サシャ「二人だけの、秘密の味です」
Part1
1 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:20:25 ID:8nmqkpf2
・前々作『サシャ「キスの味、私に教えてください」』
前作『サシャ「この味は、ウソをついてる味ですね」』の続編です
・ネタバレなし
・今更ですが部屋割りは
【エレン・アルミン・ライナー・ベルトルト】
【ジャン・マルコ・コニー】
【ミカサ・アニ・ミーナ】
【サシャ・クリスタ・ユミル】 でやっています
2 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:21:26 ID:8nmqkpf2
ーー夜、女子寮
サシャ「♪~」パタパタ
クリスタ「サシャ、ベッドの上で足をバタバタしちゃダメだよ、お行儀悪いよー?」
ユミル「シャツ1パン1の時点でお行儀なんてどこにもねえだろ。ほっとけほっとけ、どうせもう寝るんだし」アクビ
クリスタ「ダメだよ、こういう普段の振る舞いがいざっていう時に出るんだからね」
ユミル「はいはい、天使クリスタ様は普段からきちんとしててとっても偉いですねー」ナデナデ
クリスタ「もう、真面目に言ってるのにぃ……」むぅ
サシャ「♪~」ゴロゴロ
3 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:22:01 ID:8nmqkpf2
クリスタ「……サシャ、ご機嫌だね? 何かいいことあった?」
サシャ「はい、ありましたありました。明日のお昼、街にハンバーグ食べに行くんですよ」ムフフ
クリスタ「へえー、おいしいの? そこ」
サシャ「おいしいですよ~、なんたって私の行きつけのお店ですからね!」エッヘン
ユミル「……ライナーと行くのか?」
サシャ「? そうですけど……よくわかりましたね、ユミル」
ユミル(これでわからないほうがおかしい)
4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 20:22:08 ID:7vc/ay1U
このシリーズ好き
5 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:22:42 ID:8nmqkpf2
サシャ「あ、そうだ。クリスタ、雑誌返しますね」ゴソゴソ
クリスタ「? 雑誌? 何のこと?」キョトン
サシャ「この前、シーツを洗濯する時に落ちてきたんですよ……はい、これです」
つ 『恋する乙女の恋愛マガジン5月号』
ユミル「!!」
クリスタ「え? 私こんな雑誌知らないよ?」
サシャ「あれ? そうなんですか? じゃあこれはーー」
6 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:23:16 ID:8nmqkpf2
ユミル「クリスタに不健康な雑誌見せんなぁっ!」ガバッ
サシャ「あーっ! ユミル、返してくださいよ!」
ユミル「うるさい! こんな本なんかこうしてやる!!」ビリビリビリビリ
サシャ「ああーっ!! なんで破っちゃうんですかぁっ!」
ユミル「うるさいうるさい! いいから寝ろ! とっとと寝ろ!!!」フッ
サシャ「ちょっ……いきなり灯り消さないでくださいよ! 何も見えない!」
クリスタ(……なるほどね、ユミルの本だったんだ)クスッ
7 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:23:54 ID:8nmqkpf2
ーー夜、男子寮
ライナー「……」ジーッ...
アルミン「……」ペラッ...
ベルトルト「……」ボンヤリ
エレン「……なあライナー。何見てるんだ? エロ本?」ゴロゴロ
ライナー「違う。街の地図だ」ペラッ...
エレン「地図ぅ? なんでそんなモン見てんだ?」
ライナー「明日街にハンバーグを食べに行くんでな。近くに他に店がないか調べてる。後は迷わないように道順を確認してるだけだ」
エレン「……おいライナー、今なんて言った」ユラリ
ライナー「だから、道順を確認している」
エレン「違ぇよ。その前だ」
ライナー「ハンバーグを食べに行くと言ったんだが……」
8 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:24:31 ID:8nmqkpf2
エレン「ライナー……チーハンか? チーハンを食べに行くのか?」ギリッ....
ライナー「いや、チーハンと決まったわけじゃ」
エレン「この裏切りモンがあああああああああああああああ!!」クワッ!!
