ネネ「最近、しんちゃん家、様子がおかしいのよねぇ」
Part1
1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 00:52:52.736 ID:coUSlzEP0
ネネ「最近、しんちゃん家、様子がおかしいのよねぇ」
ボーちゃん「しん、ちゃんがおかしいのはいつものこと」
風間「だけどあいつ、なんか」
ネネ「なんかって何よ、歯切れ悪いわね!」
風間「ごめんなんでもない」
マサオ「でも、ボクもしんちゃんの家変だと思う」
ネネ「そうよね!しんちゃんのお母さん、痩せて可愛くなったし」
マサオ「しんちゃんのお父さんは少し、かっこよくなってた」
ボーちゃん「でも、それ、いいこと」
ネネ「そう!いい事なのよ!いい感じに変わったの!」
風間「まぁ、しんのすけの家にも事情はあるんだろうし深入りすることは無いよ」
マサオ「そうだね!あ、しんちゃーん!!こっちこっちー!!」
風間(みんなは気付いてないみたいだけど、しんのすけは最近様子がおかしい)
風間(いつも白目が充血してるし、明るくしてるけど前みたいなしんのすけじゃなくて、まるで演じているみたいに見える)
風間(しんのすけに何か悪い事が起きてるのは、間違いがない。だけど、僕は何をすることも出来ない。悔しいけど、何も出来ないんだ)
しんのすけ「ほほーい!遊ぶゾ~!!でも」
しんのすけ「今日は父ちゃんが迎えに来てるからまた今度!」
風間「あぁ、そうか」
ネネ「なら仕方ないわね」
しんのすけ「風間くん、気を落とさないでぇ~。今度いっぱい遊んであ、げ、るから」
風間「僕はそんなこと望んでない!」
よしなが「しんちゃーん!早く来てー!」
しんのすけ「ほほーい!それじゃあねぇー!」
風間(しんのすけ、何もしてあげられなくてごめん)
4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 00:56:16.949 ID:coUSlzEP0
ひろし「吉永先生、いつもお世話になっております。これからは多分、私の方が来ると思うので……」
よしなが「いえいえ~、あの、しんちゃんのお父様、もしかして筋トレ始めました」
ひろし「………?あ!はい!始めたんですよ!ジムとかには通ってないんですけど、引き締まって見えます?」
よしなが「はい!それはすごく!今度、痩せ方とか教えてくれませんか?」
ひろし「………いや、筋トレは自分で探求するのが面白いものなので、私に聞くよりも試し試しにやった方がいいと思いますよ」
よしなが「は、はい。分かりました!」
ひろし「よし、しんのすけ帰るぞ。それでは、お世話になりました。ありがとうございました」
よしなが「はい!こちらこそ、いつもありがとうございます!」
ひろし「ありがとうございました。ほら、しんのすけも」
しんのすけ「ありがとうございました!」
ひろし「よぉし、よく出来た。今日は歩いて帰ろっか」
しんのすけ「父ちゃん、仕事は?」
ひろし「今日の分の仕事はすぐ終わったから切り上げてきた。今日は母ちゃん仕事だしな」
しんのすけ「かあちゃん、最近ずっとお仕事だね」
ひろし「仕方ないよ。」
しんのすけ「でも、かあちゃん昨日までは仕事切り上げてくれたゾ」
ひろし「そうだな。でも、これからはもっと遅くなるみたいなんだ」
しんのすけ「何か、悲しいゾ」
ひろし「ごめんな、しんのすけ」
しんのすけ「良いんだゾ。とーちゃん!悪いのは極悪尻デカ……極悪かあちゃんなんだから!」
ひろし「ハハハ……本当にごめん」
しんのすけ「とーちゃん………笑ってよ!いつもみたいに」
ひろし「いつもって何だろうな……いつもって」
5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 00:59:37.922 ID:coUSlzEP0
二ヶ月前
ピッピッピッ
