剣士「俺は妻のところに行く!」女騎士「行くなぁぁぁ!」
Part1
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:19:49.05 ID:VeBKOBfl0
< 剣士の家 >
妻「どう、美味しい~?」
剣士「ウマい! 君の料理は最高だよ! 俺は幸せものだ!」モグモグ…
妻「よかったわぁ~」
妻「ところであなた、今日はどんなお仕事なの?」
剣士「西の山にいる山賊団の掃討だよ!」
剣士「ま、いつものように大活躍してみせるから、期待しててくれよ!」
妻「絶対に無理はしないでね? 命が一番大事なんだから……」
剣士「分かってるって!」
剣士「といっても、俺にとって一番大事なのは君だけどな!」
妻「まぁ……あなたったら……」
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:24:21.56 ID:VeBKOBfl0
剣士「じゃ、行ってくるよ!」
妻「いってらっしゃ~い」
妻「絶対無理しちゃダメよ~。私を一人にしちゃイヤよ~」
剣士「もちろんだとも! 君一人残して死ねるもんか!」
剣士「愛してるよぉ~!」
妻「あらもう……いやだ!」ポッ…
剣士「それじゃ、また手柄を立ててくるよ!」
剣士「手柄話、楽しみにしててくれよ!」ザッザッ…
妻「…………」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:28:29.04 ID:VeBKOBfl0
< 戦士団詰所 >
戦士団とは、国の平和を守るべく設置された治安維持部隊である。
構成メンバーは平民出の戦士であり、それを二名の騎士が統率する。
ワイワイ……
友人「よう」
剣士「おはよう!」
友人「この幸せもんがぁ~、朝っぱらからニヤニヤしやがってぇ」
剣士「やっぱ分かる?」
剣士「今日も妻に、無理はするな、なんていわれちゃったからさ」
剣士「こんなこといわれたら、無理してでも手柄立てたくなっちゃうよな!」
友人「マジぶん殴りてぇ~」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:33:22.95 ID:VeBKOBfl0
友人「この戦士団ではパッとしなかったお前が」
友人「あんな良家のお嬢さんに惚れられて、即結婚だもんなぁ~」
友人「しかも結婚してからは、やたら手柄を立てるようになったし」
友人「ホント羨ましいったらないぜ」
剣士「妬くな、妬くな」
剣士「お前にもいずれ、いい相手が現れるだろうよ」
剣士「もっとも、その女より俺の女房の方が百倍はいい女だろうけどな!」
友人「マジぶん殴りてぇ~」
ガチャッ…… ガチャッ……
友人「おっと、甲冑の音だ」
友人「騎士サマ二人のお出ましだ!」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:37:39.18 ID:VeBKOBfl0
黒騎士「おはよう、諸君」
女騎士「全員、揃っているか!?」
「はいっ!」 「はいっ!」 「はいっ!」
女騎士「声が小さい!」
「はいっ!!!」 「はいっ!!!」 「はいっ!!!」
友人「おぉ~……こえぇ女」ボソッ…
友人「でも兜で顔を隠しちゃいるが、あの女騎士、絶対美人だよな」ボソッ…
剣士「だろうな……」
女騎士「キサマら! だれが勝手にしゃべっていいといった!」
友人「す、すみません……!」ビクッ
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:42:48.83 ID:4z3oh7s00
期待
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:43:20.62 ID:VeBKOBfl0
黒騎士「さて、今日の任務はかねてからの予定通り──」
