しんのすけ「オラのとーちゃんはとーちゃんじゃない」
Part2
64 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/25(日) 06:02:48.71 ID:gh1pqohX0
ーー公園
トオル「お、おい、しんのすけ、どうだった?」
ネネちゃん「しんちゃん、汗がすごいわよ。それに体もママの玩具みたいに震えてる」
ボー「ビデオ、見せて」
しんのすけ「う、うん」
ボー「こ、これは!」
65 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/25(日) 06:05:53.49 ID:gh1pqohX0
トオル「さっきの二人が、一瞬で消えた?」
ネネ「なによこれ、手品よね? そうよね?」
ボー「これで、はっきり、した。しんちゃんのパパは……」
ネネ「パパじゃない」
ネネ「ところでしんちゃん、右の靴が脱げてるわよ」
しんのすけ「あ、ほんとだゾ。急いでたから気付かなかった」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/25(日) 06:08:42.71 ID:pkYQ1+JxO
ママのおもちゃwww
67 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/25(日) 06:09:16.64 ID:gh1pqohX0
ひろし「……」キョロキョロ
ひろし「美智子さん。一緒に野原の家まで帰ってくれますね。家の前まで」
ひろし「中には入れられないが」
ひろし「……うん?」
ひろし「これは、靴? 幼稚園の通園用の靴だ……名前が書いてあるぞ」
ひろし「『野原しんのすけ』だと?」
ひろし「ドア、鍵は閉めていなかった」
ひろし「しんのすけ、あいつ……」
ひろし「まさかな」
68 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/25(日) 06:15:08.48 ID:gh1pqohX0
ネネ「警察よ、警察に届けるのよ」
トオル「そうだ、はやく行こう。これは殺人事件だよ」
ボー「待って、これだけ、見せても、きっとCGだって、疑われる」
ボー「それくらい、ありえないことが、起きている」
トオル「でもそれ以外に方法がないじゃないか」
ネネ「そうよ。はやくしないとこいつがしんちゃんの家に帰ってきちゃうじゃない」
マサオ(みんな何を言ってるんだ? 一瞬で消えた? 違うだろ? 二人は『爆発』して消滅したじゃないか)
マサオ(そして何よりも驚くべきは、こいつの体から出てきたこの猫のような化け物じゃあないのか?)
マサオ(それとも、みんなには見えていないのかな?)
69 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/25(日) 06:31:41.37 ID:gh1pqohX0
しんのすけ「オラ、やっつけるぞ……」
トオル「しんのすけ!」
しんのすけ「オラがあいつをやっつけるぞ」
ボー「しんちゃん、焦っちゃ、だめ」
トオル「だめだ、しんのすけ」
トオル「あいつがしんのすけのお父さんじゃない、とにかくやばいやつだと判った以上これはもう僕たちの手に負える問題じゃあない」
トオル「警察に行こう。はやくしないと犠牲者がこれ以上増える可能性がーー」
コッチヲミロォ
トオル「え?」
70 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/25(日) 06:37:22.47 ID:gh1pqohX0
トオル「今、誰か何か言った?」
ネネ「い、いいえ。それより風間くん」
ボー「その服に、ついてる車輪の、跡は?」
トオル「え? うわああ」
???「コッチヲミロッテイッテンダゼ」
ひろし(あのガキども、わたしのことをこそこそと調べて回っているようだ)
ひろし(まさかもう勘付かれるとはな)
ひろし(このタイミングで騒ぎを起こすのは得策ではないが、ここは杜王町とはかなり離れている)
ひろし(子供が数人行方不明になったからといって承太郎の耳には入らないだろう)
ひろし(今回は前のような失敗はしない……確実に仕留めるのをこの目で『確認』するのだ)
71 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/25(日) 06:38:40.99 ID:gh1pqohX0
ここでいったん休憩します
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/25(日) 07:26:56.56 ID:U0aJmFTQ0
おにぎり、まさか・・・
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/25(日) 07:51:40.88 ID:UJUqKaHH0
超おもしろい!
