちゃってるんですよねー」スマイル
ライナー「そんなしょっちゅう来てるんですか?」
女店員「女の子はこの辺り一人で来ませんからね、目立ちますよやっぱり」
ライナー「目立つ……?」
女店員「この辺結構治安悪いんですよー。通り過ぎる分には問題ないんですけどね」
女店員「女の子一人だとちょっと危ないっていうか……ってあれ? そういえば一緒じゃないんですか? あの子」
ライナー「……ありがとうございました、また来ますから」ダッ

32 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:45:03 ID:8nmqkpf2
ーー昼 とある本屋前
ジャン(金髪貧乳と黒髪巨乳か……悩むな……)グヌヌ
ジャン(二冊も買ったらかさ張るからな……寮に持ち込むにはリスクが高い)
ジャン(この本屋、人目につかないから便利なんだが……正直ラインナップがイマイチなんだよなー……)
ジャン(そろそろ店を変えるか……? でも他の奴らに見つかるのは……)ウーン
ライナー「ジャン!」
ジャン「おわぁっ!! ……な、なんだライナーか。驚かせやがって」ドキドキ
ライナー「サシャを見なかったか?」
ジャン「はぁ? 芋女ぁ? あいつも街に来てるのか?」
ライナー「見ていないならいいんだ、邪魔したな。ーーあとその左手の本はベルトルトが持ってたぞ」ダッ
ジャン「マジで!?」

33 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:45:44 ID:8nmqkpf2
ーー昼 とある路地
サシャ「それで、お店はどこにあるんですか? もうちょっと奥ですか?」
モブ男「あれ? まだ信じてたんだ? そんなもんないよ」グイッ
サシャ「痛っ……ちょっ、腕離してください!」ジタバタ
モブ男「ていうかさぁ、知っててついてきたんじゃないのー?」ニヤニヤ
サシャ(一人くらいなら、なんとか私でも……!)ギロッ
モブ男「わー怖い。怖いから友だち呼んじゃおうかなー」ゾロッ
サシャ「え……!?」
サシャ(ご、五人に増えた……!? 多くないですか……?)

34 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:47:06 ID:8nmqkpf2
モブ男2「へー、結構かわいいじゃん」グイッ
サシャ「」ビクッ
モブ男3「おー怯えてる怯えてる」
サシャ「け、蹴りますよ!」
モブ男4「いいよー? スカートで蹴り技するとこみたいなー」ニヤニヤ
サシャ「う……ひ、人を、呼びますよ……!」
モブ男5「呼べばいいじゃん? 誰か来るわけ?」ニヤニヤ
サシャ「ううっ……」
サシャ(こんなことになるなら、対人格闘訓練真面目にやっておけばよかったです……!)ギュッ
「……そこで何してる」

35 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:47:49 ID:8nmqkpf2
サシャ「ら、ライナー……!」パァッ...
モブ男2「ああ? なんでもいいだろ? ーーぐあっ!」ドカッ
モブ男3「見世物じゃねえぞー。とっととどっかにーーぐえっ!」バキッ
モブ男4「てめえ、いきなりーーぎゃっ!」バシッ
モブ男5「この野郎ーーがぁっ!」ガツッ
ライナー「……これで全部か?」
サシャ「えっと、あそこにもう一人……」ユビサシ
モブ男「」ビクッ

36 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:48:29 ID:8nmqkpf2
モブ男「ど、どーもぉ……、お連れさん……でしたか……?」
ライナー「ああ、そうだ」
モブ男「それはその……失礼しました。それじゃ、俺はこれで……」
ライナー「……おいおい、そりゃあちょっとないんじゃあないか?」ドカッ
モブ男「ひっ……」
ライナー「……人の女に手を出して、五体満足で帰れると思ってるのか?」ギロッ...
モブ男「」ブクブクブクブク....

