しんのすけ「かあちゃん…寝ちゃったの?」
Part3
142 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:07:44.02 ID:TY9mRfRr0
「奥様は…このままお亡くなりになるまで意識を取り戻さない可能性が高いです…」
「…!」
「奥様の体は衰弱しきっています、今は点滴と酸素を送り込む事によって延命治療をしているに過ぎません…」
「そんな…」
「旦那さん…そしてしんちゃん…覚悟はしておいて下さい…」
集中治療室のガラスの向こう側
みさえが横たわっている
心電図の無機質な電子音だけが虚しく聞こえていた
146 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:09:04.71 ID:TY9mRfRr0
みさえが意識を失ってから二ヶ月が経った
そして野原一家はある決断を迫られる
「かあちゃんおかえりー!」
ガラス越しにみさえに話し掛けるしんのすけ
「今日ね、マサオ君がまたネネちゃんに怒られて泣いちゃったんだゾ~」
幼稚園かばんから紙を取り出す
「ほらみてかあちゃん、オラ今度のおゆうぎ会で浦島太郎やるんだゾ、風間君が浦島太郎で、ネネちゃんが竜宮城のお姫様、オラは亀の役だゾかあちゃんも見に来てよね!」
嬉しそうに話し掛けるしんのすけだが、みさえからの反応は勿論無い
そこにひろしが沈痛な面持ちでやってくる
「しんのすけ…ちょっとこい」
「…ほ~い」
廊下に出る二人
「しんのすけ…かあちゃんをな…」
「…」
「もう休ませてあげよう…」
「…!」
149 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:10:48.90 ID:TY9mRfRr0
「休ませる…?」
「今かあちゃんはとっても疲れてる…このままかあちゃんに辛い思いさせたくないだろ…?」
「かあちゃん死んじゃうの?」
「…先生が、かあちゃんが一番良い方法で休ませてくれるらしい…」
「…」
「しんのすけ…わかるな…?」
「わからないゾ!オラ子供だからわからないゾ!」
再び集中治療室にもどるしんのすけ
そしてガラス越しにみさえに話し掛ける
「かあちゃん起きろ!かあちゃん!雨降ってきたゾ!洗濯物濡れちゃうゾ!」
「しんのすけ…」
その様子を後ろから見て涙を流すひろし
「かあちゃん!父ちゃんがまた女の人の香水の匂いつけて帰ってきたゾ!ひまわりがお腹空いたって泣いてるゾ!」
涙を流しながら叫ぶしんのすけ
「かあちゃん!オラまたケツだけ星人やっちゃうゾ!戸棚のお菓子食べちゃうゾ!かあちゃん!オラのおゆうぎ会見に来てよ!かあちゃん!」
157 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:12:57.17 ID:TY9mRfRr0
「しんのすけ…!」
しんのすけを後ろから抱きしめるひろし
「父ちゃん…うわぁ~ん!」
「しんのすけ…泣け沢山泣くんだ、泣いていいんだ…」
今までの涙が一気に押し寄せた様に涙を流すしんのすけ
「し…んの…すけ」
「!」
みさえの声が聞こえた気がした
「みさえ…?」
「かあちゃん…?」
「や~ねぇ…二人ともなに泣いてるの…」
みさえに目をやればみさえが目を開けてこちらを見ている
「先生…先生!」
先生を呼びに走るひろし
「かあちゃん…起きたの?」
「しんのすけ…アンタ幼稚園は…」
そこにひろしが医者を連れて戻ってくる
「これは…」
「先生!みさえは…みさえは治ったんですか!?」
158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:13:09.04 ID:EbAB6yj/O
。゚・(ノД`)・゚。
159 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:14:13.38 ID:TY9mRfRr0
ひろしの問いに首を振る医者
「患者さんにはよくあるんです…亡くなる前に最後の力を振り絞って一時期だけ回復する事が…」
「そんな…」
「次倒れたら…」
「…」
「野原さん…どうしますか…このまま入院を続ければ今の回復の状態を長引かせる事は出来ます、しかしそれも焼け石に水です…それならば」
「先生…みさえを…退院させてやってください…」
「野原さん…」
「最後に…最後にみさえとしんのすけとひまわりとシロで思い出を作りたいんです…」
