キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 かぐや姫とオズの魔法使い編
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351 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:17:46 ID:sqG
赤ずきん「あなた達もドロシーについて新しい情報を手に入れたのかしら?それなら早く聞かせてほしいものね」
キモオタの声「ティンカーベル殿、もう隠す事に意味などなさそうでござるし…」
ティンカーベルの声「そうだね…。あのね赤ずきん、二人が協力してもらってる【白雪姫】の魔女って、魔法の鏡持ってるよね?何でも答えてくれる魔法の鏡」
赤ずきん「魔法の鏡…?ええ、持っているわね。というか、今その魔女の所にいるから魔法の鏡ならすぐ隣にあるけれど」
魔法の鏡「居るって言って欲しいですね赤ずきんさん。ある…なんてまるで私をモノのように扱うのは、ねぇ?」
猛毒の魔女「自我を持っているとは言ってもお前は私の魔法具…モノであることに変わりは無いのだぞ?」クックック
魔法の鏡「いやいやいや、こうして自我を持っているのならひとつの人格としてカウントして欲しいですよー」
赤ずきん「…で、魔法の鏡がどうしたの?」
ティンカーベルの声「ちょっと魔法の鏡に聞いてみたい事があって…。だから魔女にお願いして欲しいんだよ、その鏡を貸して欲しいって頼んで欲しいの」
赤鬼「なるほどな、そういう事なら任せとけ。なぁ、猛毒の魔女。オイラ達の連れが魔法の鏡を貸して欲しいらしいんだ。頼めないか?」
猛毒の魔女「気軽に言うがな赤鬼、魔法の鏡は私にとっても【白雪姫】にとっても大切な存在だ、おいそれと貸しだすわけにはいかないな。これは私の宝であり、私が唯一心の内を語る事の出来る話相手なのだからな」
魔法の鏡「マジですかご主人様…!私の事をそんな風に思ってくれてたなんて、超絶感動しましたよ…!」
猛毒の魔女「だが…先ほど会話の相手の名をティンカーベルと呼んでいたな?その名は既に消滅した【ピーターパン】の妖精の名だろう?」
猛毒の魔女「妖精の粉は貴重な素材。それは希少な薬の材料になる。妖精の粉をいくらか分けると約束できるのならばこんな鏡でよければいくらでも貸すと伝えてくれ、赤ずきん」
魔法の鏡「えっ…ちょっとさっきの感動なんなんですかそれ……」
352 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:19:05 ID:sqG
赤ずきん「ティンク、妖精の粉と引き換えならば貸しても構わないそうよ」
ティンカーベルの声「本当っ?うんうん、いいよいいよ。私にとっては妖精の粉なんてほっとけばいくらでも出てくるから、それでいいなら助かるよ」
キモオタの声「ほっとけばいくらでも出てくるとかwwwまるで耳クソと同じでござr
バチーン
赤鬼(なんか向こうで凄い音聞こえたが…)
赤ずきん「猛毒の魔女、交渉成立よ」
猛毒の魔女「それは喜ばしい。ほら、適当にその辺の布に包んで持っていくがいい。一応、割れないよう注意するようにな」
魔法の鏡「えぇぇ……適当に包めって……一応って……」ブツブツ
赤鬼「おう、じゃあオイラが包んでおくぞ。こう言うのは得意だからな」クルクルキュッキュ
赤ずきん「きっと急いでいるのよね?今からそっちへ向かうわ、ねぇティンク、場所は何処?」
ティンカーベルの声「えっとー…【かぐや姫】の世界、翁の屋敷の近くだよ」
赤ずきん「ええ、わかったわ。早速向かうわよ、赤鬼、人魚姫」スッ
人魚姫の声「オッケーオッケー!【かぐや姫】の世界にはどんなアクセサリーに出会えるか超楽しみなんですけどー」ワクワク
赤鬼「という事だ、すまんが…少し出てくるから鬼の薬の話は帰ってからにしてくれるか」
猛毒の魔女「むぅ…しかし妖精の粉が手に入るのならば仕方あるまい、少々ならば我慢するか。その間に頼まれていた薬をこしらえておこう」
魔法の鏡「その辺の布で包んだだけって……私の存在意義って……」ブツブツ
ヒュンッ
353 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:21:31 ID:sqG
かぐや姫の世界 竹取の翁の屋敷の近く
ヒュンッ
人魚姫の声「おーっ!ここが【かぐや姫】の世界!海底と違うのは当然だけどさ、なんだか私の世界の陸上とも違う感じでワクワクしちゃうんですけどー!」ワクワク
赤鬼「確かこの世界も日ノ本が舞台だったな、オイラにとっちゃあ懐かしい風景だな。しかし…でかい建物が多いな、貴族の敷地か…?」
赤ずきん「二人とも、観光に来たわけじゃないのよ?キモオタ達にすぐに会えればいいのだけど…」キョロキョロ
ティンカーベル「あっ、赤ずきんと赤鬼だ。おーい、こっちこっち。ありがとうねすぐに来てくれてー」
赤鬼「おう、ティンク!元気そうだなといいたいところだが…なんだかちょっと元気とは言い難いみたいだな?」
ティンカーベル「あはは、まぁね…ちょっと色々あってさー」
赤ずきん「ねぇ、キモオタは一緒じゃないの?さっきは声が聞こえていたのに」
ティンカーベル「そこに転がってるのがそうだよ。私の妖精の粉の事馬鹿にした罰だよ」フンッ
人魚姫の声「へぇー、日ノ本のトドはこんなところにまで這い上がってくるんだね。海は遠いみたいなのに超ビックリー」ヘラヘラ
赤鬼「いや、人魚姫。そいつはトドじゃない」
赤ずきん「トd…キモオタ、起きなさい」
キモオタ「お、おぉ…二人とも来ていたのでありますな……というか赤ずきん殿、今トドって言いかけt」
赤ずきん「気のせいよ。それよりも聞かせて頂戴、何故あなた達が魔法の鏡を欲したのか。どんな質問をするつもりなのか」
354 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:23:26 ID:sqG
・・・
赤鬼「待て待て!ドロシーのあの性格はアリスの魔法具で変化させられていただけで悪事を働いていたのは操られていただけ…だって言うのか?」
ティンカーベル「本人が言うにはね…だから魔法の鏡で本当か嘘なのかをはっきりさせたいんだ。絶対に真実しか言わない鏡が判断してくれたら、私も納得できるかもだから」
キモオタ「今までに得た情報と照らし合わせると限りなく真実のようなのでござるが…。ただ確実な情報が欲しいでござるから魔法の鏡をお借りしようとなったのでござるwww」
赤鬼「ちょ、ちょっと待ってくれ!なんなんだ今日は、信じられないことばっかり聞かされて…どうすりゃいいんだ。あいつに罪を働く気は無かったってことか?」
