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サシャ「中味が大事なんですよ」

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Part1
1 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:06:58 ID:2E33IU4o
・サシャ「じっくり吟味しましょうか」の続き
・長いので分割して投下します

2 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:07:32 ID:2E33IU4o
ーー 夜 女子寮 屋根の上
サシャサシャ「ふーんふふふーんふーんふーんふふふーん♪」ザクザク
ミカサ「……」ザクザク
サシャ「どうも今年は大雪になりそうですね。今の当番の他に、新しく雪かきと雪下ろし当番が割り振られるとは思いもしませんでしたよ」
ミカサ「なんでも、今回は数十年に一度の大寒波が来ているらしい。アルミンが言っていた」
サシャ「ああ……最近朝起きれば大体雪が降ってますもんね。納得です」
ミカサ「それでも、積雪量自体は少ないほうみたい。雪が降っている時間より、昼間晴れてる時間のほうが長いから」
サシャ「そうなんですか? でもまだ営庭にたくさん雪が残ってますし、あまりそういう気はしませんが」
ミカサ「トロスト区に積もった雪が今も運ばれ続けているから仕方がない。雪捨て場を新たに整備するための土地もお金も時間もないから、結局ここに持ってくることになる。……と、アルミンが言っていた」
サシャ「ままならないですねぇ」ザクザク

3 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:08:12 ID:2E33IU4o
ミカサ「……」ザクザク
サシャ「……」ザクザク
ミカサ「……サシャ」ザクザク
サシャ「はーい、なんですか?」ザクザク
ミカサ「私はあなたに手を貸すと言った。あれからもう二週間以上経った」
サシャ「えっ? もうそんなに経ってましたっけ?」
ミカサ「経っている。ーーそれで、どうするの?」
サシャ「? 何がですか?」キョトン
ミカサ「私は何を削げばいいの?」
サシャ「えっ、削いじゃうんですか? 物騒なのでやめときましょうよ」
ミカサ「……何を調べればいいの?」
サシャ「えっと……なんでしょうかね? わかりません」
ミカサ「…………何をすればいいの?」

4 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:08:53 ID:2E33IU4o
サシャ「……」
ミカサ「……」
サシャ「さあ……?」
ミカサ「サシャ?」
サシャ「はい、なんでしょう」
ミカサ「なんでしょうじゃない。ーー私はどうしたらいいの?」
サシャ「……応援、とかですかね」
ミカサ「それじゃあ今までと同じ。何をどうすればいいのかわからないと、手を貸すこともできない。ちゃんと考えて」
サシャ「でも正直、私もこういうことってはじめてですから……何をどうしたらいいのかわからないんですよねー」
ミカサ「そんな悠長なことを言ってる場合じゃない。山岳訓練は来週だし、卒業試験もそろそろ。はっきり言って時間がない」
サシャ「はぁ、そうですねぇ」
ミカサ「あなたには危機感が足りなさすぎる。やる気はあるの?」
サシャ「ありますよ?」
ミカサ「悪いけど、とてもそうは見えない」

5 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:09:27 ID:2E33IU4o
サシャ「でもでも、他人が秘密にしてることを無理やり暴くのって、やっぱりよくないことなのかなーなんて思っちゃったりなんかして」
ミカサ「それを知らないと先に進めないと言ったのはあなた」
サシャ「そうなんですよねぇ……困りました」
ミカサ「困ってるのはこっち」
サシャ「はぁ、すみません」ヘコヘコ
ミカサ「あなたはのんびりしすぎ。戦わなければ……勝てない!」バッ!!
サシャ「わぁ、ミカサのそういう立ち姿ってキレイでかっこいいですよね。スコップをブレードに持ち替えるともっとよく映えると思います」
ミカサ「えっ? ……そ、そう? そんな風に言われると照れる」テレテレ
サシャ「はい、きっとエレンやアルミンが見たら惚れ直すと思いますよ! とっても素敵です!」ニコニコ
ミカサ「……それは置いといて、話を元に戻そう。何かいい案はない?」
サシャ「案ですか……食べ物で釣るとかどうですかね」
ミカサ「それはあなたにしか通用しない」
サシャ「うーん、他に何かありましたかねぇ……」


