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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
Part68


405 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/07(火)23:56:36 ID:TNJ
赤ずきん「いいえ、そんな事はないわよ?歩くと、足が痛むの?」
人魚姫『そう、ちょっと無いくらい痛いんだけど』
赤鬼「そいつはおかしいな、普通はそんな事無いぞ?」
人魚姫『マジで?じゃあ薬の副作用とか、そもそも慣れるまではこれなわけ?さすがにキツいんだけど…足抉れるかと思ったし』ズキズキ
赤鬼「あの魔女…大事なことばかり言わない奴だな。よし、移動するときはオイラが肩に乗せてやろう!」
人魚姫『マジで?サンキュー赤鬼!』ヘラヘラ
赤ずきん「ちょうど明日は城へ挨拶へ行く予定だものね、王子に会うこともできるでしょう」
人魚姫『うん、明日には王子に会えるんだね、マジでドキドキしてきた!』
赤鬼「じゃあ明日に備えて今日は宿に戻って休まないとな」
赤ずきん「ええ、明日が楽しみね。人魚姫」ニコッ

406 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/08(水)00:08:25 ID:PHD
城 客間
ドロシー「ふぅーっ!このベッドふっかふかぁー!あはははっ!」ビョーンビョーン
かかし「ドロシーお前はしゃぎすぎだゾ!旅先でテンション上がる子供カ!」
ライオン「む、無理無いよぉ。だって明日には赤鬼さんと赤ずきんちゃんが謁見に来るんでしょ?じいやさんが王子様に言ってたの聞いたもんね」
ドロシー「そーそー!楽しみだー!ふぅーっ!」ビョーンビョーン
かかし「お前もう降りロ!オレはもう明日に備えて横になりたいんダ!」
ドロシー「えーっ!?アリスに借りたトランプで遊ぼうよ!」
かかし「それ武器だろうガ!まったく、ブリキもなんとか言ってやレ!」
ブリキ「……程々にしておけドロシー。明日はなにをするつもりなんだ?」
ドロシー「んー?特にすごいことしないよ?ただ王子にさ、教えてあげるんだよ」
ライオン「お、教えるって、何を教えるのかな?」
ドロシー「真実を教えてあげるんだよん♪私が助けたにはただ砂浜にいた王子を介抱しただけだよって。どーせ明日はあいつらと一緒に人魚姫もくるっしょ?だからさぁ、謁見の場で教えてあげんだよ」
ドロシー「王子を海から救ってあげたのは人魚姫だよ。ってね!」ニヤニヤ

407 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/08(水)00:10:04 ID:PHD
今日はここまでです レスありがとねー
人魚姫は人間になって声を失ってるから赤コンビにだけ思念が送れます
人魚姫編 次回に続きます

408 :名無しさん@おーぷん :2015/04/08(水)00:25:56 ID:NTt
乙!
おしゃべり裸王くんがぁぁぁ!
まあ、役に立ってよかった…のかな

409 :名無しさん@おーぷん :2015/04/08(水)00:30:48 ID:8mh
>>1さん乙です!
今のところドロシーの思惑が分からないのが良いですね。
次の更新も楽しみにしてます!!

410 :名無しさん@おーぷん :2015/04/08(水)06:57:01 ID:prX
乙です
まさか今回のドロシーは
人魚姫と王子をくっ付けて赤コンビに二人の仲を引き裂かせようと...?

411 :名無しさん@おーぷん :2015/04/08(水)19:05:24 ID:YIh
>>410
人魚姫と王子が結ばれればストーリー的には問題ないんじゃない?

