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しんのすけ「わたししんちゃん。今、あなたの後ろにいるの」フーっ

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Part1
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:02:03.96 ID:njixoIcL0
「うわぁぁあ!………って、しんのすけ!いつもいつも普通に挨拶できないのかよ!まったくー」
しんのすけに息を吹き掛けられた首筋を撫でながら僕はしんのすけを睨み付けるようにみた。
「ハハハっ。トオルこそ、毎日毎日俺が息を吹き掛けて耐性つけてあげてるのに全然慣れないんだから。そんなんじゃあ、彼女なんてできないぜ」
「余計なお世話だ」
いつからだろう……。しんのすけが僕のことを『トオル』と呼ぶようになったのは
いつからだろう……。しんのすけが自分のことを『俺』と言うようになったのは

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:06:07.81 ID:njixoIcL0
しんのすけとは幼稚園の頃からの幼馴染みだ。
幼少の頃のしんのすけは、いがくり頭のお調子者で、みんなの人気者だった。
成長した彼はいつのまにか僕の身長を追い越した。
いがくり頭だった髪は、今は伸ばしてやや茶色に染めている。
坊主だった頃には気づかなかったが、両親とも天然パーマだった彼もまた、ふわりとした天然パーマでそれをお洒落にセットしていた。

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:09:58.01 ID:njixoIcL0
トレードマークだった太い眉毛も整えられており、小さい頃の面影はあまりないような気がする。
それでもふとみせる表情や仕草は幼い頃と変わっていない。
照れたときにみせる、あの独特な笑いかたを見ると、ホッと安心させられる。
「明日から夏休みだなぁ。高校生活最後の夏休みだ」
しんのすけは晴れた空をみながらそう言った。
その言い方がなんだか少し寂しげに聞こえた気がした。
「そうだな」
僕も一緒に空を見上げる。

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:11:59.21 ID:HxXf0Pqo0
こういう雰囲気好きだ

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:12:24.33 ID:3fVZ9vwH0
面白い


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:14:33.52 ID:njixoIcL0
僕たちはいつも一緒にいた。幼稚園の頃からずっと一緒に過ごしてきた。
ボーちゃん、ネネちゃん、マサオくん、そしてしんのすけと僕の五人は小学校、中学校も一緒たった。
しんのすけは、さほど勉強は好きではなかったけど、なにか、例えば、成績が10位以内に入れば欲しいものを買ってあげる…とかいう親の約束があった場合は、担任や僕らが驚くくらいの点数で成績ドップになることもしばしばあった。

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:15:08.10 ID:kpGrRUhv0
風間君と同じ高校に行けるのか?しんのすけ

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:18:03.09 ID:n0UCWnzT0
>>10
ターミネーチャンの話だったと思うけど確か未来で風間と同じ大学行ってなかったっけ?

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:18:10.96 ID:njixoIcL0
しんのすけは、この五人でいることが好きだったようだ。
もちろん僕もそう思っていたし、他のみんなだってそう思っていたに違いない。
しんのすけの、僕と同じ高校に行きたいという強い思いが他のみんなを奮い起たせ、高校受験にむけ勉強に励んだ。
結果、マサオくん以外の四人は同じ高校に通えることとなった。
ちなみにマサオくんはレベルをいくらか落とした高校に入学することができた。
マサオくんとの交流は今でも続いている。

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:18:34.86 ID:lDLCJcNl0
たしかに地頭よさそうだよなしんちゃん

15 :くずもち ◆w66sYQ3lW6 :2013/03/08(金) 01:18:57.52 ID:GBPJWg12i
マサオ…

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:21:19.05 ID:n0UCWnzT0
マサオ君はやっても出来ない子だったか

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:22:35.27 ID:njixoIcL0
「最後の……最後の夏休みなんだなぁ……。いっぱい思いでつくろうな」
「なんだよ、しんのすけ改まって…。でも、そうだな。夏休みが終わったら、みんな大学受験にむけて忙しくなって、遊ぶどころじゃなくなるもんなー」
そう、高校を卒業したら、みんな大学へ行き、そして社会にでる。
今までのようにみんなと一緒に過ごすことが出来なくなってしまうだろう。
たから、きっとこの夏休みがみんなと過ごせる最後の時間になるのかもしれない

