サシャ「味も匂いもたまりません!」
Part1
1 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 18:57:25 ID:wXp.VD8E
・1『サシャ「キスの味、私に教えてください」』(過去ログ倉庫行き)
2『サシャ「この味は、ウソをついてる味ですね」』(過去ログ倉庫行き)
3『サシャ「二人だけの、秘密の味です」』
4『サシャ「とくと味あわせてあげましょう!」』
5『サシャ「同じ味を、知りたいですから」』
6『サシャ「味気なくなんかないですよ?」』
7『サシャ「……興味ないです」』の続きです
・たぶんネタバレなし。今回は過去最長。いつも通りのご都合主義&展開です
・ちょこっとだけ中の人ネタあり
2 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 18:58:22 ID:wXp.VD8E
ーー 深夜 女子寮 ユミルたちの部屋
クリスタ「……zzz」スヤスヤ
ユミル「……zzz」スースー
サシャ「……」ジーッ
サシャ(月明かりだけで勉強するのはちょっと限界がありますね……)メモトゴシゴシ
サシャ(今日はこの辺にして、そろそろ寝ましょう……よいしょっと)ゴロン
ミカサ「……」
サシャ「……」
3 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 18:59:08 ID:wXp.VD8E
サシャ「……ミカサ、どうして私のベッドの中にいるんですか?」
ミカサ「サシャ、サシャ。私と遊ぼう」クイクイ
サシャ「い、今からですか?」
ミカサ「うん」コクコク
サシャ「もう、今日のミカサは甘えん坊さんですね……いいですよ、何しますか?」クスッ
ミカサ「アルミンの本棚から本を一冊借りてきた。ので、一緒に見よう」ゴソゴソ
サシャ(? 暗くてよく見えませんね……)ジーッ
ミカサ「アルレルト書院秘蔵の本らしい。よくわからないけれど」
つ 『海辺のプリンセス 百選』
4 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 18:59:42 ID:wXp.VD8E
サシャ「う、うみ……? ってなんですか?」
ミカサ「壁外にある、大きな塩辛い湖のことらしい」
サシャ「しょっぱいなら飲んでもおいしくなさそうですね」キッパリ
ミカサ「詳しいことは今度アルミンに聞いてみる。この本を返す時にでも」
サシャ「というか、これは絵本ですかね……? 随分本物っぽい絵ですけど……」パラッ
サシャ「……」
サシャ「……///」カァッ
サシャ「……あの、ミカサ」
ミカサ「何?」
サシャ「な、なんで女の人みんな下着姿なんですか……?///」ドキドキ
ミカサ「さあ? よくわからない」キョトン
サシャ「これを……読むんですか……?///」ドキドキ
ミカサ「うん。二人で読もう」
5 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:00:25 ID:wXp.VD8E
サシャ(えっと……アルレルト書院ってことは、アルミンの本なんですかね……?)パラパラ
サシャ(暗くてよく見えなくて、よかったかも……)パラッ
サシャ「……なんでこの女の人は身体に氷菓子を盛ってるんですか? もったいない」チッ
ミカサ「よくわからない」
サシャ「しかも、みんな胸に大きい果物二つもつけてますね。重くないんでしょうか?」
ミカサ「よくわからない」
サシャ「……あ、これおいしそうですね」ジュルリ
ミカサ「これはわかる。確か……果物の一種。市場で一度だけ見たことがある」
サシャ「へえ、食べてみたいですねー……ーーそうだ!」ポン
6 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:01:04 ID:wXp.VD8E
ーー 数日後 男子寮 エレンたちの部屋
エレン「うあー、あっつー……風呂入ったばかりなのに……」ゴローン
ベルトルト「もう汗だくだよね……このまま寝るのはなぁ……」グデーン
アルミン「うーん……どこ行ったのかなー……」ゴソゴソ
ライナー「どうしたアルミン? 何か探し物か?」ダラーン
アルミン「うん、本が一冊見当たらなくて……」ゴソゴソ
エレン「探すの手伝うかー?」ゴロゴロ