「…わかりました、すぐに手続きをしましょう…」
去る医者
「しんのすけ…みさえ…帰ろう、家へ」
160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:14:20.72 ID:1Y3Zbi++0
工工エエエエェェ(´A`)ェェエエエエ工工
161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:14:52.99 ID:ErL+SECYO
本気で泣きそう
163 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:15:37.80 ID:TY9mRfRr0
そしてみさえは家に帰って来た
野原家に久しぶりの明るい笑い声が響く
「しんのすけー、準備できたの~?」
「ほっほ~い、バッチリだぞ!」
「よ~し、じゃあ行くか!」
野原家はドライブに出掛けた、勿論シロも一緒だ
「まずは何処行くか」
「ほいほい!オラ最近出来たアクション仮面ミュージアム行きたいゾ!」
「しんのすけ~、今日はみさえの…」
「あら良いじゃない、行きましょうよ」
「そうよひろし~、出世できないわよ~」
「出世は関係ないだろ出世は!」
いつもの空気が流れる車内
165 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:17:13.14 ID:TY9mRfRr0
そんなこんなで結局アクション仮面ミュージアムに到着
「ほっほ~い!かあちゃんとうちゃん早く早くぅ~ん!」
走り回るしんのすけ
「ほらしんのすけ!走ると危ないわよ!」
「平気平気ぃ~」
「まったくもう…」
「ほら行こうみさえ」
「たい!」
「キャン!」
「シロはヌイグルミのフリしてなさいよ!」
「くぅん」
中に入る野原一家
「おぉ~、アクション仮面が沢山いるゾ!」
「ふふっ、しんのすけったらあんなにはしゃいじゃって…」
「みさえと久しぶりのお出かけだからな、嬉しいんだよ」
「父ちゃん父ちゃん!あっちに美人なおねいさんがいるゾ」
「なっなに?何処だしんのすけ!」
みさえの鋭い眼光
「あなた…後でお話が」
「お、お話だけで終わる?」
「父ちゃんなんで膝が震えてるの?」
166 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:18:58.80 ID:TY9mRfRr0
ミュージアムから出て来る野原一家
しんのすけの手にはみさえの手がしっかりと握られている
勿論ひろしは荷物持ちだ
「楽しかったゾ~」
「すっかり日が暮れちゃったわね~」
「おい!少しは持ってくれよ!」
「あらや~ねぇ男の癖に」
「力はかあちゃんのが上だけどね…」
「その通りだしんのすけ」
カキーン
コキーン
「さっ、帰るわよ」
ひろしとしんのすけの頭にはでっかいたんこぶ
「キャッキャッ、うへぇ~い」
その様子を見てひまわりも楽しそうだ
「あ、帰る前に一カ所寄りたい場所が…」
「ん?どこよ?」
「まぁ着いてからのお楽しみって事で!」
ひろしが車に乗り発車させる
「父ちゃんどこ行くの~?」
「まぁすぐわかるよ
169 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:20:36.15 ID:TY9mRfRr0
そして車が停まる
そこは北千住駅
「ここ…」
「そう、俺がみさえにプロポーズした場所…野原一家が始まった場所だ」
「あなた…」
「ここでとうちゃんとかあちゃんは結婚したの?」
「う~ん、俺がかあちゃんに結婚してくださいってお願いしたんだよ」
「ひろしの転落人生の幕開けの場所か…」
「しんのすけ、よくわかったな」
カキーン
コキーン
やっぱりたんこぶが出来る
「じょ、冗談だよみさちゃ~ん」
「まったく…!」
ぷりぷり怒るみさえ
176 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:24:26.62 ID:TY9mRfRr0
「かあちゃん、とうちゃん」
「ん?どうしたのしんのすけ」
「そんなに痛かったか?」
「んーん…あのね」
ひろしとみさえを見つめるしんのすけ
「とうちゃん、かあちゃん、オラを二人の子供にしてくれてありがとうだゾ!」
「しんのすけ…」
「あと、ひまわりをオラの妹にしてくれてありがとう!」
「しんのすけ…」