黒騎士「西の山を根城とする山賊団討伐を行う」
黒騎士「今から女騎士が君たちの役割を振り分けるから」
黒騎士「それに従い、各自行動せよ!」
「はいっ!!!」 「はいっ!!!」 「はいっ!!!」
女騎士「まず、キサマは突撃A班だ。黒騎士殿に従え」
若者「はいっ!」
女騎士「キサマは待機」
新米「はいっ!」
女騎士「キサマは突撃B班だ。私の命に従ってもらう」
金髪「へいっ!」
女騎士「へいじゃないだろう! はい、と答えんか!」
金髪「は、はいっ!」ビシッ
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:47:58.25 ID:VeBKOBfl0
女騎士「──残り二人か」
女騎士「キサマは突撃A班だ」
友人「はいっ!」
女騎士「さて残るキサマは──」
剣士「…………」
女騎士「待機だ」
剣士「え?」
剣士「ちょ、ちょっと待って下さい!」
剣士「俺はこないだも手柄を上げました! 突撃班に入れて下さい!」
ザワザワ……
「そうだよなぁ~」 「剣士さんは突撃班の方が……」 「最近調子いいみたいだし」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:52:18.83 ID:d7/8E1+D0
続けて
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:54:24.80 ID:VeBKOBfl0
女騎士「黙れっ!!!」
シ~ン……
女騎士「キサマが最近手柄を上げているのは、私も知っている」
女騎士「だが、そういう時ほど人間というのは慢心し、大怪我をする」
女騎士「今のキサマはまさにそうなりつつある」
女騎士「よって、待機だ!」
女騎士「分かったな!」
剣士「はい……」
剣士(ふん、そうはいくかってんだ)
黒騎士「…………」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:57:56.76 ID:VeBKOBfl0
< 西の山 ふもと >
黒騎士「今から山賊団討伐にかかる」
黒騎士「作戦はこうだ」
黒騎士「吾輩が率いる突撃A班が、中腹にある山賊団アジトに正面から突撃」
黒騎士「混戦になったところへ、突撃B班が援軍として加わり一気に掃討する」
黒騎士「待機班は、山のふもとで待機! 指示があるまで絶対に動かないように!」
黒騎士「ふもとで待機しているだけで、十分山賊たちのプレッシャーになるからな」
黒騎士「ではもうまもなく、A班から出撃する!」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:03:27.40 ID:VeBKOBfl0
友人「あの黒騎士も、ずいぶん変わったよな」
剣士「変わったって?」
友人「ヤツは凄腕だが血の気が多く、栄光ある騎士団には所属せず……」
友人「昔は暗殺みたいな仕事に特化した特殊部隊を、独自に率いてたってハナシだ」
友人「甲冑が黒いのもその名残りだとか」
友人「でも、王国の方針に相応しくないとかで、王によって特殊部隊は解体されて」
友人「今やこんなのんきな民兵組織の長に成り下がった」
友人「ああやってマジメにやってるが、内心じゃ結構ムカついてんじゃないかな」
剣士「ふうん……そうかなぁ」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:06:28.96 ID:VeBKOBfl0
黒騎士「ではA班出撃する!」
友人「おっと、そろそろ行かなくちゃ」
剣士「気をつけろよ。山賊だからって油断するなよな」
友人「おうよ、結婚するまでは死ねるかってんだ!」
友人「お前はせいぜい待機してる間に、奥さんのためにウソ手柄話を考えとけよ!」
友人「んじゃな!」タタタッ
剣士(そうはいかないんだな)
剣士(女房のためにも、待機なんかしてられっかっての!)