アルミン「ううん、大丈夫……うーん、おかしいなぁ……」ゴソゴソ
ベルトルト「アルミンが物をなくすなんて珍しいね。何の本?」
アルミン「『海辺のプリンセス 百選』の初版本だよ」ゴソゴソ
7 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:01:46 ID:wXp.VD8E
ライナー「…………あれか。タイトルの割に中身がしっかりしてたな」
ベルトルト「…………あれね。袋とじの女体盛りがなかなかだったね」
アルミン「うん、あれだよ。……ふぅ、やっぱりダメだ。見当たらないや」ガックリ
エレン「アルミン、顔汗だくだぞ? ……ほらタオル」ポーイ
アルミン「わっ……ありがとう、エレン」フキフキ
エレン「おう、気にすんなよ。……しっかし、こう暑いと眠れねえよ……なんとか涼しくなんねーかなぁ」ウーン
アルミン「!! じゃあ僕が涼しげな話をしてあげる!」キラキラキラキラ
エレン「」ダッ
8 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:02:22 ID:wXp.VD8E
ライナー「……なんでベルトルトの陰に隠れてるんだ、エレン」
エレン「アルミンの怖い話はマジで怖いんだよ……!」ガタガタガタガタ
アルミン「やだなぁ、怖い話じゃなくて涼しげな怪談だってば。怪談」ハハハ
ベルトルト「エレンが本気で怯えてる……」
ライナー「怖いってどれくらいだ?」
エレン「夜中トイレに一人で行けなくなるくらいだ……!」クワッ!
ライナー「……子どもかお前は」
エレン「ライナーは聞いたことねえからそんな風に言えるんだよっ……!!」ジワッ
ベルトルト(泣いちゃってるよ……)ウワァ
9 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:03:06 ID:wXp.VD8E
エレン「そうじゃなくてだな……なんかこう、スッキリっていうかサッパリしたいんだよ、俺は!!」ギュゥッ
ライナー「語彙力が残念な回答だな」
ベルトルト「もう少し具体的なイメージはないの? ……あとエレン、シャツが伸びるから放してくれるかな」
エレン「イメージ……イメージか……」グヌヌ
ベルトルト「エレン? 聞いてる?」
アルミン「ーーそうだ、川に涼みに行くってのはどうかな!」ポン
エレン「それだ!」ビリィッ
ベルトルト「」
ベルトルト(僕のシャツ……)シクシク
10 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:03:44 ID:wXp.VD8E
ライナー「川? この辺りに川なんてあったか?」
アルミン「うん。立体機動の訓練場のかなり端の方だけどね。この前エレンとミカサの三人で見つけたんだ」
エレン「細い川だったけどな、水遊びくらいならできると思うぜ!」キラキラキラキラ
ミカサ「ーーそれなら私にいい考えがある」スタッ
ライナー「……天井から降ってきてももう突っ込まんぞ、ミカサ」
ミカサ「受け入れてもらえるのは嬉しいけれど、それはそれで寂しい」ニンニン
11 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:04:34 ID:wXp.VD8E
ミカサ「実は、今度の休日にその川で遊ぶ計画がある。でも、今の人数だと厳しい。……胃が」
ベルトルト「伊賀?」ニンニン
ライナー「ベルトルト、乗っかるな」
ミカサ「だから、男子も誘いたい。人数は多くなっても構わないから」
アルミン「男子……ってことはそっちは全員女子ってことだよね? 今の人数は?」
ミカサ「女子が六人。私とアニ、ミーナ、ユミル、クリスタ、サシャ」ユビオリ
ライナー「いつもの面子か。……俺たち四人が加わったら十人だぞ? 大丈夫か?」
ミカサ「もう少し多くても平気だと思う。二玉あるらしいから」
エレン「玉って……何を用意するつもりだよ」
ミカサ「ないしょ」シーッ
ベルトルト「……なら、ジャンたちも誘っていいかな?」
12 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:05:24 ID:wXp.VD8E
ライナー「! ベルトルト、お前……」
ベルトルト「みんなが嫌ならやめるけど……どう?」
エレン「ジャンたち……ってことは、マルコとコニーもか。俺はいいぜ?」