涙を流すみさえ
「ちきしょう!バカヤロウ!なんだか目が痛いぜ!ほらみんな並べ写真撮ろう!」
ひろしが涙を堪えみんなを並ばせる
178 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:26:04.89 ID:TY9mRfRr0
北千住駅前に並ぶ野原一家
「しんのすけ…」
「ひまわり…」
みさえとひろしがしんのすけとひまわりに話し掛ける
「ん…なぁに?」
「俺達の子供になってくれてありがとう」
カシャ
シャッターの下りる音
その写真にはいつもと変わらない野原一家の幸せな風景があった
185 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:27:52.00 ID:TY9mRfRr0
北千住駅で写真を撮って一年の月日が流れた
しんのすけは少し背が大きくなった
今年小学一年生だ
ひまわりは少しだが言葉を喋る事が出来るようになった
ひろしは相変わらず係長だ
「ひま~?」
「う?なにおにたん」
みさえが居たが今は誰もいない病室のベットにひまわりとしんのすけが座って居る
「オラこれから小学生だゾ、だからひまわりが何かあったらオラが今までよりもっと沢山お守りするから、オラに言うんだゾ?」
「ほい!」
ひまわりは完全にしんのすけ似だ
「おにたん」
「どーしたひまわり?」
「おちっこ」
急いでひまわりをトイレに連れていくしんのすけ
「もぅ~、全くぅ、手のかかる妹だゾ」
186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:28:12.12 ID:XUtNgJXWO
ダメだ。お酒飲んだせいかすげえ涙でる
188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:28:23.42 ID:qByHsDRLO
ニット帽的なやつをかぶった、やせこけたみさえを想像すると泣ける
189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:28:35.69 ID:ZqJtszd+O
やべっ
泣きそう
190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:28:37.48 ID:spyDkCqvO
あ、ダメだ
泣いてしまった
194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:29:04.22 ID:r/M3uFQhi
おかしい
ご飯が妙にしょっぱい
塩かけてないのに
195 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:29:35.26 ID:TY9mRfRr0
「ひま、ちゃんと出たか?」
「ほい!」
「よし、じゃあいくゾ」
ひまわりと手を繋ぎ歩き出すしんのすけ
「先生…ありがとうございました…」
病院の前ではひろしが先生に頭を下げている
「ほっほ~いとうちゃ~ん」
「ひろち~」
しんのすけとひまわりが歩いてくる
「こらひま!ひろしじゃなくてパパだろ!」
「ほい!」
「わかったか?」
「ほい!ひろち!」
「駄目だコリャ…」
「とうちゃん早く行こうよ!」
「あぁ、そうだな…それじゃ先生…また」
「はい、お元気で」
車に向かって歩き出す三人
198 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:31:30.05 ID:TY9mRfRr0
「ほっほ~いオラ助手席~」
ドアを乱暴に開けるしんのすけ
「しんのすけ!」
「ほいほ~い」
やり直し丁寧に開けて閉めるしんのすけ
「まったくぅ~妖怪ケツデカオババは相変わらずうるさいぞ~」
「なぁんですって!?」
グリグリグリ~
「ぬおぉ~ん、何だか久しぶりだゾ~」
後部座席にはみさえの姿
北千住駅で写真を撮ったあの後、みさえの病状は悪くなる所か快方に向かっていったのだ
医者もこれには驚き奇跡としか表現出来ないと言った
癌の腫瘍も小さくなり手術で簡単に切り取れた
そして、リハビリを重ね今日ついに退院の時であった
202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:32:14.20 ID:o2wbofNx0
もしやハッピーエンド?