黄金に光る液体を囲うパソコンを操作する十人弱の研究員。そこにぶくぶくと肥えた白装束の男が現れる。
白装束の男「準備は出来てるのか?奈良尾」
奈良尾「はい、出来ております。今は暴走しないように見張りをさせているという感じですね」
白装束「なるほど、ご苦労だったな」
着物の女「でも、完璧じゃないんでしょお。尺八ちゃんったらとっても見栄っ張り」
奈良尾「尺八ちゃんと言うな!テキコ!!」
テキコ「本当のことじゃない!重要なパーツが揃ってないのに見栄ばかり張って」
奈良尾「クソが、クソがクソが!!」
テキコ「あなた、見栄張りな上に語彙力も無いのね。幹部辞めたら?」
白装束「喧嘩はそこまでだ。奈良尾、何が足りない」
奈良尾「足りないというか余剰なんです。この地球の役から一人はみ出ている。いや、厳格には三人かな?」
白装束「その三人というのは」
奈良尾「野原ひろしと野原みさえ、そして野原しんのすけです。我々の調べでは野原しんのすけは様々な問題を解決しています。」
奈良尾「バカバカしいかもしれませんが、この園児は並々ならぬポテンシャルを秘めている」
奈良尾「故に、我々の脅威になりうる存在なのです」
白装束「つまり、そいつを殺せばいいのか」
奈良尾「殺せばいいのですが、もっと効率のいい方法があります」
奈良尾「この機器の試運転。実行ではなく取り敢えずの応用と抹消を同時に行えばいいのです」
白装束「なるほど、それでは今すぐやれ」
奈良尾「はい、それでは出川珍蔵さま。ここに指を」
珍蔵「わかった。これで……ようやく私の計画が完成する!!」
珍蔵が装置に取り付けられた機会に指をあてた。液体が沸騰すると共に眩い光を放った。
珍蔵「成功か?」
奈良尾「はい、成功致しました。この地球から対象は消滅致しました」
8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:05:48.920 ID:coUSlzEP0
二ヶ月前
みさえ「こら!しんのすけ!ピーマン残さないの!」
しんのすけ「ピーマンなんて食べなくても生きてけるゾ!」
みさえ「あんたねぇ!!」コブシプルプル
ひろし「まぁまぁ、ピーマンくらいでそんなに怒るなって」
みさえ「ピーマンくらいって、あなたが甘やかしすぎるから!」
ひろし「へいへい、ごめんな」
みさえ「へいへいって!あなたねぇ!」
バチン!ブレーカーが落ちる音ともに春日部中の電気が消えた。慌て騒がしい家内だったが、次第に静かになり完全な無音になると共に電気がつく。
9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:07:10.785 ID:coUSlzEP0
しんのすけ「とーちゃん、かあちゃん?」
周りから、みさえとひろしが消えたことを知るとしんのすけは家中を駆け回る。しかし、見つけることは出来なかった。
しんのすけ「……とーちゃん、かあちゃん、どこ行ったんだゾ?」
しんのすけ「どこ行ったんだゾ!!こんな冗談、面白くないゾ!!!!」
叫んでも出てこなく。しんのすけは茶の間に戻ると皿の上に置かれたピーマンを一つ摘み上げ口に詰めた。
しんのすけ「ほら!おら、ピーマン食べたゾ!」
しんのすけは皿を持ち上げ、口に流し込む。口に満杯になったピーマンを頑張って咀嚼し飲み込んだ。
しんのすけ「ピーマン全部食べたぞ!!」
しんのすけ「もう、好き嫌いも悪いことも全部しないゾ!だから……だから」
しんのすけ「出てきてよ……みんな」
ひまわりがしんのすけの背中に乗りかかった。
ひまわり「うーうー」
しんのすけ「ひまわり、かあちゃん。どこに行ったかわかる?」
ひまわり「あーうー」首を横に振る
しんのすけ「そっか、暇もわかんないか。きっと、オラが悪い子だからオラのこと置いてったんだゾ」
しんのすけ「ごめんな。ひまわり、オラのせいでまきぞえになっちゃって」
ドスン!