アルミン「うん、男女比も近くなるしいいんじゃないかな。どうかなミカサ?」
ミカサ「私は構わない。ライナーは?」
ライナー「ああ、俺もいいが……」
エレン「けど意外だなー、いつの間にジャンたちとそんなに仲良くなったんだ?」
ベルトルト「最近よく話すようになってさ」アハハ
ライナー(ああ、妹萌えの話かぁ……)アタマカカエ
ライナー(親近感の方向が間違ってるのを、正してやるべきなんだろうか……?)ウーン
13 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:06:14 ID:wXp.VD8E
アルミン「じゃあ、集まる日は次の休みの日ってことでいいのかな?」
ミカサ「色々準備があるので、午後からにしてほしい。男子のほうの参加者は、私から女子のみんなに伝えておく」ゴソゴソ
ミカサ「というわけでアルミン。これは返そう」スッ
つ 『海辺のプリンセス 百選』
アルミン「」
ライナー「」
ベルトルト「」
エレン「おっ、なくなってた本じゃん。よかったなーアルミン見つかって」
14 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:07:02 ID:wXp.VD8E
アルミン「み、ミカサ……これはどこから……?」オロオロ
ミカサ「この前エレンの下着を回収しに来た時に見つけた。床に落ちたままだと汚れるので、そのまま持って帰った」
アルミン「できればそのまま本棚に戻してほしかったけど……まあ、無事ならいいや」ハハハ
ミカサ「この前は早く寮に戻らないといけなかった。ので……次は気をつける。ごめんなさい」シュン
アルミン「ううん、いいよ。ところでこの本は他の人には見せてないよね?」
ミカサ「見せた」
アルミン「」
ライナー「」
ベルトルト「」
15 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:07:36 ID:wXp.VD8E
アルミン「何してるんだよミカサぁっ!」バンッ
ライナー「見せたって誰にだ、ユミルか? ミーナか!?」ズイッ
ベルトルト「アニやクリスタには見せてないよね!?」ズイッ
ミカサ「その四人には見せていない。サシャと見た」
ライナー「」
ミカサ「あと、アルレルト書院とも言った」
アルミン「」
16 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:08:23 ID:wXp.VD8E
アルミン「うぅ……ひどいよミカサ……」シクシク
ライナー「ちなみに、サシャはなんて……?」
ミカサ「……ないしょ。本人に直接聞くといい」シーッ
ライナー「ぐっ……」ギリッ
ミカサ「ところでアルミン、海のことを詳しく教えてほしい。サシャに教えたい」
アルミン「この流れでよく言えるね!?」
エレン「? そんなに面白い本なのか? アルミン、今度俺にも貸してくれよ」
ベルトルト「エレン。あの本はね……エロ本だよ」
エレン「…………アルミン、俺それ借りたことない」
アルミン「後でね……」シクシクシクシク
17 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:09:21 ID:wXp.VD8E
ーー 数日後 兵舎廊下
サシャ「おっひるーおっひるーひっるごっはんー♪」テクテク
サシャ「きょーうのスープはなーんだーろなー♪」テクテク
ライナー「……なんだその歌は」
サシャ「あ。……ライナー、こんにちは!」ニコニコ
ライナー「おう。……今度の休日、みんなで遊びに行く話は聞いてるんだよな?」
サシャ「はい、楽しみですよねっ!」ワクワク
ライナー「……意外だな。食い物が絡まない行事には、興味がないと思っていたんだが」
サシャ「うっ……実はその通りというかなんというか……」モゴモゴ
ライナー「……ミカサと二人で何か企んでるのか?」
サシャ「それは秘密です! 当日楽しみにしていてくださいね?」シーッ
18 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:10:13 ID:wXp.VD8E
ーー 休日 昼過ぎ 教官室
アルミン(なんで今日に限って……)チラッ
ジャン(よりにもよって……)チラッ
キース「上位者総出で、立体機動の自主訓練か……ふむ」ジロッ
アルミン「」ビクッ
ジャン「」ビクッ
