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ナース騎士「くっ、コール押せ!!」

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Part2
29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 20:51:28 ID:.3ogTQak
ナース騎士「僧侶よ、すまない・・・私が間に合わなかったばかりに・・・」
僧侶「それでは、失礼しますね」
オーク「あいよ」
ナース騎士「貴様・・・この報いは必ず・・・」
オーク「だから何もやってねえ」
ナース騎士「覚えておけよ!!」
オーク「何をだ」

30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 20:52:09 ID:.3ogTQak
・・・
ナース騎士「喜べ。今日は肉を持ってきた」ドン
オーク「おっおう」
ナース騎士「どうした?食っていいんだぞ」
オーク「・・・」
ナース騎士「貴様ァ!!」ジャキッ
オーク「い、いただきます!!」

31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 20:52:39 ID:.3ogTQak
ナース騎士「どうだ、うまいか?」ニコニコ
オーク「ああ、うまい」モグモグ
ナース騎士「そうか、よかったな」ニコニコ
オーク「・・・」ムシャムシャ
ナース騎士「貴様ァ!!」ジャキッ
オーク「な、なんでだよ!?」

32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 20:53:20 ID:.3ogTQak
ナース騎士「わざわざ持ってきた私に何か言うことがあるだろう?」
オーク「おお・・・あんがとよ」
ナース騎士「・・・」ニヘラ
オーク「な、なんだよ・・・?」
ナース騎士「かっ、顔を見るなあっ!!」ズバァン
オーク「おぎゃああああああああああああああ!!!」ズパー

33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 20:54:10 ID:.3ogTQak
・・・
オーク「もうやだ。本格的にやだ。もう村に帰して」シクシク
ナース騎士「まだだ!まだ怪我が治ってない!!」
オーク「ここにいた方が早死にしそう・・・お願いだから医者にもう俺を見放すように言ってくれ」
ナース騎士「医療従事者としてそんなことはできない!!」
オーク「医療従事者として最もやっちゃなんねえことやってるだろお前」


34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 20:54:54 ID:.3ogTQak
医者「もういいんでない?」
ナース騎士「せ、先生!?」
オーク「ここにきて初めて医者見たわ俺」
医者「もう身体も十分に動かせるみたいだし、年金にも入ってないオークを入院させといて誰がその金を払うのかね」
ナース騎士「わ、私が払います!!」
オーク「なんでだよ」
ナース騎士「お前は私の患者だからだ!!」

35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 20:55:38 ID:.3ogTQak
医者「そもそも、オークとの戦争も終わった今、いつまでも彼を人間側に縛り付けておく必要もあるまい」
ナース騎士「そんな!せっかく捕らえたのに!!」
医者「オークはオークの社会で生きることが一番の幸せのはずだ」
ナース騎士「でも・・・でも・・・!」
オーク「おうお前ら俺を珍しい昆虫か何かみたいに」

36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 20:56:25 ID:.3ogTQak
・・・
医者「我々のできることは全てやった。あとは自らの村へ戻るがいい」
オーク「本当に打てる手の全てを打ってきた感あるわ。特にあの女」
医者「君が入院していた間の費用については心配いらない。王国から捕虜を扱った際の戦費として補助が出ることになった」
オーク「そうかい。それじゃあ、あばよ」
ナース騎士「・・・」

37 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 20:57:33 ID:.3ogTQak
オーク「あぁ~、せいせいしたぜ!!やっとあのくそ忌々しい場所とはオサラバだ!!」
オーク「まったく、半年近くあんなところに閉じ込められてたせいで身体中バキバキだぜ!」
オーク「さーて、さっそく村に帰って一狩りいくとするか!」
ナース騎士「・・・」
オーク「」

38 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 20:58:10 ID:.3ogTQak
ナース騎士「退院おめでとう」ニッコリ
オーク「なっ、な・・・」
ナース騎士「これでもう、お前と戦わなくていい理由はないな」ジャキッ
オーク「ちょっと待て!それこそ戦う理由のほうがねえよ!このまま黙って俺を村に帰してくれ!!」
ナース騎士「問答無用ァ!!」ブォン
オーク「なにコイツまじ怖ぇ!!」

39 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 20:58:53 ID:.3ogTQak
ナース騎士「待ァァァてェェェェ!!」
オーク「うわああああああああ!!」
ナース騎士「私の患者ァァァァァァ!!」
オーク「も、もう俺はお前の患者じゃねえ!どこも悪くねえ!!」
ナース騎士「ならばもう一度患者にするまでぇぇぇ!!」
オーク「なんだよこいつ!!これが巷で噂のヤンデレってやつかよォォォォォォ!!」

40 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 20:59:37 ID:.3ogTQak
<ガキィン!!
オーク「くっ・・・ぐぐぐ」
ナース騎士「ふっ、受け止めたか・・・やるではないか」
オーク「なっ、なんだってお前はそんな俺に執着するんだよ!?患者ならもっと他にいるだろ人間のが!!」
ナース騎士「私にあてがわれる患者などいない!いないのだ!!」
オーク「あー分かるわー。なんとなくそれ分かるわー」

41 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:00:19 ID:.3ogTQak
ナース騎士「いわばお前は私の初体験!私の初めての人!!だからお前はいつまでも私の患者なのだ!!」
オーク「やっぱりヤンデレじゃねえか!!」
ナース騎士「私にとってお前は!なくてはならない存在なんだ!!だから頼む!!いつまでも私の患者でいてくれ!!」
オーク「人にものを頼む態度じゃねえよそれ!ていうか俺オークだけど!いいから剣納めろ剣!!」
・・・

