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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
Part88


210 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/21(火)23:06:35 ID:v9g
帰り道
・・・
司書「……あっ、しまった。どうしよ……」
ヘンゼル「なに?何か忘れたの?」
司書「さっき童話展で買った絵本、バスの待合所に忘れてきちゃったみたいなの。ごめんね、ちょっと取りに戻らなきゃ」
グレーテル「わかった……うん、一緒に取りに戻ろう……」
司書「大丈夫だよ、一人で取りに戻るから。もうウチまですぐだからここからなら二人だけでも帰れるよね、ヘンゼルが居れば平気かな?」
ヘンゼル「まぁ知ってる道だし、平気だけど……付き合うよ。一人で取りに行かせるのもなんだから」
司書「いいよ、ヘンゼル疲れてるんでしょう?心配してくれなくてもすぐだから平気、忘れ物を取りに行くだけだから」フフッ
グレーテル「寂しく……ない……?」
司書「ふふっ、大丈夫よ、私はもう子供じゃないんだから。それに荷物を取りに行くだけだからすぐだよ」クスクス
ヘンゼル「子供でしょ……まぁ、そんな遠くないし大丈夫かな。僕はグレーテルと先に帰ってるから」
司書「じゃあ鍵渡しておくね。グレーテル、よくまわりを見て車に気をつけてね?ヘンゼルはグレーテルの事、ちゃんと見てあげてね?」
グレーテル「……わかった……でも心配し過ぎって……思うの……車にも、もう慣れたの……」
ヘンゼル「そっちこそ、急いで怪我なんかしないでよ」
司書「うん、平気平気。じゃあね、キチンと鍵閉めるようにね」タッタッタ
ザッ
小柄な男「……」

211 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/21(火)23:08:10 ID:v9g
司書「さっき忘れたばかりだからまだ置いてあると思うけど、大丈夫かな……」タッタッタ
小柄な男「そこのお嬢さん、少し時間貰えるかな?」スッ
司書「あっ、私ですか?何でしょうか?」
小柄な男「実はこのあたりで大切なカギを落としてしまったんだが……私は目が悪くてな、よく見えないんだ。今日は眼鏡も忘れてしまってほとほと困っているのだよ、悪いが探すのを手伝ってはくれんか?」
司書「それは大変ですね、お手伝いしますよ。どんな鍵ですか?」
小柄な男「カギはそうだな、ごく普通の家の鍵だ。私はこのあたりをもう一度見て見るから君はあっちの路地の方を見てくれるか?あっちの路地は薄暗くてよく見えないんだ」
司書「確かに目が悪いとあの辺りは見にくいですね、わかりました!私はそこを探しますね」ニコッ
ガサガサ
小柄な男(生成した黄金をチラつかせて強制的にでも契約を結ぶ。それが俺様の本来のやり口だ)
小柄な男(あいつをしもべにする為の人質の確保にも、人形屋の男を殺すのも今朝の魔力持ちの女を殺すのもそれを使った。金は天下の回り物、黄金がいらない奴なんざいねぇ)
小柄な男(やるこたぁ単純明快、契約自体は黄金を押しつければ容易く結べる。だが唯一にして最大の弱点が『俺様の名前を呼ぶ事』だ、それをされちまうと魔力が奪われて契約が解けちまう)
小柄な男(現実世界。それも俺様のおとぎ話が消滅しちまったこの世界には俺様の名前を知る者はいない、すなわち弱点が存在しないってことだ!つまり俺様は無敵の状態)
小柄な男(しかし、おとぎ話の世界の住人となると話は別だ。あのしもべの場合は俺のおとぎ話を知らないって事を確認してから契約を結んだから問題はねぇけど……)
小柄な男(あの二人、ヘンゼルとグレーテルの場合は少しばかり特殊だ。俺様の名前を知っている可能性がある)
小柄な男(何しろ、俺様のおとぎ話とあいつらのおとぎ話の作者は同じだからな……ヤーコプ・グリム、そしてヴィルヘルム・グリム)
小柄な男(現実世界に来るようなおとぎ話の住人は普通じゃねぇ、グリム兄弟が書いた童話という共通点がある俺のおとぎ話を知っている可能性は低くねぇはずだ。俺様のおとぎ話も知ってるだろうな)