6 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:10:10 ID:2E33IU4o
サシャ「ねえミカサ。例えばの話なんですけど、エレンがミカサに何か隠し事してたとしたらどうします?」
ミカサ「エレンは私に隠し事なんかしない!!」クワッ!!
サシャ「わかってます、わかってますよ。仮にですよ仮に」
ミカサ「エレンが、私に…………」
サシャ「そうです」
ミカサ「……」
サシャ「……」
ミカサ「…………………………エレン」ジワッ...
サシャ「あああああ、すみませんすみません」ヨシヨシ
ミカサ「想像しただけで、とても悲しくなった……」グスッ...
サシャ「ええと、じゃあアルミンにしましょう。アルミンの隠し事が」
ミカサ「アルミン……酷い、私に黙って……」ポロポロ
サシャ「あわわわわ」オロオロ
ユミル「……おい、お前らさっきから何を小芝居してんだ。雪下ろし終わんねえだろ」

7 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:11:01 ID:2E33IU4o
ミカサ「……そうだ、ベテランに聞こう」ポンッ
ユミル「誰がベテランだ誰が」
サシャ「教えてくださいユミルさま」
ミカサ「教えてユミル。じゃないと削ぐ」
ユミル「やだよ削ぐなよ」
ミカサ「あすなろ抱きの素晴らしさを私に伝授してくれたユミルなら……ユミルならきっとなんとかしてくれる……!」グッ
サシャ「あすなろ抱き……? ってなんですか?」キョトン
ミカサ「こういうの」ダキッ
サシャ「ああ、なるほどなるほど……こうやって後ろから抱きつくのをあすなろ抱きって言うんですね、はじめて知りましたーーって、みっ、ミカサっ、ミカサー! 重いですー!」ジタバタジタバタ
ミカサ「ふふふ、重かろう重かろう」ニヤニヤ
ユミル「寒いから帰っていいか?」
ミカサ「だめ」

8 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:11:44 ID:2E33IU4o
ユミル「……ふーん、ライナーの隠し事ねえ」
サシャ「そういえば、この前のユミルは何やら訳知り顔でしたよね。ーーもしかして、ライナーが何か隠してること、本当は知ってたんじゃないですか?」
ユミル「さて、どうだかな。ーーと言いたいところだが、実は知ってる」
サシャ「えっ!? 本当に!?」
ミカサ「……なんと」
サシャ「いつ、いつ知ったんですか!? ライナーに教えてもらったんですか!?」ユサユサユサユサ
ユミル「揺ーすーるーなー。ーーあいつに教えてもらったわけじゃねえよ。それに、情報の中身はたぶんお前と大して変わらないはずだ」
ミカサ「言わなきゃ削ぐ」
ユミル「削がれても言わねえよ。ってかそもそも中身は知らないしな」
サシャ「……? 知らないのに知ってるってどういう……?」
ユミル「今はまだ言えない。私が持ってる情報はおいそれと出せるもんじゃないんでね。……ただまあ、一つだけ教えてやるよ。周りを見渡せば怪しい奴が一人か二人いるもんだぜ」
サシャ「はい? 怪しい奴……??」
ユミル「まあ、そういうわけでだ。私もその隠し事の中身には興味があるから混ぜろ」ズイッ

9 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:12:21 ID:2E33IU4o
クリスタ「ねえねえ、みんなで何の話?」ヒョコッ
ユミル「ライナーの秘密を探る会だ」
クリスタ「へえ、楽しそう……! 私も混ざる!」キラキラキラキラ
ユミル「おう、混ざれ混ざれ」
サシャ「……一応この会合って、後ろめたいことをしてるはずなんですが」
ミカサ「違う。これはそもそも雪下ろしと雪かき当番の会。ーーところでサシャ。ライナーが隠してる秘密って、ずっと前に話してくれたこととは別なの?」
サシャ「……? 私、何か言ってましたっけ」
ミカサ「ライナーに、好きな人がいるって話」
サシャ「……あー、なるほど」
ユミル「はぁ? あいつ好きな奴いるのか?」
クリスタ「それってサシャのことじゃないの?」

10 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:13:02 ID:2E33IU4o
サシャ「違いますよ。その話を聞いたのは、キスの味を教えてもらう前ですし。私ってことはありえません」
ユミル「ほー……好きな奴がいるのにお前とキスしたのか?」
サシャ「私が無理に頼み込んじゃいましたからね。ーーでも、そのこととは違う気がするんですよね。もうちょっとこう……本当に、これが知られたら終わりみたいな」ウーン...
クリスタ「これが知られたら、終わり……」ウーン...
ミカサ「難しい……」ウーン...
ユミル「実はあいつ男色家とか?」
クリスタ「『ダンショクカ』って何?」キョトン
サシャ「それっておいしいんですか?」ジュルリ
ユミル「一部の層にはな」
ミカサ「ユミル。話が逸れてる」