しんのすけ「………!二階?」
しんのすけ「音を立てるなんておっちょこちょいだなぁ」
ひまわり「たいたいたいたい」
ひまわりを追って二階に上がっていく。
二階に行くとそこには、筋肉がつき顔が少し逞しくなったひろしと、髪の短い痩せたみさえが立っていた。
ひろし「ひま、しんのすけ!!」
みさえ「みんな、みんな!!」
しんのすけとひまわりにひろしが抱きつき、それを追うようにみさえが後ろから抱きついた。
しんのすけ「とーちゃんなの?かあちゃんなの?」
みさえ/ひろし「」コクリ
しんのすけ「とーちゃん、かあちゃん」
感極まると同時にしんのすけの心には確固とした感情が生まれていた。その感情は決して、前向きなものでは無い。
しんのすけ(とーちゃんとかあちゃんなのに、とーちゃんとかあちゃんの匂いじゃないぞ)
10 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:07:52.211 ID:F+XrqyjnK
ホラー展開へ
11 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:07:59.311 ID:coUSlzEP0
タイトル『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 野原家バース!!』
12 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:08:11.306 ID:Z9oY+kk1M
こわっ
13 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:09:09.466 ID:F+XrqyjnK
紫煙
14 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:10:53.403 ID:coUSlzEP0
ボストンバッグを手に持つひろしは、服越しに腹筋を撫でながら帰路を歩いている。
ひろし「今日は疲れたなぁ。まじで、なんであそこで関節キメるんだよ」
ひろしの前に金髪の男が走り寄った。
ひろし「……どうしたんですか?木村さん、今日は飲みに行けないっすよ」
木村「ひろし!お前の家が、家が!!」
木村はひろしの家の方を指さした。煙がもくもくと立っている。ひろしは察すると家に向けて走り出した。
ひろし「小火だ。小火だ。ただの小火だ。そうであってくれ、お願いだ。そうであってくれ……!!」
祈り虚しく、目の前に広がるのは轟轟と燃え盛る見慣れた家であった。
ひろし「あ……あ、、待て、冷静になれ野原ひろし。俺はなんだ、俺は全てを乗り越えてきた。だから、だからこそ、今回も」
ひろしは燃え盛る家の中に入っていこうとする。
ご近所さん「野原さん!ダメですって!危ないです!!」
ひろし「危ない?危ねぇわけねぇだろ!!俺は嫁も息子も生きてれば、どんな痛みにも耐えられんだよ!!!」
思いっきり体に力を込めご近所さんを振り払うと全速力で茶の間へと向かっていった。
目の前に広がる光景は地獄絵図。チリチリになった絨毯の上に転がるのは、燃え尽き大小三つの人の形になった炭であった。
ひろし「みさえ!!なぁ、今日は帰るの遅かったぞ。叱ってくれよ」
みさえだったもの「…………」
ひろし「ひま!たいたいたいはどうしたんだ?」
ひまわりだったもの「…………」
ひろし「しんのすけ!!いつも通りバカ言ってくれよ」
しんのすけだったもの「…………」
返事が返ってくることは無い。
ひろし「……家族が救えないで……何が……救えるってんだよ!!くそ………くそぅ」
燃え盛る火の中、ひろしはボストンバッグを起きながら三人の死体の前でおいおいと泣き出した。
ぐわん
ひろしの視界が歪み、ブラックアウトする。彼はボストンバッグを握りしめると落ちていく、もしくは浮かび上がるような感覚に襲われる視界が元に戻った。そこは見慣れたようで細部が異なる自身の家であった。
ひろし「ひま、しんのすけ!!」
目の前に立つ、二人の子供を見てひろしは思わずボストンバッグを床に落とし抱きついた。
