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サシャ「味も匂いもたまりません!」

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Part1
1 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 18:57:25 ID:wXp.VD8E
・1『サシャ「キスの味、私に教えてください」』(過去ログ倉庫行き)
 2『サシャ「この味は、ウソをついてる味ですね」』(過去ログ倉庫行き)
 3『サシャ「二人だけの、秘密の味です」』
 4『サシャ「とくと味あわせてあげましょう!」』
 5『サシャ「同じ味を、知りたいですから」』
 6『サシャ「味気なくなんかないですよ?」』
 7『サシャ「……興味ないです」』の続きです
・たぶんネタバレなし。今回は過去最長。いつも通りのご都合主義&展開です
・ちょこっとだけ中の人ネタあり

2 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 18:58:22 ID:wXp.VD8E
ーー 深夜 女子寮 ユミルたちの部屋
クリスタ「……zzz」スヤスヤ
ユミル「……zzz」スースー
サシャ「……」ジーッ
サシャ(月明かりだけで勉強するのはちょっと限界がありますね……)メモトゴシゴシ
サシャ(今日はこの辺にして、そろそろ寝ましょう……よいしょっと)ゴロン
ミカサ「……」
サシャ「……」

3 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 18:59:08 ID:wXp.VD8E
サシャ「……ミカサ、どうして私のベッドの中にいるんですか?」
ミカサ「サシャ、サシャ。私と遊ぼう」クイクイ
サシャ「い、今からですか?」
ミカサ「うん」コクコク
サシャ「もう、今日のミカサは甘えん坊さんですね……いいですよ、何しますか?」クスッ
ミカサ「アルミンの本棚から本を一冊借りてきた。ので、一緒に見よう」ゴソゴソ
サシャ(? 暗くてよく見えませんね……)ジーッ
ミカサ「アルレルト書院秘蔵の本らしい。よくわからないけれど」
   つ   『海辺のプリンセス 百選』

4 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 18:59:42 ID:wXp.VD8E
サシャ「う、うみ……? ってなんですか?」
ミカサ「壁外にある、大きな塩辛い湖のことらしい」
サシャ「しょっぱいなら飲んでもおいしくなさそうですね」キッパリ
ミカサ「詳しいことは今度アルミンに聞いてみる。この本を返す時にでも」
サシャ「というか、これは絵本ですかね……? 随分本物っぽい絵ですけど……」パラッ
サシャ「……」
サシャ「……///」カァッ
サシャ「……あの、ミカサ」
ミカサ「何?」
サシャ「な、なんで女の人みんな下着姿なんですか……?///」ドキドキ
ミカサ「さあ? よくわからない」キョトン
サシャ「これを……読むんですか……?///」ドキドキ
ミカサ「うん。二人で読もう」

5 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:00:25 ID:wXp.VD8E
サシャ(えっと……アルレルト書院ってことは、アルミンの本なんですかね……?)パラパラ
サシャ(暗くてよく見えなくて、よかったかも……)パラッ
サシャ「……なんでこの女の人は身体に氷菓子を盛ってるんですか? もったいない」チッ
ミカサ「よくわからない」
サシャ「しかも、みんな胸に大きい果物二つもつけてますね。重くないんでしょうか?」
ミカサ「よくわからない」
サシャ「……あ、これおいしそうですね」ジュルリ
ミカサ「これはわかる。確か……果物の一種。市場で一度だけ見たことがある」
サシャ「へえ、食べてみたいですねー……ーーそうだ!」ポン


6 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:01:04 ID:wXp.VD8E
ーー 数日後 男子寮 エレンたちの部屋
エレン「うあー、あっつー……風呂入ったばかりなのに……」ゴローン
ベルトルト「もう汗だくだよね……このまま寝るのはなぁ……」グデーン
アルミン「うーん……どこ行ったのかなー……」ゴソゴソ
ライナー「どうしたアルミン? 何か探し物か?」ダラーン
アルミン「うん、本が一冊見当たらなくて……」ゴソゴソ
エレン「探すの手伝うかー?」ゴロゴロ
アルミン「ううん、大丈夫……うーん、おかしいなぁ……」ゴソゴソ
ベルトルト「アルミンが物をなくすなんて珍しいね。何の本?」
アルミン「『海辺のプリンセス 百選』の初版本だよ」ゴソゴソ