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/25(日) 09:51:11.18 ID:/0JGrnDCO
しんのすけ下手しないでもスタンド使いより強いんじゃ…
半端ないほどの特殊道具もってるだろ
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/25(日) 10:49:46.71 ID:z2IyxHkx0
特殊道具(尻)
80 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:07:23.16 ID:BhF3OWui0
再開します
マサオ(やはり、みんな風間君の服についている戦車が見えていないのか)
マサオ(どうする……どうする?)
シアーハートアタック(以下SHA)「コッチヲミロォ」
ひろし(いいぞ。まずは一人)
マサオ「風間、服を脱ぐんだ。はやくーー」
ひろし「無駄だ。間に合わん」
SHA「!」ギュイーン
ひろし「何だ? SHAが突然軌道を変えた」
マサオ「あ、あれは!?」
熱繰椎造「おいっちに、おいっちに」
81 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:11:04.62 ID:BhF3OWui0
ネネ「前に教育実習生として幼稚園に来た熱繰先生だわ」
トオル「ウサギを怖がっていた熱繰先生だ」
SHA「コッチヲミロォ」
マサオ「まずい、熱繰せんせェー、逃げてェー」
熱繰「え? いったいなnーー」
ドグォォォン
熱繰「」
82 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:16:38.59 ID:BhF3OWui0
ひろし(ちっ、邪魔が入ったか)
トオル「うわぁぁぁ、熱繰先生がぁぁ」
ボー「さっきの、ビデオの、ように、消滅した」
しんのすけ「熱繰先生ぇー」
マサオ(違う、あれは爆弾だ。あの戦車は爆弾なんだ)
マサオ(どういう原理かは判らないが、とにかく自動で相手を追尾する爆弾なんだ)
マサオ(しかも、あれが見えているのは今のところ僕だけ……)
ネネ「あ、みんなあそこを見てっ。あいつがいるわ!」
ひろし「!」
ひろし「……見つかったか」
マサオ(僕にしか見えないのならば、僕……いや『俺』が)
マサオ(俺がみんなを引っ張っていくしかないじゃあないか)
84 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:19:09.93 ID:BhF3OWui0
マサオ「みんな逃げるぞ」
ひろし「逃がすか」
ひろし「追え! SHA」
SHA「コッチヲミロォ」
85 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:24:25.01 ID:BhF3OWui0
マサオ「ハァ、ハァ」チラ
SHA「コッチヲミロォ」
マサオ「くそ、振り切れない」
マサオ(待てよ、そもそもあの爆弾戦車は何を目がけて動いているんだ?)
マサオ(あと少しで風間君を殺れたというのに、あいつは突然熱繰先生の方に軌道を変えた)
マサオ(なぜだ? それに今こうして町中を走り回っているのにあの爆弾戦車は俺たちだけを追尾してくる)
マサオ(何か理由があるはずだ)
マサオ(熱繰先生、熱くるしい、熱い、……っ!)