203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:32:24.06 ID:QnQpRIOSO
泣くと思わなかった
今週はくれしん見よう、元気なみさえを見よう
204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:32:25.06 ID:TPk8biZYO
半年ぶりに泣いた
205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:32:31.15 ID:7FbJGyy20
よかったのう
210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:33:18.48 ID:Saib1+QR0
おおおおお
211 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:33:31.41 ID:TY9mRfRr0
「よし!帰るか我が家に!」
ひろしがエンジンをかけ、発車する
「あなた、しんのすけ、ひまわり…」
「なぁにかあちゃん?」
「どうしたみさえ?」「かーたん?」
「守ってくれてありがとう…」
「…へへっ、気にすんなよみさえ」
「なよー」
「そうだゾ、これからも母ちゃんはオラがお守りするゾ!」
涙を堪えるひろし
涙を流すみさえ
少し大人になったしんのすけ
少し大きくなったひまわり
212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:33:34.40 ID:HUFu5qsF0
ハッピーエンドか・・・
よかった
214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:33:51.91 ID:6sB09zldO
涙で枕が濡れたじゃねーか
222 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:35:39.80 ID:TY9mRfRr0
「よし!しんのすけ着いたぞ!」
「あんた入学式で変な事しないでよ~」
「大丈夫だゾ!オラお兄ちゃんだもん!」
胸を張るしんのすけ
「よ~し、写真撮るぞ!」
校門の前に並ぶ野原一家
「はい!チーズ!」
カシャ
写真に写ったのは笑顔に溢れた野原一家
これから先もずっと
この笑顔が続きますように…
終わり
223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:35:49.62 ID:XUtNgJXWO
よかった
本当によかった
涙と鼻水がひどい
しんちゃんもひろしもひまわりも、何よりみさえ。よかった
239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:37:51.76 ID:TX16EtXu0
ハッピーエンドで安心した。
よかったよ>>1乙
242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:38:02.86 ID:Saib1+QR0
>>1乙!!
涙がwwwやべえwwww
278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:58:03.38 ID://km4t0SO
>>1さん ありがとう
「奥様は…このままお亡くなりになるまで意識を取り戻さない可能性が高いです…」
「…!」
「奥様の体は衰弱しきっています、今は点滴と酸素を送り込む事によって延命治療をしているに過ぎません…」
「そんな…」
「旦那さん…そしてしんちゃん…覚悟はしておいて下さい…」
集中治療室のガラスの向こう側
みさえが横たわっている
心電図の無機質な電子音だけが虚しく聞こえていた
146 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:09:04.71 ID:TY9mRfRr0
みさえが意識を失ってから二ヶ月が経った
そして野原一家はある決断を迫られる
「かあちゃんおかえりー!」
ガラス越しにみさえに話し掛けるしんのすけ
「今日ね、マサオ君がまたネネちゃんに怒られて泣いちゃったんだゾ~」
幼稚園かばんから紙を取り出す
「ほらみてかあちゃん、オラ今度のおゆうぎ会で浦島太郎やるんだゾ、風間君が浦島太郎で、ネネちゃんが竜宮城のお姫様、オラは亀の役だゾかあちゃんも見に来てよね!」
嬉しそうに話し掛けるしんのすけだが、みさえからの反応は勿論無い
そこにひろしが沈痛な面持ちでやってくる
「しんのすけ…ちょっとこい」
「…ほ~い」
廊下に出る二人
「しんのすけ…かあちゃんをな…」
「…」
「もう休ませてあげよう…」
「…!」