37 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:49:15 ID:8nmqkpf2
サシャ(……)ポカーン...
サシャ(さ、さすが成績第二位ですね……一気に五人も……ってそうじゃなくて!)
サシャ「あのっ、ライナー、もういいです! いいですから! それ以上やったら傷害罪で捕まっちゃいますよ!」アタフタ
ライナー「……それはまずいな」ポイッ
モブ男「」シロメ
ライナー「気絶したフリをしている奴が何人かいるな」ジッ...
                                 \ビクッ/
ライナー「……次に見かけたら憲兵団に突きだしてやる。覚悟しておけ」ギロッ
ライナー「……サシャ、帰るぞ」
サシャ「あ、はい……」トテトテ...

38 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:49:58 ID:8nmqkpf2
ーー夕方 街中
ライナー「よーっくわかった。お前から目を離したらろくなことにならん!」ガミガミ
サシャ「はい……返す言葉もないです……」シュン
ライナー「そもそもメシを食ったばかりでメシ屋に行こうとする奴があるか!」ガミガミ
サシャ「はい……おっしゃる通りでございます……」シューン...
サシャ(怒らせちゃいました……私が全面的に悪いんですけど……)ズーン....
ライナー「……よく見たら服も結構汚れてるな。それに、ところどころほつれてる」
サシャ「え? あ……っ! どうしましょう、ミカサからの借り物なのに……!」アタフタ
ライナー「後で俺からも謝っておこう。それで、他には何もされてないんだな?」ジッ
サシャ「いえ、されてないですよ……連れ込まれただけです」
ライナー「本当に?」
サシャ「こんなこと、ウソついてどうするんですか」むぅ

39 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:50:38 ID:8nmqkpf2
サシャ「でも、よく私がいるところがわかりましたね?」
ライナー「ああ、昨日街の地図を頭に叩き込んでおいたからな。おかげでなんとかなった」
サシャ「ライナーはすごいですねぇ……地図だけで辿り着いちゃうなんて」
ライナー「いくつか書いていない路地があって大変だったがな。早めに見つかってよかった。……怖くなかったか?」
サシャ「そりゃあ、少しは怖かったですけど……ライナーが来てくれましたから」
サシャ「私のこと、一生懸命探してくれたんですよね? ……ありがとうございます」ニコッ

40 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:51:37 ID:8nmqkpf2
ライナー「……」
サシャ「?」
ライナー「全く……ほら、帰るぞ」スッ
サシャ「……? 手?」キョトン
ライナー「お前、どこに行くかわかったもんじゃないからな。しっかり掴んで帰る」
ライナー「ーーもうはぐれるなよ」
サシャ「……」
サシャ「……はいっ♪」ギュッ

41 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:52:35 ID:8nmqkpf2
ジャン「……で、どうしたかって言えば恋人繋ぎだぞ? 知ってる? 恋人繋ぎ」ブツブツ
マルコ「ジャン、落ち着いて」
ジャン「そんでさ、芋女がさ、一生懸命小指絡めようとしてんのに、ライナーの指が太すぎて届かないでやんの。で、どうしたと思う?」ブツブツブツブツ
マルコ「うん。ジャン、君はよく頑張ったよ。もういいから」
ジャン「あのさぁ……ライナーのさぁ……指にさぁ……一生懸命絡めようとしてんの……」ブツブツブツブツブツブツ
マルコ「食堂でぶちまけないだけ偉いよ君は。立派だよ、ジャン」
ジャン「だってさ、あんな聞き方されたら気になるジャン? 俺たち仲間ジャン? そんで追いかけたジャン? ライナー一人で倒しちゃってたジャン? 俺出るタイミングないジャン?」ブツブツブツブツブツブツ
マルコ「うん、ライナーだからね。仕方がないね」

42 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:53:35 ID:8nmqkpf2
ジャン「なんなの? なあ俺らは何? 酵母? いやでも酵母の方が幸せな生活送ってるよな、だってあいつら保存する相手がいるもん」ブツブツブツブツブツブツ
マルコ「うん、君は酵母じゃないよ、ちゃんと人間だよ、大丈夫だよ」
ジャン「でも俺にはいないジャン? 相手がいないジャン? どういうこと?」ブツブツブツブツブツブツ
マルコ「ジャン」
ジャン「……」
マルコ「……」
ジャン「……」
マルコ「ジャン」
ジャン「あああああああああああ俺も彼女ほしいいいいいいいいいいい!!!!!」ゴロゴロゴロゴロゴロ