7 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:01:46 ID:wXp.VD8E
ライナー「…………あれか。タイトルの割に中身がしっかりしてたな」
ベルトルト「…………あれね。袋とじの女体盛りがなかなかだったね」
アルミン「うん、あれだよ。……ふぅ、やっぱりダメだ。見当たらないや」ガックリ
エレン「アルミン、顔汗だくだぞ? ……ほらタオル」ポーイ
アルミン「わっ……ありがとう、エレン」フキフキ
エレン「おう、気にすんなよ。……しっかし、こう暑いと眠れねえよ……なんとか涼しくなんねーかなぁ」ウーン
アルミン「!! じゃあ僕が涼しげな話をしてあげる!」キラキラキラキラ
エレン「」ダッ

8 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:02:22 ID:wXp.VD8E
ライナー「……なんでベルトルトの陰に隠れてるんだ、エレン」
エレン「アルミンの怖い話はマジで怖いんだよ……!」ガタガタガタガタ
アルミン「やだなぁ、怖い話じゃなくて涼しげな怪談だってば。怪談」ハハハ
ベルトルト「エレンが本気で怯えてる……」
ライナー「怖いってどれくらいだ?」
エレン「夜中トイレに一人で行けなくなるくらいだ……!」クワッ!
ライナー「……子どもかお前は」
エレン「ライナーは聞いたことねえからそんな風に言えるんだよっ……!!」ジワッ
ベルトルト(泣いちゃってるよ……)ウワァ

9 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:03:06 ID:wXp.VD8E
エレン「そうじゃなくてだな……なんかこう、スッキリっていうかサッパリしたいんだよ、俺は!!」ギュゥッ
ライナー「語彙力が残念な回答だな」
ベルトルト「もう少し具体的なイメージはないの? ……あとエレン、シャツが伸びるから放してくれるかな」
エレン「イメージ……イメージか……」グヌヌ
ベルトルト「エレン? 聞いてる?」
アルミン「ーーそうだ、川に涼みに行くってのはどうかな!」ポン
エレン「それだ!」ビリィッ
ベルトルト「」
ベルトルト(僕のシャツ……)シクシク

10 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:03:44 ID:wXp.VD8E
ライナー「川? この辺りに川なんてあったか?」
アルミン「うん。立体機動の訓練場のかなり端の方だけどね。この前エレンとミカサの三人で見つけたんだ」
エレン「細い川だったけどな、水遊びくらいならできると思うぜ!」キラキラキラキラ
ミカサ「ーーそれなら私にいい考えがある」スタッ
ライナー「……天井から降ってきてももう突っ込まんぞ、ミカサ」
ミカサ「受け入れてもらえるのは嬉しいけれど、それはそれで寂しい」ニンニン

11 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:04:34 ID:wXp.VD8E
ミカサ「実は、今度の休日にその川で遊ぶ計画がある。でも、今の人数だと厳しい。……胃が」
ベルトルト「伊賀?」ニンニン
ライナー「ベルトルト、乗っかるな」
ミカサ「だから、男子も誘いたい。人数は多くなっても構わないから」
アルミン「男子……ってことはそっちは全員女子ってことだよね? 今の人数は?」
ミカサ「女子が六人。私とアニ、ミーナ、ユミル、クリスタ、サシャ」ユビオリ
ライナー「いつもの面子か。……俺たち四人が加わったら十人だぞ? 大丈夫か?」
ミカサ「もう少し多くても平気だと思う。二玉あるらしいから」
エレン「玉って……何を用意するつもりだよ」
ミカサ「ないしょ」シーッ
ベルトルト「……なら、ジャンたちも誘っていいかな?」

12 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:05:24 ID:wXp.VD8E
ライナー「! ベルトルト、お前……」
ベルトルト「みんなが嫌ならやめるけど……どう?」
エレン「ジャンたち……ってことは、マルコとコニーもか。俺はいいぜ?」
アルミン「うん、男女比も近くなるしいいんじゃないかな。どうかなミカサ?」
ミカサ「私は構わない。ライナーは?」
ライナー「ああ、俺もいいが……」
エレン「けど意外だなー、いつの間にジャンたちとそんなに仲良くなったんだ?」
ベルトルト「最近よく話すようになってさ」アハハ
ライナー(ああ、妹萌えの話かぁ……)アタマカカエ
ライナー(親近感の方向が間違ってるのを、正してやるべきなんだろうか……?)ウーン