人魚姫の声「うんうんそっかそっか、なるほどー……うんっ!わかんない!私はよくわかんないから黙っとこっかなー」ヘラヘラ
赤鬼「…あぁ、そうしてくれ。ドロシーは赤ずきんにとって宿敵だ、こいつにとってドロシーの件は相当繊細な問題だからな…」ヒソヒソ
鬼神『フン。人間如きに何故気を使う?そもそもどんな理由があろうと、気に食わない相手を殺す事になんら問題は無い』
赤鬼「久しぶりに喋ったと思ったらお前はまた…話がややこしくなるから黙っててくれ…!」ヒソヒソ
赤ずきん「……」
ティンカーベル「ねぇ、赤ずきん。私達って同じだよね…二人ともドロシーに大切なおとぎ話を消されちゃったじゃない?」
赤ずきん「そうね、私の【赤ずきん】も【ピーターパン】もドロシー達が消滅させた。そこに悪意が無くても、それは事実ね」
ティンカーベル「私さ…どうしたらいいかわかんないよ。ピーターパン達の事考えたら絶対に認めたくないし許せない。でも、もしドロシーが言ってる事が本当だったら…っても少し思うし…
でもやっぱり私は認めたくないんだ……だってきっとみんな苦しい思いして消えちゃったし…」
ティンカーベル「ねぇ、赤ずきんは…どうする?やっぱりどんな事情があっても絶対に許さない?それとも、魔法具のせいだから仕方ないねってなる?納得、できる?」
赤ずきん「私…。私は……」
赤ずきん「……。ねぇ、キモオタ」
キモオタ「…なんでござるかな?」
赤ずきん「私達を案内してちょうだい。ドロシーの元へ…そのかぐや姫の屋敷にね。まずはそこで魔法の鏡を使ってみましょう。話はそれからよ」
355 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:25:25 ID:sqG
かぐや姫の世界 竹取の翁の屋敷
キモオタ「かぐや殿www悟空殿www玉龍殿にドロシー殿もwww先ほどは申し訳なかったでござるwww」コポォ
玉龍「いいッス!いいッス!玉龍ちゃん達全然気にしてないッスから!ノープロブレムッスよー!料理冷めちゃったッスけど、また来ると信じて片付けてなかったんスよ」アハハハ
悟空「なんでオメェが仕切ってんだ玉龍…。いやまぁ、気にする事じゃねぇってのはその通りなんだがよ、俺達もティンクには悪ぃ事したなって…なぁ?」
ティンカーベル「かぐやも悟空も…あと玉龍も、ごめん。私、もう取り乱さないから」
かぐや「ううん、私達も少し強引だったみたいね。あなたの気持ちには配慮したつもりだったんだけど」
ティンカーベル「いいよ、かぐやや悟空が私を無理やり納得させようとしたんじゃないってのはわかってるからさ。でも、私にとってはやっぱり簡単な問題じゃないんだ」
悟空「だろうな、俺にもわかるが自分の世界が奪われるってのは…いや、仲間や家族が奪われるってのはそう簡単には納得いかねぇもんだ」
悟空「…で、お前等が連れてきたそこの鬼と頭巾の嬢ちゃんもドロシーに世界を消されちまった口か?」
赤鬼「名乗りが遅れてすまん、赤鬼だ。オイラの世界はまだ消えちゃいない、消されちまったのはこっちの娘だ」
赤ずきん「赤ずきんと呼んでちょうだい。孫悟空といったわね…あなたが言うように、そこのドロシーに世界を消されてしまった一人よ」
ドロシー「あ、あの…赤ずきんちゃんには【人魚姫】の世界で酷い事しちゃって…その……ごめんなs」
赤ずきん「あら、おかしいわね。私があなたに酷い事をされたのは【人魚姫】の世界だけじゃないわよ?あなたの悪事がその世界だけのもののように言うのはずるいんじゃない?」
ドロシー「……ごめんなさい」ビクビク
赤鬼「おい、赤ずきん…お前の気持ちはよくわかるぞ、だが正直見てられねぇ…やめてやってくれ」
赤ずきん「……そうね、私はドロシーに悪態を付きに来たわけじゃないもの。赤鬼、魔法の鏡を出してちょうだい」
356 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:27:36 ID:sqG
赤鬼「ああ、わかった…この辺に掛けりゃあいいか?」スッ ガサゴソ
魔法の鏡「ちょ、赤鬼さん。そのでっぱりに引っかけるつもりならやめときましょ、安定しそうにないんで。それならまだ立てかけて貰った方がいいですよ。無理して床に落ちたりしたら私は文字通り木っ端みじんですからね?」
スッ
かぐや「自我を持つ鏡が登場するおとぎ話はいくつかあるけれど…あなたは【白雪姫】の魔法の鏡ね?」
魔法の鏡「どーも、アジアンビューティーな娘さん。えーっと、私が呼ばれた理由、ざっくり聞いてましたけど…まぁ何でも聞いてくださいな、きっちり真実答えるんで」
玉龍「で、どうするつもりなんすか?この鏡に質問するンスよね?意味あるんスかねぇ…ドロシーの言葉は真実ッスよ?」
キモオタ「まぁまぁ、まずはこの魔法の鏡殿にドロシー殿の言葉が真実かどうか尋ねるでござる」
キモオタ「我輩もほぼ確定で真実だとは思うでござるが……必ず真実を伝える魔法の鏡殿の言葉なら、二人も気持ちの整理が多少は付きやすいかと」
赤鬼「今まで敵対関係にあったドロシーに急に今までは操られてただけでした。って言われても、二人の心情としてはそう簡単には信じられないだろうからなぁ」
悟空「しかしよぉ、この魔法具で真偽がハッキリしたところでこの先どうするかを決めるのは二人だぜ?さすがにドロシーを攻撃するってなら俺達も黙って見てるわけにゃあいかねぇぜ?」
キモオタ「その点は大丈夫でござろう。二人とも…突然ドロシー殿を襲ったりはしないでござろう。もし仮にそうなったとしても、我々が止めるでござるよ」
ドロシー「……」オドオド
魔法の鏡「こっちは準備万端なんで、いつでもどうぞ。なんなら場を和ませる為にこの部屋で一番きれいな女の子決めちゃいます?」
ティンカーベル「ねぇ、赤ずきん…悪いんだけど、私聞くのなんかヤダ。赤ずきん、聞いてくれない?」
赤ずきん「ええ…いいわよ。それじゃあ教えて頂戴、魔法の鏡。ドロシーの言葉は…アリスの魔法具で性格を変化させられていただけというのは真実なの?」
魔法の鏡「……まぁ、なんていうかティンカーベルさんと赤ずきんさんには受け入れがたいとは思うんですけど……結果を言うとすれば、真実ですねこれ」
魔法の鏡「ドロシーさんはアリスさんの魔法具によって利用されてただけ。ドロシーさん自身には悪意は全然なかったようですね」
357 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:29:14 ID:sqG
ティンカーベル「……」
赤ずきん「……」
キモオタ「これで、ハッキリしましたな。ドロシー殿の言葉は真実であると」
ティンカーベル「そっか……そうなんだ……ピーターパン達、なんて思うかな……」