42 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:01:07 ID:.3ogTQak
ナース騎士「わっ、私は・・・騎士として戦い他人を傷つけることしかできなかった私は、今度は他人を癒したいと思い後方勤務の看護師に志願した・・・」
オーク「それ多分騎士がお前の天職だよ。ていうか前職の癖治ってないよ」
ナース騎士「わ、私は不器用なんだ・・・それ故、私にあてがわれる人間の患者はいないのだ・・・」
オーク「そりゃお前、俺だから何とかなったけど、人間だったら今頃入院中の数々のインシデントで死人が出てるぞ」
ナース騎士「私は・・・私は初めて自分にあてがわれた患者であるお前が、愛おしくて愛おしくてたまらないのだ!!」
オーク「やっべぇ治療が必要なのコイツなんじゃねーの?主に頭の」

43 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:01:46 ID:.3ogTQak
ナース騎士「だから・・・だから頼む!いつまでも私のそばにいてくれ!私の患者であってくれ!!」
オーク「悪いけどそんな歪んだ慈愛の相手したくないんですが」
ナース騎士「そうか・・・ならば」ジャキッ
オーク「おーい落ち着けー。剣しまえー目が殺す目してるぞー」
ナース騎士「手に入らないならいっそ・・・!」
オーク「もう本当こいつの相手すんの疲れた」

44 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:02:18 ID:.3ogTQak
ナース騎士「私はあきらめないぞ!!」
オーク「分かった、分かったよもう。俺があきらめるよ・・・」
ナース騎士「本当か!?」
オーク「ただし、一つ条件がある」
ナース騎士「何だ?」

45 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:03:05 ID:.3ogTQak
オーク「さっきから言ってるとおり、今の俺にはもう治療は必要ない」
ナース騎士「くっ、ならば・・・」
オーク「いいから最後まで話を聞け。・・・これを、お前に渡しておく」
ナース騎士「これは・・・?」
オーク「オーク族に伝わる魔石だ。これを使えば遠くにいても連絡を取り合うことができる」
ナース騎士「!」

46 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:03:48 ID:.3ogTQak
オーク「本来、オークは傷を受けても自然に治るのを待つだけだが・・・今後、俺が怪我をしたときはこの魔石を使って必ずお前を呼ぶ」
ナース騎士「・・・本当か?」
オーク「ああ」
ナース騎士「ふふ・・・ではさしずめ、この石はナースコールといったところだな」
オーク「そうだ。さあ行け。離れていてもいつまでも俺はお前の患者だ」
ナース騎士「・・・ありがとう、オーク」

47 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:04:27 ID:.3ogTQak
オーク「・・・行ったか」
オーク「・・・」
オーク「っしゃオラあああああああ!!なんとか乗り切ったあああああああああ!あれはただのその辺で拾った石ころだよバーカ!!」
オーク「さー帰るぞー!帰ってオークらしい酒池肉林の日々をおくるんだい!!」
オーク「イヤッホオオオオオオオオオオオウ!!!」

48 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:05:19 ID:.3ogTQak
・・・
オーク「よう!」
オークA「お前!!生きてたのか!!?」
オーク「この通りピンピンよ!!」
オークA「いやピンピンではないな」
オークB「むしろやつれて見えるぞ」
オーク「とりあえず肉と酒持ってきてくれ!」
・・・


49 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:05:57 ID:.3ogTQak
・・・
ナース騎士「・・・」
ナース騎士「おかしい・・・」
ナース騎士「あれからもう3か月は経っている・・・その間に一度も怪我をしないなんてことがあるだろうか?いや、ない!」
ナース騎士「くっ、コール押せ!!」
石ころ<・・・
・・・

50 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:06:41 ID:.3ogTQak
・・・
オーク「あーうめぇうめぇ!これこそオークの生活だぜ!!」ムシャムシャバクバク
オークA「そういや、隣村の噂聞いたか?」
オーク「噂?」
オークB「ああ。なんでも隣村のオークたちが、夜な夜な正体不明の敵に襲われてるらしい」
オーク「なんだって!?」

51 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:07:31 ID:.3ogTQak
オークA「ただ、襲われたといってもあくまでも一時的に意識を失ってただけらしいんだが」
オークB「襲われたオークの話によると、そいつは小さな声で『こいつじゃない・・・』とつぶやいていたそうだ」
オーク「」
オークA「怖いね」ネー
オークB「ねー」ネー

52 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:08:05 ID:.3ogTQak
オーク「ちょ、ちょっと用事思い出した・・・」ガクガク
オークA「どうしたんだ?そんなに焦って」
オークB「顔色悪いぞ?」
ナース騎士「すぐに治療しないとな」
オーク「」

53 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:08:49 ID:.3ogTQak
オークA「うお!人間じゃねえか!?」
オークB「女か・・・へっへっへ、こいつは上玉だぜぇ」
オーク「お前ら逃げろ!やられるぞ!!」
オークAB「へ?」
ナース騎士「心配するな・・・私の患者はお前だけだよ」ニッコリ

54 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:09:26 ID:.3ogTQak
オーク「も、もう勘弁してくれ!!」
ナース騎士「会いたかった!会いたかったぞ!!さあ!いますぐ病院へ行こう!!」
オーク「いやああああああああああああ!!」
オークA「あいつ・・・人間の女相手になにビビってんだ?」
オークB「もしかして、いなくなってた半年の間にタマでも抜かれたのかねえ」
オーク「もう勘弁してくれええええええええええ!!!」

55 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:10:04 ID:.3ogTQak
おわり

57 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 21:58:12 ID:NjkX/fYw
面白かった!

58 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 22:02:39 ID:7n2uXJ4w
テンポよくて笑えた


61 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/31(金) 06:30:41 ID:IiR.w7PE
女騎士がヤンデレだとこんなに怖いのか……
乙!

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