ライナー「!?」ギョッ
エレン「駆逐してやる……! 俺からチーハンを奪う奴は全て!」ギロッ
ベルトルト「ちょっ……エレン!? エレン落ち着いて!」ハガイジメ
ライナー「こら、暴れるんじゃない! 教官が来るだろ! ていうかお前ミカサと同じ目になってるぞ!」
エレン「一人でチーハン食べに行くなんて絶対許さねえぞライナー! 俺も連れて行け!!」クワッ!
ライナー「はぁ!?」
ベルトルト「アルミン、本読んでないでエレンを止めてよ!」
アルミン「エレンはチーハンを食べないと身体が腐る呪いにかかってるだけだよ」ペラッ
ベルトルト「適当なこと言わないでよ!」
9 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:25:38 ID:8nmqkpf2
アルミン「……ねえ、僕本読んでるから静かにしてくれる?」
ライナー「明日はサシャと行くからダメだ! エレン、お前は置いていく!」
アルミン「僕本読んでるから静かにしてくれる?」
ベルトルト「えっライナー、明日サシャと行くの!? 初耳なんだけど!」
アルミン「僕本読んでるから静かにしてくれる?」
エレン「俺も一緒に行く!」ジタバタ
アルミン「僕本読んでるから静かにしてくれる?」
ライナー「子どもかお前は! 我慢しろチーハンくら……い……」
アルミン「僕本読んでるから静かにしてくれる?」
ベルトルト「痛っ、エレン蹴らないで……ってば……」
アルミン「僕本読んでるから静かにしてくれる?」
アルミン「 僕 本 読 ん で る か ら 静 か に し て く れ る ? 」
10 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:26:26 ID:8nmqkpf2
ライナー「ああ……その、悪い」
ベルトルト「ごめん、アルミン……」
エレン「だってよアルミン、チーハンだぞチーハン! チーハン!」
アルミン「静かにしてくれる?」
エレン「チーハンが俺を待ってるんだぞ! 黙ってなんか……」
アルミン「静かにしてくれる?」
エレン「………………その」
アルミン「静かにしてくれる?」
エレン「………………………………ごめんなさい」シュン
アルミン「……」ペラッ
ライナー・ベルトルト(アルミン怖っ……)ゾクッ
11 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:27:07 ID:8nmqkpf2
ーー翌日 昼前 女子寮 ミカサたちの部屋
サシャ「♪~」クルッ
サシャ「わーい」クルクルッ
ミーナ「ふふっ、サシャったらはしゃいじゃってぇー」ウェヒヒ
クリスタ「仕方ないよ。サシャは普段あまりかわいい服着ないもの。浮かれたくもなるよね」
アニ「……服より先に食費に消えるんでしょ」
クリスタ「? なんで知ってるの?」
アニ「見てればわかるよ」
ミーナ(サシャかわいいなぁ……全然興味ないフリしてるのに部屋から出ようとしないでチラ見しているアニもかわいいなぁ……)ムフフ
アニ「ところでユミルは? 来なかったの?」
クリスタ「あはは、ちょっと色々あってね……フテ寝してるよ」
ミーナ(ユミルきゃわたん)ハァハァ
12 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:27:48 ID:8nmqkpf2
サシャ「ミカサ! ミカサ! 服貸してくださってありがとうございます!」クルクルクルクル
ミカサ「構わない。報酬はきっちりもらうつもりだから。ちなみに汚しても気にしなくてもいい」
サシャ「じゃあ遠慮なく着させてもらいますけど……お古なんですか?」キョトン
ミカサ「いいえ。この前買ったばかり」
サシャ「えっ……着れませんよそんないい服! 脱ぎます!」ヌギッ
ミカサ「いい。着ていって。デートとは、勝負のようなもの。他人から借りたお古で勝負しても勝てない」モドシッ
サシャ「そ、そうなんですか?」
ミカサ「そう。ーーいい? サシャ。あなたはもう次の段階に進むべき」
サシャ「次の段階……」ゴクッ
アニ(……もう段階としてはいろいろすっ飛ばしてる気がするけど、黙っておこう)
クリスタ(最初がキスで、次がアレだから、今回は……えっと……?///)カアアア
ミーナ(かわいいなぁサシャ)ムフフ
13 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:28:39 ID:8nmqkpf2
ミカサ「今日はそう……手を繋ぐの。難しいことは何も考えなくていい」
サシャ「はあ。手ですか」
ミカサ「そう。この手」キュッ