15 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:11:47.307 ID:WOVSLWws0
別の世界線か
16 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:11:59.228 ID:coUSlzEP0
みさえ「ただいまぁ、」
みさえはしんのすけとひろしとひまわりの写真が嵌め込まれた写真立てに向かって挨拶をする。
みさえ「今日も仕事疲れたわ……」
食べ物を冷蔵庫から写真の前に運んだ。
みさえ「美味しいね……ひま、しんのすけ、あなた」
みさえ「ははは……何やってんだろ」
みさえ「ごめんね、みんな」
みさえ「わたしのせいで」
ぐわん
視界が歪み、ブラックアウトする。落ちていく感覚と共に、浮かび上がるような感覚に襲われた。ドスン!と地面に落ちると共に視界が元に戻った。そこにあるのは見慣れない家、しかしそこには自分が愛していた家族がたっていた。
みさえ「みんな、みんな!!」
抱きつくヒロシの後ろからみさえはみんなを抱え込むようにして抱きしめた。
17 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:13:41.253 ID:coUSlzEP0
現代
ひろし「いつもって何だろうな……いつもって」
ひろし「あぁ、すまんすまん。元いた所のことを考えちゃってな」
しんのすけ「もう、二ヶ月ですな」
ひろし「だな、しんのすけは信じてくれるのか?俺が、他の世界から来たってこと」
しんのすけ「おら、未来にも行ったし過去にも行ったから、不思議な事をいっぱい経験したから」涙が流れる
ひろし「ごめん、しんのすけ。思い出したら辛いよな」
しんのすけ「とーちゃん、大丈夫だゾ!おらにはちょっと違うけどとーちゃんも居るし、かあちゃんも居るから!」
ひろし「ははは、今日は美味しいもの食べような!!」
ひろしとしんのすけはが家の扉を開け、家の中に入っていく。
しんのすけ「ただいマカロニスパゲッティ」
ひろし「おかえりんごパイナップルー」
プルルルルルルルル
ひろし「はい!こちら野原ひろしです!」
電話を懐から取り、耳にあてた。
ひろし「はい!はい!今からですか?……はい、分かりました」
ひろしはあからさまに申し訳なさそうに眉を下げた。
ひろし「しんのすけ、本当にごめん!緊急で仕事が入っちまった」
しんのすけ「ご飯はどうすればいいんだ?」
ひろし「……本当にごめん、今日は冷凍食品をチンしてくからそれ食べててくれないか」
しんのすけ「お仕事ぉ?」
ひろし「おう、ごめんな」
しんのすけ「大丈夫だゾ!!おら、おら我慢出来る!」
ひろし「しんのすけ………ありがとう」
冷凍室から冷凍食品を取り出し、封を切ると、中に入ったものをレンジの中に入れチンをした。それを皿に移し、茶の間のテーブルに置く。
ひろし「……いってきます!すぐに帰ってくるから!」
しんのすけ「いってらーー!!よぉし!今日はお留守番だぞ!!今日も、お留守番」
19 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:15:19.369 ID:coUSlzEP0
しんのすけ「いってらーー!!よぉし!今日はお留守番だぞ!!今日も、お留守番」
ひまわり「うーうー」
しんのすけ「ひろしはお仕事だゾ。みさえもお仕事。今日はお兄ちゃんとお留守番だゾ!」
ひまわり「うーー?」
しんのすけ「冷凍食品もなかなか悪くないゾ!かあちゃんのご飯よりも……」
冷凍食品の横に置かれた離乳食を掬い、ひまわりの口に運ぶ。
しんのすけ「あーん、美味しいか?ひま」
しんのすけ「……………………」
しんのすけ「こんなの、寂しいぞ」
しんのすけ「みさえは専業主婦だし、ひろしは家族想い。それが野原一家なんだぞ、なのに、なのに」
しんのすけ「こんなの!!野原一家じゃないぞ!!!」
冷凍食品を口に詰め込んだ。
しんのすけ「こんなのより、かあちゃんのご飯の方が美味しいゾ!みんなで食べるご飯の方が美味しいんだゾ!」
離乳食をひまわりに食べ終わらさせた。おんぶ紐を取り出しひまわりに付け、おぶった。