赤ずきん「……っ」ギュッ
ドロシー「あ、あの…二人とも、今まで本当にごm」
かぐや「ドロシー、今はやめておきましょ」スッ
ドロシー「……はい」
人魚姫の声「えっと、赤鬼…?なんでこんなお葬式みたいなムードになってんの…?さすがの私もこれはちょっと、盛り上げられないっていうか…」ヒソヒソ
赤鬼「…いいんだよ、盛り上げなくても。真実が分かった事で、二人とも怒りの矛先を向ける事に躊躇しちまってるんだ。今まではドロシーを倒す為だけに努力していたんだからな」ヒソヒソ
玉龍「もーっ!みんな暗いっすよー!この玉龍ちゃんがセクシーダンスでも踊っt」ムググ
悟空「…黙ってろ」
ティンカーベル「えっと…どうしよっか、キモオタ…?」
魔法の鏡「えーっと、ちょっといいですかね?本当は聞かれてない事まで教えるのは私の仕事じゃないんですけど。まぁ余計な事を一言だけ言うとしたら…」
魔法の鏡「ドロシーさんが二人に対して感じている罪悪感は間違いなく本物です、何としても罪を償いたいという思いに嘘やごまかしはないですよ」
358 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:31:11 ID:sqG
ティンカーベル「……魔法の鏡が言うんなら、本当なんだよね。それ」
魔法の鏡「嘘はつきませんよ、私は。ドロシーさんは心の底から悔やんでいます、二人を傷付けた事を…いえ、多くの世界を消した事を」
赤ずきん「それは真実なのね?」
魔法の鏡「ええ、私はそもそも嘘を語れないんですよ。私は自我がありますけど、そういう風に設定された魔法具ですからね、そこは逆らえません」
赤ずきん「……そう、わかったわ」フー…
赤ずきん「赤鬼、人魚姫。私の用事はすんだわ、帰りましょうか。魔女が待っているでしょうしね」スッ
赤鬼「お、おう…」
人魚姫の声「うん、でももういいわけ?」
ティンカーベル「待ってよ赤ずきん!本当にいいの?お婆ちゃんや猟師さんや、村の人たちが死んじゃったのはドロシー達のせいなんだよ?それを…わざとじゃないからって赤ずきんは納得できるの…?」
赤ずきん「……納得は出来ないわね」
ティンカーベル「だったら…なんで許せるの!?私だって理解は出来るけど、やっぱり納得するのには時間がかかりそうだもん…」
キモオタ「ティンカーベル殿…」
赤ずきん「……ドロシーはアリスに利用されていた。自我とは関係なく、悪事を働いていた」
赤ずきん「それを知ってしまったら…私はこれ以上ドロシーを責められないわ」
赤ずきん「私の大切な友人達も…一歩間違えれば、ドロシーと同じ道をたどっていたでしょうからね」
359 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:38:38 ID:i7R
ティンカーベル「それって…どういうこと?」
キモオタ「我輩には何となくわかりますな、赤鬼殿の…鬼神病の件でござろう?」
赤ずきん「…そうよ。赤鬼は病気のせいで鬼神の人格を植え付けられたでしょう?」
赤ずきん「鬼神化した赤鬼は、仲良くなりたかった村の人たちを襲った。結果として私達が居たから被害は建物だけで済んだけど…一歩間違えば多くの人を殺して【泣いた赤鬼】も消えていた」
赤鬼「…確かに、お前達が居なけりゃあオイラは自分の意思とは関係ないところで暴れちまってただろうな……」
赤ずきん「それに人魚姫もね…彼女自身が拒んでいたから大事にはならなかったけれど、人魚王は言葉巧みに娘達を利用して兵器にしていた」
赤ずきん「嘘の情報で憎しみを煽って、捻じ曲げた真実を信じさせて……知らず知らずのうちに罪の無い人間を殺させていた。事実彼女の姉は多くの人間を殺めているしね」
赤ずきん「人魚姫が結局そうなる事は無かったけれど、あの汚い王の策略でディーヴァになっていても不思議じゃなかった、少し間違えば罪の無い人間を殺す立場にいた」
人魚姫の声「まぁ…ね。私は絶対にそんなことしたくないけど、結局姉ちゃん達は兵器として利用されてたわけだし…可能性はゼロっては言いきれないか…」
赤ずきん「ティンク。私だってね、お婆ちゃんやママ、猟師さんの事を考えたら…どうしても怒りを鎮められないわ」
赤ずきん「でも…赤鬼も人魚姫も一歩間違えれば…ううん、ほんの少しのはずみでドロシーと同じ道をたどっていたのかもしれない」
赤ずきん「だとすれば……私にはもう、ドロシーを責められない」
赤ずきん「アリスに利用されたドロシーも、病に冒された赤鬼も、王に利用されかけた人魚姫も…結果として利用されたか、利用されずに済んだかだけの違いだけ…」
赤ずきん「ここでドロシーを撃ち殺す事は出来るかもしれないけれど、それは…私にはできないわ」
赤ずきん「二人が一歩間違えて罪を犯しても赤鬼や人魚姫を責めるなんて私にはできないでしょうし、そんな事したくないのよ」
360 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:42:01 ID:i7R
今日はここまでです
うまくまとまらなかった…もう少し先まで一気に書きたかったけど
続きは次回、きりわるくて申し訳ない
あと舌切りは赤ずきんのお婆ちゃんが聞かせたっていう名前だけの登場ですね
ここまでに出たおとぎ話紹介
【蛙の王子】
我儘で感じ悪いお姫様と小さな蛙のおとぎ話。
グリム童話のひとつ。姫が泉に落とした鞠を拾ってくる代わりに友達になって欲しいと頼む蛙、姫様は蛙を利用して鞠を拾います
約束なんか守るつもりの無い姫様でしたが、蛙との約束でも守るべきだと王様に叱られて嫌々蛙と過ごす事になります
蛙に対して思いっきり嫌悪感を向ける姫様でしたが、実は蛙の正体は……
赤ずきんが一人旅をしていた時に訪れたおとぎ話、消滅しかけていたところを赤ずきんが防いでいます
王子とはその時に出会い、自分のおとぎ話を助けてくれた赤ずきんにとても感謝しているようです
赤ずきんの旅を何かとバックアップしてくれているようです
かぐや姫とオズの魔法使い編 次回に続きます
361 :名無しさん@おーぷん :2015/12/07(月)00:42:50 ID:T7Q
乙!
次回待ってるよ!
362 :名無しさん@おーぷん :2015/12/07(月)01:02:53 ID:d9I
乙です
ヘンゼルがアリスに惑わされたのもそういう事だよなぁ
363 :名無しさん@おーぷん :2015/12/07(月)01:05:15 ID:2G8
乙!
赤ずきんの言葉で気付いたけど、赤鬼も人魚姫も同じ道を辿ってたかもしれないんだよな……
アリスに利用されそうになってるシンデレラが心配だ
364 :名無しさん@おーぷん :2015/12/07(月)13:21:54 ID:5o5
乙!
