2chまとめサイトモバイル

サシャ「味も見ておきましょう」

Facebook Twitter LINE はてなブックマーク
Part1
1 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:30:52 ID:QRdnkGNU
・1『サシャ「キスの味、私に教えてください」』(過去ログ倉庫行き)
 2『サシャ「この味は、ウソをついてる味ですね」』(過去ログ倉庫行き)
 3『サシャ「二人だけの、秘密の味です」』(過去ログ倉庫行き)
 4『サシャ「とくと味あわせてあげましょう!」』(過去ログ倉庫行き)
 5『サシャ「同じ味を、知りたいですから」』(過去ログ倉庫行き)
 6『サシャ「味気なくなんかないですよ?」』(過去ログ倉庫行き)
 7『サシャ「……興味ないです」』
 8『サシャ「味も匂いもたまりません!」』
 9『サシャ「ありがとうの味、届きましたか?」』の続きです
・いつも通りネタバレなし&ご都合主義&展開です

2 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:31:36 ID:QRdnkGNU
ーー 昼 営庭の端っこ
ユミル「訓練兵に草刈りやらせるってのは、まあいいんだけどさ」
ユミル「なんでこんなクソ暑い時期にやらせるんだ? 二週間前とかまだ涼しかったのによ」
ユミル「それで指示する上官方は全員揃って屋根の下で茶でもしばいてるときたもんだ。あー羨ましい」
クリスタ「もう、文句ばっかり言ってないで手を動かしてよユミル。終わらないでしょ?」プンスカ ザクザク
ユミル「へいへい」ザクザク
ミーナ「ミカサとアニは全然汗かいてないね、すごいなあ」ザクザク
ミカサ「……」ザクザク
アニ「……」ザクザク
サシャ「……」ゴソゴソ

3 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:32:34 ID:QRdnkGNU
ユミル「おいサシャ、お前はさっきから一人で何やってんだ? 草刈りはどうした」
サシャ「終わりました」ゴソゴソ
ユミル「……そうかそうか。つまり私たちが今やってるのは草刈りじゃないんだな?」
サシャ「? いえ、みなさんがやってるのは草刈りだと思いますが」
ユミル「……」
サシャ「……?」
ユミル「お前は団体行動ってもんができねえのかぁっ!!」グワシッ!!
サシャ「ひぇっ!? ごめんなさいごめんなさい!!」ジタバタジタバタ
クリスタ「どうしよう、ユミルが暑さでキレちゃった……! と、止めたほうがいいかな……?」アワアワ
ミーナ「いーんじゃなーい? そーゆー時あるよねぇー女の子ってさぁー」ザクザク
ミカサ「……」ザクザク
アニ「……」ザクザク

4 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:33:26 ID:QRdnkGNU
ユミル「いくら協調性がないって言われてる私でもなぁっ! 団体行動くらいはできんだぞこらぁっ!! 自分の分が終わったんなら手伝えよ! 手伝えよ!!」ユサユサユサユサ
サシャ「あんまり揺らさないでくださいよぉっ! 袋が破れますー!!」グラグラグラグラ
ユミル「それだよ! さっきからお前は一人で何してんだよ!!」
サシャ「非常時のための食料調達ですよっ!」
ユミル「食料だあ……? お前ついに雑草食うようになったのか?」
サシャ「そんなわけないじゃないですか!」
ユミル「じゃあその麻袋にせっせと詰めてるもんはなんだぁっ!!」

5 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:34:06 ID:QRdnkGNU
サシャ「イナゴです」ドヤァ
ユミル「」
ミーナ「」
クリスタ「」
ミカサ「」ピタッ
アニ「」ピタッ


6 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:34:47 ID:QRdnkGNU
ユミル「……」
サシャ「どうかしましたかユミル、顔が青いですよ?」
ユミル「な、なあ……私の記憶だと、イナゴって秋の虫だと思ったんだが……?」
サシャ「春でも夏でも少しはいますよ? 数が少ないから気づきにくいんですよねー」ゴソゴソ
ユミル「へえ……そう……そうなんだぁ……」ブツブツ
サシャ「ユミル?」