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:11:34.64 ID:VeBKOBfl0
女騎士「時刻だ……」
女騎士「では、突撃B班も出撃する!」
「はいっ!!!」 「はいっ!!!」 「はいっ!!!」
ザッザッザッ……
待機班は、山のふもとに設置されたテントで待つことになる。
新米「ふう……なかなか実戦には加わらせてもらえないなぁ」
新米「それにしても、ボクみたいな新入りならともかく」
新米「剣士さんみたいなエースが待機なんて、さぞかし不満──」
新米「あれ? 剣士さん!?」キョロキョロ
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:13:53.86 ID:ltvZozwg0
しえん
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:14:21.07 ID:5ZhRVsQs0
④
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:17:21.27 ID:VeBKOBfl0
山道を迅速に登っていく、女騎士率いる突撃B班。
女騎士「遅れている者はいないな?」クルッ
金髪「へい、遅れてる人はいないッスけど……」チラッ
剣士「ども」
女騎士「キ、キサマ……いつの間に!?」
金髪「あ、声でかいッスよ」
女騎士「ぐ……!」
女騎士「キサマには待機を命じていただろうが!」
剣士「でも、妻のためにどうしても手柄立てたくて、来ちゃいました」テヘッ
女騎士「まったく……なにを考えている!」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:21:44.96 ID:VeBKOBfl0
女騎士「……もういい、今さら戻れともいえん」
女騎士「このままB班に加われ」
女騎士「ただしそれ相応の手柄を立てねば、命令違反の重罰は覚悟してもらうぞ」
女騎士「他の団員に示しがつかんからな」
剣士「分かってますって!」
剣士「うおお~……燃えてきた!」
金髪「大丈夫ッスか、剣士さん。重罰とかいわれてますけど……」
剣士「手柄立てりゃいいんだろ? 何とかなるって」
剣士「俺、最近すっごく調子いいの、知ってんだろ?」
金髪「まぁ……そりゃそうッスけど」
女騎士「…………」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:28:33.61 ID:VeBKOBfl0
< 西の山 中腹 >
黒騎士率いるA班と、山賊団の戦闘が始まっていた。
ワァァァ……! ウォォォ……!
ガキンッ! キンッ! ザンッ! ガッ! ズバッ!
頭領「チッ、まさかこんな白昼堂々攻めてきやがるとは……!」
頭領「なめやがって……全員ぶっ殺せぇっ!」
ザンッ! キンッ! ガキンッ! ズシャッ! ドサッ!
山賊A「うりゃっ!」ブンッ
友人「うおっ!」サッ
友人「独身のまま死ねるかってえの!」シュッ
ドスッ……!
山賊A「うぎゃあ……っ!」ドサッ
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:32:39.94 ID:VeBKOBfl0
友人(さすが、悪名高い山賊団! 数も多いし、ひとりひとりが結構強え!)
友人(でも、あの黒騎士──やっぱりすげえな)
友人(一人でもう10人以上はブッ倒してやがる!)
友人(しかも指示が的確で、こっちは一人もやられてねえ!)
ズパンッ! シュッ! シュバァッ!
黒騎士「……ふう」
黒騎士「敵は混乱している! 一人に対し、二人か三人でかかれ!」バッ
「はいっ!!!」 「はいっ!!!」 「はいっ!!!」
友人(それに……そろそろB班が来る頃だ)
友人(この戦い……勝ったな!)
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:36:10.23 ID:VeBKOBfl0
女騎士「B班到着! 突撃するぞ!」サッ
金髪「へいっ!」ダッ
剣士「よっしゃあ!」ダッ
ワァァァ……!
黒騎士「来たか」
ウォォォ……!
友人「──ってなんで剣士もいやがるんだ!? アイツは待機だろ!?」
ドォォォ……!
頭領「ただでさえ手こずってるってのに……新手だと!? クソがっ!」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:42:23.36 ID:VeBKOBfl0
友人「なんでお前がここに!?」
剣士「決まってんだろ。どうしても活躍したくってさ」
友人「まったく、とんでもない奴だ……」
剣士「! ──オイ、後ろ!」
山賊B「死ねやっ! ──うっ、目にゴミが!」
友人「おりゃあっ!」
ザンッ!
山賊B「ぐ、へぁ……」ドサッ
剣士「やるじゃねーか!」
友人「ふん、まあな。運がよかったぜ……あぶねぇ、あぶねぇ」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:46:21.08 ID:VeBKOBfl0
一方、女騎士は山賊の頭領を発見していた。
女騎士(いた!)
女騎士(あれが頭領!)
女騎士「いざ、尋常に勝負!」チャキッ
頭領(この声、女か!?)
頭領「女如きにやられるかよっ!」チャキッ
ギンッ!
キンッ! ガキンッ! キィンッ! キンッ! ガィンッ!