サシャ「わっ……ミカサ、改めて握手なんかしたら恥ずかしいですよ……///」
ミカサ「恥ずかしがってはダメ。この手は剣を握らなければいけない手だけれど、かといって大切な人の手を求めていけないわけではない」
ミカサ「あなたはかわいい。きっと大丈夫」ニコッ
サシャ「み、ミカサのほうがかわいいですよ……///」テレッ
クリスタ(サシャもかわいいよ……! 絶対大丈夫だよ!)グッ
ミーナ(ていうかどっちもかわいいよ! 私が保証する!)グッ
ミカサ「今日、もし手を繋げたならーー今度の休みはぜひ、私たちとダブルデートをしよう」キリッ
アニ(それが目的か)
サシャ「……ありがとうございます!」ニコッ
14 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:29:49 ID:8nmqkpf2
クリスタ「そういえばサシャ、今日は香水つけていかないの?」
サシャ「ご飯はできるだけ真っさらな状態で味わうものですよ、クリスタ」フフン
ミカサ「香水の匂いが肉の匂いと混じってしまったら悲惨なことになる。サシャの判断は正解」
ミカサ「……頑張って。きっとうまくいく。今日は掃除当番だから見守ってあげられないけど、私はいつでもあなたたちを陰ながら応援している」
ミーナ「そうだよ、がんばってねサシャ! 報告待ってるから!」
アニ「……ちゃんと財布持っていくんだよ」
サシャ「はい、みなさん……じゃあ行ってきますねー!」フリフリ
15 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:30:38 ID:8nmqkpf2
ーー昼間 街中
ライナー「……」ボーッ
ライナー(何も街で待ち合わせしなくても、兵舎から直接一緒に来ればよかったんじゃないか……?)
ライナー(腹減ったな……) グー
ライナー(……よくよく考えたら、女と二人きりででかけるのははじめてだな)
ライナー(だが……)
サシャ「ライナー! 来ましたよー!」ピョンピョン
ライナー(……これはデートじゃなくて子守りだな。うん)
16 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:31:19 ID:8nmqkpf2
サシャ「お待たせしてすみません、一応早足で来たんですけど」
ライナー「いや、そんなに待ってないが……」ジーッ
サシャ「? どうかしました?」
ライナー「……スカート姿は新鮮だな」ジーッ
サシャ「そうですよね、兵舎じゃ訓練服姿が多いですしねー」クルクル
サシャ「これ、ミカサに貸してもらったんですよ! 似合います?」クルクルクルクル
ライナー「転ぶから回るな。行くぞ」
サシャ「はーい、案内しますね!」
17 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:32:14 ID:8nmqkpf2
ーー昼間 移動中
サシャ(よーっし、ミカサに言われたことしっかりやり遂げますよ!)フンス
サシャ(手を繋ぐなんて楽勝ですよね! 全くミカサは大袈裟なんですから……)チラッ
サシャ(!?)ギョッ
ライナー「それにしても、今日は晴れてよかったな」シミジミ
サシャ(ポケットに手を……イン……してますよ……!?)
サシャ(しかも両手……ですって……!?)ガーン
サシャ(こ、こういう時は引っ張り出せばいいんでしょうか……?)
サシャ(いや、ミカサの言っていたことを思いだして……!)エーット
18 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:33:03 ID:8nmqkpf2
ミカサ『今日はそう……手を繋ぐの。難しいことは何も考えなくていい』
ミカサ『恥ずかしがってはダメ。この手は剣を握らなければいけない手だけれど、かといって大切な人の手を求めていけないわけではない』
ミカサ『あなたはかわいい。きっと大丈夫』
サシャ(よくよく考えたらフワッとしたアドバイスしかもらってません……!!)ガーン
サシャ(いえ……きっと難しいことは考えないほうがいいんです……!)
サシャ(やりますよ……私は……!)グッ
19 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:33:41 ID:8nmqkpf2
サシャ「あの、ライナー……」
ライナー「どうした? 道を間違えたか?」
サシャ「間違えてませんよ! あのですね…………て、……て……っ!」
ライナー「て?」
サシャ「て、天気が……っ! いいですね……っ!」ギリッ
ライナー「? そうだな」
ライナー(何故悔しそうに……?)