7 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:35:27 ID:QRdnkGNU
ユミル「あのさぁ、全っ然興味ないんだけどさぁ……その中身はこの後どうするんだ……?」
サシャ「佃煮にします」キリッ
ユミル「……そのまま? 生きたまま?」
サシャ「まず糞抜きしないとですね。なので、麻袋に入れたまま数日間部屋に置いておきます」
ユミル「よし絶交だ」
サシャ「そんな!?」ガーン!
ユミル「当たり前だお前その麻袋少しでも女子寮に入れてみろ荷物ごと追い出してやるからな!!」
サシャ「えー……過剰反応しすぎじゃないですか?」ムー...

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 18:35:52 ID:Kw3WZoTo
イナゴの佃煮は無理して食べるもんでもないが美味いよね

9 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:36:40 ID:QRdnkGNU
ユミル「ていうか誰だ、サシャに麻袋やった奴は」
ミカサ「わたしです」ハーイ
ユミル「お前だったのか」
ミカサ「あげなきゃよかった……私は今、猛烈に後悔している……」ドヨーン...
サシャ「?」キョトン
                           \ピョンッ/
ミーナ「!? やだあ何か飛んだああああっ!?」バタバタ
クリスタ「えっやだやだ何なに!? 何!?」ビクビク
サシャ「どれどれー? ……あーこれはバッタですねー。あんまりおいしくないんですよね、バッタは」ポイッ

10 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:37:30 ID:QRdnkGNU
ユミル「おい馬鹿、どこに向かって投げてんだ!」
                           \ピトッ♪/
アニ「」ピタッ
サシャ「あらら……アニの頭に乗っかっちゃいましたか。すみません、取りますね」ヒョイッ
アニ「……」
サシャ「? どうしました? ちゃんと取れましたよ?」
アニ「……」スタスタ...
サシャ「アニ? どうしたんですかー?」
ユミル「……もういいサシャ。もういいからそっとしといてやれ。なっ?」

11 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:38:26 ID:QRdnkGNU
ミカサ「サシャ、そのバッ……虫を渡し……いや渡さなくていいからしっかりと持っていて……!」スラッ...
ミカサ「そいつは生かしておけない……四肢を削ぐ!!」ジャキンッ!!
ユミル「!? ちょっ、鎌下ろせミカサ! やめろ! お前が振り回すと洒落にならん!!」
ミカサ「そ、削ぐ……削いでやる……っ!」ブルブル
ユミル「もうダメだ話聞いてねえ……おいミーナかクリスタ! エレン呼んでこい!」
クリスタ「わかった任せて!」ダッシュ
ミーナ「行ってきます!」ダッシュ
ユミル「片方でいいから! 片方でいいから!!」
サシャ「足をもげばいいんですか? でもかわいそうだからこのまま逃がしてあげたいんですけど……」ウーン
キース「……楽しそうだな、貴様ら」

12 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:39:25 ID:QRdnkGNU
ユミル(!! 教官!? やばい……!!)バッ!!
ミカサ「……!」バッ!!
キース「私は貴様らに草刈りをしろと命じたはずだが……ブラウス訓練兵、その袋はなんだ?」
サシャ「イナゴです! 佃煮にしようと思って十数匹ほど捕獲しました!」バッ!!
キース「……ブラウス訓練兵」
サシャ「はっ! なんでしょうか!」
キース「……できあがったら持ってくるように」
ユミル「!?」
サシャ「はっ! 了解しました!」
ユミル「……お前長生きしそうだな」
サシャ「なんですか、突然」キョトン
キース(……酒のツマミにしよう)ホクホク

13 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:40:29 ID:QRdnkGNU
ーー 数日後 消灯時間前 男子寮
ベルトルト「……よし、鍵は確認したよ。これで誰も入ってこられない」
アルミン「それで、僕たちに相談って何? ライナー」
エレン「ああ、俺たちにできることならなんでも協力するぜ!」
ライナー「ありがとうな、三人とも」
アルミン(あのライナーが相談なんて珍しいな。どうしたんだろう……)ドキドキ
エレン(ライナーにはいつも頼ってばっかりだからな、役に立てて嬉しいぜ!)メラメラ
ベルトルト(この二人にも相談って、いったい何かな……?)ソワソワ
ライナー「お前らに……いや、同室のお前らだからこそ、相談したいことがあってな」
ライナー「……俺ってそんなに匂うか?」