えらくフレンドリーな真実の鏡だなw
382 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/14(月)00:11:18 ID:QrI
赤ずきん「例えばの話だけど…私がここで憎しみに駆られてドロシーを撃ち殺したとしましょう。あるいはあなたが殺したと仮定しても良いわ」
ティンカーベル「…うん」
赤ずきん「私もあなたもずっとドロシーに復讐する事を考えて来たんだもの、殺してしまえば少しは恨みも晴れるでしょう。だけど……きっとそれだけよ」フルフル
ティンカーベル「……」
赤ずきん「彼女を殺しても何も変わらない、ただの自己満足」
赤ずきん「だってそうでしょう?自分の意思で悪事を働いていたのなたともかく、ドロシーは利用されていただけ…彼女が死んでも全ての元凶であるアリスは痛くも痒くもない」
ティンカーベル「…そうだね。例えドロシーをやっつけても、アリスはこの先も平気な顔しておとぎ話を消していくんだ」
赤ずきん「今回ハッキリした事は…おとぎ話を消滅させていた事もあちこちから魔法具を集めていた事も多くの人を殺した事も、その意思の全てはアリスにあるという事」
赤ずきん「ティンク。それを知ってしまった以上…私達が恨むべきはもうドロシーじゃない。摘み取るべき悪意は誰の心に根を張っているのか…見極めなければならないわ」
赤ずきん「操られていた彼女はナイフでしかない。そのナイフを振るうのも悪意を込めるのも道具を使う者の意思よ。この意味、解るでしょう…ティンク」
ティンカーベル「……。ねぇ、ドロシー」フワフワ
ドロシー「は、はいっ!な、なにかな…?」ドキドキ
ティンカーベル「あんたはアリスに利用されて、魔法の靴も取り上げられて仲間とも離れ離れにされて…性格まで捻じ曲げられてさ…酷い目にあってるよね」
ティンカーベル「そんなアリスの事。どう思ってるの?」
384 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/14(月)00:15:42 ID:QrI
ドロシー「え、えっと…アリスちゃんの事をどう思っているか?私が…?」
ティンカーベル「うん、あんたがどう思ってるか聞かせてよ。言っとくけど嘘ついてもばれるからね、魔法の鏡が居るんだから」
ドロシー「嘘なんか…つかないよ。魔法の鏡が居なくったって、そんなこと…」
ティンカーベル「じゃあ答えてよ、あいつのことどう思ってるの?」
ドロシー「……元々ね私達は旅の仲間だったの。竜巻に巻き込まれた私はエムおばさんが待ってるカンザスに帰る為、かかしは知恵を貰う為、ブリキは心を入れて貰う為、ライオンは勇気を貰う為…それぞれの願いを叶えて貰う為に大魔法使いだって呼ばれるオズ陛下の所へ旅をしてた」
ドロシー「アリスちゃんとはその旅の途中で出会ったの。かかしの事も馬鹿にしないし、ブリキにも優しい、ライオンの事も励ましてくれる優しい娘で…」
ドロシー「私より少し年上なだけなのに優しさも知識も勇気もあって、とても頼れる仲間だった。彼女のアドバイスに従っていれば、どんな困難も乗り越えられたから」
キモオタ「しかしそれはアリス殿が【オズの魔法使い】の筋書きを知っていたから、どう動けば最善なのかを知っていただけなのでござろうな……」
ドロシー「今思えば、そうだったんだよね…。でもその時はそんなこと知らないから、きっとアリスちゃんの思惑通り私達はみんな彼女の事を信用して…大切な仲間だと思ってた」
ドロシー「でも、今は違うよ。だから……ううん、いろんな世界やたくさんの人たちを傷付けた私に、こんな事を言う資格は無いんだけど……でも……」
ティンカーベル「いいよ、怒らないから言ってみてよ。あんたがどう思ってるか、本当の気持ちが聞きたいんだよ」
ドロシー「……。私は、アリスちゃんを許せない。私がまんまと良いように利用された事は、私が間抜けだったから…だからそれはいいの」
ドロシー「でも、優しいライオンに罪の無い人を襲わせた事や人を傷付ける為に知恵を使わされたかかし…」
ドロシー「利用されてる私の事を誰より気づかってくれた優しいブリキの心を踏みにじった事は……許せない」
ティンカーベル「……」
ドロシー「私は、大切な友達を傷付けたアリスちゃんが許せない。そして、それに気がつかずに利用されたままだった私自身の事も…許せない」
385 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/14(月)00:20:14 ID:QrI
玉龍「いやいやいや!あんたは魔法具で精神に干渉されてたんスから、気がつかないのは仕方ないッス。なにもあんたは悪くn」モゴモゴ
孫悟空「黙ってろって、内気なあいつの事だ、相当勇気出して口にしてんだろうからよぉ」ヒソヒソ
ドロシー「…でも、今の私には何もできない。魔法の靴も奪われて、仲間とも離れ離れになって…今はかぐやさんの付き人をしながら、傷つけてしまった人たちにどう償いをするか考えているけど…」
ドロシー「それも結局、何も案が浮かばないまま…時間だけが過ぎて行って…」
ティンカーベル「あんたも被害者だっていうのは認めるよ。でも利用されただけだから…本当は悪いなんて思って無いんじゃない?操られたから仕方ないじゃんって、内心思ってるんじゃないの?違う?」
キモオタ「ちょ、ちょ…いくらなんでもそんな言い方をする事はないでござろうティンカーベル殿」
ティンカーベル「ごめんキモオタ、私はドロシーに聞いてるの。だからドロシーが答えて」フイッ
ドロシー「…全然思っていないって言ったら嘘になる。なんでアリスちゃんに騙されてただけなのにこんな辛い思いをしなきゃなんないのって気持ちは…ある。ごめん…」
ティンカーベル「……」
ドロシー「でも、償いをしたいっていう気持ちに嘘はこれっぽっちも無いよ。消しちゃった世界や殺しちゃった人たちに私の事情は関係ないもん」
ドロシー「私に悪意があろうとなかろうと、利用されていようといまいと…被害を受けた人たちに酷い事をしたのは事実だから。だから私は…必ず償いをする、私はそう思うの」
魔法の鏡「あのー、ティンカーベルさん?彼女の言葉に嘘や偽りは一切…」
ティンカーベル「うん…それくらいは私にだってわかるよ。ドロシー、あんたの本音は解ったよ。ちゃんと嘘つかないで喋ってくれたね」スィーッ
ドロシー「赤ずきんさんはああ言ってくれたけど、ティンカーベルちゃんにとって私は憎むべき相手だから…正直で居る事も償いの一つかなって…」
387 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/14(月)00:24:37 ID:QrI
ティンカーベル「…全然駄目だよ、そんなんじゃ償いになんかなるわけないじゃん」フイッ
キモオタ「ティンカーベル殿!お主の気持ちは解るでござるけどさすがに…!」
ティンカーベル「私にいくら謝っても気を使っても償いなんかにならないよ。あんたが…ドロシーが本当に悪いって思ってるなら…ピーターパンに謝って欲しいな」