86 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:31:00.07 ID:BhF3OWui0
マサオ(そうか、判ったぞ)
マサオ(あの爆弾戦車は『熱』を探知しているんだ)
マサオ(突然熱繰先生の方へ行ったのは熱繰先生の方が体温が高かったから、つまり『暑苦しかった』から)
マサオ(最初に風間君を攻撃しようとしたのは風間君が興奮していて体温が『高く』なっていたから)
マサオ(他の人たちには見向きもせずに俺たちばかりを追っているのは俺たちが走っていて体温が『高い』状態だから)
マサオ「そうと判れば、みんな、こっちだ」
トオル「マサオ君、どこに行くんだ?」
マサオ「死にたくなけりゃあ、俺の言うことを聞きなっ」
87 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:32:57.78 ID:BhF3OWui0
ーー
ーーーー
ひろし「やつら、たしかこっちの方へ来たと思ったが」
ひろし「はっ!」
一同「……」
SHA「……」
ひろし「あのガキども、川の中に入っている!?」
88 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:35:44.11 ID:BhF3OWui0
ーー川
マサオ「こうしてよォ、水の中に入って体温を『下げて』しまえば、この爆弾戦車は俺たちのことを見失うよなァ?」
トオル「マサオ君、あいつ橋の上に来たよ」
ボー「こっちの、準備は、おーけー」
SHA「……」
ひろし「くっ、クソガキどもめ……」
89 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:42:15.30 ID:BhF3OWui0
ひろし(まさか弱点のないと思っていたSHAがまたしても攻略されるとは……)
ひろし(ふふ、しかし所詮は子供浅知恵よ……)
ひろし(ポケットの中に入っている爪切りを『爆弾』に変えた)
ひろし(キラークイーン、第一の爆弾……)
ひろし(これをやつらに向けて投げつければやつらは木っ端みじんに消し飛ぶ)
ひろし(躱して陸地へ逃げればSHAが再び起動する……ふふふ)
ひろし(どっちに転んでもこの吉良吉影の勝利というわけだな)
ひろし「……勝った」
マサオ「『勝った』と思っているのか?」
マサオ「貴様はチェスや将棋でいう『詰み(チェックメイト)』にはまっているんだぜ?」
ひろし「なんだと?」
90 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:45:50.77 ID:BhF3OWui0
マサオ「ボーちゃん、あれを」
ボー「ぼああ」カチャリ
ひろし「なんだ? あのガキども、ライターを出したぞ!?」
ひろし「しかも火を付けて……馬鹿め」
SHA「!」
ひろし「ライターの『熱』に反応してSHAが動き出したぞ」
マサオ「まだ気づかねえようだなァ」
マサオ「この場に一人いねえやつがいるだろう?」
ひろし「なに?」
91 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:47:45.56 ID:BhF3OWui0
ボー「……」
トオル「……」
ネネ「……」
マサオ「……」
ひろし「はっ、『やつ』は? 『やつ』はどこだ?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
しんのすけ「……」
92 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:53:06.59 ID:BhF3OWui0
ひろし「しんのすけ、こいつ、いつの間にわたしの後ろにーー」
しんのすけ「ケツだけアタァッッック」
しんのすけ「ぶりぶりぶりぶりぶりぶり」
ひろし「そうか! 一人だけ対岸に渡って橋の上まで登ってきたのかっ」
ドォン
ひろし「ぐはっ」
トオル「落ちたぞ!」
マサオ「今だ! あいつ目がけてボーちゃんライターを投げろッ!」
ボー「ぼああ」ヒョイ
マサオ「爆弾戦車は再び軌道を変えるぜ」
SHA「!」ギュイィィーン
93 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:55:08.95 ID:BhF3OWui0
ひろし「待てェ、SHA、止まれっ!」
ひろし「くぅっ、SHA、解jーー」
マサオ「もう遅い……みんな伏せろ!」
ドグォォォォォン
ひろし「」
94 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 18:01:01.74 ID:BhF3OWui0
トオル「やったか?」
ネネ「いないわ、あいつがいない」
ボー「僕たち、勝った」
トオル「やったー、あいつを倒したんだ」
ネネ「やったやったー」
マサオ(......)
マサオ(勝った? 違ぇだろ?)