14 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:41:09 ID:QRdnkGNU
エレン「? 匂いって体臭のことでいいんだよな?」
ライナー「ああ」
アルミン「変な比喩とかじゃないよね?」
ライナー「ああ」
ベルトルト「……それが相談?」
ライナー「ああ、その通りだ」
アルミン「……」チラッ
エレン「……」チラッ
ベルトルト「……」チラッ
アルミン「……集合」クイッ
エレン「おう」
ベルトルト「うん」

15 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:42:05 ID:QRdnkGNU
※ 以下、部屋の隅に集まった三人の手信号による会話
アルミン(全員、内容は理解できたか?)クルッ
エレン(肯定)コクコク
ベルトルト(状況は深刻。早急に解決しなければならない)スッスッ
アルミン(いや、これはデリケートな問題だからね。慎重に進めて行こう)ブンブン
エレン(援護)クルクル
アルミン(エレン。手信号覚えてないなら肯定か否定だけでいいよ。内容はなんとなくわかるでしょ?)グルグル フリフリ
エレン(肯定。強い肯定)コクコクコクコク
アルミン(あと手信号は次の試験範囲だからね。ちゃんと復習しておくんだよ)ミョーンミョーン
エレン(マジかよ俺聞いてねえぞ)

16 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:42:41 ID:QRdnkGNU
ベルトルト(慎重にって、そんな悠長なこと言っていてもいいのかな)
アルミン(これは身体的な問題だよ。今すぐに解決はできない)
アルミン(ライナーだってそのことはわかってるはずだ。その上で僕たちに打ち明けた)
アルミン(まだ体が本調子じゃないから、そういうマイナスなことに目が行ってしまってる可能性もあるけど……それを抜きにしても、相当追いつめられていると見ていいだろう)
ベルトルト(だったら、尚更早くなんとかしてあげたほうがいいような気がするな)
アルミン(うん、そうだね。でも、散々悩んで憔悴しきったライナーを急かすような行動は、長期的に見たらよくないよ。逆に、更に追い込むような結果になるかもしれない)
アルミン(だからこの場は、ライナーに自信をつけさせてあげることが一番だと僕は思う。まずは一時的なフォローから。継続的なフォローは徐々にしていこう)
ベルトルト(……わかったよ。アルミンの指示に従おう)
エレン(賛成。強い賛成。アルミンは優秀。すごい)コクコクコクコクパチパチパチパチ
アルミン(じゃあ、そういうことでよろしくね。ーー全員配置に戻れ)クイッ

17 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:43:31 ID:QRdnkGNU
アルミン「えっとね、ライナー……その、汗臭いのは兵士の宿命だからさ、気にしても仕方ないと思うよ?」
ベルトルト「それに今は夏だからね、いくらか匂いがするのは仕方ない気がするな。うん」
エレン「そうだよな! 仕方ないよな! 暑いのは当たり前! 汗が出るのも当たり前だっ! 何もおかしいことなんかない!!」クワッ!!
ライナー「……あのな。エレン、アルミン、ベルトルト」
ライナー「お前ら三人がさっき何を話し合ってたのかは知らないが、頼む。正直にお前らの思ってることを話してくれ。下手な小細工はなしで、だ」
ベルトルト(!! ライナー、君は……僕たちの言葉も信じられないくらいに、追いつめられていたのか……!?)ブワッ
アルミン(こんな真剣に悩んでるライナーに……正直になんて、言えるもんか……っ!!)ブワッ
エレン(いくら俺でも『部屋の中だと全員の匂いが混ざり合っててよくわからん』なんて残酷なこと、言えるわけがねえ……っ!!)ギリッ...