20 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:34:37 ID:8nmqkpf2
ーー昼間 とある大衆食堂
\イラッシャイマセー/ \オーダーハイリマース/ \チーハン/
ライナー「おお……こんなところがあったのか」キョロキョロ
サシャ「通りから外れたところにありますからね。ちょっとした穴場なんですよ、ここ」
サシャ(ミカサ、すみません……! 繋げませんでした……っ!)ギリギリ
ライナー(何故歯ぎしりを……そんなに腹が減っていたのか……?)
ライナー「……で、ここはハンバーグがうまいんだったか?」
サシャ「! そうなんですよ!」パァッ
サシャ「特にここのチーズハンバーグは絶品なんです!」
ライナー「」ゾクッ
サシャ「……? どうかしましたか?」キョトン
ライナー(……帰ったらアルミンにもう一度謝っておこう)
21 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:35:36 ID:8nmqkpf2
女店員「注文お決まりですかー?」
サシャ「私チーハンにします!」ハイッ
ライナー「あー……この、おろしハンバーグ? っていうので」
女店員「はーい、少々お待ちくださーい」
\イラッシャイマセー/ \チーハン/ \オマタセシマシター/
ライナー「……混んできたな。ゆっくり食べられるといいんだが」
サシャ「あ、その心配はいりませんよ! ここ、結構混むんですけどいっぱいにはならないんです」
ライナー「へえ……不思議なこともあるもんだな」
サシャ「すぐ食べてさっさと出ちゃう人が多いんですよね。私は長めに居座りますけど」
22 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:36:23 ID:8nmqkpf2
女店員「お待たせしましたー。こちらチーズハンバーグとおろしハンバーグです」コトッ
女店員「どうぞごゆっくりー」
ライナー「おおー……膨らんでるな、真ん中」
サシャ「これが正しいハンバーグの姿ですよ! このはち切れるかはち切れないかってところが絶妙なんです!」フフン
サシャ「というわけで……いただきます!!」クワッ!
ライナー「いただきます。……こぼすなよ? 借り物の服なんだから」
サシャ「こぼすなんてもったいないことするわけないじゃないですか! 肉汁の一滴一滴全て味わいますよ私は!」エッヘン
ライナー「最後の一滴って……皿を舐めるのか?」
サシャ「……私を何だと思ってるんですかライナーは。そんなことしませんよ」むぅ
23 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:36:58 ID:8nmqkpf2
サシャ「あぁーおいひい……しあわせですぅ……///」トローン
ライナー「おお、うまいな」モグモグ
サシャ「でしょう? この味を知らないなんてもったいないですよね!」モグモグ
ライナー「こんなにうまいなら、俺もチーズハンバーグにしておけばよかったな」モグモグ
サシャ「? 食べたいんですか?」
ライナー「目の前でうまそうに食ってる奴がいるからな。気になってきた」
サシャ「じゃあ私のちょこっとあげますよ。その代わり、そっちのおろしハンバーグちょっとください」
ライナー「!?」
24 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:37:35 ID:8nmqkpf2
ライナー(あのサシャが……交換とはいえ他人にメシを分けているだと……!?)ガーン
ライナー「サシャ、お前熱でもあるんじゃないか!?」ガタッ
サシャ「違いますよ! いつもチーハンしか食べないので、違う味が食べてみたくなっただけです!」ムー...