212 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/21(火)23:10:15 ID:v9g
小柄な男(となると……うまくこの女をさらって、それを餌にあいつ等をおびき寄せたとしてもだ、いつも通り黄金を生成して契約する方法を用いれば)
小柄な男(最悪、『黄金を生成する』って特徴だけで俺様の名前を当てられちまう可能性がある)
小柄な男(俺様の事を誰も知らないこの世界で、あいつ等の存在は唯一の弱点だ。となると、どうすればいいか)
小柄な男(なんてことはねぇ、俺様を単なる現実世界の悪人だと思わせればいい。つまり黄金を生成しなけりゃいいんだ。俺様が黄金を生成して契約を持ちかける奴だって知ってるやつは、この世界ではしもべのあいつだけ)
小柄な男(そしてあいつは人質がいるからよほど信用できるやつじゃねぇと他言出来ねぇだろう。だったら、ここは黄金も生成せず契約も使わない)
小柄な男(シンプルにこの女を誘拐し、おとぎ話の住人だと悟られないように……単純に金目のものでも要求してあの二人に持ってこさせる)
小柄な男(現実世界の悪人が計画した単なる誘拐強盗だとあのガキ共は思うだろう、そうすれば俺がおとぎ話の世界の住人だってことはわからねぇ)
小柄な男(もちろん、俺が名前を当てられる事が弱点だってことも知る事はねぇ。例えあいつ等が俺様の名前を知っていても、あの名前を口にする事は無い)
小柄な男(そうしておびき寄せたところを捕まえて、二人まとめて食っちまおう。そうすりゃあ相当な魔力が手に入る……そうすりゃあ俺様がこの世界の支配者だ!)
小柄な男(それにはまずこの女を……)ググッ
小柄な男「どうだい、そっちにはあったかね?」
司書「うーん…見つからないですね、カギって小さいですもんね…落とすと大変だなぁ……」ガサガサ
小柄な男「ああ、大変だろうねぇ……ありもしないものを探すってのはなぁ?」スッ
司書「えっ?ありもしないtt」
ヒュッ
ガコッ ドサッ

213 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/21(火)23:12:09 ID:v9g
キモオタの住む町 サイゼリア
バイト「店長ー、あのおかしなお客様がまた来店したんスけど。どうします?」
店長「こらっ!お客様のことをおかしいとか言うんじゃないよ、失礼だろ」
バイト「店長覚えてないんスか?以前、不審なお客様が来たから警察に通報するかどうか相談したじゃないスか」
店長「あれは例外だよ、確かにあの時のお客様は不審すぎたからな……お、おい、まさかあの時のお客様がまた!?」ビクッ
バイト「そッスよ、オタク風の恰好をした男性とボロボロの洋服で何故か裸足の可愛らしい外国の女の子。しかも時折二人して空中に話しかけていた……あのお客様ッス」
店長「マジかよ……あれ絶対事件だと思ったもんなぁ……一応、確認しとこう。どこのテーブルだ?注文は?」
バイト「オーダーは通したッス。11番テーブルッスね。あっ、でも今日は裸足の女の子居ませんでしたよ」
店長「そっか、よかった。なら普通のお客様だったんだな多分。あれ絶対誘拐だと思ったもんな。女の子がやたら懐いてたから結局通報しなかったけど」
バイト「その代わり、今日はやたらと髪の毛長い女性と一緒ッスけどね」
店長「なんだあれ!めっちゃ髪の毛長いじゃないか!普通じゃないぞあれ!どうなってんだあれ!」バッ
バイト「編んだり結ったりしてるのにあの長さッスからね。そういや、こないだ姪っ子と一緒に映画のDVD見ましたよディズニーなんですけど、あれくらい髪の毛長いっスねー、ラプンツェルじゃないっすか?あれ」ヘラヘラ
店長「何バカな事言ってるんだ映画のキャラクターが現実にいるわけないだろ!たぶんあれだろ、コスプレとかいう……」
バイト「でもあれ地毛じゃないッスか?あっ……」
店長「なんだ?どうした?」
バイト「なんかまた二人して空中に話しかけてるッスね」
店長「……一応、注意して見といて」
バイト「了解ッスー」