413 :名無しさん@おーぷん :2015/04/09(木)20:30:22 ID:1cy
>>411
逆じゃないのか?本来は結ばれない運命だから

414 :名無しさん@おーぷん :2015/04/10(金)12:20:05 ID:Zaf
乙です
結ばれないのは辛いなぁ

419 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:04:13 ID:vO0
翌日
城 王座の間
じい「おお、赤鬼様!赤ずきん様!お待たせしております、実は国王様の到着が遅れておりまして…今しばらくお待ちいただけますか?」
赤鬼「いや、構わんです。こちらこそ急に人数が増えてしまって申し訳なかった」ペコッ
じい「いえいえ!そちらの姫様もあなた方のお連れ様、我々の恩人であることには変わりませんよ」ホホッ
赤ずきん「それより、私のマスケット……謁見中は預けておくようにって言われてしまったのだけど、返してもらえないかしら」
じい「申し訳ありません。王座の間には緊急時を除き、武器の持ち込みはご遠慮願っておりまして…」
赤ずきん「そう……仕方ないわね。普段から持ち歩いているからかしら、なんだか無いと落ち着かないのよ……」
人魚姫『っていうか赤ずきん、それさぁもう依存症じゃん?ちょっとヤバくね?』ヘラヘラ
赤ずきん「裸王の所では持ち込み平気だったから、少し納得いかないわ…」ソワソワ
赤鬼「裸王のところが特殊なんだ、少しの間の辛抱だろう。ところで人魚姫、足は平気か?やはり痛むのか?」
人魚姫『んーまぁ、立ってるだけなら平気ー。でも歩くのはしんどいかも、切られるような刺されるような痛みって感じ?』
赤ずきん「事情を話して椅子を借りてきましょうか?」
人魚姫『いーって、じっとしてたらそこまでじゃないし。でも歩くときは肩貸してよねー?』ヘラヘラ
タッタッタッ ガチャッ
王子「失礼する!客人はおられるか?」キリッ
じい「はっ、はい、こちらの方々です…。しかし王子、もう動いてもよろしいのですか?」オロオロ
王子「医者には止められたが、折角我々の恩人が足を運んでくれたんだ。横になっているわけにはいかないさ」ニッ
王子「待たせてしまって申し訳ない。王の到着が大幅に遅れているため代わってこの私にあなた方への礼をさせていただきたい」
王子「申し遅れた、私はこの国の王子。この度は海難救助の協力感謝する!あなた方のおかげで多くの命が救われた」ペコッ

420 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:09:46 ID:vO0
王子「あれは我が国所有の船、被害が抑えられて本当に良かった。死人でも出れば我が国の沽券に関わるからな、本当に助かったよ」
赤鬼「いえ、役人の方々の迅速な対応があったからです……申し遅れました、私は赤鬼と申す者。こちらが赤ずきんと…我々と旅をしている姫です」
赤ずきん「…赤ずきんです」ペコッ
王子「赤鬼と赤ずきんか、私と話すときは楽にしてくれて構わないよ。そして、そちらの美しい娘さんが……?」
人魚姫『あたしは人魚姫。よろしくー!っていうか王子、思ったより元気そうじゃん!大きな怪我無くて良かったねマジで』ニヘラー
───
王子視点
人魚姫「……」ニコニコ
───
王子「……?彼女は、私に何か伝えたいのかな?」

421 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:13:12 ID:vO0
人魚姫『あれ?……って、そっか。王子には声聞こえないんだっけ。じゃあ赤鬼、伝えてもらっちゃっていい?』
赤鬼「おう。ええっとだな…姫は声が出せない病を患っているんだ。元気そうで良かったですと言いたいみたいだな」
人魚姫 コクコク
王子「なんと、そのような病を……では苦労も多いだろう、困ったことがあれば私を頼るといい。君たちは私達の恩人だ、なんでも言ってくれ」ニッ
人魚姫『赤ずきん!聞いた?何でも言っていいってさ!あたしが「好きだから彼氏になって欲しい」って言ってるって伝えてくれない!?』バッ
赤ずきん「……そういうことは伝言だとしても口にするものじゃないのよ。それに何でもってそういう意味じゃないと思うわよ?どうしても伝えたいなら赤鬼に頼んで頂戴」
赤鬼「お前、オイラに振るんじゃあない……勘弁してくれ」
人魚姫『えー?二人とも固すぎるっしょ!じゃあさ、それはまたでいいからこれは伝えてよ「王子を助けたのはあたしだよ」って事』