マサオ(たしかにあいつは倒した。でもよ......なぁ? しんちゃん)
しんのすけ「とーちゃん......」
95 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 18:04:12.59 ID:BhF3OWui0
ーーその夜
みさえ「パパ帰りが遅いわねぇ」
みさえ「残業かしら? 電話ぐらいしてくれてもいいのに」
しんのすけ「……」
みさえ「もう遅いからしんちゃん先にご飯食べちゃいなさい」
みさえ「ママはパパが帰ってから食べるから」
しんのすけ「……」
しんのすけ「うっ……うっ……」
しんのすけ「オラも、とーちゃんが帰ってから一緒に食べるゾ」
96 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 18:08:56.05 ID:BhF3OWui0
その後、SPW財団の力を借りて県外まで追跡の手を広げた承太郎一行は当時、杜王町に出張していた会社員、野原ひろしが行方不明である旨の情報をキャッチした。
その家族に連絡を取ったところ吉良が鳩ケ谷夫妻を殺害しているビデオを入手。
事の顛末を知ることとなった。
97 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 18:10:42.66 ID:BhF3OWui0
しんのすけ「とーちゃん、オラ、やったよ?」
しんのすけ「仇を、とったよ?」
しんのすけ「とーちゃん、もっかい、会いたいゾ」
しんのすけ「……とーちゃん」
おわり
98 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 18:12:54.37 ID:BhF3OWui0
くぅ~疲れました
後半かなり駆け足な展開で雑になってしまいましたがご容赦ください
HTML化依頼出してきます
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 18:13:34.57 ID:mmxwAl+N0
悲しいなあ…
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 18:14:31.24 ID:GAZcZWiSo
ケロっと帰ってくる展開にすればよかったのに
101 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 18:24:06.50 ID:BhF3OWui0
みっちーの名前は本名が判らなかったので原作っぽい名前を勝手につけました
当初はマサオがオリジナルのスタンド能力に目覚める展開を考えていたのですが
それだとご都合主義が強くなる懸念があったので『見えるだけ』にとどめておきました
原作ネタバレの箇所も多々ありましたが、読んでくれた皆さまありがとうございました
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 19:21:49.67 ID:qxHkuc8jO
乙!おもしろかった
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 19:29:55.08 ID:QIdrSvaDo
乙
まさおがちょっと急すぎたけど面白かった
別の人も言ってるけどひろしは適当な理由でひょっこり戻ってきて良かったかもね
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 21:41:25.26 ID:LK5FlvPnO
俺も生きて帰ってくると思ってた
ひろしが生きててクレイジーダイヤモンドで治してもらって、顔は違うけど野原家に帰ってきて感動の再会...みたいな
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 22:14:55.09 ID:/C1qCIaxO
基本的に4部死んだ人生き返らないからね、しょうがないね
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 22:23:30.92 ID:Jbl4Q3pvo
ジョジョのシビアさをほのぼの作品に適用するとかなり切ないな
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 22:27:10.98 ID:IEWP8y/t0
なかなか切なくなった
乙
ーー公園
トオル「お、おい、しんのすけ、どうだった?」
ネネちゃん「しんちゃん、汗がすごいわよ。それに体もママの玩具みたいに震えてる」
ボー「ビデオ、見せて」
しんのすけ「う、うん」
ボー「こ、これは!」
65 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/25(日) 06:05:53.49 ID:gh1pqohX0
トオル「さっきの二人が、一瞬で消えた?」
ネネ「なによこれ、手品よね? そうよね?」
ボー「これで、はっきり、した。しんちゃんのパパは……」
ネネ「パパじゃない」
ネネ「ところでしんちゃん、右の靴が脱げてるわよ」
しんのすけ「あ、ほんとだゾ。急いでたから気付かなかった」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/25(日) 06:08:42.71 ID:pkYQ1+JxO
ママのおもちゃwww
67 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/25(日) 06:09:16.64 ID:gh1pqohX0
ひろし「……」キョロキョロ
ひろし「美智子さん。一緒に野原の家まで帰ってくれますね。家の前まで」
ひろし「中には入れられないが」
ひろし「……うん?」
ひろし「これは、靴? 幼稚園の通園用の靴だ……名前が書いてあるぞ」
ひろし「『野原しんのすけ』だと?」
ひろし「ドア、鍵は閉めていなかった」
ひろし「しんのすけ、あいつ……」
ひろし「まさかな」
68 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/25(日) 06:15:08.48 ID:gh1pqohX0
ネネ「警察よ、警察に届けるのよ」
トオル「そうだ、はやく行こう。これは殺人事件だよ」
ボー「待って、これだけ、見せても、きっとCGだって、疑われる」
ボー「それくらい、ありえないことが、起きている」
トオル「でもそれ以外に方法がないじゃないか」
ネネ「そうよ。はやくしないとこいつがしんちゃんの家に帰ってきちゃうじゃない」
マサオ(みんな何を言ってるんだ? 一瞬で消えた? 違うだろ? 二人は『爆発』して消滅したじゃないか)
マサオ(そして何よりも驚くべきは、こいつの体から出てきたこの猫のような化け物じゃあないのか?)