ドロシー「で、でも、ピーターパンさんはもう……」
ティンカーベル「大丈夫だよ。私ね、【アラビアンナイト】のシェヘラザードと約束してるんだ」
ティンカーベル「アリスを倒してこの事件が全部片付いたら魔法のランプを貸してくれるって約束。だから、アリスを何とか出来たら…【ピーターパン】は元通りにできるんだよ」
ドロシー「魔法のランプって魔人が願いを叶えてくれるっていう…それって本当?もしそれが本当なら……!」
ティンカーベル「本当だよ。ドロシーがホントの事喋ってくれたのに、私が嘘なんかつくわけないでしょ」プリプリ
ティンカーベル「それにドロシーがみんなに償いをしたいっていう気持ちは解ったよ、だからシェヘラザードにお願いしてドロシーにも魔法のランプを貸してあげるように頼んであげる」
ドロシー「え、えっと…それは凄く嬉しいけど、でも私にそんな資格…」
ティンカーベル「わたしがいいっていってるからいーの!そうすればドロシーが消しちゃった世界を元通りに出来るじゃん、それでその世界の人が許してくれるかどうかは解らないけど…でも、償いは出来るでしょ?」
ティンカーベル「私は、なんていうか…素直じゃないから、今もいろいろ言っちゃったけど…ドロシーが本当に悪いって思ってるならさ、その償いってやつ…手助けしてあげなくもないよ」フイッ
ドロシー「ティンカーベルちゃん…!」ジワッ
赤ずきん「あなた達もドロシーについて新しい情報を手に入れたのかしら?それなら早く聞かせてほしいものね」
キモオタの声「ティンカーベル殿、もう隠す事に意味などなさそうでござるし…」
ティンカーベルの声「そうだね…。あのね赤ずきん、二人が協力してもらってる【白雪姫】の魔女って、魔法の鏡持ってるよね?何でも答えてくれる魔法の鏡」
赤ずきん「魔法の鏡…?ええ、持っているわね。というか、今その魔女の所にいるから魔法の鏡ならすぐ隣にあるけれど」
魔法の鏡「居るって言って欲しいですね赤ずきんさん。ある…なんてまるで私をモノのように扱うのは、ねぇ?」
猛毒の魔女「自我を持っているとは言ってもお前は私の魔法具…モノであることに変わりは無いのだぞ?」クックック
魔法の鏡「いやいやいや、こうして自我を持っているのならひとつの人格としてカウントして欲しいですよー」
赤ずきん「…で、魔法の鏡がどうしたの?」
ティンカーベルの声「ちょっと魔法の鏡に聞いてみたい事があって…。だから魔女にお願いして欲しいんだよ、その鏡を貸して欲しいって頼んで欲しいの」
赤鬼「なるほどな、そういう事なら任せとけ。なぁ、猛毒の魔女。オイラ達の連れが魔法の鏡を貸して欲しいらしいんだ。頼めないか?」
猛毒の魔女「気軽に言うがな赤鬼、魔法の鏡は私にとっても【白雪姫】にとっても大切な存在だ、おいそれと貸しだすわけにはいかないな。これは私の宝であり、私が唯一心の内を語る事の出来る話相手なのだからな」
魔法の鏡「マジですかご主人様…!私の事をそんな風に思ってくれてたなんて、超絶感動しましたよ…!」
猛毒の魔女「だが…先ほど会話の相手の名をティンカーベルと呼んでいたな?その名は既に消滅した【ピーターパン】の妖精の名だろう?」
猛毒の魔女「妖精の粉は貴重な素材。それは希少な薬の材料になる。妖精の粉をいくらか分けると約束できるのならばこんな鏡でよければいくらでも貸すと伝えてくれ、赤ずきん」
魔法の鏡「えっ…ちょっとさっきの感動なんなんですかそれ……」
352 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:19:05 ID:sqG
赤ずきん「ティンク、妖精の粉と引き換えならば貸しても構わないそうよ」
ティンカーベルの声「本当っ?うんうん、いいよいいよ。私にとっては妖精の粉なんてほっとけばいくらでも出てくるから、それでいいなら助かるよ」
キモオタの声「ほっとけばいくらでも出てくるとかwwwまるで耳クソと同じでござr
バチーン
赤鬼(なんか向こうで凄い音聞こえたが…)
赤ずきん「猛毒の魔女、交渉成立よ」
猛毒の魔女「それは喜ばしい。ほら、適当にその辺の布に包んで持っていくがいい。一応、割れないよう注意するようにな」
魔法の鏡「えぇぇ……適当に包めって……一応って……」ブツブツ
赤鬼「おう、じゃあオイラが包んでおくぞ。こう言うのは得意だからな」クルクルキュッキュ
赤ずきん「きっと急いでいるのよね?今からそっちへ向かうわ、ねぇティンク、場所は何処?」
ティンカーベルの声「えっとー…【かぐや姫】の世界、翁の屋敷の近くだよ」
赤ずきん「ええ、わかったわ。早速向かうわよ、赤鬼、人魚姫」スッ
人魚姫の声「オッケーオッケー!【かぐや姫】の世界にはどんなアクセサリーに出会えるか超楽しみなんですけどー」ワクワク
赤鬼「という事だ、すまんが…少し出てくるから鬼の薬の話は帰ってからにしてくれるか」
猛毒の魔女「むぅ…しかし妖精の粉が手に入るのならば仕方あるまい、少々ならば我慢するか。その間に頼まれていた薬をこしらえておこう」
魔法の鏡「その辺の布で包んだだけって……私の存在意義って……」ブツブツ
ヒュンッ
353 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:21:31 ID:sqG
かぐや姫の世界 竹取の翁の屋敷の近く
ヒュンッ
人魚姫の声「おーっ!ここが【かぐや姫】の世界!海底と違うのは当然だけどさ、なんだか私の世界の陸上とも違う感じでワクワクしちゃうんですけどー!」ワクワク
赤鬼「確かこの世界も日ノ本が舞台だったな、オイラにとっちゃあ懐かしい風景だな。しかし…でかい建物が多いな、貴族の敷地か…?」
赤ずきん「二人とも、観光に来たわけじゃないのよ?キモオタ達にすぐに会えればいいのだけど…」キョロキョロ
ティンカーベル「あっ、赤ずきんと赤鬼だ。おーい、こっちこっち。ありがとうねすぐに来てくれてー」
赤鬼「おう、ティンク!元気そうだなといいたいところだが…なんだかちょっと元気とは言い難いみたいだな?」
ティンカーベル「あはは、まぁね…ちょっと色々あってさー」
赤ずきん「ねぇ、キモオタは一緒じゃないの?さっきは声が聞こえていたのに」
ティンカーベル「そこに転がってるのがそうだよ。私の妖精の粉の事馬鹿にした罰だよ」フンッ
人魚姫の声「へぇー、日ノ本のトドはこんなところにまで這い上がってくるんだね。海は遠いみたいなのに超ビックリー」ヘラヘラ
赤鬼「いや、人魚姫。そいつはトドじゃない」
赤ずきん「トd…キモオタ、起きなさい」
キモオタ「お、おぉ…二人とも来ていたのでありますな……というか赤ずきん殿、今トドって言いかけt」
赤ずきん「気のせいよ。それよりも聞かせて頂戴、何故あなた達が魔法の鏡を欲したのか。どんな質問をするつもりなのか」
354 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:23:26 ID:sqG
・・・