422 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:15:16 ID:vO0
赤ずきん「……そうね」
赤鬼「うむ、それはだな……なんというか、あれだ」
赤ずきん「……」
人魚姫『えっ?なになに?どーしたわけ?なんか都合悪いわけ?』
赤鬼「なぁ、赤ずきん……わかってはいたがマズいぞ。本来のおとぎ話【人魚姫】だと声を失った人魚姫は王子に自分が助けたと伝えるすべがない。だから自分が王子を助けたという真実が伝えられず、失恋した」ヒソヒソ
赤鬼「だが、オイラ達が干渉したせいで伝える手段ができちまってる…さっきみたいにオイラ達を伝言役に使えばいいんだからな」ヒソヒソ
赤ずきん「それでも……どうにかやり過ごすしかないじゃない。人魚姫が王子を助けたって伝えて二人が結ばれたら、このおとぎ話は本来の結末を迎えなくなる」ヒソヒソ
赤ずきん「本来は結ばれることがない二人が結ばれたら『失恋した人魚姫は泡になって消える』という状況にならない、それだとこのおとぎ話が消滅してしまうもの……」ヒソヒソ

423 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:16:05 ID:vO0
赤鬼「むむ…友人の恋路を応援できないってのは…辛いが…」ヒソヒソ
赤ずきん「……仕方がないわよ、うまく誤魔化しましょう」ヒソヒソ
王子「なにを二人でヒソヒソと話しているんだい?姫は何と?何か伝えたようだが」
赤ずきん「いいえ、何でもないのよ。ところで……王子は海岸に打ち上げられているところを救助されたのだったかしら?」
王子「ああ、そのようだ。情けないが溺れて気を失っていてね……」
王子「そこを通りかかった優しい少女が助けてくれたんだ。ちょうどいい、君たちにも紹介しておこう」
赤鬼「紹介しておこうって……今、城にいるのか?」
王子「助けてくれたお礼に城の一室を貸しているんだ。まるで妹のように私によく懐いてくれてね、さっきもこの部屋の様子をしきりに気にしていたよ」ハハハッ
赤ずきん「通りがかった娘が現れるのはもっと先のはず……」ボソッ
王子「きっとまだ部屋の外にいるよ。さぁ、客人に挨拶しておくんだ。入っておいで、ドロシー」
ガチャッ

424 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:18:51 ID:vO0
ドロシー「ぱんぱかぱーん♪ごしょーかいにあずかりましたドロシーちゃんでーす!」パンパカパーン
ゾクッ
赤ずきん「なん……ですって……?」
赤鬼「おい、どう言うことだ……!」
人魚姫『えっ?なになに?どうしたの?あの娘、二人の知り合いなわけ?』
王子「さぁドロシー、我が国の恩人たちを紹介するよ。一番背の高い彼が赤鬼だ。そしてずきんの娘が……」
ドロシー「あぁ王子、わざわざ紹介しなくても大丈夫だよん?あれだよ、部屋の外から聞き耳立ててたから」ニヤニヤ
王子「そうかい?君と赤ずきんや姫は歳もそんなに離れていないだろう、折角だからみんなと仲良くするんだよ?」ナデナデ
ドロシー「はいはーい!わっかりましたー♪」ヘラヘラ
ガチャッ
兵士「失礼します!国王様が到着なさいました!まもなくこちらへ向かわれるとの事!」ビシッ
王子「そうか、では私は出迎えに参る。皆はここで待っていてくれ」スッ

425 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:21:11 ID:vO0
赤ずきん「なんで、あんたがこの世界にいるのかしら?」キッ
ドロシー「ふふっ、行きたいところにはどこだって行くのがドロシーちゃんスタイルなのですよ。私にはこの魔法の靴があるからねー」ニヤニヤ
赤ずきん「王子に近づいて何を考えているの……?今度はこの世界を消すつもり?」ギリッ
ドロシー「クスクス、そんな怖い顔しないでよー?ねぇ、王子がさっきなんて言ってたか聞いたよね?仲良くしようよ!私達はおとぎ話の主人公だっていう共通点があるんだしさ」ヘラヘラ
赤ずきん「あんたは私の大切な人たちの仇よ、あんたなんかと仲良くするもんですか…!」キッ
ドロシー「そっかぁ、駄目かぁ……私はね、実は赤ずきんには仲間意識感じてるんだよ?だってさ私のおとぎ話【オズの魔法使い】も消滅しちゃってるの。わかるよー?自分のおとぎ話がなくなっちゃうのって辛いよね?」ションボリ
赤ずきん「……白々しいこと言わないで、誰が私のおとぎ話を壊したのよ…!」ギリッ
赤鬼「……もしかして、お前のおとぎ話も誰かに意図的に消されちまったのか?」
ドロシー「そうだよー、だから同じ境遇の赤ずきんと仲良くなりたかったんだ……でも嫌われちゃったよ、ふぇぇぇ」ポロポロ
人魚姫『ちょ、あの子泣いてんじゃん…何があったかしんないけどさ、赤ずきん友達になったげなよ』
赤ずきん「……いいえ、騙されないで人魚姫」
赤鬼「うむ、でもなぁ、あいつがやってきたことは許せねぇが……ドロシー、お前も辛い思いをしているんだな……」
ドロシー「……プッ…くくっ……あははっ!なんつってね!赤鬼はすぐに同情してくれるから騙しがいがあっておもしろいよ!あはははっ」バンバン