マサオ(それとも、みんなには見えていないのかな?)
しんのすけ「オラ、やっつけるぞ……」
トオル「しんのすけ!」
しんのすけ「オラがあいつをやっつけるぞ」
ボー「しんちゃん、焦っちゃ、だめ」
トオル「だめだ、しんのすけ」
トオル「あいつがしんのすけのお父さんじゃない、とにかくやばいやつだと判った以上これはもう僕たちの手に負える問題じゃあない」
トオル「警察に行こう。はやくしないと犠牲者がこれ以上増える可能性がーー」
コッチヲミロォ
トオル「え?」
70 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/25(日) 06:37:22.47 ID:gh1pqohX0
トオル「今、誰か何か言った?」
ネネ「い、いいえ。それより風間くん」
ボー「その服に、ついてる車輪の、跡は?」
トオル「え? うわああ」
???「コッチヲミロッテイッテンダゼ」
ひろし(あのガキども、わたしのことをこそこそと調べて回っているようだ)
ひろし(まさかもう勘付かれるとはな)
ひろし(このタイミングで騒ぎを起こすのは得策ではないが、ここは杜王町とはかなり離れている)
ひろし(子供が数人行方不明になったからといって承太郎の耳には入らないだろう)
ひろし(今回は前のような失敗はしない……確実に仕留めるのをこの目で『確認』するのだ)
71 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/25(日) 06:38:40.99 ID:gh1pqohX0
ここでいったん休憩します
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/25(日) 07:26:56.56 ID:U0aJmFTQ0
おにぎり、まさか・・・
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/25(日) 07:51:40.88 ID:UJUqKaHH0
超おもしろい!
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/25(日) 09:51:11.18 ID:/0JGrnDCO
しんのすけ下手しないでもスタンド使いより強いんじゃ…
半端ないほどの特殊道具もってるだろ
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/25(日) 10:49:46.71 ID:z2IyxHkx0
特殊道具(尻)
80 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:07:23.16 ID:BhF3OWui0
再開します
マサオ(やはり、みんな風間君の服についている戦車が見えていないのか)
マサオ(どうする……どうする?)
シアーハートアタック(以下SHA)「コッチヲミロォ」
ひろし(いいぞ。まずは一人)
マサオ「風間、服を脱ぐんだ。はやくーー」
ひろし「無駄だ。間に合わん」
SHA「!」ギュイーン
ひろし「何だ? SHAが突然軌道を変えた」
マサオ「あ、あれは!?」
熱繰椎造「おいっちに、おいっちに」
81 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:11:04.62 ID:BhF3OWui0
ネネ「前に教育実習生として幼稚園に来た熱繰先生だわ」
トオル「ウサギを怖がっていた熱繰先生だ」
SHA「コッチヲミロォ」
マサオ「まずい、熱繰せんせェー、逃げてェー」
熱繰「え? いったいなnーー」
ドグォォォン
熱繰「」
82 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:16:38.59 ID:BhF3OWui0
ひろし(ちっ、邪魔が入ったか)
トオル「うわぁぁぁ、熱繰先生がぁぁ」
ボー「さっきの、ビデオの、ように、消滅した」
しんのすけ「熱繰先生ぇー」
マサオ(違う、あれは爆弾だ。あの戦車は爆弾なんだ)
マサオ(どういう原理かは判らないが、とにかく自動で相手を追尾する爆弾なんだ)
マサオ(しかも、あれが見えているのは今のところ僕だけ……)
ネネ「あ、みんなあそこを見てっ。あいつがいるわ!」
ひろし「!」
ひろし「……見つかったか」
マサオ(僕にしか見えないのならば、僕……いや『俺』が)
マサオ(俺がみんなを引っ張っていくしかないじゃあないか)
84 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:19:09.93 ID:BhF3OWui0
マサオ「みんな逃げるぞ」
ひろし「逃がすか」
ひろし「追え! SHA」
SHA「コッチヲミロォ」
85 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:24:25.01 ID:BhF3OWui0
マサオ「ハァ、ハァ」チラ
SHA「コッチヲミロォ」
マサオ「くそ、振り切れない」
マサオ(待てよ、そもそもあの爆弾戦車は何を目がけて動いているんだ?)