頭領(つ、つええ! この俺が守るので精一杯だと!?)キンッ
頭領(だ、だがこの女……)ギンッ
頭領(さっきから深く切り込んでこねえ!?)キィンッ
頭領(まるで、ずっと剣の打ち合いをしたがってるかのような……?)キンッ
< 剣士の家 >
妻「どう、美味しい~?」
剣士「ウマい! 君の料理は最高だよ! 俺は幸せものだ!」モグモグ…
妻「よかったわぁ~」
妻「ところであなた、今日はどんなお仕事なの?」
剣士「西の山にいる山賊団の掃討だよ!」
剣士「ま、いつものように大活躍してみせるから、期待しててくれよ!」
妻「絶対に無理はしないでね? 命が一番大事なんだから……」
剣士「分かってるって!」
剣士「といっても、俺にとって一番大事なのは君だけどな!」
妻「まぁ……あなたったら……」
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:24:21.56 ID:VeBKOBfl0
剣士「じゃ、行ってくるよ!」
妻「いってらっしゃ~い」
妻「絶対無理しちゃダメよ~。私を一人にしちゃイヤよ~」
剣士「もちろんだとも! 君一人残して死ねるもんか!」
剣士「愛してるよぉ~!」
妻「あらもう……いやだ!」ポッ…
剣士「それじゃ、また手柄を立ててくるよ!」
剣士「手柄話、楽しみにしててくれよ!」ザッザッ…
妻「…………」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:28:29.04 ID:VeBKOBfl0
< 戦士団詰所 >
戦士団とは、国の平和を守るべく設置された治安維持部隊である。
構成メンバーは平民出の戦士であり、それを二名の騎士が統率する。
ワイワイ……
友人「よう」
剣士「おはよう!」
友人「この幸せもんがぁ~、朝っぱらからニヤニヤしやがってぇ」
剣士「やっぱ分かる?」
剣士「今日も妻に、無理はするな、なんていわれちゃったからさ」
剣士「こんなこといわれたら、無理してでも手柄立てたくなっちゃうよな!」
友人「マジぶん殴りてぇ~」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:33:22.95 ID:VeBKOBfl0
友人「この戦士団ではパッとしなかったお前が」
友人「あんな良家のお嬢さんに惚れられて、即結婚だもんなぁ~」
友人「しかも結婚してからは、やたら手柄を立てるようになったし」
友人「ホント羨ましいったらないぜ」
剣士「妬くな、妬くな」
剣士「お前にもいずれ、いい相手が現れるだろうよ」
剣士「もっとも、その女より俺の女房の方が百倍はいい女だろうけどな!」
友人「マジぶん殴りてぇ~」
ガチャッ…… ガチャッ……
友人「おっと、甲冑の音だ」
友人「騎士サマ二人のお出ましだ!」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:37:39.18 ID:VeBKOBfl0
黒騎士「おはよう、諸君」
女騎士「全員、揃っているか!?」
「はいっ!」 「はいっ!」 「はいっ!」
女騎士「声が小さい!」
「はいっ!!!」 「はいっ!!!」 「はいっ!!!」
友人「おぉ~……こえぇ女」ボソッ…
友人「でも兜で顔を隠しちゃいるが、あの女騎士、絶対美人だよな」ボソッ…
剣士「だろうな……」
女騎士「キサマら! だれが勝手にしゃべっていいといった!」
友人「す、すみません……!」ビクッ
期待
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:43:20.62 ID:VeBKOBfl0
黒騎士「さて、今日の任務はかねてからの予定通り──」
黒騎士「西の山を根城とする山賊団討伐を行う」
黒騎士「今から女騎士が君たちの役割を振り分けるから」
黒騎士「それに従い、各自行動せよ!」
「はいっ!!!」 「はいっ!!!」 「はいっ!!!」
女騎士「まず、キサマは突撃A班だ。黒騎士殿に従え」
若者「はいっ!」
女騎士「キサマは待機」
新米「はいっ!」
女騎士「キサマは突撃B班だ。私の命に従ってもらう」
金髪「へいっ!」
女騎士「へいじゃないだろう! はい、と答えんか!」
金髪「は、はいっ!」ビシッ
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:47:58.25 ID:VeBKOBfl0
女騎士「──残り二人か」
女騎士「キサマは突撃A班だ」
友人「はいっ!」
女騎士「さて残るキサマは──」
剣士「…………」
女騎士「待機だ」
剣士「え?」
剣士「ちょ、ちょっと待って下さい!」
剣士「俺はこないだも手柄を上げました! 突撃班に入れて下さい!」
ザワザワ……
「そうだよなぁ~」 「剣士さんは突撃班の方が……」 「最近調子いいみたいだし」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:52:18.83 ID:d7/8E1+D0
続けて
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:54:24.80 ID:VeBKOBfl0