43 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:54:22 ID:8nmqkpf2
マルコ「ジャン、落ち着いて。わかったから」
ジャン「だってさぁ……! だってさぁ……! ああああああああああ!!!」バリバリバリバリ
マルコ「だからって布団を掻き毟ってどうするんだよ! やめるんだ!」
コニー「たっだいまー……あれ? お前らまだ寝てなかったのか?」ガチャッ
マルコ「あー……ちょっとライナーとサシャのことでね。うん」
コニー「サシャかー。俺は最近パンが取られなくなったから嬉しいぜ!」
ジャン「俺は悲しいいいいいいいいいいいいい」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ

44 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:55:03 ID:8nmqkpf2
コニー「最近は毎日ちゃんと食えるようになったし、身長伸びっかなー?」
マルコ「なるなる。今にベルトルトくらいになるさ」
コニー「そこまではいらねえかなぁ」
ジャン「ライナーのくせにいいいいいいいいいいい羨ましいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」ゴロゴロゴロゴロゴロ
マルコ(これは今晩は収まりそうにないな……)
マルコ(アルミン……代わってくれないかなぁ)
アルミン(やだよ)
マルコ(!? 直接頭の中に!?)

45 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:56:07 ID:8nmqkpf2
アルミン「……」...ペラッ
エレン「? ……アルミン、今何か言ったか?」
アルミン「……」
エレン「……」
アルミン「……」ペラッ
エレン「……」
エレン「……」
エレン「……」...シュン


46 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:56:53 ID:8nmqkpf2
ーー夜 女子寮 ミカサたちの部屋
サシャ「新品なのに汚してしまってすみませんでしたぁー!!」ドゲザ
ミカサ「大丈夫。服は縫えばいいんだから。それよりも、サシャに怪我がなくてよかった」
アニ「……そもそも、そういう変態がいる店の近くに行くんじゃないよ」
サシャ「はい、返す言葉もありません……」ズーン
ミカサ「……服のお礼は、チーハンの店を教えてくれたらそれで充分」
サシャ「? でもあの辺りは危ないですよ?」
ミカサ「そのうち平和になる。そういう奴らを見かけたら、私が片っ端から関節を破壊しておくから」バキッ
アニ「……いいね、その時は私もつきあうから呼んでよ。最近身体鈍ってたからちょうどいい」ゴキッ
サシャ「ミカサやアニは頼りになりますねえ……」

47 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:57:42 ID:8nmqkpf2
ミカサ「それで、そこはチーハン以外にもおいしいものはある?」
サシャ「チーハン以外で、ですか? ……そういえば、今日出してもらった氷菓子がとてもおいしかったです!」
ミカサ「氷菓子……!? エレンが好きそう……!!」パァッ...!
ミカサ「そ、それで……どういう味だったの? ぜひ聞かせてほしい」キラキラ
サシャ「えっとですね……」
サシャ「……」
サシャ「……やっぱり教えません」
ミカサ「さ、サシャ……いじわるしないで教えてほしい、気になる……」オロオロ
サシャ「いえ、あの氷菓子の味だけは、いくらミカサでも教えられてあげられません」
サシャ「あの味はーー」
サシャ「ーー二人だけの、秘密の味ですからね♪」
おわり

48 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:58:19 ID:8nmqkpf2
終わりです。読んでくださった方、レスしてくださった方ありがとうございました!
モブが便利すぎて助かるけど地の文のないSSで格闘シーンは無茶だった

49 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:58:55 ID:8nmqkpf2
それと、いつも乙くださるかたありがとうございます!
書き終わった後はいつも今回のジャンのようになっていますがなんとかモチベーションが続いてます

50 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:06:11 ID:Lhdm1.hc

さっき1作目から全部読みました。>>1が書く女の子らしいサシャと男前のライナーのがすごくいいです。次回作にも期待します。
あと美味しそうにご飯を食べるサシャは天使だと思います。

51 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:29:26 ID:T.g8xSHk
乙!
このシリーズすごく好きです

52 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:31:35 ID:GbBrwGBI
キュンキュンするゥーーー!!!

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