214 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/21(火)23:14:44 ID:v9g
ティンカーベル「あはははははは!だ、だめ…笑い過ぎてお腹イタイ…」バンバンバン
キモオタ「ちょっと慰めてくれるかもとか思った拙者が愚かでしたなwww」コポォ
ティンカーベル「だってだって…ぷぷっ!あれだけ大騒ぎしてたのにデートじゃなかったとか…!ぷーっ!」ケラケラケラ
ラプンツェル「キモオター!ドリンクバーって凄いね!オレンジもグレープもシュワシュワする黒いのも白いのも飲み放題!だからいろいろ混ぜてきたー」ゴクゴク
キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿www笑い過ぎですぞwwwラプンツェル殿はもうちょっと感心持ってwww」
ティンカーベル「まぁそうだよね!司書さんは悪い人じゃないって私思ってたもん!あいつらの仲間じゃないってわかってよかったね!」
キモオタ「こないだは疑っていたでござるのにwww凄まじい手のひら返しですぞwww」
ラプンツェル「そんなに落ち込む事じゃないよー、でもそんなに女の子とデートしたいんだったら私と一緒にデートするー?」ニコニコ
キモオタ「でもそのあとゴーテル殿に塵にされるんでござろうwwwそんな度胸は無いですぞwww王子殿にも悪いですしなwww」
ラプンツェル「えっ?もちろん王子も一緒だよー」ニコニコ
キモオタ「ちょwwwそれもはやただのショッピングでござろうwww」
ティンカーベル「はーっ、笑った笑った!っていうか一通り笑ったから話戻すけど…グレーテルちゃんとお兄ちゃんの話だっけ?」フワフワ
キモオタ「ヘンゼル殿ですな、さきほどチラッと話した通りですがな…ティンカーベル殿はご存知ですかな?【ヘンゼルとグレーテル】というおとぎ話を」

215 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/21(火)23:16:35 ID:v9g
ティンカーベル「うーん…ごめん、そのおとぎ話は読んだ事無いなー……」
キモオタ「むむっ……仕方ありませんな、おとぎ話の内容さえ分かれば二人の苦悩がわかると思ったのでござるけど…」
ティンカーベル「魔法使いに聞いてみる?でもこないだもお世話になったしあんまり頼り過ぎても悪いかなー?」
キモオタ「そうですなwww他に詳しそうな人物と言えばシェヘラザード殿と赤ずきん殿あたりでござろうかwww」
トントン
ラプンツェル「【ヘンゼルとグレーテル】でしょー?私そのおとぎ話知ってるから教えてあげよっか?」ドヤァ
キモオタ「……ここはシェヘラザード殿に聞きますかなwww」
ティンカーベル「そだね……シェヘラザードはお話しするの凄く得意だもんね!でも忙しいから私達に話してくれる時間あるかなー?」
ラプンツェル「もー、シェヘラザードは王妃様だから忙しいって、だから私が教えたげる!私だってそのおとぎ話知ってるんだからね?ほらほら、頼って良いんだよ?」フンス
キモオタ「えええwww大丈夫なんでござるかwwwラプンツェル殿はそういう知的なポジションじゃないでござろうwww」
ティンカーベル「そうだよ、そういうのはシェヘラザードとか赤ずきんの役割でラプンツェルはもうちょっとなんていうか…おバカな事する役割っていうか…」
ラプンツェル「おバカじゃないよ!ちっちゃい時にママにたくさんおとぎ話は教えてもらったから知ってるよ!それに私、結構本とか読んでるからおバカじゃないからね!」フンス
ティンカーベル「そういう知識的な事じゃなくて言動g」モガモガ
キモオタ「ティンカーベル殿www言い過ぎですぞwwwまぁラプンツェル殿に自信があるのなら協力をお願いしたところでござるwww」グイグイ
ラプンツェル「まっかせてよ!えっとね、むかしむかしのお話なんだけどー……」