149 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:10:48.90 ID:TY9mRfRr0
「休ませる…?」
「今かあちゃんはとっても疲れてる…このままかあちゃんに辛い思いさせたくないだろ…?」
「かあちゃん死んじゃうの?」
「…先生が、かあちゃんが一番良い方法で休ませてくれるらしい…」
「…」
「しんのすけ…わかるな…?」
「わからないゾ!オラ子供だからわからないゾ!」
再び集中治療室にもどるしんのすけ
そしてガラス越しにみさえに話し掛ける
「かあちゃん起きろ!かあちゃん!雨降ってきたゾ!洗濯物濡れちゃうゾ!」
「しんのすけ…」
その様子を後ろから見て涙を流すひろし
「かあちゃん!父ちゃんがまた女の人の香水の匂いつけて帰ってきたゾ!ひまわりがお腹空いたって泣いてるゾ!」
涙を流しながら叫ぶしんのすけ
「かあちゃん!オラまたケツだけ星人やっちゃうゾ!戸棚のお菓子食べちゃうゾ!かあちゃん!オラのおゆうぎ会見に来てよ!かあちゃん!」
157 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:12:57.17 ID:TY9mRfRr0
「しんのすけ…!」
しんのすけを後ろから抱きしめるひろし
「父ちゃん…うわぁ~ん!」
「しんのすけ…泣け沢山泣くんだ、泣いていいんだ…」
今までの涙が一気に押し寄せた様に涙を流すしんのすけ
「し…んの…すけ」
「!」
みさえの声が聞こえた気がした
「みさえ…?」
「かあちゃん…?」
「や~ねぇ…二人ともなに泣いてるの…」
みさえに目をやればみさえが目を開けてこちらを見ている
「先生…先生!」
先生を呼びに走るひろし
「かあちゃん…起きたの?」
「しんのすけ…アンタ幼稚園は…」
そこにひろしが医者を連れて戻ってくる
「これは…」
「先生!みさえは…みさえは治ったんですか!?」
158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:13:09.04 ID:EbAB6yj/O
。゚・(ノД`)・゚。
ひろしの問いに首を振る医者
「患者さんにはよくあるんです…亡くなる前に最後の力を振り絞って一時期だけ回復する事が…」
「そんな…」
「次倒れたら…」
「…」
「野原さん…どうしますか…このまま入院を続ければ今の回復の状態を長引かせる事は出来ます、しかしそれも焼け石に水です…それならば」
「先生…みさえを…退院させてやってください…」
「野原さん…」
「最後に…最後にみさえとしんのすけとひまわりとシロで思い出を作りたいんです…」
「…わかりました、すぐに手続きをしましょう…」
去る医者
「しんのすけ…みさえ…帰ろう、家へ」
160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:14:20.72 ID:1Y3Zbi++0
工工エエエエェェ(´A`)ェェエエエエ工工
161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:14:52.99 ID:ErL+SECYO
本気で泣きそう
163 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:15:37.80 ID:TY9mRfRr0
そしてみさえは家に帰って来た
野原家に久しぶりの明るい笑い声が響く
「しんのすけー、準備できたの~?」
「ほっほ~い、バッチリだぞ!」
「よ~し、じゃあ行くか!」
野原家はドライブに出掛けた、勿論シロも一緒だ
「まずは何処行くか」
「ほいほい!オラ最近出来たアクション仮面ミュージアム行きたいゾ!」
「しんのすけ~、今日はみさえの…」
「あら良いじゃない、行きましょうよ」
「そうよひろし~、出世できないわよ~」
「出世は関係ないだろ出世は!」
いつもの空気が流れる車内
165 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:17:13.14 ID:TY9mRfRr0
そんなこんなで結局アクション仮面ミュージアムに到着
「ほっほ~い!かあちゃんとうちゃん早く早くぅ~ん!」
走り回るしんのすけ
「ほらしんのすけ!走ると危ないわよ!」
「平気平気ぃ~」
「まったくもう…」
「ほら行こうみさえ」
「たい!」
「キャン!」
「シロはヌイグルミのフリしてなさいよ!」
「くぅん」
中に入る野原一家
「おぉ~、アクション仮面が沢山いるゾ!」
「ふふっ、しんのすけったらあんなにはしゃいじゃって…」
「みさえと久しぶりのお出かけだからな、嬉しいんだよ」
「父ちゃん父ちゃん!あっちに美人なおねいさんがいるゾ」
「なっなに?何処だしんのすけ!」
みさえの鋭い眼光
「あなた…後でお話が」
「お、お話だけで終わる?」
「父ちゃんなんで膝が震えてるの?」