11 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:13:44 ID:2E33IU4o
ユミル「まあ、現状は他の理由も思いつかねえし、潰せる可能性はどんどん潰してったほうがいいだろ。ーーというわけでライナーに本当のこと聞きに行っちゃおうぜ」ワクワク
サシャ「……楽しんでるでしょう、ユミル」
ユミル「当然だな」キリッ
ミカサ「決着はいずれつけなければならなかった。それが今になっただけ」
サシャ「恋する女子ってやることがいっぱいあるんですね。これなら営庭五十周のほうがまだ楽です」ハァ
ミカサ「現実逃避してはだめ」
サシャ「……ぐぬぬ」
ユミル「でもよ、具体的にどうやってライナーから聞き出すんだ? あいつ、口はかなり堅そうだぞ」
クリスタ「うーん、そうだねえ……」
ミカサ「うーん……」
ユミル「うーん……」
サシャ「うーん……」

12 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:14:36 ID:2E33IU4o
クリスタ「ライナーなら正面から聞けばちゃんと答えてくれるんじゃないかな? 根はとても優しい人だもの!」
ミカサ「じゃあクリスタ。あなたの好きな人を教えて」
クリスタ「えっ、私!? ……は、恥ずかしいよぅ」モジモジ
ユミル「ユミルが一番に決まってるじゃない! そんなこともわからないの!?」
サシャ「声真似下手ですね、ユミル」
ミカサ「というわけで、真正面からは無理。クリスタを見ても明らか」
ユミル「そうだな。……つまり、回りくどくあいつから聞き出すしかないってこった」
サシャ「それしかないですかね。でも私、小細工って一番苦手な分野なんですが」ウーン...
ミカサ「ならばユミルに習うといい。世渡り上手だから」
ユミル「褒めてるのかけなしてるのかわからないんだが」

13 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:15:11 ID:2E33IU4o
ミカサ「……そろそろ、片付けよう」スクッ
ユミル「そうするかー。このままじゃ埒があかないしな」スクッ
クリスタ「……あっ! どうしよう、ずっと話してたから営庭の雪かき終わってないよ? 全然手をつけてない!」オロオロ
ユミル「んなもん明日の当番がやるだろ。それに今日の私たちは重要任務についてたからな。自動的に免除だ免除」
クリスタ「重要任務?」
ミカサ「お話会は女の子の嗜み」
クリスタ「そっかぁ、じゃあ仕方ないね」
サシャ「……あの、私もうちょっとここにいてもいいですか?」
ミカサ「だめ。落ちたら大変」
サシャ「大丈夫ですって。軒先に行ったりはしませんから」
ミカサ「でもーー」
ユミル「わかったわかった。その代わり、梯子は自分で片付けろよ。教官への報告が終わった後で迎えに行くからな」
サシャ「はい、それでいいです。ーーお願いしますね」

14 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:15:49 ID:2E33IU4o
ーー 女子寮 軒下
ミカサ「……」チラチラ
ユミル「ほっとけって。まずは一人で色々考えたいことがあるんだろ。部屋だと私やクリスタがいるから、気になって集中できないだろうしな」
ミカサ「私たちは、いたら邪魔なの?」シュン
ユミル「んな極端に考えるなってば。あいつが頼りたくなったらちゃんと頼るだろ。お前とサシャは友だちなんじゃなかったのか?」
ミカサ「……うん。友だち」
ユミル「だったら信じて待ってやれよ。いつでもべったり側にいるってのが友だちってわけじゃないんだぞ。……あとクリスタ、なんでニヤニヤ笑ってんだ。かわいらしいぞ結婚しよ」ツンツン
クリスタ「ふふっ、笑ってごめんね? ……結婚はそのうちしようね」クスクス
ユミル「……へっ?」キョトン
クリスタ「冗談だよ」
ユミル「……っ、この野郎っ、生意気だぞ生意気だぞ生意気だぞ!!」グリグリグリグリ
クリスタ「あははっ、ユミルってばくすぐったいよ!」ジタバタジタバタ