女騎士「黙れっ!!!」
シ~ン……
女騎士「キサマが最近手柄を上げているのは、私も知っている」
女騎士「だが、そういう時ほど人間というのは慢心し、大怪我をする」
女騎士「今のキサマはまさにそうなりつつある」
女騎士「よって、待機だ!」
女騎士「分かったな!」
剣士「はい……」
剣士(ふん、そうはいくかってんだ)
黒騎士「…………」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 20:57:56.76 ID:VeBKOBfl0
< 西の山 ふもと >
黒騎士「今から山賊団討伐にかかる」
黒騎士「作戦はこうだ」
黒騎士「吾輩が率いる突撃A班が、中腹にある山賊団アジトに正面から突撃」
黒騎士「混戦になったところへ、突撃B班が援軍として加わり一気に掃討する」
黒騎士「待機班は、山のふもとで待機! 指示があるまで絶対に動かないように!」
黒騎士「ふもとで待機しているだけで、十分山賊たちのプレッシャーになるからな」
黒騎士「ではもうまもなく、A班から出撃する!」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:03:27.40 ID:VeBKOBfl0
友人「あの黒騎士も、ずいぶん変わったよな」
剣士「変わったって?」
友人「ヤツは凄腕だが血の気が多く、栄光ある騎士団には所属せず……」
友人「昔は暗殺みたいな仕事に特化した特殊部隊を、独自に率いてたってハナシだ」
友人「甲冑が黒いのもその名残りだとか」
友人「でも、王国の方針に相応しくないとかで、王によって特殊部隊は解体されて」
友人「今やこんなのんきな民兵組織の長に成り下がった」
友人「ああやってマジメにやってるが、内心じゃ結構ムカついてんじゃないかな」
剣士「ふうん……そうかなぁ」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:06:28.96 ID:VeBKOBfl0
黒騎士「ではA班出撃する!」
友人「おっと、そろそろ行かなくちゃ」
剣士「気をつけろよ。山賊だからって油断するなよな」
友人「おうよ、結婚するまでは死ねるかってんだ!」
友人「お前はせいぜい待機してる間に、奥さんのためにウソ手柄話を考えとけよ!」
友人「んじゃな!」タタタッ
剣士(そうはいかないんだな)
剣士(女房のためにも、待機なんかしてられっかっての!)
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:11:34.64 ID:VeBKOBfl0
女騎士「時刻だ……」
女騎士「では、突撃B班も出撃する!」
「はいっ!!!」 「はいっ!!!」 「はいっ!!!」
ザッザッザッ……
待機班は、山のふもとに設置されたテントで待つことになる。
新米「ふう……なかなか実戦には加わらせてもらえないなぁ」
新米「それにしても、ボクみたいな新入りならともかく」
新米「剣士さんみたいなエースが待機なんて、さぞかし不満──」
新米「あれ? 剣士さん!?」キョロキョロ
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:13:53.86 ID:ltvZozwg0
しえん
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:14:21.07 ID:5ZhRVsQs0
④
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:17:21.27 ID:VeBKOBfl0
山道を迅速に登っていく、女騎士率いる突撃B班。
女騎士「遅れている者はいないな?」クルッ
金髪「へい、遅れてる人はいないッスけど……」チラッ
剣士「ども」
女騎士「キ、キサマ……いつの間に!?」
金髪「あ、声でかいッスよ」
女騎士「ぐ……!」
女騎士「キサマには待機を命じていただろうが!」
剣士「でも、妻のためにどうしても手柄立てたくて、来ちゃいました」テヘッ
女騎士「まったく……なにを考えている!」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:21:44.96 ID:VeBKOBfl0
女騎士「……もういい、今さら戻れともいえん」
女騎士「このままB班に加われ」
女騎士「ただしそれ相応の手柄を立てねば、命令違反の重罰は覚悟してもらうぞ」
女騎士「他の団員に示しがつかんからな」
剣士「分かってますって!」
剣士「うおお~……燃えてきた!」
金髪「大丈夫ッスか、剣士さん。重罰とかいわれてますけど……」
剣士「手柄立てりゃいいんだろ? 何とかなるって」
剣士「俺、最近すっごく調子いいの、知ってんだろ?」
金髪「まぁ……そりゃそうッスけど」
女騎士「…………」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:28:33.61 ID:VeBKOBfl0
< 西の山 中腹 >
黒騎士率いるA班と、山賊団の戦闘が始まっていた。
ワァァァ……! ウォォォ……!