ライナー「本当にそれだけか? 何か途中悪い物でも拾い食いでもしたんじゃ……!」
サシャ「どうしてハンバーグ食べに来るのに拾い食いなんかするんですか! ……というかライナー、食事中に立つのはマナー違反ですよ。ちゃんと座ってください」ギロッ
ライナー「す、すまん」スワリナオシ
25 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:38:29 ID:8nmqkpf2
ライナー(まさかサシャに注意されるとは……)ハァ
サシャ「えーっと、これぐらいでいいですかね」キリワケ
サシャ「どうです? もう少しいります?」
ライナー「いや、それくらいで充分だ」
サシャ「そうですね、それじゃあ……」
サシャ「……はいライナー、あーん」フォーク ズイッ
ライナー「」
・前々作『サシャ「キスの味、私に教えてください」』
前作『サシャ「この味は、ウソをついてる味ですね」』の続編です
・ネタバレなし
・今更ですが部屋割りは
【エレン・アルミン・ライナー・ベルトルト】
【ジャン・マルコ・コニー】
【ミカサ・アニ・ミーナ】
【サシャ・クリスタ・ユミル】 でやっています
2 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:21:26 ID:8nmqkpf2
ーー夜、女子寮
サシャ「♪~」パタパタ
クリスタ「サシャ、ベッドの上で足をバタバタしちゃダメだよ、お行儀悪いよー?」
ユミル「シャツ1パン1の時点でお行儀なんてどこにもねえだろ。ほっとけほっとけ、どうせもう寝るんだし」アクビ
クリスタ「ダメだよ、こういう普段の振る舞いがいざっていう時に出るんだからね」
ユミル「はいはい、天使クリスタ様は普段からきちんとしててとっても偉いですねー」ナデナデ
クリスタ「もう、真面目に言ってるのにぃ……」むぅ
サシャ「♪~」ゴロゴロ
3 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:22:01 ID:8nmqkpf2
クリスタ「……サシャ、ご機嫌だね? 何かいいことあった?」
サシャ「はい、ありましたありました。明日のお昼、街にハンバーグ食べに行くんですよ」ムフフ
クリスタ「へえー、おいしいの? そこ」
サシャ「おいしいですよ~、なんたって私の行きつけのお店ですからね!」エッヘン
ユミル「……ライナーと行くのか?」
サシャ「? そうですけど……よくわかりましたね、ユミル」
ユミル(これでわからないほうがおかしい)
4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 20:22:08 ID:7vc/ay1U
このシリーズ好き
5 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:22:42 ID:8nmqkpf2
サシャ「あ、そうだ。クリスタ、雑誌返しますね」ゴソゴソ
クリスタ「? 雑誌? 何のこと?」キョトン
サシャ「この前、シーツを洗濯する時に落ちてきたんですよ……はい、これです」
つ 『恋する乙女の恋愛マガジン5月号』
ユミル「!!」
クリスタ「え? 私こんな雑誌知らないよ?」
サシャ「あれ? そうなんですか? じゃあこれはーー」
ユミル「クリスタに不健康な雑誌見せんなぁっ!」ガバッ
サシャ「あーっ! ユミル、返してくださいよ!」
ユミル「うるさい! こんな本なんかこうしてやる!!」ビリビリビリビリ
サシャ「ああーっ!! なんで破っちゃうんですかぁっ!」
ユミル「うるさいうるさい! いいから寝ろ! とっとと寝ろ!!!」フッ
サシャ「ちょっ……いきなり灯り消さないでくださいよ! 何も見えない!」
クリスタ(……なるほどね、ユミルの本だったんだ)クスッ
7 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:23:54 ID:8nmqkpf2
ーー夜、男子寮
ライナー「……」ジーッ...
アルミン「……」ペラッ...
ベルトルト「……」ボンヤリ
エレン「……なあライナー。何見てるんだ? エロ本?」ゴロゴロ
ライナー「違う。街の地図だ」ペラッ...
エレン「地図ぅ? なんでそんなモン見てんだ?」
ライナー「明日街にハンバーグを食べに行くんでな。近くに他に店がないか調べてる。後は迷わないように道順を確認してるだけだ」
エレン「……おいライナー、今なんて言った」ユラリ
ライナー「だから、道順を確認している」
エレン「違ぇよ。その前だ」
ライナー「ハンバーグを食べに行くと言ったんだが……」
8 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:24:31 ID:8nmqkpf2
エレン「ライナー……チーハンか? チーハンを食べに行くのか?」ギリッ....
ライナー「いや、チーハンと決まったわけじゃ」
エレン「この裏切りモンがあああああああああああああああ!!」クワッ!!