166 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:18:58.80 ID:TY9mRfRr0
ミュージアムから出て来る野原一家
しんのすけの手にはみさえの手がしっかりと握られている
勿論ひろしは荷物持ちだ
「楽しかったゾ~」
「すっかり日が暮れちゃったわね~」
「おい!少しは持ってくれよ!」
「あらや~ねぇ男の癖に」
「力はかあちゃんのが上だけどね…」
「その通りだしんのすけ」
カキーン
コキーン
「さっ、帰るわよ」
ひろしとしんのすけの頭にはでっかいたんこぶ
「キャッキャッ、うへぇ~い」
その様子を見てひまわりも楽しそうだ
「あ、帰る前に一カ所寄りたい場所が…」
「ん?どこよ?」
「まぁ着いてからのお楽しみって事で!」
ひろしが車に乗り発車させる
「父ちゃんどこ行くの~?」
「まぁすぐわかるよ
169 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:20:36.15 ID:TY9mRfRr0
そして車が停まる
そこは北千住駅
「ここ…」
「そう、俺がみさえにプロポーズした場所…野原一家が始まった場所だ」
「あなた…」
「ここでとうちゃんとかあちゃんは結婚したの?」
「う~ん、俺がかあちゃんに結婚してくださいってお願いしたんだよ」
「ひろしの転落人生の幕開けの場所か…」
「しんのすけ、よくわかったな」
カキーン
コキーン
やっぱりたんこぶが出来る
「じょ、冗談だよみさちゃ~ん」
「まったく…!」
ぷりぷり怒るみさえ
176 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:24:26.62 ID:TY9mRfRr0
「かあちゃん、とうちゃん」
「ん?どうしたのしんのすけ」
「そんなに痛かったか?」
「んーん…あのね」
ひろしとみさえを見つめるしんのすけ
「とうちゃん、かあちゃん、オラを二人の子供にしてくれてありがとうだゾ!」
「しんのすけ…」
「あと、ひまわりをオラの妹にしてくれてありがとう!」
「しんのすけ…」
涙を流すみさえ
「ちきしょう!バカヤロウ!なんだか目が痛いぜ!ほらみんな並べ写真撮ろう!」
ひろしが涙を堪えみんなを並ばせる
178 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:26:04.89 ID:TY9mRfRr0
北千住駅前に並ぶ野原一家
「しんのすけ…」
「ひまわり…」
みさえとひろしがしんのすけとひまわりに話し掛ける
「ん…なぁに?」
「俺達の子供になってくれてありがとう」
カシャ
シャッターの下りる音
その写真にはいつもと変わらない野原一家の幸せな風景があった
185 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:27:52.00 ID:TY9mRfRr0
北千住駅で写真を撮って一年の月日が流れた
しんのすけは少し背が大きくなった
今年小学一年生だ
ひまわりは少しだが言葉を喋る事が出来るようになった
ひろしは相変わらず係長だ
「ひま~?」
「う?なにおにたん」
みさえが居たが今は誰もいない病室のベットにひまわりとしんのすけが座って居る
「オラこれから小学生だゾ、だからひまわりが何かあったらオラが今までよりもっと沢山お守りするから、オラに言うんだゾ?」
「ほい!」
ひまわりは完全にしんのすけ似だ
「おにたん」
「どーしたひまわり?」
「おちっこ」
急いでひまわりをトイレに連れていくしんのすけ
「もぅ~、全くぅ、手のかかる妹だゾ」
186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:28:12.12 ID:XUtNgJXWO
ダメだ。お酒飲んだせいかすげえ涙でる
188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:28:23.42 ID:qByHsDRLO
ニット帽的なやつをかぶった、やせこけたみさえを想像すると泣ける
189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:28:35.69 ID:ZqJtszd+O
やべっ
泣きそう
190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:28:37.48 ID:spyDkCqvO
あ、ダメだ
泣いてしまった
194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:29:04.22 ID:r/M3uFQhi
おかしい
ご飯が妙にしょっぱい
塩かけてないのに
「ひま、ちゃんと出たか?」
「ほい!」
「よし、じゃあいくゾ」
ひまわりと手を繋ぎ歩き出すしんのすけ
「先生…ありがとうございました…」
病院の前ではひろしが先生に頭を下げている