426 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:23:34 ID:vO0
赤鬼「……っ!嘘泣き……!」
人魚姫『可哀想だと思ったらとんでもない子じゃん!チョー嫌な感じなんだけど!』イライラ
赤ずきん「…分かり切っていたことでしょう?あなた達は優しすぎるの、あいつがしてきたことに同情の余地なんてないのよ」
ドロシー「まーまー全部が全部ウソじゃないから許してよん♪【オズの魔法使い】が消滅してんのは本当だもんねー。まぁ、私が自分でブチ壊したんだけどさ!」ゲラゲラ
赤鬼「自分で自分のおとぎ話を消しちまったっていうのか…!?」
ドロシー「そうそう、くっだらないおとぎ話だったからね!オズに頼んで欲しいもの貰うためにブリキとライオンとカカシと頑張って旅したってのにさぁ、唯一の希望だったオズが魔法使いじゃなくてただの詐欺師だったんだよ?」
ドロシー「私、すごく頭来てさぁー…だって私と親友を騙しやがったんだよあのオッサン。だからボコボコに蹴り殺してやったらおとぎ話も消えちゃった!クスクス、まぁあんな奴に頼らず、あたし達は欲しいものを探し出すから良いけどね!」ヘラヘラ
ドロシー「でさ、おとぎ話の主人公とか言ってもさぁ、良い事なんて一つもないよね!嫌な目に遭ってばかりだよ。確か、言いつけ守らずに寄り道したせいでおばあちゃんとセットで狼に食べられた馬鹿な子のおとぎ話があったよね?ああ、あれは自業自得か!」ヘラヘラ
赤ずきん「……ええ、そうね。自業自得だと私も思う。でもあんたみたいな悪人に言われる筋合いはないわ。答えなさい、あんたは何をするためにここの世界にいるのか」ギロッ
ドロシー「だからさぁ、おとぎ話の主人公は嫌な目に遭ってばかりだって言ったでしょ?赤鬼だって親友と二度と会えなくなったし、人魚姫だって泡になって消えちゃう訳じゃん?」
人魚姫「はっ?なんでそんな事知って…っていうか泡になんかならないし!」イラッ
ドロシー「だからさ、私は可哀想な人魚姫に幸せになって貰おうと思ってこの世界に来たんだよ」ニヤニヤ
赤ずきん「幸せになって貰う為、ですって…?」ハッ

427 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:25:28 ID:vO0
赤ずきん「……っ!赤鬼、あいつを捕まえてここを出ましょう……!」
赤鬼「ど、どうしたいきなり?」
赤ずきん「躊躇無くおとぎ話を消す奴が、人魚姫を幸せにするって口にしたのよ?私たちにはそれがどう言うことかわかるでしょう!」ダッ
赤鬼「……ああ、わかるぞ!そうさせちゃあマズいな!」ダッ
人魚姫『えっ?なになに?急にどうしたっての!?』
ガチャッ
王子「皆の者、待たせたね。国王の支度が整った。もうまもなくこちらに……」
ドロシー「王子王子!私、王子に言ってないことがあるんだよ、聞いて聞いてー!」ピョンピョン ギュー
王子「何だ、抱きついてきたりしてご機嫌だねドロシー。赤ずきん達と友達になれたのかい?」ハハッ
ドロシー「そういうんじゃなくてさ!今思い出したけど、昨日王子を海岸で見つけたときに海の中へ消えていく人影を見つけたんだ。きっと泳いで王子を海岸まで運んでくれたんだと思うんだよね!その人!」
王子「本当かい?それならその人こそ私の命を救ってくれた一番の恩人だな……是非礼をしたいが……」
赤ずきん「ドロシー!やめなさいっ…!」バッ
ヒョイ
ドロシー「でね王子!こっからがすごいとこ!その王子を助けてくれた女の人、なんとそこにいるお姫様なんだよ!私も王子を助けたけど……」
ドロシー「溺れていた王子を海岸まで運んでくれた王子の命の恩人はそのお姫様。そうだよねっ?お姫様?」ニヤニヤ