赤鬼「待て待て!ドロシーのあの性格はアリスの魔法具で変化させられていただけで悪事を働いていたのは操られていただけ…だって言うのか?」
ティンカーベル「本人が言うにはね…だから魔法の鏡で本当か嘘なのかをはっきりさせたいんだ。絶対に真実しか言わない鏡が判断してくれたら、私も納得できるかもだから」
キモオタ「今までに得た情報と照らし合わせると限りなく真実のようなのでござるが…。ただ確実な情報が欲しいでござるから魔法の鏡をお借りしようとなったのでござるwww」
赤鬼「ちょ、ちょっと待ってくれ!なんなんだ今日は、信じられないことばっかり聞かされて…どうすりゃいいんだ。あいつに罪を働く気は無かったってことか?」
人魚姫の声「うんうんそっかそっか、なるほどー……うんっ!わかんない!私はよくわかんないから黙っとこっかなー」ヘラヘラ
赤鬼「…あぁ、そうしてくれ。ドロシーは赤ずきんにとって宿敵だ、こいつにとってドロシーの件は相当繊細な問題だからな…」ヒソヒソ
鬼神『フン。人間如きに何故気を使う?そもそもどんな理由があろうと、気に食わない相手を殺す事になんら問題は無い』
赤鬼「久しぶりに喋ったと思ったらお前はまた…話がややこしくなるから黙っててくれ…!」ヒソヒソ
赤ずきん「……」
ティンカーベル「ねぇ、赤ずきん。私達って同じだよね…二人ともドロシーに大切なおとぎ話を消されちゃったじゃない?」
赤ずきん「そうね、私の【赤ずきん】も【ピーターパン】もドロシー達が消滅させた。そこに悪意が無くても、それは事実ね」
ティンカーベル「私さ…どうしたらいいかわかんないよ。ピーターパン達の事考えたら絶対に認めたくないし許せない。でも、もしドロシーが言ってる事が本当だったら…っても少し思うし…
でもやっぱり私は認めたくないんだ……だってきっとみんな苦しい思いして消えちゃったし…」
ティンカーベル「ねぇ、赤ずきんは…どうする?やっぱりどんな事情があっても絶対に許さない?それとも、魔法具のせいだから仕方ないねってなる?納得、できる?」
赤ずきん「私…。私は……」
赤ずきん「……。ねぇ、キモオタ」
キモオタ「…なんでござるかな?」
赤ずきん「私達を案内してちょうだい。ドロシーの元へ…そのかぐや姫の屋敷にね。まずはそこで魔法の鏡を使ってみましょう。話はそれからよ」
355 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:25:25 ID:sqG
かぐや姫の世界 竹取の翁の屋敷
キモオタ「かぐや殿www悟空殿www玉龍殿にドロシー殿もwww先ほどは申し訳なかったでござるwww」コポォ
玉龍「いいッス!いいッス!玉龍ちゃん達全然気にしてないッスから!ノープロブレムッスよー!料理冷めちゃったッスけど、また来ると信じて片付けてなかったんスよ」アハハハ
悟空「なんでオメェが仕切ってんだ玉龍…。いやまぁ、気にする事じゃねぇってのはその通りなんだがよ、俺達もティンクには悪ぃ事したなって…なぁ?」
ティンカーベル「かぐやも悟空も…あと玉龍も、ごめん。私、もう取り乱さないから」
かぐや「ううん、私達も少し強引だったみたいね。あなたの気持ちには配慮したつもりだったんだけど」
ティンカーベル「いいよ、かぐやや悟空が私を無理やり納得させようとしたんじゃないってのはわかってるからさ。でも、私にとってはやっぱり簡単な問題じゃないんだ」
悟空「だろうな、俺にもわかるが自分の世界が奪われるってのは…いや、仲間や家族が奪われるってのはそう簡単には納得いかねぇもんだ」
悟空「…で、お前等が連れてきたそこの鬼と頭巾の嬢ちゃんもドロシーに世界を消されちまった口か?」
赤鬼「名乗りが遅れてすまん、赤鬼だ。オイラの世界はまだ消えちゃいない、消されちまったのはこっちの娘だ」
赤ずきん「赤ずきんと呼んでちょうだい。孫悟空といったわね…あなたが言うように、そこのドロシーに世界を消されてしまった一人よ」
ドロシー「あ、あの…赤ずきんちゃんには【人魚姫】の世界で酷い事しちゃって…その……ごめんなs」
赤ずきん「あら、おかしいわね。私があなたに酷い事をされたのは【人魚姫】の世界だけじゃないわよ?あなたの悪事がその世界だけのもののように言うのはずるいんじゃない?」
ドロシー「……ごめんなさい」ビクビク
赤鬼「おい、赤ずきん…お前の気持ちはよくわかるぞ、だが正直見てられねぇ…やめてやってくれ」
赤ずきん「……そうね、私はドロシーに悪態を付きに来たわけじゃないもの。赤鬼、魔法の鏡を出してちょうだい」
赤鬼「ああ、わかった…この辺に掛けりゃあいいか?」スッ ガサゴソ
魔法の鏡「ちょ、赤鬼さん。そのでっぱりに引っかけるつもりならやめときましょ、安定しそうにないんで。それならまだ立てかけて貰った方がいいですよ。無理して床に落ちたりしたら私は文字通り木っ端みじんですからね?」
スッ
かぐや「自我を持つ鏡が登場するおとぎ話はいくつかあるけれど…あなたは【白雪姫】の魔法の鏡ね?」
魔法の鏡「どーも、アジアンビューティーな娘さん。えーっと、私が呼ばれた理由、ざっくり聞いてましたけど…まぁ何でも聞いてくださいな、きっちり真実答えるんで」
玉龍「で、どうするつもりなんすか?この鏡に質問するンスよね?意味あるんスかねぇ…ドロシーの言葉は真実ッスよ?」
キモオタ「まぁまぁ、まずはこの魔法の鏡殿にドロシー殿の言葉が真実かどうか尋ねるでござる」
キモオタ「我輩もほぼ確定で真実だとは思うでござるが……必ず真実を伝える魔法の鏡殿の言葉なら、二人も気持ちの整理が多少は付きやすいかと」
赤鬼「今まで敵対関係にあったドロシーに急に今までは操られてただけでした。って言われても、二人の心情としてはそう簡単には信じられないだろうからなぁ」
悟空「しかしよぉ、この魔法具で真偽がハッキリしたところでこの先どうするかを決めるのは二人だぜ?さすがにドロシーを攻撃するってなら俺達も黙って見てるわけにゃあいかねぇぜ?」
キモオタ「その点は大丈夫でござろう。二人とも…突然ドロシー殿を襲ったりはしないでござろう。もし仮にそうなったとしても、我々が止めるでござるよ」
ドロシー「……」オドオド
魔法の鏡「こっちは準備万端なんで、いつでもどうぞ。なんなら場を和ませる為にこの部屋で一番きれいな女の子決めちゃいます?」
ティンカーベル「ねぇ、赤ずきん…悪いんだけど、私聞くのなんかヤダ。赤ずきん、聞いてくれない?」
赤ずきん「ええ…いいわよ。それじゃあ教えて頂戴、魔法の鏡。ドロシーの言葉は…アリスの魔法具で性格を変化させられていただけというのは真実なの?」
魔法の鏡「……まぁ、なんていうかティンカーベルさんと赤ずきんさんには受け入れがたいとは思うんですけど……結果を言うとすれば、真実ですねこれ」
魔法の鏡「ドロシーさんはアリスさんの魔法具によって利用されてただけ。ドロシーさん自身には悪意は全然なかったようですね」
357 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:29:14 ID:sqG