「ほっほ~いとうちゃ~ん」
「ひろち~」
しんのすけとひまわりが歩いてくる
「こらひま!ひろしじゃなくてパパだろ!」
「ほい!」
「わかったか?」
「ほい!ひろち!」
「駄目だコリャ…」
「とうちゃん早く行こうよ!」
「あぁ、そうだな…それじゃ先生…また」
「はい、お元気で」
車に向かって歩き出す三人
198 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:31:30.05 ID:TY9mRfRr0
「ほっほ~いオラ助手席~」
ドアを乱暴に開けるしんのすけ
「しんのすけ!」
「ほいほ~い」
やり直し丁寧に開けて閉めるしんのすけ
「まったくぅ~妖怪ケツデカオババは相変わらずうるさいぞ~」
「なぁんですって!?」
グリグリグリ~
「ぬおぉ~ん、何だか久しぶりだゾ~」
後部座席にはみさえの姿
北千住駅で写真を撮ったあの後、みさえの病状は悪くなる所か快方に向かっていったのだ
医者もこれには驚き奇跡としか表現出来ないと言った
癌の腫瘍も小さくなり手術で簡単に切り取れた
そして、リハビリを重ね今日ついに退院の時であった
202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:32:14.20 ID:o2wbofNx0
もしやハッピーエンド?
203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:32:24.06 ID:QnQpRIOSO
泣くと思わなかった
今週はくれしん見よう、元気なみさえを見よう
204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:32:25.06 ID:TPk8biZYO
半年ぶりに泣いた
205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:32:31.15 ID:7FbJGyy20
よかったのう
210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:33:18.48 ID:Saib1+QR0
おおおおお
211 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:33:31.41 ID:TY9mRfRr0
「よし!帰るか我が家に!」
ひろしがエンジンをかけ、発車する
「あなた、しんのすけ、ひまわり…」
「なぁにかあちゃん?」
「どうしたみさえ?」「かーたん?」
「守ってくれてありがとう…」
「…へへっ、気にすんなよみさえ」
「なよー」
「そうだゾ、これからも母ちゃんはオラがお守りするゾ!」
涙を堪えるひろし
涙を流すみさえ
少し大人になったしんのすけ
少し大きくなったひまわり
212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:33:34.40 ID:HUFu5qsF0
ハッピーエンドか・・・
よかった
214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:33:51.91 ID:6sB09zldO
涙で枕が濡れたじゃねーか
222 : ◆7TkPuG2Ma. :2009/02/25(水) 01:35:39.80 ID:TY9mRfRr0
「よし!しんのすけ着いたぞ!」
「あんた入学式で変な事しないでよ~」
「大丈夫だゾ!オラお兄ちゃんだもん!」
胸を張るしんのすけ
「よ~し、写真撮るぞ!」
校門の前に並ぶ野原一家
「はい!チーズ!」
カシャ
写真に写ったのは笑顔に溢れた野原一家
これから先もずっと
この笑顔が続きますように…
終わり
223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:35:49.62 ID:XUtNgJXWO
よかった
本当によかった
涙と鼻水がひどい
しんちゃんもひろしもひまわりも、何よりみさえ。よかった
239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:37:51.76 ID:TX16EtXu0
ハッピーエンドで安心した。
よかったよ>>1乙
242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:38:02.86 ID:Saib1+QR0
>>1乙!!
涙がwwwやべえwwww
278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 01:58:03.38 ID://km4t0SO
>>1さん ありがとう
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