キース「……立体機動装置に水は入れるなよ」ボソッ
アルミン・ジャン「!!」
キース「……返事はどうした」
アルミン・ジャン「はっ! 了解しました!」バッ
19 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:11:00 ID:wXp.VD8E
\ガチャッ...バタン/
アルミン「……バレてたね」
ジャン「だな。わかってて見逃してくれたってことか」
アルミン「……楽しい日にしようね、ジャン」
ジャン「……そうだな。せっかくの機会だしな」
アルミン「僕らも追いかけようか。もうみんな先に行ってるんだよね?」
ジャン「ああ。まあライナーとマルコがいるんだから大丈夫だろ」
20 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:11:44 ID:wXp.VD8E
ーー 昼過ぎ 立体機動訓練場
コニー「あーあっぢぃ! 焼ける!! 頭焦げる!!」ジリジリ
マルコ「早く機動装置外したいな……表面も結構な高温だ」ジリジリ
ベルトルト「建前上、着けてこないわけにはいかないからね……」ジリジリ
ライナー「エレン! あとどのくらいだー?」
エレン「もうちょいだ! 林を抜けてからちょっと歩くけどなー」
ライナー「なら、林を抜ける少し前で降りてくれ! 立体機動装置は林の中に置いていく!」
コニー「あぁ? 川まで着けていかねーのか?」
マルコ「装置の中に水が入ったら面倒だからね、外していったほうがいいと思うよ」
ベルトルト「林の中なら日陰も多いし、高温にもならないだろうしね」
エレン「わかった……っと、よーしこの辺だ! 降りるぞー!」パシュッ
21 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:12:33 ID:wXp.VD8E
ーー 昼過ぎ 立体機動訓練場の端 とある細い川
コニー「うおおおお……っ!」ワクワクワクワク
エレン「すげーだろ? な? な?」ワクワクワクワク
マルコ「思ったより澄んでるね。さすがに飲んだりするのは無理そうだけど」
ベルトルト「うん。川底まで見える……すごいな」
コニー「よし、入ろう入ろう今すぐ入ろう!!」ウズウズウズウズ
ライナー「待て待てお前ら、靴脱いでから入れよ? 帰りのことも考えろ」
コニー「わかってるよ!」ポーイ
エレン「俺一番!」バシャッ
コニー「あっ、ずりぃぞエレン!」バシャッ
22 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:13:26 ID:wXp.VD8E
アルミン「ただいま、男子全員分の届け出してきたよ」
ジャン「……ミカサたちはまだ来てねえのか?」キョロキョロ
マルコ「うん、まだ僕たちだけだよ」
ライナー「時間と場所はあってるんだよな?」
アルミン「そのはずだけど……おかしいなぁ、エレンもいるのにミカサが遅刻するわけないんだけど」ウーン
ジャン「どうせその辺で道草食ってんだろ。先に涼んでようぜ」ポーイ
23 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:14:11 ID:wXp.VD8E
コニー「……エレン」ヒソヒソ
エレン「……ああ、ライナーたちは俺に任せろ」ヒソヒソ
ジャン「へー、足つけるだけで結構違うもんだな」バシャッ
コニー「……おらぁっ!」トビゲリッ
ジャン「」バッシャーン!!
ジャン「痛ぇなこの馬鹿、シャツまで濡れちまったじゃねえか何しやがる!」バシャッ
コニー「そんなもん後から乾くだろ! んなちっせぇこと気にしてんじゃねぇよ!」バシャバシャ
ジャン「チビはてめぇだろうが馬鹿!」バシャバシャ
コニー「俺は背は小さくても器がでかいんだよ!!」バシャバシャ
24 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:15:02 ID:wXp.VD8E
ライナー「おい、あまりハメを外すなーーぅわっ!」バッシャーン!!
エレン「よおライナー、背中ががら空きだったぜ?」ニヤニヤ
ライナー「……やったな?」ニヤッ
ベルトルト「二人とも、あまりやりすぎるのはーー」
ライナー「よーしベルトルト、お前も来い!!」グイッ
ベルトルト「ちょっ、なんで僕までーーってうわっ!?」バッシャーン!!