216 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/21(火)23:17:53 ID:v9g
ヘンゼルとグレーテル
あるところに貧しい家族が住んでいました、その家には二人の兄妹がいます
かしこくて妹思いなヘンゼルという男の子、優しくてお兄ちゃん思いなグレーテルという女の子でした
二人の本当のお母さんは亡くなっていて、新しい意地悪なお母さんとお父さんの四人で暮らしていました
ある年、国中で作物が育たないという大飢饉が起きました。どこの家も食べ物がなくて困っていました
とても貧しい兄妹の家ももちろん食べる物がなくて、野菜や魚どころかパンを食べる事が出来ない日すら多かったのです
食べ物が無くてどうにも困り果てたお母さんはお父さんにこう言いました。
「このままだと私達まで飢え死にしてしまう。だから子供たち二人を森の奥に置き去りにしよう」
お父さんは最初は反対しました、でも断れずついにはお母さんの提案をのみ込んで翌日ヘンゼルとグレーテルの兄妹を森の奥に置き去りにする事にしました
部屋の外でそれを聞いていたグレーテルはしくしく泣きました。でもヘンゼルは心配しなくて良いよといいました
ヘンゼルは夜中の間、月あかりを浴びてキラキラ光る小石をポケットいっぱいに詰め込みました。
翌日、二人は森の奥に置き去りにされましたがヘンゼルが目印に落とした小石をたどって家に帰る事が出来ました
四人はまた一緒に暮らしましたが、しばらくするとまた食べ物が無くなりお母さんはまた二人を置き去りにしようといいました。お父さんはやはり断りきれません
扉には鍵がかかっていて、今度は小石が拾えません。ヘンゼルは小さなパンくずを小石の代わりに落として目印にしようとしました
しかし、夜になって目印をたどろうにもパンくずは全て小鳥に食べられてしまっていて帰り道がわかりませんでした
ヘンゼルとグレーテルはケダモノがうなり声を上げる恐い怖い森の奥を何日もさまよいました
それでも二人が歩いていると、目の前にはお菓子で出来た家がありました。壁や屋根はおいしそうなパンやビスケット、いろいろなお菓子が飾られた美味しそうな家でした
空腹に耐えられなかった二人がお菓子の家をむしゃむしゃ食べていると、持ち主のおばあさんが家の中に招いてくれました
美味しいお菓子に温かいベット。疲れ果てていた二人を優しくもてなしてくれました。しかし、翌朝になるとそのおばあさんはヘンゼルを小屋の中に閉じ込めてしまいました
おばあさんは悪い魔女で、ヘンゼルを太らせて食べてしまうつもりでした
グレーテルは毎日毎日、魔女にひどくこき使われて泣きながら家事をしました。大好きなお兄ちゃんのヘンゼルと会う事は許されません
魔女はヘンゼルがまるまると太るのを楽しみにしていましたが一カ月たってもヘンゼルは痩せたままです、というのも毎日ヘンゼルの腕を触って太り具合を確認するのですが
ヘンゼルがその時に魔女に差し出しているのは自分の腕ではなく、食べ残しの骨だったからです。目が悪い魔女は気が付かずいつまでたってもヘンゼルを食べる事ができません
魔女はもう痩せてても良いからヘンゼルを食べてやると怒鳴り、グレーテルにヘンゼルを料理する準備をさせました
そしてパン焼きかまどに赤々と火を付けて、グレーテルのかまどを覗いて火の具合を確認するように言いました。グレーテルには魔女が自分も焼いて食べようとしてるのだとわかりました。
グレーテルは言います「わたし、火の見方なんか解らないの。どうしたらいいの?」魔女は答えます「簡単じゃろ、かまどの口はおおきいんじゃ。こうやって身を乗り出して確認するんじゃよ、よく見ておけ」
そうやって魔女がかまどの中を覗きこんでやると、グレーテルは思いっきり魔女をかまどの中に突き飛ばして、ふたをきっちりと閉めてしまいました
かまどの中で魔女のうめき声が聞こえました、グレーテルは小屋へ走って行ってヘンゼルを助けだしました
悪い魔女はもう居ません、ヘンゼルとグレーテルの兄妹は魔女の部屋から山の様な宝石をめいっぱいポケットやエプロンに詰めてお家に帰りました
お家に帰ると、意地悪なお母さんはもう死んでいました。お父さんと兄妹の三人は幸せに暮らしました
おしまい