428 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:28:12 ID:vO0
赤ずきん「……っ!」
赤鬼「マズいぞ…」ボソッ
王子「姫、それは…本当なのかい?でも確かにあの場に船で居合わせた赤鬼達と一緒にいたであろう君なら、溺れていた私を海岸まで運んだという事も可能だね。どうなんだい?」
人魚姫『そう!そうだよ!あたしが王子を助けて海岸まで運んだんだ!…よかった、ちゃんと王子に伝えられた…!』コクコクコク
王子「頷き…肯定と解釈していいんだね?そうか、君が私の命の恩人というわけだったんだな。気がつかなくて済まなかった」ペコッ
ドロシー「それにね、ドロシーちゃんの見立てによりますとー…ズバリ!お姫様は王子に恋してる!そうでしょ?もう好きだって言っちゃおうよお姫様!」ヘラヘラ グイグイ
赤ずきん「ドロシー!いい加減に…!」キッ
ドロシー「あれぇ?友達の幸せを邪魔すんの?」ニヤニヤ
赤ずきん「……っ!」
王子「こらこら、ドロシーからかうんじゃない。そんなデマカセを言っては姫も迷惑じゃないか。すまない、姫…気分を害しただろう」
人魚姫 フルフル
人魚姫『そんなこと無いって、むしろきっかけを作ってくれて感謝しなきゃね』ニヘラ
人魚姫『あたしは王子のことが好き、大好き。だから、王子の彼女になってずっと側にいたい』ニコニコ

429 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:30:41 ID:vO0
王子「赤ずきん、姫は何と…?」
赤ずきん「……」クッ
人魚姫『赤ずきん、マジでお願い。これだけは、あたしの気持ちだけは王子に伝えて欲しいんだ。伝言、頼めない?』
ドロシー「ほらぁ、あんたには姫の気持ちが分かるんでしょ?気持ちを代弁してあげなきゃ、友達でしょ?」クスクス
赤ずきん(やられた。言えるわけ無いじゃない、伝えればきっと王子と人魚姫は結ばれる。おとぎ話が消えていくのを見るのはもう……)ギリッ
赤鬼「王子、姫は…王子のことを好きだと言っている。恋仲になってずっと側にいて欲しいと。そうだな?」
人魚姫 コクコク
赤ずきん「赤鬼…っ!どうして!?」
赤鬼「これ以上は不振がられる。ドロシーの発言を許しちまったオイラ達の負けだ、もう誤魔化しきれない……ドロシーが誘導してる以上、この結果は避けられない。もう次の手を考えるしかないだろう」ボソッ
赤ずきん「……くっ」
ドロシー「ほらほら!王子はどうなの?姫は頑張って気持ちを伝えようとしたんだから、女の子に告白させておいて無碍にしちゃ王子どころか男として失格だよ?」クスクス
王子「そうだね。姫、まずは今一度謝っておこう。君が助けてくれたとも知らずにいた事を。君は海へ飛び込んでまで見ず知らずの私を救ってくれたんだ、君の美しさはその容姿だけではないことはよくわかったよ」
王子「私から、改めて交際を申し込ませていただきたい。心美しき姫よ、私の側にいてくれないか、そして一生を共にする伴侶となって欲しい」