マルコ「……止める?」チャプチャプ
アルミン「楽しそうだからいいんじゃないかな。女子は僕たちで待ってようよ」チャプチャプ
マルコ「……気持ちいいね、足つけてるだけなのに」ホンワカ
アルミン「だよね」ホンワカ
25 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:15:42 ID:wXp.VD8E
ユミル「……おーおー、先におっぱじめてんなぁ」スタスタ
クリスタ「わあ……きれいな川……!」キラキラキラキラ
マルコ「やあ、遅かったね」
ユミル「ミカサの説明が下手すぎんだよ。あいつ本当に頭いいのか?」
アルミン「あれ? 一緒に来たんじゃないの?」キョロキョロ
ミーナ「ミカサなら朝から出かけてるよ?」
アニ「サシャも一緒にね」
アルミン「二人で……? 一体どこに行ったんだろう」
・1『サシャ「キスの味、私に教えてください」』(過去ログ倉庫行き)
2『サシャ「この味は、ウソをついてる味ですね」』(過去ログ倉庫行き)
3『サシャ「二人だけの、秘密の味です」』
4『サシャ「とくと味あわせてあげましょう!」』
5『サシャ「同じ味を、知りたいですから」』
6『サシャ「味気なくなんかないですよ?」』
7『サシャ「……興味ないです」』の続きです
・たぶんネタバレなし。今回は過去最長。いつも通りのご都合主義&展開です
・ちょこっとだけ中の人ネタあり
2 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 18:58:22 ID:wXp.VD8E
ーー 深夜 女子寮 ユミルたちの部屋
クリスタ「……zzz」スヤスヤ
ユミル「……zzz」スースー
サシャ「……」ジーッ
サシャ(月明かりだけで勉強するのはちょっと限界がありますね……)メモトゴシゴシ
サシャ(今日はこの辺にして、そろそろ寝ましょう……よいしょっと)ゴロン
ミカサ「……」
サシャ「……」
3 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 18:59:08 ID:wXp.VD8E
サシャ「……ミカサ、どうして私のベッドの中にいるんですか?」
ミカサ「サシャ、サシャ。私と遊ぼう」クイクイ
サシャ「い、今からですか?」
ミカサ「うん」コクコク
サシャ「もう、今日のミカサは甘えん坊さんですね……いいですよ、何しますか?」クスッ
ミカサ「アルミンの本棚から本を一冊借りてきた。ので、一緒に見よう」ゴソゴソ
サシャ(? 暗くてよく見えませんね……)ジーッ
ミカサ「アルレルト書院秘蔵の本らしい。よくわからないけれど」
つ 『海辺のプリンセス 百選』
4 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 18:59:42 ID:wXp.VD8E
サシャ「う、うみ……? ってなんですか?」
ミカサ「壁外にある、大きな塩辛い湖のことらしい」
サシャ「しょっぱいなら飲んでもおいしくなさそうですね」キッパリ
ミカサ「詳しいことは今度アルミンに聞いてみる。この本を返す時にでも」
サシャ「というか、これは絵本ですかね……? 随分本物っぽい絵ですけど……」パラッ
サシャ「……」
サシャ「……///」カァッ
サシャ「……あの、ミカサ」
ミカサ「何?」
サシャ「な、なんで女の人みんな下着姿なんですか……?///」ドキドキ
ミカサ「さあ? よくわからない」キョトン
サシャ「これを……読むんですか……?///」ドキドキ
ミカサ「うん。二人で読もう」
5 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:00:25 ID:wXp.VD8E
サシャ(えっと……アルレルト書院ってことは、アルミンの本なんですかね……?)パラパラ
サシャ(暗くてよく見えなくて、よかったかも……)パラッ
サシャ「……なんでこの女の人は身体に氷菓子を盛ってるんですか? もったいない」チッ
ミカサ「よくわからない」
サシャ「しかも、みんな胸に大きい果物二つもつけてますね。重くないんでしょうか?」
ミカサ「よくわからない」
サシャ「……あ、これおいしそうですね」ジュルリ
ミカサ「これはわかる。確か……果物の一種。市場で一度だけ見たことがある」
サシャ「へえ、食べてみたいですねー……ーーそうだ!」ポン
ーー 数日後 男子寮 エレンたちの部屋
エレン「うあー、あっつー……風呂入ったばかりなのに……」ゴローン
ベルトルト「もう汗だくだよね……このまま寝るのはなぁ……」グデーン
アルミン「うーん……どこ行ったのかなー……」ゴソゴソ
ライナー「どうしたアルミン? 何か探し物か?」ダラーン
アルミン「うん、本が一冊見当たらなくて……」ゴソゴソ
エレン「探すの手伝うかー?」ゴロゴロ
アルミン「ううん、大丈夫……うーん、おかしいなぁ……」ゴソゴソ
ベルトルト「アルミンが物をなくすなんて珍しいね。何の本?」
アルミン「『海辺のプリンセス 百選』の初版本だよ」ゴソゴソ
7 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:01:46 ID:wXp.VD8E
ライナー「…………あれか。タイトルの割に中身がしっかりしてたな」
ベルトルト「…………あれね。袋とじの女体盛りがなかなかだったね」
アルミン「うん、あれだよ。……ふぅ、やっぱりダメだ。見当たらないや」ガックリ
エレン「アルミン、顔汗だくだぞ? ……ほらタオル」ポーイ
アルミン「わっ……ありがとう、エレン」フキフキ
エレン「おう、気にすんなよ。……しっかし、こう暑いと眠れねえよ……なんとか涼しくなんねーかなぁ」ウーン
アルミン「!! じゃあ僕が涼しげな話をしてあげる!」キラキラキラキラ
エレン「」ダッ
8 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:02:22 ID:wXp.VD8E
ライナー「……なんでベルトルトの陰に隠れてるんだ、エレン」
エレン「アルミンの怖い話はマジで怖いんだよ……!」ガタガタガタガタ
アルミン「やだなぁ、怖い話じゃなくて涼しげな怪談だってば。怪談」ハハハ
ベルトルト「エレンが本気で怯えてる……」
ライナー「怖いってどれくらいだ?」
エレン「夜中トイレに一人で行けなくなるくらいだ……!」クワッ!