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:27:51.21 ID:njixoIcL0
「バーベキューとか、海とか花火とか……。青春で思い付くようなこと全部やってやろうぜ!忘れられない夏にしよう!」
「ああ、いっぱい青春しなくちゃな」
「おっ……」ドス
急にしんのすけが変な声を出しておしりを押さえた。
振り返ると、しんのすけの妹のひまわりちゃんが笑顔で立っていた。
「あっ風間さん、おはようございます♪…………おにいちゃん!これ、忘れ物!!」
「おお!うっかり忘れてたぞ」
「まったく。おにいちゃんいつも忘れるんだらか。じゃあね。風間さんもまたね。夏休みもいっぱい遊びにきてね///」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:35:24.15 ID:njixoIcL0
元気いっぱいのひまわりちゃんは僕たちに手を振るとスカートをひるがえして前を歩く女の子の友人のもとに走って行ってしまった。
彼女もまた成長したなぁと思う。天然パーマの柔らかい長い髪はかわいく成長した彼女にすごく似合っていた。
「ひまわりはまだ中学生ですぞ」
「うん、そうなんだよなー///って………知ってるよ。そんなの」
「トオル、ひまわりのこと好きでしょ?さっき顔赤くなってたぞ」
「そっ……そんなんじゃないよ!確かにひまわりちゃんはかわいいけど///!」
「照れちゃって…でも俺、トオルだったらひまわりと付き合ってもいいぞ。トオルだったら信頼できるし、安心できる
それにひまわりもトオルのこと好きだと思うぞ。兄の目から見てもひまわりはかわいいし。それに………おっぱいも結構大きいんだぞ」
「!!!」
「あっ、今想像しただろう?やっらしー」
あの夏 確かに僕たちは一緒にいた。

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:40:05.63 ID:njixoIcL0
「あっ。しんちゃんオハー♪風間くんもオハヨー」
教室のドアを開けて席につくと、しんのすけの前に座っていたネネちゃんが振り向いた。
奇跡的なことに、この高校三年間ずっと、僕はしんのすけと、同じクラスだった。
そしてこの三年生で初めて、ボーちゃんとネネちゃんとも一緒のクラスになることができた。
「明日から夏休みよー。あっねぇ今日みんな空いてる?終業式終わったらカラオケいこーよ。マサオのバカにはボーちゃんからメールするから」
「いいよー」

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:42:50.31 ID:njixoIcL0
ネネちゃんは小さい頃からそうだったけれど、更に我の強い女王様タイプの女性に成長した。
顔立ちはきれいな方で、男子の人気も非常に高いがその性格のせいであまり人が近寄ってこない。
だけど本人はあまり気にしてはいないようだ。
無理をして友人を作る方がストレスがたまるし、うさちゃんもボロボロになると言っていたのを聞いたことがある。

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:47:30.92 ID:njixoIcL0
そんな彼女の、心の許せる時間はやはり、僕たちと一緒にいる時だった。
「あっ。マサオくんからメールきたっ。」
僕の前の席で携帯を弄っていたボーちゃんは顔をあげてそう言った。
高校生になった彼は、幼い頃見たいに鼻水は垂れていないけど今でも鼻炎の薬は欠かせない。
幼い頃から変わっていないボーちゃんは、美術が得意で後輩からの人気が高い。
昔から珍しい石を集めるのが好きたったボーちゃん。
だけど、あるとき一人で石を探しに山に登ったとき沢で死んでいる人を見つけてから石を探すのをやめている。

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:48:09.64 ID:K0KRjbhx0
こえー

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:53:01.05 ID:njixoIcL0
「―――――で、以上を、持ちまして終業式おわりっ!くれぐれも事故のないように注意しろよ!一人でも欠けたらこの俺も悲しむからな!じゃ解散!!」
終業式を終え、みんなで学校をでて目的地のカラオケ屋まで歩いて向かう。
「やっと終わったわねー。教頭の話長すぎー、。校長は空気読んで短かったけど!」
ネネちゃんはしんのすけの隣でブーブー文句を言っている。
「夏休みだなー」
ほのぼのとボーちゃんが呟いた。
「この夏休みくらいいっぱい遊ぼうね!朝しんのすけともしゃべってたんだ。高校生活最後の夏休みだし、忘れられない夏にしようって。なあ、しんのすけ」
「おう!青春を謳歌しようぜ!!」


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 01:56:48.15 ID:njixoIcL0
ネネちゃんはしんのすけの顔を見上げてニコニコ笑っている。
「あっしんちゃん髪になにかついてるわよ。私とってあげる」
「おっ。ありがとう」
ネネちゃんはしんのすけの髪についていたものをとりながら頬を染めている。
ネネちゃんはしんのすけのことが好きなんだと思う。
中学の頃からそう感じている。しんのすけに向けるはにかんだ笑顔や、しんのすけを見つめるその瞳には、僕たちに向けられているものとはちがう別の感情があるような気がする。
しんのすけは気づいているのだろうか