18 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:44:16 ID:QRdnkGNU
アルミン「ひぐっ……ううっ、辛かったよね、ライナー……!」グスッ
エレン「もう、一人で悩んだりすんじゃねえぞ……っ!!」グスッ
ベルトルト「ああ……! 今度からはこうなる前に、なんでも……相談してくれ……っ!! 包み隠さずっ!!」グスッ
ライナー「お、おう……?」
ライナー(そうか……三人揃って泣くほど酷いのか? 生活習慣から見直すべきか)ウーン
アルミン「二人とも、ごめん……さっきの作戦はやっぱり変更だ。今は一刻も早くライナーの悩みを解決してあげようっ! 手遅れになる前にっ!!」ダンッ!!
エレン「おうっ! わかったぜ!」
ベルトルト「うんっ! 僕も全力を尽くすよ!!」
ライナー(いや待てよ、むしろ同じ部屋だから言いにくいのかもしれん……別の部屋の奴に聞いてみるか……)ウーンウーン

19 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:45:08 ID:QRdnkGNU
エレン「でも俺、正直言うと自分の匂いすら気にしたことねえからなー……大したアドバイスできねえぞ?」クンクン
ベルトルト「普段着も訓練服もそれなりのサイクルで洗濯できてるし、お風呂にも定期的に入れてるからね。僕もあまり気にしたことないな」
アルミン「みんな匂いにはあまり気は配らないよね……あ、でもこの前嗅いだ立体機動装置のベルトの匂いは凄まじかったよ」
ライナー「……どうだった?」
アルミン「この世の終わりのような匂いがしたよ」ウフフ
エレン「割と清潔にしているアルミンでも、そんな匂いがするのか……」ゾクッ
アルミン「革に染みついた汗の匂いはもはや兵器だからね」

20 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:45:55 ID:QRdnkGNU
アルミン「体臭の原因は汗と脂と垢だから、こまめに取り除くのが一番手っ取り早い方法かな。今の時期なら汗を掻いたらきちんと拭き取るとか、お風呂に入った時にちゃんと汗を洗い流すとか」
ライナー「ふむふむ、なるほどな……」カキカキ
エレン(……メモるほど悩んでんのか)
ベルトルト「でも、いくら夜にお風呂に入っても、朝になったら寝汗で台無しになっちゃうよね。特に今の時期は」
エレン「だよなぁ。せめて夜だけでも涼しく寝られればいいんだけどなー」
アルミン「……涼しく寝たいの?」
エレン「」ダッ


21 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:46:40 ID:QRdnkGNU
ライナー「……今日は俺の後ろか? エレン」
ベルトルト(僕じゃなくてよかった……)ホッ
アルミン「……なんだ、エレンったら。そういうことなら早く言ってくれればよかったのに」ニコッ
エレン「ひっ……!」ガタガタガタガタ
ライナー「こらこら、アルミンも笑顔で迫るんじゃない。嫌がってるのが見えないのか?」
アルミン「じゃあ軽めの話にするよ。この兵舎にまつわる七不思議なんてどうかな?」ワクワク
エレン「嫌だ!! いつもの怖い話より身近すぎて嫌だ!!」クワッ!!
アルミン「大丈夫だよエレン。七不思議って言ってもね、この男子寮で確認できるのは三つだけだよ?」ニコッ

22 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/25(木) 18:47:19 ID:QRdnkGNU
アルミン「誰もいないトイレから聞こえる謎の声……、魔の十三階段……っ、天井からぶら下がる黒髪の女……っ!!」
アルミン「……」
アルミン「……ウズウズしてきた」ダッシュ
ライナー「待てアルミン」ガシッ
アルミン「放してくれライナー! 男には、やらなきゃいけない時がある……今がそうだ!」クワッ!
ライナー「消灯時間直前だぞ? 室長として行かせるわけにはいかん」グイグイ
アルミン「ライナーのケチ! わからずや!!」ジタバタジタバタ
ベルトルト「ケチは関係ないんじゃないかな……」

ショートストーリーの人気記事

神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」

神様の秘密とは?神様が叶えたかったこととは?笑いあり、涙ありの神ss。日常系アニメが好きな方におすすめ!

女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」

キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」

魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」

男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」

同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」

妹「マニュアルで恋します!」

きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」

月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」

彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」