ライナー「……子どもかお前は」
エレン「ライナーは聞いたことねえからそんな風に言えるんだよっ……!!」ジワッ
ベルトルト(泣いちゃってるよ……)ウワァ
9 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:03:06 ID:wXp.VD8E
エレン「そうじゃなくてだな……なんかこう、スッキリっていうかサッパリしたいんだよ、俺は!!」ギュゥッ
ライナー「語彙力が残念な回答だな」
ベルトルト「もう少し具体的なイメージはないの? ……あとエレン、シャツが伸びるから放してくれるかな」
エレン「イメージ……イメージか……」グヌヌ
ベルトルト「エレン? 聞いてる?」
アルミン「ーーそうだ、川に涼みに行くってのはどうかな!」ポン
エレン「それだ!」ビリィッ
ベルトルト「」
ベルトルト(僕のシャツ……)シクシク
10 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:03:44 ID:wXp.VD8E
ライナー「川? この辺りに川なんてあったか?」
アルミン「うん。立体機動の訓練場のかなり端の方だけどね。この前エレンとミカサの三人で見つけたんだ」
エレン「細い川だったけどな、水遊びくらいならできると思うぜ!」キラキラキラキラ
ミカサ「ーーそれなら私にいい考えがある」スタッ
ライナー「……天井から降ってきてももう突っ込まんぞ、ミカサ」
ミカサ「受け入れてもらえるのは嬉しいけれど、それはそれで寂しい」ニンニン
11 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:04:34 ID:wXp.VD8E
ミカサ「実は、今度の休日にその川で遊ぶ計画がある。でも、今の人数だと厳しい。……胃が」
ベルトルト「伊賀?」ニンニン
ライナー「ベルトルト、乗っかるな」
ミカサ「だから、男子も誘いたい。人数は多くなっても構わないから」
アルミン「男子……ってことはそっちは全員女子ってことだよね? 今の人数は?」
ミカサ「女子が六人。私とアニ、ミーナ、ユミル、クリスタ、サシャ」ユビオリ
ライナー「いつもの面子か。……俺たち四人が加わったら十人だぞ? 大丈夫か?」
ミカサ「もう少し多くても平気だと思う。二玉あるらしいから」
エレン「玉って……何を用意するつもりだよ」
ミカサ「ないしょ」シーッ
ベルトルト「……なら、ジャンたちも誘っていいかな?」
12 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:05:24 ID:wXp.VD8E
ライナー「! ベルトルト、お前……」
ベルトルト「みんなが嫌ならやめるけど……どう?」
エレン「ジャンたち……ってことは、マルコとコニーもか。俺はいいぜ?」
アルミン「うん、男女比も近くなるしいいんじゃないかな。どうかなミカサ?」
ミカサ「私は構わない。ライナーは?」
ライナー「ああ、俺もいいが……」
エレン「けど意外だなー、いつの間にジャンたちとそんなに仲良くなったんだ?」
ベルトルト「最近よく話すようになってさ」アハハ
ライナー(ああ、妹萌えの話かぁ……)アタマカカエ
ライナー(親近感の方向が間違ってるのを、正してやるべきなんだろうか……?)ウーン
13 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:06:14 ID:wXp.VD8E
アルミン「じゃあ、集まる日は次の休みの日ってことでいいのかな?」
ミカサ「色々準備があるので、午後からにしてほしい。男子のほうの参加者は、私から女子のみんなに伝えておく」ゴソゴソ
ミカサ「というわけでアルミン。これは返そう」スッ
つ 『海辺のプリンセス 百選』
アルミン「」
ライナー「」
ベルトルト「」
エレン「おっ、なくなってた本じゃん。よかったなーアルミン見つかって」
14 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:07:02 ID:wXp.VD8E
アルミン「み、ミカサ……これはどこから……?」オロオロ