217 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/21(火)23:19:24 ID:v9g
ラプンツェル「はい、おしまい!ねっ?私だっておとぎ話教えてあげるくらいできるんだからね?もっと頼ってくれていいんだよ?」フンス
キモオタ「先ほどからwww頼って良い頼って良いと言っていますなwww一体どうしたんでござるかwww」コポォ
ラプンツェル「だって二人ともシンデレラとか桃太郎ばっかり頼ってるでしょ?私ももっとキモオタやティンクの力になりたいの、だから頑張るよ!」ニコニコ
ティンカーベル「それはすっごく嬉しいね!でもさー、この内容で本当にあってる?なんかグレーテルちゃんが魔女を焼き殺しちゃったけど……?」
キモオタ「まぁ、グレーテル殿はかまどかまどと口癖のように言ってましたからな。おそらく彼女にとって悪者退治の方法はそれなのでござろう」
ティンカーベル「まぁ、そうしないと食べられちゃうわけだもんねぇ。でも最後は魔女も倒して宝石も手に入れてハッピーエンド!やったね!」
ラプンツェル「意地悪なお母さんもいなくなってお父さんと仲良く暮らせて、二人は幸せになれたんだねーよかったよかった」ニコニコ
キモオタ「まぁ、ハッピーエンドといえばハッピーエンドなのでござるが…」
ラプンツェル「どうしたの?納得してない感じだけど、このおとぎ話はこういう終わり方だよー?」
ティンカーベル「ハッピーエンド、良い事じゃん!親友ともう会えなくなるなんてことも無いし、幻に包まれて死んじゃうことも無いんだよ?」
キモオタ「いや、結末は幸せかもしれませんがな…これ途中が酷すぎでござろう?親に捨てられて魔女に監禁されるって相当ですぞこれ」
ティンカーベル「でもシンデレラだっていじめられてたし、赤ずきんだって狼に食べられちゃうし…どんな辛い事があってもハッピーエンドだからいいんじゃないの?」
ラプンツェル「私はそんなに興味ないけど、宝石とかもいっぱい手に入ったんでしょ?外の世界の人は宝石とか大好きでしょ?幸せな結末だと思うけどなー」
キモオタ「まぁ、『おとぎ話』なら…幸せな結末でござるけど……ヘンゼル殿からすれば現実でござるからなぁ……」ボソッ
ティンカーベル「……?」

218 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/21(火)23:23:32 ID:v9g
キモオタ「いやいや、まぁ……ヘンゼル殿がグレーテル殿を大切にしている理由は合点がいきましたな。こんな事があればまぁ、心配でござるよね」
ラプンツェル「でもヘンゼルはグレーテルを守る為にキモオタに攻撃したんだったよね?それは酷いよー、いくらグレーテルの為だって言ってもー」プクー
ティンカーベル「それにヘンゼルは魔力持ってたんでしょ?さっきのおとぎ話の中にはそんな場面なかったけど、生まれつきなのかなー?」
キモオタ「実はwww我輩、気が付いたのでござるがwwwおそらくwwwラプンツェル殿と同じではないですかなwww」コポォ
ラプンツェル「えーっ?私と一緒ってどーゆうこと?」
キモオタ「ラプンツェル殿の髪の毛に宿る魔力は確か、ゴーテル殿の育てた魔法植物を母上が食べた故…胎児のラプンツェル殿に残留したんでしたなwww」コポォ
ティンカーベル「そっか!ずっと魔女の食べ物を食べさせられたヘンゼルはそのせいで魔力が蓄積されたって事?」
キモオタ「おそらくwwwそれなら納得行きますぞwww」
ラプンツェル「そっかー、私とおそろいかー……なんだか親近感わいちゃうなー」ニコニコ
キモオタ「とにかくwww【ヘンゼルとグレーテル】の内容もわかったでござるしwwwこれで二人の大人に対する憎しみを払ってやれるやもしれませんなwww」
ティンカーベル「そう簡単にいくかなー?二人の気持ちをちゃんとわかってあげて、それからいっぱいおはなしもしなきゃだよ?もちろん、協力はするけどね!」
ラプンツェル「私も私も!私もなんでもするよ!外の世界には悪い大人もいるけど、良い人もたっくさんいたからね!嫌いだって思うのはもったいないよね!」
キモオタ「ありがたいwwwとりあえず、また図書館に行った時にでも……ん?なんだか音がしますなwww窓を叩く様な……」
コツンコツン
ラプンツェル「あれー?あの女の子、窓の外から呼んでるけど、キモオタの知り合い?」
グレーテル「……」コツンコツン
キモオタ「グレーテル殿……?一人でどうしたんでござろうか、我輩ちょっと話してくるでござる」ガタッ