マサオ(あと少しで風間君を殺れたというのに、あいつは突然熱繰先生の方に軌道を変えた)
マサオ(なぜだ? それに今こうして町中を走り回っているのにあの爆弾戦車は俺たちだけを追尾してくる)
マサオ(何か理由があるはずだ)
マサオ(熱繰先生、熱くるしい、熱い、……っ!)
86 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:31:00.07 ID:BhF3OWui0
マサオ(そうか、判ったぞ)
マサオ(あの爆弾戦車は『熱』を探知しているんだ)
マサオ(突然熱繰先生の方へ行ったのは熱繰先生の方が体温が高かったから、つまり『暑苦しかった』から)
マサオ(最初に風間君を攻撃しようとしたのは風間君が興奮していて体温が『高く』なっていたから)
マサオ(他の人たちには見向きもせずに俺たちばかりを追っているのは俺たちが走っていて体温が『高い』状態だから)
マサオ「そうと判れば、みんな、こっちだ」
トオル「マサオ君、どこに行くんだ?」
マサオ「死にたくなけりゃあ、俺の言うことを聞きなっ」
87 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:32:57.78 ID:BhF3OWui0
ーー
ーーーー
ひろし「やつら、たしかこっちの方へ来たと思ったが」
ひろし「はっ!」
一同「……」
SHA「……」
ひろし「あのガキども、川の中に入っている!?」
88 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:35:44.11 ID:BhF3OWui0
ーー川
マサオ「こうしてよォ、水の中に入って体温を『下げて』しまえば、この爆弾戦車は俺たちのことを見失うよなァ?」
トオル「マサオ君、あいつ橋の上に来たよ」
ボー「こっちの、準備は、おーけー」
SHA「……」
ひろし「くっ、クソガキどもめ……」
ひろし(まさか弱点のないと思っていたSHAがまたしても攻略されるとは……)
ひろし(ふふ、しかし所詮は子供浅知恵よ……)
ひろし(ポケットの中に入っている爪切りを『爆弾』に変えた)
ひろし(キラークイーン、第一の爆弾……)
ひろし(これをやつらに向けて投げつければやつらは木っ端みじんに消し飛ぶ)
ひろし(躱して陸地へ逃げればSHAが再び起動する……ふふふ)
ひろし(どっちに転んでもこの吉良吉影の勝利というわけだな)
ひろし「……勝った」
マサオ「『勝った』と思っているのか?」
マサオ「貴様はチェスや将棋でいう『詰み(チェックメイト)』にはまっているんだぜ?」
ひろし「なんだと?」
90 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:45:50.77 ID:BhF3OWui0
マサオ「ボーちゃん、あれを」
ボー「ぼああ」カチャリ
ひろし「なんだ? あのガキども、ライターを出したぞ!?」
ひろし「しかも火を付けて……馬鹿め」
SHA「!」
ひろし「ライターの『熱』に反応してSHAが動き出したぞ」
マサオ「まだ気づかねえようだなァ」
マサオ「この場に一人いねえやつがいるだろう?」
ひろし「なに?」
91 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:47:45.56 ID:BhF3OWui0
ボー「……」
トオル「……」
ネネ「……」
マサオ「……」
ひろし「はっ、『やつ』は? 『やつ』はどこだ?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
しんのすけ「……」
92 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:53:06.59 ID:BhF3OWui0
ひろし「しんのすけ、こいつ、いつの間にわたしの後ろにーー」
しんのすけ「ケツだけアタァッッック」
しんのすけ「ぶりぶりぶりぶりぶりぶり」
ひろし「そうか! 一人だけ対岸に渡って橋の上まで登ってきたのかっ」
ドォン
ひろし「ぐはっ」
トオル「落ちたぞ!」
マサオ「今だ! あいつ目がけてボーちゃんライターを投げろッ!」
ボー「ぼああ」ヒョイ
マサオ「爆弾戦車は再び軌道を変えるぜ」
SHA「!」ギュイィィーン
93 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 17:55:08.95 ID:BhF3OWui0
ひろし「待てェ、SHA、止まれっ!」
ひろし「くぅっ、SHA、解jーー」
マサオ「もう遅い……みんな伏せろ!」
ドグォォォォォン
ひろし「」
94 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 18:01:01.74 ID:BhF3OWui0
トオル「やったか?」
ネネ「いないわ、あいつがいない」
ボー「僕たち、勝った」
トオル「やったー、あいつを倒したんだ」
ネネ「やったやったー」
マサオ(......)