ライナー「!?」ギョッ
エレン「駆逐してやる……! 俺からチーハンを奪う奴は全て!」ギロッ
ベルトルト「ちょっ……エレン!? エレン落ち着いて!」ハガイジメ
ライナー「こら、暴れるんじゃない! 教官が来るだろ! ていうかお前ミカサと同じ目になってるぞ!」
エレン「一人でチーハン食べに行くなんて絶対許さねえぞライナー! 俺も連れて行け!!」クワッ!
ライナー「はぁ!?」
ベルトルト「アルミン、本読んでないでエレンを止めてよ!」
アルミン「エレンはチーハンを食べないと身体が腐る呪いにかかってるだけだよ」ペラッ
ベルトルト「適当なこと言わないでよ!」
9 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:25:38 ID:8nmqkpf2
アルミン「……ねえ、僕本読んでるから静かにしてくれる?」
ライナー「明日はサシャと行くからダメだ! エレン、お前は置いていく!」
アルミン「僕本読んでるから静かにしてくれる?」
ベルトルト「えっライナー、明日サシャと行くの!? 初耳なんだけど!」
アルミン「僕本読んでるから静かにしてくれる?」
エレン「俺も一緒に行く!」ジタバタ
アルミン「僕本読んでるから静かにしてくれる?」
ライナー「子どもかお前は! 我慢しろチーハンくら……い……」
アルミン「僕本読んでるから静かにしてくれる?」
ベルトルト「痛っ、エレン蹴らないで……ってば……」
アルミン「僕本読んでるから静かにしてくれる?」
アルミン「 僕 本 読 ん で る か ら 静 か に し て く れ る ? 」
10 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:26:26 ID:8nmqkpf2
ライナー「ああ……その、悪い」
ベルトルト「ごめん、アルミン……」
エレン「だってよアルミン、チーハンだぞチーハン! チーハン!」
アルミン「静かにしてくれる?」
エレン「チーハンが俺を待ってるんだぞ! 黙ってなんか……」
アルミン「静かにしてくれる?」
エレン「………………その」
アルミン「静かにしてくれる?」
エレン「………………………………ごめんなさい」シュン
アルミン「……」ペラッ
ライナー・ベルトルト(アルミン怖っ……)ゾクッ
11 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:27:07 ID:8nmqkpf2
ーー翌日 昼前 女子寮 ミカサたちの部屋
サシャ「♪~」クルッ
サシャ「わーい」クルクルッ
ミーナ「ふふっ、サシャったらはしゃいじゃってぇー」ウェヒヒ
クリスタ「仕方ないよ。サシャは普段あまりかわいい服着ないもの。浮かれたくもなるよね」
アニ「……服より先に食費に消えるんでしょ」
クリスタ「? なんで知ってるの?」
アニ「見てればわかるよ」
ミーナ(サシャかわいいなぁ……全然興味ないフリしてるのに部屋から出ようとしないでチラ見しているアニもかわいいなぁ……)ムフフ
アニ「ところでユミルは? 来なかったの?」
クリスタ「あはは、ちょっと色々あってね……フテ寝してるよ」
ミーナ(ユミルきゃわたん)ハァハァ
12 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:27:48 ID:8nmqkpf2
サシャ「ミカサ! ミカサ! 服貸してくださってありがとうございます!」クルクルクルクル
ミカサ「構わない。報酬はきっちりもらうつもりだから。ちなみに汚しても気にしなくてもいい」
サシャ「じゃあ遠慮なく着させてもらいますけど……お古なんですか?」キョトン
ミカサ「いいえ。この前買ったばかり」
サシャ「えっ……着れませんよそんないい服! 脱ぎます!」ヌギッ
ミカサ「いい。着ていって。デートとは、勝負のようなもの。他人から借りたお古で勝負しても勝てない」モドシッ
サシャ「そ、そうなんですか?」
ミカサ「そう。ーーいい? サシャ。あなたはもう次の段階に進むべき」
サシャ「次の段階……」ゴクッ
アニ(……もう段階としてはいろいろすっ飛ばしてる気がするけど、黙っておこう)
クリスタ(最初がキスで、次がアレだから、今回は……えっと……?///)カアアア
ミーナ(かわいいなぁサシャ)ムフフ
13 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:28:39 ID:8nmqkpf2
ミカサ「今日はそう……手を繋ぐの。難しいことは何も考えなくていい」
サシャ「はあ。手ですか」
ミカサ「そう。この手」キュッ