219 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/21(火)23:25:57 ID:v9g
サイゼリア 店舗前
キモオタ「グレーテル殿ぉーwwwどうしましたかなwwwこんなところでwww」コポォ
グレーテル「……キモオタ、お兄ちゃん……」ハァハァ
キモオタ「息切れしてますぞwwwどうしてこのような場所に一人でwww司書殿やwwwヘンゼル殿はwww」
グレーテル「……」
キモオタ「もしやwww二人と喧嘩でもしたとかwww」
グレーテル「……悪い人に、お姉ちゃん……捕まったの……」ブルブル
キモオタ「ファッ!?まさか誘拐ですかな!?」
グレーテル「……返してほしかったら、お金持ってくるようにって……言われたの……ヘンゼルお兄ちゃんすっごく怒って……」
グレーテル「私の事置いて……悪い人に来るように言われた場所に……行っちゃった。私は……一人じゃ恐くて……だから……」
グレーテル「図書館に行って……キモオタお兄ちゃんのお家の場所……図書館カードで……調べて……途中で……キモオタお兄ちゃん見つけて……それで……」
キモオタ「グレーテル殿、まずは落ち着くでござる。そして詳しく状況を教えて欲しいですぞ」
グレーテル「あのね……ヘンゼルお兄ちゃんがね、キモオタお兄ちゃんに酷い事したから……こんな事、私がお願いしちゃダメかもしれないけど……」
グレーテル「お姉ちゃん……助けるの手伝って欲しいの……」
キモオタ「もちろんですぞ!それに魔力を持っているとはいえヘンゼル殿も心配ですからな!」
グレーテル「……私のこと……ヘンゼルお兄ちゃんのこと……お姉ちゃんのこと……助けてくれる……?」
キモオタ「先ほど言いましたぞ?我々はもう友達ですぞ、助けあうのは当然でござろう!」

220 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/21(火)23:30:04 ID:v9g
今日はここまで
ヘンゼル不人気ワロタwwwしばらくヘンゼル視点の場面あるけど大丈夫かなwww
ヘンゼル「腹立つとか糞ガキとか酷い言いようだね?別に現実世界の大人なんかに好かれようとも思わないけど」
絶対こういう事言う。そしてこれは腹立つ
ヘンゼルとグレーテル。とある消滅したおとぎ話編 次回に続きます

221 :名無しさん@おーぷん :2015/07/21(火)23:42:44 ID:GA1
>>1今日も乙!最近はこのスレ更新されるのが一番の楽しみだよ。
ヘンゼルの大人に対する歪んだ視点を、不快と一蹴せずに解決するよう考えてやってるキモヲタすげえよ…だからこそティンクが見えたんだろうな。

222 :名無しさん@おーぷん :2015/07/22(水)00:14:16 ID:uI3
>>1さん乙です!
今回も面白かったです
司書さんとヘンゼルの無事、キモオタ達の活躍に期待してます
次回も楽しみです!!

223 :名無しさん@おーぷん :2015/07/22(水)00:17:09 ID:x5b
乙です
俺、割とヘンゼル好きだから楽しみだわ

224 :名無しさん@おーぷん :2015/07/22(水)00:30:57 ID:2W5
乙です
この後キモオタがどう動くかが気になる

225 :名無しさん@おーぷん :2015/07/22(水)07:20:36 ID:PhN
乙です
司書さんが無事でありますように!

226 :名無しさん@おーぷん :2015/07/22(水)12:07:02 ID:olt
乙!
司書さんが心配だ

227 :名無しさん@おーぷん :2015/07/22(水)13:39:06 ID:mCr
乙です!
司書さん、大丈夫かなぁ…。
キモオタ、ファイト!!

228 :名無しさん@おーぷん :2015/07/22(水)22:45:04 ID:Mp4
ヘンゼルが幸せになりますように!