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:00:33.26 ID:njixoIcL0
カラオケ屋の前につくと坊主頭の少年がこちらに気づき駆け寄ってきた。
「あっみんなまってたよぉー」
「おっマサオー♪ぐりぐりぃーぐりぐりぃー」
「やっ…やめてよぉしんちゃーん。もう///」
しんのすけはマサオくんの坊主頭に会うたびに、ぐりぐりとその頭を撫でまわす。
マサオくんは口では嫌がっているが、その照れた表情からまんざらでもないような感じがする。
多分、マサオくんはバカなのたと思う。

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:05:55.99 ID:njixoIcL0
「ちょっとマサオくん!なにその汚い靴!ちゃんと洗わないとダメっていっつも言ってるでしょ!足元を綺麗にするのがお洒落の第一歩なのよ!もうっ」
「はっ…はい!ネネちゃんはいつも厳しいなー。あっでもこれ、昨日バイクで転んで汚れちゃったんだ」
「ああ?バイク?あんたまだ、そんな危険なものに乗ってるの?まったく男の子って!!」
「ごめんなさい!でも怪我してないよオロオロ」
マサオくんは子供の頃から全然変わってない。ネネちゃんとの主従関係は今でも継続している。
マサオくんは昔からオドオド、オロオロしていて要領が悪かった。
僕たちと高校でバラバラになってしまうため。いじめられたりしていないか心配だった。

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:12:32.19 ID:njixoIcL0
案の定、高校入学当初から、不良グループに目をつけられたマサオくんは、標的にされ壮絶ないじめをうけていたそうだ。
でもあるとき。
不良グループのリーダーが、とある広場でマサオくんを、集団でリンチして山か港に捨てようという計画を立てたことがあったそうだ。
その広場までマサオくんを連れていくのに、不良グループの、リーダーは無理矢理マサオくんを、バイクの後ろにのせたそうだ。
だけど、リーダーのあまりにも運転が下手すぎてマサオくんはキレてしまい無理矢理運転をかわり自分でリンチ広場までバイクをはしらせたそうだ。
その並外れた技術とスピードに魅せられた不良たちは、マサオくんを崇め苛めはなくなったらしい。
そう、マサオくんはバンドルを握らすと性格が180℃豹変するのだ
つまり、マサオくんはやっぱりバカなのだと思う。

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:16:05.03 ID:njixoIcL0
「おっ!うっかり忘れてたぞ!今日、うち昼間誰もいなく、ひまわりより先に帰らなきゃいけなかったんだ」
「えーしんちゃん帰っちゃうの?」
「うーん、そうだ。カラオケ、ひまわりもよんでいい?」
「いいわよー。ねえ風間くん」
「そうだよ。いいにきまってるじゃん。さあ早くひまわりちゃんよびなよ。、ほらほら」
こうして、僕たちの夏休みがはじまった。

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:18:13.67 ID:njixoIcL0
本当にたくさんのことをした。
僕ら五人とひまわりちゃんは常に一緒だった。
一つ一つの出来事がカメラのシャッターを押すように僕らのなかに思い出として刻まれていく。
みんなで喋り、みんなではしゃぎ、みんなで笑いあったあの夏休み。

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:18:40.61 ID:q3G+UrXE0
なんか怖い

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:21:54.83 ID:njixoIcL0
みんなで夏祭りに行ったことがあった。
その祭りで開設された『本格幽霊やしき』に入ることになった。
二人一組ではいるため、自然にしんのすけとネネちゃん、僕とひまわりちゃん、マサオくんとボーちゃんのペアになった。
祭りで開設されるような幽霊やしきだからそんなに怖くないだろうと思っていたが予想を越える怖さだった。
だけど暗闇で怖がっているひまわりちゃんの手を握っていたらこの子を守らなくてはという思いが込み上げてきた。

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:23:40.16 ID:D4fW7Cnt0
あわわわわわ

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:25:20.30 ID:njixoIcL0
ネネちゃんはキャーキャーと叫びながらしんのすけに抱きついていた。
マサオくんはあまりの怖さに固まってしまい、後ろからきた別の客に蹴り倒されていた。
やっぱりマサオくんはバカなのだ。
祭りのあと花火大会を川辺で見ようとみんなで歩いた。
なんとなくひまわりちゃんと僕は手を繋いだままだった。
しんのすけの腕にネネちゃんは腕を絡ませている。
途中、僕としんのすけの目があったが、しんのすけは口元でにやっと笑っただけだった。

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:29:55.65 ID:njixoIcL0
「花火、きれいだなー」
川辺に腰かけてしんのすけがそう呟いた。隣に座っていたネネちゃんが頷く。
「パッと咲いてサーっと散ってく。一瞬なのにいつまでも心に残ってる。いいなぁ花火は……」
まもなく花火大会のクライマックスなのだろう。ドンドンドンと怒ったように打ち上げられる花火は『私のことを忘れないで』と訴えているようだ。
ふと視界の隅でしんのすけとネネちゃんがキスをしているのがめにはいった。
二人は唇を外すと顔を見合わせて微笑んだ。しんのすけはネネちゃんの肩を抱くと空を見上げて夏を彩る花火をみた。