サシャ「わっ……ミカサ、改めて握手なんかしたら恥ずかしいですよ……///」
ミカサ「恥ずかしがってはダメ。この手は剣を握らなければいけない手だけれど、かといって大切な人の手を求めていけないわけではない」
ミカサ「あなたはかわいい。きっと大丈夫」ニコッ
サシャ「み、ミカサのほうがかわいいですよ……///」テレッ
クリスタ(サシャもかわいいよ……! 絶対大丈夫だよ!)グッ
ミーナ(ていうかどっちもかわいいよ! 私が保証する!)グッ
ミカサ「今日、もし手を繋げたならーー今度の休みはぜひ、私たちとダブルデートをしよう」キリッ
アニ(それが目的か)
サシャ「……ありがとうございます!」ニコッ
14 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:29:49 ID:8nmqkpf2
クリスタ「そういえばサシャ、今日は香水つけていかないの?」
サシャ「ご飯はできるだけ真っさらな状態で味わうものですよ、クリスタ」フフン
ミカサ「香水の匂いが肉の匂いと混じってしまったら悲惨なことになる。サシャの判断は正解」
ミカサ「……頑張って。きっとうまくいく。今日は掃除当番だから見守ってあげられないけど、私はいつでもあなたたちを陰ながら応援している」
ミーナ「そうだよ、がんばってねサシャ! 報告待ってるから!」
アニ「……ちゃんと財布持っていくんだよ」
サシャ「はい、みなさん……じゃあ行ってきますねー!」フリフリ
15 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:30:38 ID:8nmqkpf2
ーー昼間 街中
ライナー「……」ボーッ
ライナー(何も街で待ち合わせしなくても、兵舎から直接一緒に来ればよかったんじゃないか……?)
ライナー(腹減ったな……) グー
ライナー(……よくよく考えたら、女と二人きりででかけるのははじめてだな)
ライナー(だが……)
サシャ「ライナー! 来ましたよー!」ピョンピョン
ライナー(……これはデートじゃなくて子守りだな。うん)
16 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:31:19 ID:8nmqkpf2
サシャ「お待たせしてすみません、一応早足で来たんですけど」
ライナー「いや、そんなに待ってないが……」ジーッ
サシャ「? どうかしました?」
ライナー「……スカート姿は新鮮だな」ジーッ
サシャ「そうですよね、兵舎じゃ訓練服姿が多いですしねー」クルクル
サシャ「これ、ミカサに貸してもらったんですよ! 似合います?」クルクルクルクル
ライナー「転ぶから回るな。行くぞ」
サシャ「はーい、案内しますね!」
17 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:32:14 ID:8nmqkpf2
ーー昼間 移動中
サシャ(よーっし、ミカサに言われたことしっかりやり遂げますよ!)フンス
サシャ(手を繋ぐなんて楽勝ですよね! 全くミカサは大袈裟なんですから……)チラッ
サシャ(!?)ギョッ
ライナー「それにしても、今日は晴れてよかったな」シミジミ
サシャ(ポケットに手を……イン……してますよ……!?)
サシャ(しかも両手……ですって……!?)ガーン
サシャ(こ、こういう時は引っ張り出せばいいんでしょうか……?)
サシャ(いや、ミカサの言っていたことを思いだして……!)エーット
18 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:33:03 ID:8nmqkpf2
ミカサ『今日はそう……手を繋ぐの。難しいことは何も考えなくていい』
ミカサ『恥ずかしがってはダメ。この手は剣を握らなければいけない手だけれど、かといって大切な人の手を求めていけないわけではない』
ミカサ『あなたはかわいい。きっと大丈夫』
サシャ(よくよく考えたらフワッとしたアドバイスしかもらってません……!!)ガーン
サシャ(いえ……きっと難しいことは考えないほうがいいんです……!)
サシャ(やりますよ……私は……!)グッ
19 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:33:41 ID:8nmqkpf2
サシャ「あの、ライナー……」
ライナー「どうした? 道を間違えたか?」
サシャ「間違えてませんよ! あのですね…………て、……て……っ!」
ライナー「て?」
サシャ「て、天気が……っ! いいですね……っ!」ギリッ
ライナー「? そうだな」
ライナー(何故悔しそうに……?)