15 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:16:31 ID:2E33IU4o
ミカサ「……? ねえユミル、クリスタ。今、あっちの森のほうで何か動かなかった?」
クリスタ「森? ……ううん、気がつかなかったけど」
ユミル「どうせ野犬か何か入り込んでるんだろ。……っていうかこの暗さでよく見えたな」
ミカサ「今日は満月だから、遠くまでよく見える。ーー本当にあれは野犬なんだろうか」
ユミル「野犬じゃなかったらなんだってんだ。まさか巨人でも入り込んでるってか?」
クリスタ「えっ!? ーーどうしよう、教官に報告しなきゃ!」ダッ
ユミル「こらこら、冗談を真に受けるんじゃありません」ガシッ
ミカサ「……気になるから、ちょっと見てくる」ザクザク...
ユミル「はいよ、行ってらっしゃい」
クリスタ「待ってミカサ! 万が一のために信煙弾と立体機動装置を持って行って!」ジタバタジタバタ
ユミル「……お前はもうちょい嘘と本当を見わける力をつけような。将来誰かに騙されるぞ?」

16 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:17:09 ID:2E33IU4o
ーー 女子寮 屋根の上
サシャ「……はぁ」
サシャ(なんだか、今まで色々後回しにしていたツケがきてるって感じですね)
サシャ(ユミルの言ってたことも気になりますし……というか、怪しい人って誰のことなんでしょう?)
サシャ(あの言い方だと、ライナーの隠し事とその怪しい人ってのが一致するって言い方でしたし)
サシャ(……うあああ、考えたらわからなくなってきちゃいましたよ!! もう!!)ジタバタジタバタ
サシャ(でも、本当にもう時間がないんですよね……山岳訓練が終わったらすぐ卒業試験ですし)
サシャ(あっ……そういえば、その前に二人で食堂に行くんでした)
サシャ(……楽しみだなぁ)
サシャ「……」
サシャ「むふふ、お肉ぅ……」ジュルリ

17 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:17:55 ID:2E33IU4o
ーー 男子寮 エレンたちの部屋
ライナー「ーーてな具合だな。他に聞きたいことはあるか?」
エレン「いや、今のところはいいかな。やっぱり他の班の話を聞くのって勉強になるなー」カキカキ...
ライナー「あとでベルトルトにも聞いておくといいぞ。俺とはまた違った考え方をするからな、参考になるだろう」
エレン「わかった、帰ってきたら頼んでみる。ーーあー、緊張してきたー……もう来週だもんな、山岳訓練」
ライナー「そう気負うなよ。何もお前一人でやるわけじゃないんだからな。……今回は通る道筋があらかじめ決まっているが、班員の奴らともどう動くか事前に話し合っておけよ?」
エレン「そうだな、そうする。……色々ありがとな、ライナー」カキカキ...
ライナー「これくらいならお安いご用だ。また何かあったら言ってくれ」
エレン「おう、任せとけ! ……じゃねえや。頼ってばっかりじゃ悪いから、自分でなんとかできるように頑張るよ」
ライナー「……? なんだ、遠慮しなくてもいいんだぞ?」
エレン「遠慮してるわけじゃねえって。俺だってそろそろ自立しないとなー」

18 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:18:42 ID:2E33IU4o
アルミン「二人ともお疲れさま。ーーこれ、入れてきたからどうぞ」ガチャッ バタンッ
ライナー「おお、アルミンか。ーー悪かったな、なんだか追い出しちまった形になって」
アルミン「ううん、僕は僕で用事があったからいいんだ。話し合いはうまくいった?」
エレン「おう、ばっちりだぜ! これで雪山を駆逐する準備も万端だ!」グッ
アルミン「雪山は駆逐できないと思うけど……まあいいや。はい、こっちはエレンの分ね」スッ
エレン「……? これ、ただの白湯じゃねえのか?」クンクン
アルミン「うん、ホットレモン作ってきたんだ。この前ミカサに作り方教えてもらったからさ」
ライナー「ん? レモン……と、なんだこれ? 他の味もするが」
アルミン「ライナー、よく気づいたね。それね、レモンだけじゃなくて生姜も入ってるんだよ。生姜には身体を温める作用があるからね」
エレン「へー……なんだかクセになりそうな味だな。おかわり」ゴクゴク
アルミン「はいはい」トポトポ