ガキンッ! キンッ! ザンッ! ガッ! ズバッ!
頭領「チッ、まさかこんな白昼堂々攻めてきやがるとは……!」
頭領「なめやがって……全員ぶっ殺せぇっ!」
ザンッ! キンッ! ガキンッ! ズシャッ! ドサッ!
山賊A「うりゃっ!」ブンッ
友人「うおっ!」サッ
友人「独身のまま死ねるかってえの!」シュッ
ドスッ……!
山賊A「うぎゃあ……っ!」ドサッ
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:32:39.94 ID:VeBKOBfl0
友人(さすが、悪名高い山賊団! 数も多いし、ひとりひとりが結構強え!)
友人(でも、あの黒騎士──やっぱりすげえな)
友人(一人でもう10人以上はブッ倒してやがる!)
友人(しかも指示が的確で、こっちは一人もやられてねえ!)
ズパンッ! シュッ! シュバァッ!
黒騎士「……ふう」
黒騎士「敵は混乱している! 一人に対し、二人か三人でかかれ!」バッ
「はいっ!!!」 「はいっ!!!」 「はいっ!!!」
友人(それに……そろそろB班が来る頃だ)
友人(この戦い……勝ったな!)
女騎士「B班到着! 突撃するぞ!」サッ
金髪「へいっ!」ダッ
剣士「よっしゃあ!」ダッ
ワァァァ……!
黒騎士「来たか」
ウォォォ……!
友人「──ってなんで剣士もいやがるんだ!? アイツは待機だろ!?」
ドォォォ……!
頭領「ただでさえ手こずってるってのに……新手だと!? クソがっ!」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:42:23.36 ID:VeBKOBfl0
友人「なんでお前がここに!?」
剣士「決まってんだろ。どうしても活躍したくってさ」
友人「まったく、とんでもない奴だ……」
剣士「! ──オイ、後ろ!」
山賊B「死ねやっ! ──うっ、目にゴミが!」
友人「おりゃあっ!」
ザンッ!
山賊B「ぐ、へぁ……」ドサッ
剣士「やるじゃねーか!」
友人「ふん、まあな。運がよかったぜ……あぶねぇ、あぶねぇ」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 21:46:21.08 ID:VeBKOBfl0
一方、女騎士は山賊の頭領を発見していた。
女騎士(いた!)
女騎士(あれが頭領!)
女騎士「いざ、尋常に勝負!」チャキッ
頭領(この声、女か!?)
頭領「女如きにやられるかよっ!」チャキッ
ギンッ!
キンッ! ガキンッ! キィンッ! キンッ! ガィンッ!
頭領(つ、つええ! この俺が守るので精一杯だと!?)キンッ
頭領(だ、だがこの女……)ギンッ
頭領(さっきから深く切り込んでこねえ!?)キィンッ
頭領(まるで、ずっと剣の打ち合いをしたがってるかのような……?)キンッ
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妹「マニュアルで恋します!」
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きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」
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月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」
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彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」
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