しんのすけ「オラは家出するゾ!!」
紙に下手な字で「家出する!」と書くと、家の外に駆け出した。
20 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:16:47.667 ID:coUSlzEP0
二時間後
みさえ「ただいまぁ。あぁ、疲れたぁ」
みさえ「しんのすけ~、お帰りはぁ~」
みさえ「しんのすけ~!」
茶の間に行くとテーブルに置かれた紙を拾い上げる。
みさえ「しんのすけ?悪い冗談はよしてよ!しんのすけー!!」
みさえ「居ない……あなたは」
スマホに電話番号を打ち込んだコール音が終わると共にひろしの声が聞こえる。
みさえ「あなた!!しんのすけがしんのすけが家出したの!!!」
ネネ「最近、しんちゃん家、様子がおかしいのよねぇ」
ボーちゃん「しん、ちゃんがおかしいのはいつものこと」
風間「だけどあいつ、なんか」
ネネ「なんかって何よ、歯切れ悪いわね!」
風間「ごめんなんでもない」
マサオ「でも、ボクもしんちゃんの家変だと思う」
ネネ「そうよね!しんちゃんのお母さん、痩せて可愛くなったし」
マサオ「しんちゃんのお父さんは少し、かっこよくなってた」
ボーちゃん「でも、それ、いいこと」
ネネ「そう!いい事なのよ!いい感じに変わったの!」
風間「まぁ、しんのすけの家にも事情はあるんだろうし深入りすることは無いよ」
マサオ「そうだね!あ、しんちゃーん!!こっちこっちー!!」
風間(みんなは気付いてないみたいだけど、しんのすけは最近様子がおかしい)
風間(いつも白目が充血してるし、明るくしてるけど前みたいなしんのすけじゃなくて、まるで演じているみたいに見える)
風間(しんのすけに何か悪い事が起きてるのは、間違いがない。だけど、僕は何をすることも出来ない。悔しいけど、何も出来ないんだ)
しんのすけ「ほほーい!遊ぶゾ~!!でも」
しんのすけ「今日は父ちゃんが迎えに来てるからまた今度!」
風間「あぁ、そうか」
ネネ「なら仕方ないわね」
しんのすけ「風間くん、気を落とさないでぇ~。今度いっぱい遊んであ、げ、るから」
風間「僕はそんなこと望んでない!」
よしなが「しんちゃーん!早く来てー!」
しんのすけ「ほほーい!それじゃあねぇー!」
風間(しんのすけ、何もしてあげられなくてごめん)
4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 00:56:16.949 ID:coUSlzEP0
ひろし「吉永先生、いつもお世話になっております。これからは多分、私の方が来ると思うので……」
よしなが「いえいえ~、あの、しんちゃんのお父様、もしかして筋トレ始めました」
ひろし「………?あ!はい!始めたんですよ!ジムとかには通ってないんですけど、引き締まって見えます?」
よしなが「はい!それはすごく!今度、痩せ方とか教えてくれませんか?」
ひろし「………いや、筋トレは自分で探求するのが面白いものなので、私に聞くよりも試し試しにやった方がいいと思いますよ」
よしなが「は、はい。分かりました!」
ひろし「よし、しんのすけ帰るぞ。それでは、お世話になりました。ありがとうございました」
よしなが「はい!こちらこそ、いつもありがとうございます!」
ひろし「ありがとうございました。ほら、しんのすけも」
しんのすけ「ありがとうございました!」
ひろし「よぉし、よく出来た。今日は歩いて帰ろっか」
しんのすけ「父ちゃん、仕事は?」
ひろし「今日の分の仕事はすぐ終わったから切り上げてきた。今日は母ちゃん仕事だしな」
しんのすけ「かあちゃん、最近ずっとお仕事だね」
ひろし「仕方ないよ。」
しんのすけ「でも、かあちゃん昨日までは仕事切り上げてくれたゾ」
ひろし「そうだな。でも、これからはもっと遅くなるみたいなんだ」
しんのすけ「何か、悲しいゾ」
ひろし「ごめんな、しんのすけ」
しんのすけ「良いんだゾ。とーちゃん!悪いのは極悪尻デカ……極悪かあちゃんなんだから!」
ひろし「ハハハ……本当にごめん」
しんのすけ「とーちゃん………笑ってよ!いつもみたいに」