ミカサ「この前エレンの下着を回収しに来た時に見つけた。床に落ちたままだと汚れるので、そのまま持って帰った」
アルミン「できればそのまま本棚に戻してほしかったけど……まあ、無事ならいいや」ハハハ
ミカサ「この前は早く寮に戻らないといけなかった。ので……次は気をつける。ごめんなさい」シュン
アルミン「ううん、いいよ。ところでこの本は他の人には見せてないよね?」
ミカサ「見せた」
アルミン「」
ライナー「」
ベルトルト「」
15 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:07:36 ID:wXp.VD8E
アルミン「何してるんだよミカサぁっ!」バンッ
ライナー「見せたって誰にだ、ユミルか? ミーナか!?」ズイッ
ベルトルト「アニやクリスタには見せてないよね!?」ズイッ
ミカサ「その四人には見せていない。サシャと見た」
ライナー「」
ミカサ「あと、アルレルト書院とも言った」
アルミン「」
16 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:08:23 ID:wXp.VD8E
アルミン「うぅ……ひどいよミカサ……」シクシク
ライナー「ちなみに、サシャはなんて……?」
ミカサ「……ないしょ。本人に直接聞くといい」シーッ
ライナー「ぐっ……」ギリッ
ミカサ「ところでアルミン、海のことを詳しく教えてほしい。サシャに教えたい」
アルミン「この流れでよく言えるね!?」
エレン「? そんなに面白い本なのか? アルミン、今度俺にも貸してくれよ」
ベルトルト「エレン。あの本はね……エロ本だよ」
エレン「…………アルミン、俺それ借りたことない」
アルミン「後でね……」シクシクシクシク
17 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:09:21 ID:wXp.VD8E
ーー 数日後 兵舎廊下
サシャ「おっひるーおっひるーひっるごっはんー♪」テクテク
サシャ「きょーうのスープはなーんだーろなー♪」テクテク
ライナー「……なんだその歌は」
サシャ「あ。……ライナー、こんにちは!」ニコニコ
ライナー「おう。……今度の休日、みんなで遊びに行く話は聞いてるんだよな?」
サシャ「はい、楽しみですよねっ!」ワクワク
ライナー「……意外だな。食い物が絡まない行事には、興味がないと思っていたんだが」
サシャ「うっ……実はその通りというかなんというか……」モゴモゴ
ライナー「……ミカサと二人で何か企んでるのか?」
サシャ「それは秘密です! 当日楽しみにしていてくださいね?」シーッ
18 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:10:13 ID:wXp.VD8E
ーー 休日 昼過ぎ 教官室
アルミン(なんで今日に限って……)チラッ
ジャン(よりにもよって……)チラッ
キース「上位者総出で、立体機動の自主訓練か……ふむ」ジロッ
アルミン「」ビクッ
ジャン「」ビクッ
キース「……立体機動装置に水は入れるなよ」ボソッ
アルミン・ジャン「!!」
キース「……返事はどうした」
アルミン・ジャン「はっ! 了解しました!」バッ
19 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:11:00 ID:wXp.VD8E
\ガチャッ...バタン/
アルミン「……バレてたね」
ジャン「だな。わかってて見逃してくれたってことか」
アルミン「……楽しい日にしようね、ジャン」
ジャン「……そうだな。せっかくの機会だしな」
アルミン「僕らも追いかけようか。もうみんな先に行ってるんだよね?」
ジャン「ああ。まあライナーとマルコがいるんだから大丈夫だろ」
20 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:11:44 ID:wXp.VD8E
ーー 昼過ぎ 立体機動訓練場
コニー「あーあっぢぃ! 焼ける!! 頭焦げる!!」ジリジリ