ティンカーベル「……」
赤ずきん「……」
キモオタ「これで、ハッキリしましたな。ドロシー殿の言葉は真実であると」
ティンカーベル「そっか……そうなんだ……ピーターパン達、なんて思うかな……」
赤ずきん「……っ」ギュッ
ドロシー「あ、あの…二人とも、今まで本当にごm」
かぐや「ドロシー、今はやめておきましょ」スッ
ドロシー「……はい」
人魚姫の声「えっと、赤鬼…?なんでこんなお葬式みたいなムードになってんの…?さすがの私もこれはちょっと、盛り上げられないっていうか…」ヒソヒソ
赤鬼「…いいんだよ、盛り上げなくても。真実が分かった事で、二人とも怒りの矛先を向ける事に躊躇しちまってるんだ。今まではドロシーを倒す為だけに努力していたんだからな」ヒソヒソ
玉龍「もーっ!みんな暗いっすよー!この玉龍ちゃんがセクシーダンスでも踊っt」ムググ
悟空「…黙ってろ」
ティンカーベル「えっと…どうしよっか、キモオタ…?」
魔法の鏡「えーっと、ちょっといいですかね?本当は聞かれてない事まで教えるのは私の仕事じゃないんですけど。まぁ余計な事を一言だけ言うとしたら…」
魔法の鏡「ドロシーさんが二人に対して感じている罪悪感は間違いなく本物です、何としても罪を償いたいという思いに嘘やごまかしはないですよ」
358 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:31:11 ID:sqG
ティンカーベル「……魔法の鏡が言うんなら、本当なんだよね。それ」
魔法の鏡「嘘はつきませんよ、私は。ドロシーさんは心の底から悔やんでいます、二人を傷付けた事を…いえ、多くの世界を消した事を」
赤ずきん「それは真実なのね?」
魔法の鏡「ええ、私はそもそも嘘を語れないんですよ。私は自我がありますけど、そういう風に設定された魔法具ですからね、そこは逆らえません」
赤ずきん「……そう、わかったわ」フー…
赤ずきん「赤鬼、人魚姫。私の用事はすんだわ、帰りましょうか。魔女が待っているでしょうしね」スッ
赤鬼「お、おう…」
人魚姫の声「うん、でももういいわけ?」
ティンカーベル「待ってよ赤ずきん!本当にいいの?お婆ちゃんや猟師さんや、村の人たちが死んじゃったのはドロシー達のせいなんだよ?それを…わざとじゃないからって赤ずきんは納得できるの…?」
赤ずきん「……納得は出来ないわね」
ティンカーベル「だったら…なんで許せるの!?私だって理解は出来るけど、やっぱり納得するのには時間がかかりそうだもん…」
キモオタ「ティンカーベル殿…」
赤ずきん「……ドロシーはアリスに利用されていた。自我とは関係なく、悪事を働いていた」
赤ずきん「それを知ってしまったら…私はこれ以上ドロシーを責められないわ」
赤ずきん「私の大切な友人達も…一歩間違えれば、ドロシーと同じ道をたどっていたでしょうからね」
359 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:38:38 ID:i7R
ティンカーベル「それって…どういうこと?」
キモオタ「我輩には何となくわかりますな、赤鬼殿の…鬼神病の件でござろう?」
赤ずきん「…そうよ。赤鬼は病気のせいで鬼神の人格を植え付けられたでしょう?」
赤ずきん「鬼神化した赤鬼は、仲良くなりたかった村の人たちを襲った。結果として私達が居たから被害は建物だけで済んだけど…一歩間違えば多くの人を殺して【泣いた赤鬼】も消えていた」
赤鬼「…確かに、お前達が居なけりゃあオイラは自分の意思とは関係ないところで暴れちまってただろうな……」
赤ずきん「それに人魚姫もね…彼女自身が拒んでいたから大事にはならなかったけれど、人魚王は言葉巧みに娘達を利用して兵器にしていた」
赤ずきん「嘘の情報で憎しみを煽って、捻じ曲げた真実を信じさせて……知らず知らずのうちに罪の無い人間を殺させていた。事実彼女の姉は多くの人間を殺めているしね」
赤ずきん「人魚姫が結局そうなる事は無かったけれど、あの汚い王の策略でディーヴァになっていても不思議じゃなかった、少し間違えば罪の無い人間を殺す立場にいた」
人魚姫の声「まぁ…ね。私は絶対にそんなことしたくないけど、結局姉ちゃん達は兵器として利用されてたわけだし…可能性はゼロっては言いきれないか…」
赤ずきん「ティンク。私だってね、お婆ちゃんやママ、猟師さんの事を考えたら…どうしても怒りを鎮められないわ」
赤ずきん「でも…赤鬼も人魚姫も一歩間違えれば…ううん、ほんの少しのはずみでドロシーと同じ道をたどっていたのかもしれない」
赤ずきん「だとすれば……私にはもう、ドロシーを責められない」
赤ずきん「アリスに利用されたドロシーも、病に冒された赤鬼も、王に利用されかけた人魚姫も…結果として利用されたか、利用されずに済んだかだけの違いだけ…」
赤ずきん「ここでドロシーを撃ち殺す事は出来るかもしれないけれど、それは…私にはできないわ」
赤ずきん「二人が一歩間違えて罪を犯しても赤鬼や人魚姫を責めるなんて私にはできないでしょうし、そんな事したくないのよ」
360 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/07(月)00:42:01 ID:i7R
今日はここまでです
うまくまとまらなかった…もう少し先まで一気に書きたかったけど
続きは次回、きりわるくて申し訳ない
あと舌切りは赤ずきんのお婆ちゃんが聞かせたっていう名前だけの登場ですね
ここまでに出たおとぎ話紹介
【蛙の王子】
我儘で感じ悪いお姫様と小さな蛙のおとぎ話。
グリム童話のひとつ。姫が泉に落とした鞠を拾ってくる代わりに友達になって欲しいと頼む蛙、姫様は蛙を利用して鞠を拾います
約束なんか守るつもりの無い姫様でしたが、蛙との約束でも守るべきだと王様に叱られて嫌々蛙と過ごす事になります
蛙に対して思いっきり嫌悪感を向ける姫様でしたが、実は蛙の正体は……
赤ずきんが一人旅をしていた時に訪れたおとぎ話、消滅しかけていたところを赤ずきんが防いでいます
王子とはその時に出会い、自分のおとぎ話を助けてくれた赤ずきんにとても感謝しているようです
赤ずきんの旅を何かとバックアップしてくれているようです
かぐや姫とオズの魔法使い編 次回に続きます
361 :名無しさん@おーぷん :2015/12/07(月)00:42:50 ID:T7Q
乙!
次回待ってるよ!
362 :名無しさん@おーぷん :2015/12/07(月)01:02:53 ID:d9I
乙です
ヘンゼルがアリスに惑わされたのもそういう事だよなぁ
363 :名無しさん@おーぷん :2015/12/07(月)01:05:15 ID:2G8
乙!
赤ずきんの言葉で気付いたけど、赤鬼も人魚姫も同じ道を辿ってたかもしれないんだよな……
アリスに利用されそうになってるシンデレラが心配だ
364 :名無しさん@おーぷん :2015/12/07(月)13:21:54 ID:5o5
乙!