マサオ(勝った? 違ぇだろ?)
マサオ(たしかにあいつは倒した。でもよ......なぁ? しんちゃん)
しんのすけ「とーちゃん......」
95 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 18:04:12.59 ID:BhF3OWui0
ーーその夜
みさえ「パパ帰りが遅いわねぇ」
みさえ「残業かしら? 電話ぐらいしてくれてもいいのに」
しんのすけ「……」
みさえ「もう遅いからしんちゃん先にご飯食べちゃいなさい」
みさえ「ママはパパが帰ってから食べるから」
しんのすけ「……」
しんのすけ「うっ……うっ……」
しんのすけ「オラも、とーちゃんが帰ってから一緒に食べるゾ」
96 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 18:08:56.05 ID:BhF3OWui0
その後、SPW財団の力を借りて県外まで追跡の手を広げた承太郎一行は当時、杜王町に出張していた会社員、野原ひろしが行方不明である旨の情報をキャッチした。
その家族に連絡を取ったところ吉良が鳩ケ谷夫妻を殺害しているビデオを入手。
事の顛末を知ることとなった。
97 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 18:10:42.66 ID:BhF3OWui0
しんのすけ「とーちゃん、オラ、やったよ?」
しんのすけ「仇を、とったよ?」
しんのすけ「とーちゃん、もっかい、会いたいゾ」
しんのすけ「……とーちゃん」
おわり
98 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 18:12:54.37 ID:BhF3OWui0
くぅ~疲れました
後半かなり駆け足な展開で雑になってしまいましたがご容赦ください
HTML化依頼出してきます
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 18:13:34.57 ID:mmxwAl+N0
悲しいなあ…
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 18:14:31.24 ID:GAZcZWiSo
ケロっと帰ってくる展開にすればよかったのに
101 : ◆5lK.cAd2XyOg :2016/09/26(月) 18:24:06.50 ID:BhF3OWui0
みっちーの名前は本名が判らなかったので原作っぽい名前を勝手につけました
当初はマサオがオリジナルのスタンド能力に目覚める展開を考えていたのですが
それだとご都合主義が強くなる懸念があったので『見えるだけ』にとどめておきました
原作ネタバレの箇所も多々ありましたが、読んでくれた皆さまありがとうございました
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 19:21:49.67 ID:qxHkuc8jO
乙!おもしろかった
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 19:29:55.08 ID:QIdrSvaDo
乙
まさおがちょっと急すぎたけど面白かった
別の人も言ってるけどひろしは適当な理由でひょっこり戻ってきて良かったかもね
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 21:41:25.26 ID:LK5FlvPnO
俺も生きて帰ってくると思ってた
ひろしが生きててクレイジーダイヤモンドで治してもらって、顔は違うけど野原家に帰ってきて感動の再会...みたいな
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 22:14:55.09 ID:/C1qCIaxO
基本的に4部死んだ人生き返らないからね、しょうがないね
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 22:23:30.92 ID:Jbl4Q3pvo
ジョジョのシビアさをほのぼの作品に適用するとかなり切ないな
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/26(月) 22:27:10.98 ID:IEWP8y/t0
なかなか切なくなった
乙
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