ひろし「いつもって何だろうな……いつもって」
5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 00:59:37.922 ID:coUSlzEP0
二ヶ月前
ピッピッピッ
黄金に光る液体を囲うパソコンを操作する十人弱の研究員。そこにぶくぶくと肥えた白装束の男が現れる。
白装束の男「準備は出来てるのか?奈良尾」
奈良尾「はい、出来ております。今は暴走しないように見張りをさせているという感じですね」
白装束「なるほど、ご苦労だったな」
着物の女「でも、完璧じゃないんでしょお。尺八ちゃんったらとっても見栄っ張り」
奈良尾「尺八ちゃんと言うな!テキコ!!」
テキコ「本当のことじゃない!重要なパーツが揃ってないのに見栄ばかり張って」
奈良尾「クソが、クソがクソが!!」
テキコ「あなた、見栄張りな上に語彙力も無いのね。幹部辞めたら?」
白装束「喧嘩はそこまでだ。奈良尾、何が足りない」
奈良尾「足りないというか余剰なんです。この地球の役から一人はみ出ている。いや、厳格には三人かな?」
白装束「その三人というのは」
奈良尾「野原ひろしと野原みさえ、そして野原しんのすけです。我々の調べでは野原しんのすけは様々な問題を解決しています。」
奈良尾「バカバカしいかもしれませんが、この園児は並々ならぬポテンシャルを秘めている」
奈良尾「故に、我々の脅威になりうる存在なのです」
白装束「つまり、そいつを殺せばいいのか」
奈良尾「殺せばいいのですが、もっと効率のいい方法があります」
奈良尾「この機器の試運転。実行ではなく取り敢えずの応用と抹消を同時に行えばいいのです」
白装束「なるほど、それでは今すぐやれ」
奈良尾「はい、それでは出川珍蔵さま。ここに指を」
珍蔵「わかった。これで……ようやく私の計画が完成する!!」
珍蔵が装置に取り付けられた機会に指をあてた。液体が沸騰すると共に眩い光を放った。
珍蔵「成功か?」
奈良尾「はい、成功致しました。この地球から対象は消滅致しました」
8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:05:48.920 ID:coUSlzEP0
二ヶ月前
みさえ「こら!しんのすけ!ピーマン残さないの!」
しんのすけ「ピーマンなんて食べなくても生きてけるゾ!」
みさえ「あんたねぇ!!」コブシプルプル
ひろし「まぁまぁ、ピーマンくらいでそんなに怒るなって」
みさえ「ピーマンくらいって、あなたが甘やかしすぎるから!」
ひろし「へいへい、ごめんな」
みさえ「へいへいって!あなたねぇ!」
バチン!ブレーカーが落ちる音ともに春日部中の電気が消えた。慌て騒がしい家内だったが、次第に静かになり完全な無音になると共に電気がつく。
9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:07:10.785 ID:coUSlzEP0
しんのすけ「とーちゃん、かあちゃん?」
周りから、みさえとひろしが消えたことを知るとしんのすけは家中を駆け回る。しかし、見つけることは出来なかった。
しんのすけ「……とーちゃん、かあちゃん、どこ行ったんだゾ?」
しんのすけ「どこ行ったんだゾ!!こんな冗談、面白くないゾ!!!!」
叫んでも出てこなく。しんのすけは茶の間に戻ると皿の上に置かれたピーマンを一つ摘み上げ口に詰めた。
しんのすけ「ほら!おら、ピーマン食べたゾ!」
しんのすけは皿を持ち上げ、口に流し込む。口に満杯になったピーマンを頑張って咀嚼し飲み込んだ。
しんのすけ「ピーマン全部食べたぞ!!」
しんのすけ「もう、好き嫌いも悪いことも全部しないゾ!だから……だから」
しんのすけ「出てきてよ……みんな」
ひまわりがしんのすけの背中に乗りかかった。
ひまわり「うーうー」
しんのすけ「ひまわり、かあちゃん。どこに行ったかわかる?」
ひまわり「あーうー」首を横に振る
しんのすけ「そっか、暇もわかんないか。きっと、オラが悪い子だからオラのこと置いてったんだゾ」
しんのすけ「ごめんな。ひまわり、オラのせいでまきぞえになっちゃって」
ドスン!