20 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:34:37 ID:8nmqkpf2
ーー昼間 とある大衆食堂
\イラッシャイマセー/ \オーダーハイリマース/ \チーハン/
ライナー「おお……こんなところがあったのか」キョロキョロ
サシャ「通りから外れたところにありますからね。ちょっとした穴場なんですよ、ここ」
サシャ(ミカサ、すみません……! 繋げませんでした……っ!)ギリギリ
ライナー(何故歯ぎしりを……そんなに腹が減っていたのか……?)
ライナー「……で、ここはハンバーグがうまいんだったか?」
サシャ「! そうなんですよ!」パァッ
サシャ「特にここのチーズハンバーグは絶品なんです!」
ライナー「」ゾクッ
サシャ「……? どうかしましたか?」キョトン
ライナー(……帰ったらアルミンにもう一度謝っておこう)
女店員「注文お決まりですかー?」
サシャ「私チーハンにします!」ハイッ
ライナー「あー……この、おろしハンバーグ? っていうので」
女店員「はーい、少々お待ちくださーい」
\イラッシャイマセー/ \チーハン/ \オマタセシマシター/
ライナー「……混んできたな。ゆっくり食べられるといいんだが」
サシャ「あ、その心配はいりませんよ! ここ、結構混むんですけどいっぱいにはならないんです」
ライナー「へえ……不思議なこともあるもんだな」
サシャ「すぐ食べてさっさと出ちゃう人が多いんですよね。私は長めに居座りますけど」
22 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:36:23 ID:8nmqkpf2
女店員「お待たせしましたー。こちらチーズハンバーグとおろしハンバーグです」コトッ
女店員「どうぞごゆっくりー」
ライナー「おおー……膨らんでるな、真ん中」
サシャ「これが正しいハンバーグの姿ですよ! このはち切れるかはち切れないかってところが絶妙なんです!」フフン
サシャ「というわけで……いただきます!!」クワッ!
ライナー「いただきます。……こぼすなよ? 借り物の服なんだから」
サシャ「こぼすなんてもったいないことするわけないじゃないですか! 肉汁の一滴一滴全て味わいますよ私は!」エッヘン
ライナー「最後の一滴って……皿を舐めるのか?」
サシャ「……私を何だと思ってるんですかライナーは。そんなことしませんよ」むぅ
23 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:36:58 ID:8nmqkpf2
サシャ「あぁーおいひい……しあわせですぅ……///」トローン
ライナー「おお、うまいな」モグモグ
サシャ「でしょう? この味を知らないなんてもったいないですよね!」モグモグ
ライナー「こんなにうまいなら、俺もチーズハンバーグにしておけばよかったな」モグモグ
サシャ「? 食べたいんですか?」
ライナー「目の前でうまそうに食ってる奴がいるからな。気になってきた」
サシャ「じゃあ私のちょこっとあげますよ。その代わり、そっちのおろしハンバーグちょっとください」
ライナー「!?」
24 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:37:35 ID:8nmqkpf2
ライナー(あのサシャが……交換とはいえ他人にメシを分けているだと……!?)ガーン
ライナー「サシャ、お前熱でもあるんじゃないか!?」ガタッ
サシャ「違いますよ! いつもチーハンしか食べないので、違う味が食べてみたくなっただけです!」ムー...
ライナー「本当にそれだけか? 何か途中悪い物でも拾い食いでもしたんじゃ……!」
サシャ「どうしてハンバーグ食べに来るのに拾い食いなんかするんですか! ……というかライナー、食事中に立つのはマナー違反ですよ。ちゃんと座ってください」ギロッ
ライナー「す、すまん」スワリナオシ
25 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/29(土) 20:38:29 ID:8nmqkpf2
ライナー(まさかサシャに注意されるとは……)ハァ
サシャ「えーっと、これぐらいでいいですかね」キリワケ
サシャ「どうです? もう少しいります?」
ライナー「いや、それくらいで充分だ」
サシャ「そうですね、それじゃあ……」
サシャ「……はいライナー、あーん」フォーク ズイッ
ライナー「」
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