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ショートストーリー
ネネ「しんちゃん…あたし、しんちゃんが好きなの」

ネネ「しんちゃん…あたし、しんちゃんが好きなの」
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1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/15(水) 14:06:31 ID:kSDvfLVw
幼い頃から、人気者で
面白くて、楽しくて変態で年上好きの女好き…。
それでも、みんな
みんな、あなたが大好きだった。
ーーーあたしも。
「しんちゃん、あたしね
あたし、……しんちゃんが
好き」

2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/15(水) 14:07:24 ID:kSDvfLVw
……言ってしまった。言ってしまった。言ってしまった!!
きゃーきゃー!どうしよう!!
きゃー!恥ずかしい!
頬が暑い。
高校を卒業して、しんちゃんはグッと身長も伸びて大人っぽくなった。
グリグリいがぐり頭も、今や髪の毛は伸びて、青少年。そんな、しんちゃんを周りの女の子たちが放っておくわけもなく、しんちゃんの周りには、女の子たちが沢山いた。
・・でも、しんちゃんは誰とも付き合わなかった。誰の告白にも、応じなかった。
あたしだけは特別だった。
だって、あたしは、かすかべ防衛隊のマドンナだもの。

3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/15(水) 14:08:11 ID:kSDvfLVw
しんちゃんを、誰よりも傍で見てきたんだから。
ねぇ、あたしのことを…好きだよね?しんちゃん…。
長い長い、間をおいて、しんちゃんはニッと元気よく笑った。
「………改まって、どうしたんだゾ!
オラも、ネネちゃんを好きに決まってるゾ!
なんたって、かすかべ防衛隊の仲間だもん」
え……?

4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/15(水) 14:09:44 ID:kSDvfLVw
「は・・・・?」
……そっち?
そっちの意味に捉えちゃうの……!?
「オラ、ネネちゃんと友達になれて良かったゾ」
……あたしの淡い恋心は砕け散った。
ぐぁぁぁぁあ!
あたしのウサギは、どこ!?

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/15(水) 14:46:47 ID:kSDvfLVw
「あぁぁぁーーー!!もう!!
しんちゃんの、バカっ!!
鈍感変態女好きィィイ!!!」
ドスッ。
ドスッ。
ドスッ。
校舎裏で、あたしは隠していたウサちゃんのお腹を殴る。
「・・・い、いつものネネちゃんじゃない・・・・」
「なによー!
いつから見てたのよ!この、おにぎり!」
「ヒィィィ!」
いつの間にかやってきていた、おにぎりが震えている。
こいつも、見かけはおにぎり頭ではなくなったものの、弱虫なところは変わっていない。
おにぎり頭と呼ばれることに、コンプレックスでもあったのだろう。いまや、茶髪にロングのチャラ男へと進化した。中身は変わらずとも、見かけは大変身。

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/15(水) 14:48:37 ID:kSDvfLVw
「お、おれ、もうおにぎりじゃないよ」
「うっさいわね! チャラ男!!」
「ヒィィィ!」
そういうや否や、おにぎりは泣き出した。
ほんっと! 見かけだけね・・・・。
あたしは、ため息をつく。
「泣くんじゃないわよ!!
ほんと、泣き虫なのは変わってないわね! まったく!!」
仕方がないので、ハンカチを渡すと嬉しそうに、「ありがとう、ネネちゃん」と笑った。
・・・・子供かよ。
いちおう、成人した大学生なのよ。

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/15(水) 14:50:05 ID:kSDvfLVw
あたしが、仕方ない思いながら、再び溜め息をつく。するとマサオくんは、「何かあったの・・? しんちゃんと」と遠慮がちに聞いてきた。
どうやら、あたしが、また怒ると思ってるらしい。
びくびくしすぎよ。
別に隠すことでもないので、さっきの出来事を話した。
「・・・・ふられたのよ」
マサオは、目を見開いて、驚いたように飛び上がる。
「ええ!? しんちゃんが、ネネちゃんをふったの!?」
「声が大きい、おにぎり!」
「ごめんなさい!」

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/15(水) 14:51:20 ID:kSDvfLVw
マサオくんは、青い顔で、でも、顔をサッとあげて、あたしを見つめた。
「ね、ネネちゃん!!」
「・・・なによ」
「お、おれと付き合ってください!」
・・・・どこに?って・・・ええ?どゆこと?
「付き合うって、どこによ」
「ちち、ちがう!! ぼ、ぼくはネネちゃんが好きなんだ!!」
「却下」
「ええええええ!!!?」
・・・あんた、オレから僕に戻ってるじゃないの。

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/15(水) 14:52:17 ID:kSDvfLVw
「悪いんだけど。
あたし、マサオくんに恋愛感情はないの」
「そんな・・・!」
瞳をウルウルさせる、マサオくん。また、泣くのかよチワワかよ。
・・ていうか、マサオくんも、そこそこに告白されるんだから、あたしよりも、可愛らしい女の子を選べばいい。思わず思っていた言葉を、そのまま口に出した。
「あたしよりも、もっと可愛い子を選べばいいじゃない」
すると、マサオくんは目を釣りあがらせて、勢い良く首をふった。

10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/15(水) 14:54:00 ID:kSDvfLVw
「そんなことない!! ネネちゃんは、可愛い!
そして、ネネちゃんは優しくて強くてカッコイイんだよ!
ぼくは、ずっとそんなネネちゃんを見てたんだ!!」
顔を真っ赤にさせて、鼻息を荒くして
力説するマサオくんに、思わず苦笑いをした。
女の子に、カッコイイって・・・・・どゆこと。
あたしは、マサオくんにトドメをさす。
「とりあえず、却下だから」
「ええええええ!?」
ネネちゃん、酷いよー! という声が後ろで聞こえた。あたしは、思わず笑う。あいつ、本当にドジなんだから。

11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/15(水) 14:57:35 ID:kSDvfLVw
ドジでマヌケで泣き虫で、女の子扱いも下手くそだし、見かけだけチャラ男だけど、
いつも真っ直ぐだった。
それでも、少しだけ、
ほんの少しだけ。
さっきまでの悲しかった心が楽になっている、あたしがいた。

12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/15(水) 14:57:57 ID:kSDvfLVw
(ふん。マサオのくせに、言うじゃない)
もうすこし、強くなって、あたしを守れるぐらいになったら
考えてやらないことも、ないかな。
なんてね。
「今日の、ママの晩御飯なにかしら♪」
ああ、明日が楽しみ。
ー完ー