マルコ「早く機動装置外したいな……表面も結構な高温だ」ジリジリ
ベルトルト「建前上、着けてこないわけにはいかないからね……」ジリジリ
ライナー「エレン! あとどのくらいだー?」
エレン「もうちょいだ! 林を抜けてからちょっと歩くけどなー」
ライナー「なら、林を抜ける少し前で降りてくれ! 立体機動装置は林の中に置いていく!」
コニー「あぁ? 川まで着けていかねーのか?」
マルコ「装置の中に水が入ったら面倒だからね、外していったほうがいいと思うよ」
ベルトルト「林の中なら日陰も多いし、高温にもならないだろうしね」
エレン「わかった……っと、よーしこの辺だ! 降りるぞー!」パシュッ
ーー 昼過ぎ 立体機動訓練場の端 とある細い川
コニー「うおおおお……っ!」ワクワクワクワク
エレン「すげーだろ? な? な?」ワクワクワクワク
マルコ「思ったより澄んでるね。さすがに飲んだりするのは無理そうだけど」
ベルトルト「うん。川底まで見える……すごいな」
コニー「よし、入ろう入ろう今すぐ入ろう!!」ウズウズウズウズ
ライナー「待て待てお前ら、靴脱いでから入れよ? 帰りのことも考えろ」
コニー「わかってるよ!」ポーイ
エレン「俺一番!」バシャッ
コニー「あっ、ずりぃぞエレン!」バシャッ
22 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:13:26 ID:wXp.VD8E
アルミン「ただいま、男子全員分の届け出してきたよ」
ジャン「……ミカサたちはまだ来てねえのか?」キョロキョロ
マルコ「うん、まだ僕たちだけだよ」
ライナー「時間と場所はあってるんだよな?」
アルミン「そのはずだけど……おかしいなぁ、エレンもいるのにミカサが遅刻するわけないんだけど」ウーン
ジャン「どうせその辺で道草食ってんだろ。先に涼んでようぜ」ポーイ
23 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:14:11 ID:wXp.VD8E
コニー「……エレン」ヒソヒソ
エレン「……ああ、ライナーたちは俺に任せろ」ヒソヒソ
ジャン「へー、足つけるだけで結構違うもんだな」バシャッ
コニー「……おらぁっ!」トビゲリッ
ジャン「」バッシャーン!!
ジャン「痛ぇなこの馬鹿、シャツまで濡れちまったじゃねえか何しやがる!」バシャッ
コニー「そんなもん後から乾くだろ! んなちっせぇこと気にしてんじゃねぇよ!」バシャバシャ
ジャン「チビはてめぇだろうが馬鹿!」バシャバシャ
コニー「俺は背は小さくても器がでかいんだよ!!」バシャバシャ
24 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:15:02 ID:wXp.VD8E
ライナー「おい、あまりハメを外すなーーぅわっ!」バッシャーン!!
エレン「よおライナー、背中ががら空きだったぜ?」ニヤニヤ
ライナー「……やったな?」ニヤッ
ベルトルト「二人とも、あまりやりすぎるのはーー」
ライナー「よーしベルトルト、お前も来い!!」グイッ
ベルトルト「ちょっ、なんで僕までーーってうわっ!?」バッシャーン!!
マルコ「……止める?」チャプチャプ
アルミン「楽しそうだからいいんじゃないかな。女子は僕たちで待ってようよ」チャプチャプ
マルコ「……気持ちいいね、足つけてるだけなのに」ホンワカ
アルミン「だよね」ホンワカ
25 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:15:42 ID:wXp.VD8E
ユミル「……おーおー、先におっぱじめてんなぁ」スタスタ
クリスタ「わあ……きれいな川……!」キラキラキラキラ
マルコ「やあ、遅かったね」
ユミル「ミカサの説明が下手すぎんだよ。あいつ本当に頭いいのか?」
アルミン「あれ? 一緒に来たんじゃないの?」キョロキョロ
ミーナ「ミカサなら朝から出かけてるよ?」
アニ「サシャも一緒にね」
アルミン「二人で……? 一体どこに行ったんだろう」
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