しんのすけ「………!二階?」
しんのすけ「音を立てるなんておっちょこちょいだなぁ」
ひまわり「たいたいたいたい」
ひまわりを追って二階に上がっていく。
二階に行くとそこには、筋肉がつき顔が少し逞しくなったひろしと、髪の短い痩せたみさえが立っていた。
ひろし「ひま、しんのすけ!!」
みさえ「みんな、みんな!!」
しんのすけとひまわりにひろしが抱きつき、それを追うようにみさえが後ろから抱きついた。
しんのすけ「とーちゃんなの?かあちゃんなの?」
みさえ/ひろし「」コクリ
しんのすけ「とーちゃん、かあちゃん」
感極まると同時にしんのすけの心には確固とした感情が生まれていた。その感情は決して、前向きなものでは無い。
しんのすけ(とーちゃんとかあちゃんなのに、とーちゃんとかあちゃんの匂いじゃないぞ)
ホラー展開へ
11 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:07:59.311 ID:coUSlzEP0
タイトル『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 野原家バース!!』
12 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:08:11.306 ID:Z9oY+kk1M
こわっ
13 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:09:09.466 ID:F+XrqyjnK
紫煙
14 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:10:53.403 ID:coUSlzEP0
ボストンバッグを手に持つひろしは、服越しに腹筋を撫でながら帰路を歩いている。
ひろし「今日は疲れたなぁ。まじで、なんであそこで関節キメるんだよ」
ひろしの前に金髪の男が走り寄った。
ひろし「……どうしたんですか?木村さん、今日は飲みに行けないっすよ」
木村「ひろし!お前の家が、家が!!」
木村はひろしの家の方を指さした。煙がもくもくと立っている。ひろしは察すると家に向けて走り出した。
ひろし「小火だ。小火だ。ただの小火だ。そうであってくれ、お願いだ。そうであってくれ……!!」
祈り虚しく、目の前に広がるのは轟轟と燃え盛る見慣れた家であった。
ひろし「あ……あ、、待て、冷静になれ野原ひろし。俺はなんだ、俺は全てを乗り越えてきた。だから、だからこそ、今回も」
ひろしは燃え盛る家の中に入っていこうとする。
ご近所さん「野原さん!ダメですって!危ないです!!」
ひろし「危ない?危ねぇわけねぇだろ!!俺は嫁も息子も生きてれば、どんな痛みにも耐えられんだよ!!!」
思いっきり体に力を込めご近所さんを振り払うと全速力で茶の間へと向かっていった。
目の前に広がる光景は地獄絵図。チリチリになった絨毯の上に転がるのは、燃え尽き大小三つの人の形になった炭であった。
ひろし「みさえ!!なぁ、今日は帰るの遅かったぞ。叱ってくれよ」
みさえだったもの「…………」
ひろし「ひま!たいたいたいはどうしたんだ?」
ひまわりだったもの「…………」
ひろし「しんのすけ!!いつも通りバカ言ってくれよ」
しんのすけだったもの「…………」
返事が返ってくることは無い。
ひろし「……家族が救えないで……何が……救えるってんだよ!!くそ………くそぅ」
燃え盛る火の中、ひろしはボストンバッグを起きながら三人の死体の前でおいおいと泣き出した。
ぐわん
ひろしの視界が歪み、ブラックアウトする。彼はボストンバッグを握りしめると落ちていく、もしくは浮かび上がるような感覚に襲われる視界が元に戻った。そこは見慣れたようで細部が異なる自身の家であった。
ひろし「ひま、しんのすけ!!」
目の前に立つ、二人の子供を見てひろしは思わずボストンバッグを床に落とし抱きついた。
15 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:11:47.307 ID:WOVSLWws0
別の世界線か
16 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:11:59.228 ID:coUSlzEP0
みさえ「ただいまぁ、」
みさえはしんのすけとひろしとひまわりの写真が嵌め込まれた写真立てに向かって挨拶をする。
みさえ「今日も仕事疲れたわ……」