229 :名無しさん@おーぷん :2015/07/22(水)22:54:31 ID:lOU
グレーテルちゃんペロペロwwwとか言う大人がいるからヘンゼルもグレーテルも大人に不信感を持っちゃったんだな
グレーテルちゃんペロペロwww

234 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/25(土)23:07:28 ID:1yX
グレーテル「よかった……キモオタお兄ちゃんにイジワルしたから……助けてくれないかなって、思ったの……」ホッ
キモオタ「こんな時に何を言ってるでござるか、我輩はお主たちの味方ですぞ。まずは何が起きたのかゆっくりでいいので教えていただきたい」
グレーテル「うん、ありがと……えっと、何を話したらいいのかな……お姉ちゃんが悪い人にさらわれて……それで、えっと……」ワタワタ
キモオタ「焦らなくて良いでござるよ。ミニスニッカーズでも食べて落ち着くでござるwww」スッ
グレーテル「これ知ってる……ものすっごく甘い奴……いただきます……」モグモグ
キモオタ「我輩ご用達のカロリーものすっごいやつですぞwwwそれはさておき、司書殿がさらわれた状況から聞くでござるか。童話展の後はまっすぐ家に帰ったのでござろう?」
グレーテル「うん、あのあと寄り道せずに帰ったよ……でもね、忘れ物しちゃったって言って……お姉ちゃんだけ一人で戻って行っちゃったの……」
キモオタ「そこで一人になったところをさらわれたと、そんなところでしょうな。その後、何があったのでござるか?」
グレーテル「ヘンゼルお兄ちゃんと二人でお家に帰って、お姉ちゃんの帰りを待ってた……でも一時間しても帰ってこなくて……そしたら……」
グレーテル「お部屋のね、ベルが鳴ったの……お客さんかと思って出たけど誰もいなくて……部屋の前にお手紙が置いてあったの……」
キモオタ「手紙…それが脅迫状だったわけですな?その手紙は今ありますかな?」
グレーテル「ううん……無いの……ヘンゼルお兄ちゃんが持って行っちゃったから……」
キモオタ「何か手掛かりになるかと思ったでござるが…無いものは仕方ないでござるな」
グレーテル「でもね、私も一緒に読んだの……だからお手紙に書いてた事は覚えてる……」

235 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/25(土)23:08:56 ID:1yX
キモオタ「それは助かりますぞ、手紙の内容、思い出せますかな?」
グレーテル「うん、えっとね……」
『お前達の大切な姉は預かった。姉を助けたければ金目のものを持ってこい。
場所は町はずれの廃墟。必ず二人で来る事』
グレーテル「こんな感じ……手紙読んでヘンゼルお兄ちゃん凄く怒ってた……「現実世界の大人はやっぱりろくな奴が居ない」って……」
キモオタ「そうでござろうなぁ……町はずれの廃墟というとあそこですな、地元民すら近寄らないようなあんな場所を指定するとは」
グレーテル「私知ってるよ……危ないからいっちゃダメって場所……図書館の子供たちが言われてるの……聞いたよ……」
キモオタ「子供たちにとっては格好の秘密基地でござるからな、しかし危険でござるから立ち入り禁止でござる。おそらく誰も立ち寄らない事を利用したのでござろう」
グレーテル「そんな危ないところに……お姉ちゃんは捕まってるんだね……」
キモオタ「そうなりますな、そしてヘンゼル殿は一人で飛び出して行ったという訳ですな?」
グレーテル「うん……私は危ないから部屋に残って、誰が来ても絶対に鍵をあけないようにって……言われたよ、でも私も心配になっちゃったから……お兄ちゃんの言いつけ、知らないふりしちゃった……」
キモオタ「今回は言いつけを破って正解でしたな、いくらなんでもヘンゼル殿一人で誘拐犯に立ち向かうなど無謀ですぞ」
グレーテル「やっぱり……すごい魔力を持ってても、大人には勝てない……かな……?」
キモオタ「ヘンゼル殿の圧縮魔力は相当脅威でござるけど反動がある事を考えると、一撃で勝負が決められなければ……一転して危険な状態になりますな」
キモオタ「それを助けられる仲間が居ればいいですがな、一人だとどうにも……しかしそれを承知の上で向かったのでござろうな……司書殿を助ける為に」