13 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:06:14 ID:wXp.VD8E
アルミン「じゃあ、集まる日は次の休みの日ってことでいいのかな?」
ミカサ「色々準備があるので、午後からにしてほしい。男子のほうの参加者は、私から女子のみんなに伝えておく」ゴソゴソ
ミカサ「というわけでアルミン。これは返そう」スッ
   つ   『海辺のプリンセス 百選』
アルミン「」
ライナー「」
ベルトルト「」
エレン「おっ、なくなってた本じゃん。よかったなーアルミン見つかって」

14 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:07:02 ID:wXp.VD8E
アルミン「み、ミカサ……これはどこから……?」オロオロ
ミカサ「この前エレンの下着を回収しに来た時に見つけた。床に落ちたままだと汚れるので、そのまま持って帰った」
アルミン「できればそのまま本棚に戻してほしかったけど……まあ、無事ならいいや」ハハハ
ミカサ「この前は早く寮に戻らないといけなかった。ので……次は気をつける。ごめんなさい」シュン
アルミン「ううん、いいよ。ところでこの本は他の人には見せてないよね?」
ミカサ「見せた」
アルミン「」
ライナー「」
ベルトルト「」

15 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:07:36 ID:wXp.VD8E
アルミン「何してるんだよミカサぁっ!」バンッ
ライナー「見せたって誰にだ、ユミルか? ミーナか!?」ズイッ
ベルトルト「アニやクリスタには見せてないよね!?」ズイッ
ミカサ「その四人には見せていない。サシャと見た」
ライナー「」
ミカサ「あと、アルレルト書院とも言った」
アルミン「」

16 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:08:23 ID:wXp.VD8E
アルミン「うぅ……ひどいよミカサ……」シクシク
ライナー「ちなみに、サシャはなんて……?」
ミカサ「……ないしょ。本人に直接聞くといい」シーッ
ライナー「ぐっ……」ギリッ
ミカサ「ところでアルミン、海のことを詳しく教えてほしい。サシャに教えたい」
アルミン「この流れでよく言えるね!?」
エレン「? そんなに面白い本なのか? アルミン、今度俺にも貸してくれよ」
ベルトルト「エレン。あの本はね……エロ本だよ」
エレン「…………アルミン、俺それ借りたことない」
アルミン「後でね……」シクシクシクシク

17 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:09:21 ID:wXp.VD8E
ーー 数日後 兵舎廊下
サシャ「おっひるーおっひるーひっるごっはんー♪」テクテク
サシャ「きょーうのスープはなーんだーろなー♪」テクテク
ライナー「……なんだその歌は」
サシャ「あ。……ライナー、こんにちは!」ニコニコ
ライナー「おう。……今度の休日、みんなで遊びに行く話は聞いてるんだよな?」
サシャ「はい、楽しみですよねっ!」ワクワク
ライナー「……意外だな。食い物が絡まない行事には、興味がないと思っていたんだが」
サシャ「うっ……実はその通りというかなんというか……」モゴモゴ
ライナー「……ミカサと二人で何か企んでるのか?」
サシャ「それは秘密です! 当日楽しみにしていてくださいね?」シーッ

18 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:10:13 ID:wXp.VD8E
ーー 休日 昼過ぎ 教官室
アルミン(なんで今日に限って……)チラッ
ジャン(よりにもよって……)チラッ
キース「上位者総出で、立体機動の自主訓練か……ふむ」ジロッ
アルミン「」ビクッ
ジャン「」ビクッ
キース「……立体機動装置に水は入れるなよ」ボソッ
アルミン・ジャン「!!」
キース「……返事はどうした」
アルミン・ジャン「はっ! 了解しました!」バッ

19 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:11:00 ID:wXp.VD8E
                               \ガチャッ...バタン/
アルミン「……バレてたね」
ジャン「だな。わかってて見逃してくれたってことか」
アルミン「……楽しい日にしようね、ジャン」
ジャン「……そうだな。せっかくの機会だしな」
アルミン「僕らも追いかけようか。もうみんな先に行ってるんだよね?」
ジャン「ああ。まあライナーとマルコがいるんだから大丈夫だろ」