食べ物を冷蔵庫から写真の前に運んだ。
みさえ「美味しいね……ひま、しんのすけ、あなた」
みさえ「ははは……何やってんだろ」
みさえ「ごめんね、みんな」
みさえ「わたしのせいで」
ぐわん
視界が歪み、ブラックアウトする。落ちていく感覚と共に、浮かび上がるような感覚に襲われた。ドスン!と地面に落ちると共に視界が元に戻った。そこにあるのは見慣れない家、しかしそこには自分が愛していた家族がたっていた。
みさえ「みんな、みんな!!」
抱きつくヒロシの後ろからみさえはみんなを抱え込むようにして抱きしめた。
17 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:13:41.253 ID:coUSlzEP0
現代
ひろし「いつもって何だろうな……いつもって」
ひろし「あぁ、すまんすまん。元いた所のことを考えちゃってな」
しんのすけ「もう、二ヶ月ですな」
ひろし「だな、しんのすけは信じてくれるのか?俺が、他の世界から来たってこと」
しんのすけ「おら、未来にも行ったし過去にも行ったから、不思議な事をいっぱい経験したから」涙が流れる
ひろし「ごめん、しんのすけ。思い出したら辛いよな」
しんのすけ「とーちゃん、大丈夫だゾ!おらにはちょっと違うけどとーちゃんも居るし、かあちゃんも居るから!」
ひろし「ははは、今日は美味しいもの食べような!!」
ひろしとしんのすけはが家の扉を開け、家の中に入っていく。
しんのすけ「ただいマカロニスパゲッティ」
ひろし「おかえりんごパイナップルー」
プルルルルルルルル
ひろし「はい!こちら野原ひろしです!」
電話を懐から取り、耳にあてた。
ひろし「はい!はい!今からですか?……はい、分かりました」
ひろしはあからさまに申し訳なさそうに眉を下げた。
ひろし「しんのすけ、本当にごめん!緊急で仕事が入っちまった」
しんのすけ「ご飯はどうすればいいんだ?」
ひろし「……本当にごめん、今日は冷凍食品をチンしてくからそれ食べててくれないか」
しんのすけ「お仕事ぉ?」
ひろし「おう、ごめんな」
しんのすけ「大丈夫だゾ!!おら、おら我慢出来る!」
ひろし「しんのすけ………ありがとう」
冷凍室から冷凍食品を取り出し、封を切ると、中に入ったものをレンジの中に入れチンをした。それを皿に移し、茶の間のテーブルに置く。
ひろし「……いってきます!すぐに帰ってくるから!」
しんのすけ「いってらーー!!よぉし!今日はお留守番だぞ!!今日も、お留守番」
19 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:15:19.369 ID:coUSlzEP0
しんのすけ「いってらーー!!よぉし!今日はお留守番だぞ!!今日も、お留守番」
ひまわり「うーうー」
しんのすけ「ひろしはお仕事だゾ。みさえもお仕事。今日はお兄ちゃんとお留守番だゾ!」
ひまわり「うーー?」
しんのすけ「冷凍食品もなかなか悪くないゾ!かあちゃんのご飯よりも……」
冷凍食品の横に置かれた離乳食を掬い、ひまわりの口に運ぶ。
しんのすけ「あーん、美味しいか?ひま」
しんのすけ「……………………」
しんのすけ「こんなの、寂しいぞ」
しんのすけ「みさえは専業主婦だし、ひろしは家族想い。それが野原一家なんだぞ、なのに、なのに」
しんのすけ「こんなの!!野原一家じゃないぞ!!!」
冷凍食品を口に詰め込んだ。
しんのすけ「こんなのより、かあちゃんのご飯の方が美味しいゾ!みんなで食べるご飯の方が美味しいんだゾ!」
離乳食をひまわりに食べ終わらさせた。おんぶ紐を取り出しひまわりに付け、おぶった。
しんのすけ「オラは家出するゾ!!」
紙に下手な字で「家出する!」と書くと、家の外に駆け出した。
20 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:16:47.667 ID:coUSlzEP0
二時間後
みさえ「ただいまぁ。あぁ、疲れたぁ」
みさえ「しんのすけ~、お帰りはぁ~」
みさえ「しんのすけ~!」
茶の間に行くとテーブルに置かれた紙を拾い上げる。
みさえ「しんのすけ?悪い冗談はよしてよ!しんのすけー!!」
みさえ「居ない……あなたは」
スマホに電話番号を打ち込んだコール音が終わると共にひろしの声が聞こえる。
みさえ「あなた!!しんのすけがしんのすけが家出したの!!!」
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