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:34:07.13 ID:njixoIcL0
「おにいちゃん、やるわねー」
ひまわりちゃんが僕の耳元でそう言った。
僕たちはずっと手を握っている。、
「ねえ、風間さん、キス……したことある?」
「えっ!したことないよ!しんのすけとしか!…あっでもあれは僕のファーストキスじゃ……」
言い終わらないうちに突然僕の唇に温かくて柔らかいものが重なった。
ひまわりちゃんの唇だ。
「ごめんなさい。……でも私風間さんのこと好きで……初キスは大好き人って決めてたから」
花火大会が終わって空が暗くなっても僕たちはしばらく空を見上げていた

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:37:53.26 ID:hetOBAky0
ぼーちゃんマサオがデキてるってコトで良いのか?

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:38:22.50 ID:njixoIcL0
あっという間に夏休みが過ぎていき、たくさんの思い出が蓄積されていく。
河原でバーベキューをしたさいにマサオくんが流れて行ってしまったこともある。
しんのすけとネネちゃんが正式に付き合うことになり、僕とひまわりちゃんもそういう関係になったりもした
自転車でノーブレーキで下りながら大声で叫んだり、海へ行ってスイカのかわりにマサオくんを、打ち付けたこともあった。
全てが僕たちにとって忘れられない思い出だった。
しんのすけのまわりにはいつも笑いがあって、いつも僕らがいた
僕たちは幸せだった。

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:42:01.87 ID:Ff/rhFxh0
時間て怖いな

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:43:38.43 ID:njixoIcL0
8月31日。夏休み最後の夜。
20時ころに自宅の電話がなった。ママが応対していたが
「トオルちやーん。しんのすけくんからお電話よー」と呼ぶ声がした。
「しんのすけ?……わかった」携帯の方にかければいいのにと思いながら電話に出る。
『あら、トオルちゅわーん。携帯電源切れてるわよぉーん』
「気持ち悪い声出すなよ。って携帯切れてた?ごめんごめん。ところでどうした?」
『んーあのさ、今から出れない?ネネやボーちゃんたちには声かけたんだ。子供のころ遊んだあの公園で集まろうって。ひまもくるぞ』
「うん、いいよー。なんかするの?」
『メインイベントだよ。楽しみにしてて』

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:44:51.42 ID:0lTNqsbK0
きたか

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:46:42.55 ID:njixoIcL0
「あっ風間くん」
「こっち。こっち。」
ボーちゃんたちはすでに集まっている。ひまわりちゃんの姿もあるが、しんのすけの姿は見当たらない。
「しんのすけは?」
「ちょっと準備してくるからってどっか行ったの。多分すぐ来るとは思うけど」
子供のころみんなと一緒に遊んだ公園。昔は広く感じていたこの公園は、今はなんだか小さく見える。

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:48:22.81 ID:+/K26Xa30
しえん
頼む…平和に、物語を進めてくれ

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:48:55.83 ID:njixoIcL0
「しんちゃん、遅いわねー」
少し寂しそうにネネちゃんが言った。
「でも、メインイベントってなんだろう」
「なんだろうねー。早くしんちゃんこないかなー」
少し無言が続く。
なんとなくみんながしんのすけのことを考えているのだろうと思った。

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:51:51.84 ID:FLeFVtCS0
胸糞だけはやめろよ

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:53:49.07 ID:njixoIcL0
「しんちゃんって不思議な人だよねっ」
「そうだね。お調子者でいつも元気で、頭の回転早くて、いつもみんなを楽しませてくれて」
「しんちゃん、やさしくて正義感あるしね!ボクが苛められて泣きながらしんちゃんに電話したときもずっと話を聞いてくれたし」
「うんしんちゃんは優しい人よ。一緒にいて安心できるし、そばにいるだけで笑顔になれるの」
「しんのすけはみんなから愛されてるなー」
僕は心からそう言った。
「僕さ、思うんだ。しんのすけがいなかったらきっと高校なんかも別々で、それぞれ友人作ってバラバラになってたような気がするんだ。しんのすけは本当に凄い奴だよ」

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:55:45.85 ID:njixoIcL0
「うふふ。なんかみんなおにいちゃんのこと誉めてくれるから、なんかくすぐったいや。でも、あの人の妹でいるのはすごく大変なのよ」
ひまわりちゃんは苦笑しながら公園の入り口に目を向けた。
しんのすけはあらわれない。

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:56:12.74 ID:HWUP8HA0I
おい・・・

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/08(金) 02:59:10.13 ID:HxXf0Pqo0
嫌な予感しかしない

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