20 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:11:44 ID:wXp.VD8E
ーー 昼過ぎ 立体機動訓練場
コニー「あーあっぢぃ! 焼ける!! 頭焦げる!!」ジリジリ
マルコ「早く機動装置外したいな……表面も結構な高温だ」ジリジリ
ベルトルト「建前上、着けてこないわけにはいかないからね……」ジリジリ
ライナー「エレン! あとどのくらいだー?」
エレン「もうちょいだ! 林を抜けてからちょっと歩くけどなー」
ライナー「なら、林を抜ける少し前で降りてくれ! 立体機動装置は林の中に置いていく!」
コニー「あぁ? 川まで着けていかねーのか?」
マルコ「装置の中に水が入ったら面倒だからね、外していったほうがいいと思うよ」
ベルトルト「林の中なら日陰も多いし、高温にもならないだろうしね」
エレン「わかった……っと、よーしこの辺だ! 降りるぞー!」パシュッ


21 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:12:33 ID:wXp.VD8E
ーー 昼過ぎ 立体機動訓練場の端 とある細い川
コニー「うおおおお……っ!」ワクワクワクワク
エレン「すげーだろ? な? な?」ワクワクワクワク
マルコ「思ったより澄んでるね。さすがに飲んだりするのは無理そうだけど」
ベルトルト「うん。川底まで見える……すごいな」
コニー「よし、入ろう入ろう今すぐ入ろう!!」ウズウズウズウズ
ライナー「待て待てお前ら、靴脱いでから入れよ? 帰りのことも考えろ」
コニー「わかってるよ!」ポーイ
エレン「俺一番!」バシャッ
コニー「あっ、ずりぃぞエレン!」バシャッ

22 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:13:26 ID:wXp.VD8E
アルミン「ただいま、男子全員分の届け出してきたよ」
ジャン「……ミカサたちはまだ来てねえのか?」キョロキョロ
マルコ「うん、まだ僕たちだけだよ」
ライナー「時間と場所はあってるんだよな?」
アルミン「そのはずだけど……おかしいなぁ、エレンもいるのにミカサが遅刻するわけないんだけど」ウーン
ジャン「どうせその辺で道草食ってんだろ。先に涼んでようぜ」ポーイ

23 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:14:11 ID:wXp.VD8E
コニー「……エレン」ヒソヒソ
エレン「……ああ、ライナーたちは俺に任せろ」ヒソヒソ
ジャン「へー、足つけるだけで結構違うもんだな」バシャッ
コニー「……おらぁっ!」トビゲリッ
ジャン「」バッシャーン!!
ジャン「痛ぇなこの馬鹿、シャツまで濡れちまったじゃねえか何しやがる!」バシャッ
コニー「そんなもん後から乾くだろ! んなちっせぇこと気にしてんじゃねぇよ!」バシャバシャ
ジャン「チビはてめぇだろうが馬鹿!」バシャバシャ
コニー「俺は背は小さくても器がでかいんだよ!!」バシャバシャ

24 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:15:02 ID:wXp.VD8E
ライナー「おい、あまりハメを外すなーーぅわっ!」バッシャーン!!
エレン「よおライナー、背中ががら空きだったぜ?」ニヤニヤ
ライナー「……やったな?」ニヤッ
ベルトルト「二人とも、あまりやりすぎるのはーー」
ライナー「よーしベルトルト、お前も来い!!」グイッ
ベルトルト「ちょっ、なんで僕までーーってうわっ!?」バッシャーン!!
マルコ「……止める?」チャプチャプ
アルミン「楽しそうだからいいんじゃないかな。女子は僕たちで待ってようよ」チャプチャプ
マルコ「……気持ちいいね、足つけてるだけなのに」ホンワカ
アルミン「だよね」ホンワカ

25 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/15(月) 19:15:42 ID:wXp.VD8E
ユミル「……おーおー、先におっぱじめてんなぁ」スタスタ
クリスタ「わあ……きれいな川……!」キラキラキラキラ
マルコ「やあ、遅かったね」
ユミル「ミカサの説明が下手すぎんだよ。あいつ本当に頭いいのか?」
アルミン「あれ? 一緒に来たんじゃないの?」キョロキョロ
ミーナ「ミカサなら朝から出かけてるよ?」
アニ「サシャも一緒にね」
アルミン「二人で……? 一体どこに行ったんだろう」

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