19 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:19:26 ID:2E33IU4o
ライナー「なあアルミン。作ってもらえたのは嬉しいんだが、何もヤカンで持ってこなくてもよかったんじゃないか? 重かっただろ?」
アルミン「ああ、これは違うんだ。ミカサたちが今日雪下ろし当番だから、この後差し入れで持って行ってあげようと思ってさ」
エレン「今日の当番誰だっけ? ーーおかわり」
アルミン「ミカサとクリスタとユミルとサシャだよ」
ライナー「……」ピクッ
アルミン「エレン、あまり飲むと夜中にトイレに行きたくなっちゃうからその辺にしておこうね」
エレン「夜中に布団から出たくないな……よしアルミン、早くミカサたちのところに持って行ってやれよ。目の前にあったらもっと飲んじまいそうだ」
アルミン「そうしたいんだけどね……実はまだ片付けてないレポートがあるから、まずは先にそっちをやらないとだめなんだ。今日中に提出しなきゃいけないんだけど」チラチラ
エレン「はぁ!? 今日提出なのになんでそんな落ち着いてるんだ!?」
アルミン「うんうん、だから本当に困ってるんだよね。レポート書き終わる頃には雪下ろしも終わっちゃってるし、せっかく入れたホットレモンも冷めちゃってるだろうからさー」チラチラ
エレン「自分のレポートの心配しろって! どうすんだよ俺はアルミンより座学の成績悪いから手伝えないんだぞ!?」オロオロ

20 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:20:34 ID:2E33IU4o
ライナー「……アルミン。手伝ってやろうか?」
アルミン「そんなに言うなら仕方ないなぁ。じゃあライナーにお願いしーー」
エレン「よしわかった! 俺がヤカンをミカサたちに届けてくればいいんだな!」スクッ
アルミン「エレンエレン待って待って違う違う違うから!」ガシッ
エレン「……? どこが違うんだよ。ライナーがレポートを手伝ってくれるんなら、俺がヤカンを届けるしかねえだろ?」
アルミン「今日はライナーじゃなくて、エレンの意見“が”聞きたい気分なんだよ。だから君が残って。ね? いいでしょ?」
エレン「? ?? けど俺よりライナーのほうが成績いいじゃねえか」キョトン
アルミン「……ねえエレン。例えば君は、魚を食べる時はどこから食べる?」
エレン「ん? ああ、えーっと……腹からだな。うまいし」
アルミン「ライナーはどう? どこから?」
ライナー「俺か? ……気にしたことないが、尻尾のほうからが多い気がするな」
アルミン「なるほどなるほど。ーーちなみに僕は頭から食べる派なんだけど」
エレン「いや、魚の食べ方が今関係あるのかよ」


21 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:21:26 ID:2E33IU4o
アルミン「大アリだよ。……いいかいエレン? 魚の食べ方一つ取っても、三人でこんなに違うんだよ? それが巨人相手の作戦行動なら、尚更個人の好みや性格が色濃く出ると思わない?」
エレン「お、おう。……そうなのか?」
アルミン「うん、そうなのそうなの。だからね、今回のレポートはエレンの直感的な戦術を聞きたい気分なんだ。わかった?」
エレン「まあ、なんとなくは……でもなぁ」
アルミン「ライナー早く行って!! エレンが余計なこと言う前に持ってって!」シッシッ
ライナー「だがエレンの言うことも一理あるんじゃねえか? 本当に俺じゃなくてもーー」
アルミン「ねえライナー。……君は頭も悪くないし、鈍感な人でもないでしょ? 僕の意図もわかるよね?」ニッコリ
ライナー「…………行ってくる」モソモソ
アルミン「はい行ってらっしゃい!」ブンブン

22 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/13(金) 19:22:09 ID:2E33IU4o
アルミン「……ふう。やっと行った」ホッ
エレン「それでアルミン、レポートは? どんな内容なんだ?」
アルミン「ないよそんなもの」
エレン「はぁ!? アルミンお前……嘘吐いたのかよ!! 嘘吐くなんて人間として最低なことだぞ!」プンスカ
アルミン「エレン、人には時として必要な嘘もあるんだよ。状況に応じて柔軟に使い分けなきゃ」
エレン「そっか、なるほどな。……柔軟な嘘っと」カキカキ
アルミン「メモってどうするの」
エレン「山岳訓練の時に使えるんじゃねえかなって」
アルミン「……うん、まあ使えなくはないかもね」

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