えらくフレンドリーな真実の鏡だなw
382 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/14(月)00:11:18 ID:QrI
赤ずきん「例えばの話だけど…私がここで憎しみに駆られてドロシーを撃ち殺したとしましょう。あるいはあなたが殺したと仮定しても良いわ」
ティンカーベル「…うん」
赤ずきん「私もあなたもずっとドロシーに復讐する事を考えて来たんだもの、殺してしまえば少しは恨みも晴れるでしょう。だけど……きっとそれだけよ」フルフル
ティンカーベル「……」
赤ずきん「彼女を殺しても何も変わらない、ただの自己満足」
赤ずきん「だってそうでしょう?自分の意思で悪事を働いていたのなたともかく、ドロシーは利用されていただけ…彼女が死んでも全ての元凶であるアリスは痛くも痒くもない」
ティンカーベル「…そうだね。例えドロシーをやっつけても、アリスはこの先も平気な顔しておとぎ話を消していくんだ」
赤ずきん「今回ハッキリした事は…おとぎ話を消滅させていた事もあちこちから魔法具を集めていた事も多くの人を殺した事も、その意思の全てはアリスにあるという事」
赤ずきん「ティンク。それを知ってしまった以上…私達が恨むべきはもうドロシーじゃない。摘み取るべき悪意は誰の心に根を張っているのか…見極めなければならないわ」
赤ずきん「操られていた彼女はナイフでしかない。そのナイフを振るうのも悪意を込めるのも道具を使う者の意思よ。この意味、解るでしょう…ティンク」
ティンカーベル「……。ねぇ、ドロシー」フワフワ
ドロシー「は、はいっ!な、なにかな…?」ドキドキ
ティンカーベル「あんたはアリスに利用されて、魔法の靴も取り上げられて仲間とも離れ離れにされて…性格まで捻じ曲げられてさ…酷い目にあってるよね」
ティンカーベル「そんなアリスの事。どう思ってるの?」
384 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/14(月)00:15:42 ID:QrI
ドロシー「え、えっと…アリスちゃんの事をどう思っているか?私が…?」
ティンカーベル「うん、あんたがどう思ってるか聞かせてよ。言っとくけど嘘ついてもばれるからね、魔法の鏡が居るんだから」
ドロシー「嘘なんか…つかないよ。魔法の鏡が居なくったって、そんなこと…」
ティンカーベル「じゃあ答えてよ、あいつのことどう思ってるの?」
ドロシー「……元々ね私達は旅の仲間だったの。竜巻に巻き込まれた私はエムおばさんが待ってるカンザスに帰る為、かかしは知恵を貰う為、ブリキは心を入れて貰う為、ライオンは勇気を貰う為…それぞれの願いを叶えて貰う為に大魔法使いだって呼ばれるオズ陛下の所へ旅をしてた」
ドロシー「アリスちゃんとはその旅の途中で出会ったの。かかしの事も馬鹿にしないし、ブリキにも優しい、ライオンの事も励ましてくれる優しい娘で…」
ドロシー「私より少し年上なだけなのに優しさも知識も勇気もあって、とても頼れる仲間だった。彼女のアドバイスに従っていれば、どんな困難も乗り越えられたから」
キモオタ「しかしそれはアリス殿が【オズの魔法使い】の筋書きを知っていたから、どう動けば最善なのかを知っていただけなのでござろうな……」
ドロシー「今思えば、そうだったんだよね…。でもその時はそんなこと知らないから、きっとアリスちゃんの思惑通り私達はみんな彼女の事を信用して…大切な仲間だと思ってた」
ドロシー「でも、今は違うよ。だから……ううん、いろんな世界やたくさんの人たちを傷付けた私に、こんな事を言う資格は無いんだけど……でも……」
ティンカーベル「いいよ、怒らないから言ってみてよ。あんたがどう思ってるか、本当の気持ちが聞きたいんだよ」
ドロシー「……。私は、アリスちゃんを許せない。私がまんまと良いように利用された事は、私が間抜けだったから…だからそれはいいの」
ドロシー「でも、優しいライオンに罪の無い人を襲わせた事や人を傷付ける為に知恵を使わされたかかし…」
ドロシー「利用されてる私の事を誰より気づかってくれた優しいブリキの心を踏みにじった事は……許せない」
ティンカーベル「……」
ドロシー「私は、大切な友達を傷付けたアリスちゃんが許せない。そして、それに気がつかずに利用されたままだった私自身の事も…許せない」
385 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/14(月)00:20:14 ID:QrI
玉龍「いやいやいや!あんたは魔法具で精神に干渉されてたんスから、気がつかないのは仕方ないッス。なにもあんたは悪くn」モゴモゴ
孫悟空「黙ってろって、内気なあいつの事だ、相当勇気出して口にしてんだろうからよぉ」ヒソヒソ
ドロシー「…でも、今の私には何もできない。魔法の靴も奪われて、仲間とも離れ離れになって…今はかぐやさんの付き人をしながら、傷つけてしまった人たちにどう償いをするか考えているけど…」
ドロシー「それも結局、何も案が浮かばないまま…時間だけが過ぎて行って…」
ティンカーベル「あんたも被害者だっていうのは認めるよ。でも利用されただけだから…本当は悪いなんて思って無いんじゃない?操られたから仕方ないじゃんって、内心思ってるんじゃないの?違う?」
キモオタ「ちょ、ちょ…いくらなんでもそんな言い方をする事はないでござろうティンカーベル殿」
ティンカーベル「ごめんキモオタ、私はドロシーに聞いてるの。だからドロシーが答えて」フイッ
ドロシー「…全然思っていないって言ったら嘘になる。なんでアリスちゃんに騙されてただけなのにこんな辛い思いをしなきゃなんないのって気持ちは…ある。ごめん…」
ティンカーベル「……」
ドロシー「でも、償いをしたいっていう気持ちに嘘はこれっぽっちも無いよ。消しちゃった世界や殺しちゃった人たちに私の事情は関係ないもん」
ドロシー「私に悪意があろうとなかろうと、利用されていようといまいと…被害を受けた人たちに酷い事をしたのは事実だから。だから私は…必ず償いをする、私はそう思うの」
魔法の鏡「あのー、ティンカーベルさん?彼女の言葉に嘘や偽りは一切…」
ティンカーベル「うん…それくらいは私にだってわかるよ。ドロシー、あんたの本音は解ったよ。ちゃんと嘘つかないで喋ってくれたね」スィーッ
ドロシー「赤ずきんさんはああ言ってくれたけど、ティンカーベルちゃんにとって私は憎むべき相手だから…正直で居る事も償いの一つかなって…」
387 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/14(月)00:24:37 ID:QrI
ティンカーベル「…全然駄目だよ、そんなんじゃ償いになんかなるわけないじゃん」フイッ
キモオタ「ティンカーベル殿!お主の気持ちは解るでござるけどさすがに…!」
ティンカーベル「私にいくら謝っても気を使っても償いなんかにならないよ。あんたが…ドロシーが本当に悪いって思ってるなら…ピーターパンに謝って欲しいな」
ドロシー「で、でも、ピーターパンさんはもう……」
ティンカーベル「大丈夫だよ。私ね、【アラビアンナイト】のシェヘラザードと約束してるんだ」
ティンカーベル「アリスを倒してこの事件が全部片付いたら魔法のランプを貸してくれるって約束。だから、アリスを何とか出来たら…【ピーターパン】は元通りにできるんだよ」
ドロシー「魔法のランプって魔人が願いを叶えてくれるっていう…それって本当?もしそれが本当なら……!」
ティンカーベル「本当だよ。ドロシーがホントの事喋ってくれたのに、私が嘘なんかつくわけないでしょ」プリプリ
ティンカーベル「それにドロシーがみんなに償いをしたいっていう気持ちは解ったよ、だからシェヘラザードにお願いしてドロシーにも魔法のランプを貸してあげるように頼んであげる」
ドロシー「え、えっと…それは凄く嬉しいけど、でも私にそんな資格…」
ティンカーベル「わたしがいいっていってるからいーの!そうすればドロシーが消しちゃった世界を元通りに出来るじゃん、それでその世界の人が許してくれるかどうかは解らないけど…でも、償いは出来るでしょ?」
ティンカーベル「私は、なんていうか…素直じゃないから、今もいろいろ言っちゃったけど…ドロシーが本当に悪いって思ってるならさ、その償いってやつ…手助けしてあげなくもないよ」フイッ
ドロシー「ティンカーベルちゃん…!」ジワッ
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 かぐや姫とオズの魔法使い編
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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
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