430 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:33:31 ID:vO0
王子「この申し出、受けてくれるかい?」
人魚姫『もちろん…!王子と恋人同士になれるなんて夢みたい、でもこれはマジで夢じゃない!そうでしょ?赤ずきん!赤鬼!』コクコクコク
赤鬼「おう……良かったじゃねぇか人魚姫」ニッ
赤ずきん「……そうね」
ドロシー「そうだよねー、赤ずきん!私も二人を結ぶキューピッドになれて嬉しいよ」ヘラヘラ
ガチャッ バターン
国王「いやはや!話は聞かせて貰ったぞ!いや、その前に待たせて済まなかった!客人よ!」ゼェゼェ
王子「父上!お待ちしておりました、唐突ではあるのですが実は……」
国王「みなまで言わずともこの目でしかと見た!我が息子が立派な男となった所をな…この娘さんがお前を助けてくれた恩人なのだな?」
人魚姫 コクコク

431 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:34:55 ID:vO0
国王「うむ、芯の通った良い目をしている。それに本人同士が決めたことなら他人が口出すことなどできまい」ハハッ
人魚姫 ニコニコ
国王「客人よ、改めて礼を言おう。救助に協力して貰った上に、我が息子に相応しい女性に巡り会わせてくれた。お主達には…」
ドロシー「よかったよかった♪じゃー私は邪魔になったらいけないから部屋に戻ろっと!王子も姫もお幸せに、また後でね王子!」ヘラヘラ
スタスタ
赤ずきん「待ちなさいドロシー!あんたにはまだ話があるのよ!」タッタッタ
赤鬼「お、おい!赤ずきん!…国王に王子すまん、オイラ達はこれで失礼する!」
国王「むむっ!?そりゃあ構わぬが……」
人魚姫『ちょ、赤鬼!あたし喋れないからどっちかに残って貰わないとマジで困るんだけど…!』
赤鬼「すまねぇ!今はあいつをほおっておけねぇんだ!」ダッ
赤鬼(雪の女王のときもだが、あいつは意外とすぐに熱くなっちまうから…一人でドロシーの相手なんかさせられねぇぞ!?)

432 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:37:38 ID:vO0
城 廊下
赤鬼「…居た!おい、赤ずきん!」
ドロシー「やっと来たよ、遅いじゃん赤鬼!せっかく気兼ねなく話せるように場所を移してやったんだからさっさと来てよさっさとね」クスクス
赤ずきん「ドロシーあなた…人魚姫の幸せの為なんてよく言えたもんね」ギリッ
赤鬼「ああ、王子と人魚姫が結婚しちまえばおとぎ話は消滅する。結局はお前はそれが目的だったんだろう!」
ドロシー「あったりまえじゃーん!何を今更言ってんのー?人魚姫が不幸になろうが泡になろうが私には関係ないしさ!」ケラケラ
赤ずきん「まだよ……人魚姫が泡になる条件は結婚できなかったとき、王子との結婚が絶望的になったとき。つまり、結婚してしまうまではまだおとぎ話は消えない」
ドロシー「だから?どっちにしろあのままじゃ結婚するでしょ、いい感じだったし!」
赤ずきん「私は諦めていないわよ、このおとぎ話の消滅をくい止めることをね」
ドロシー「それは好きにしたらいいけどさ、状況わかってる?」クスクス
赤鬼「厳しい状況だって言いたいんだろう、だがな…」
ドロシー「あー、違う違う!もっとお前達のメンタルにズカーンってくるタイプの状況じゃん。わかんないならドロシーせんせーが教えてあげようか?」クスクス
赤ずきん「……わかってるわよ、あんたのせいでどんな状況になったかくらい!」ギリッ

433 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:45:46 ID:vO0
ドロシー「あんた達は人魚姫と友達になったみたいだけど、その友達とこのおとぎ話どっちを優先するのか教えて欲しいなぁ。ねぇ、答えてよ赤ずきんちゃん?」クスクス
赤ずきん「……」ギリッ
ドロシー「だよね!困っちゃうよね!そりゃそうか!人魚姫と王子が結ばれなきゃまだ諦めも付いたかな?結婚できなかった、でも元々の運命だからしかたないよねってなった?」クスクス
ドロシー「でも今は違うんだよね!人魚姫は王子と結ばれてる、恋人同士だよ!うらやましいよねぇ、ドロシーちゃん恋に憧れちゃいそうだよ、だってあんなに幸せそうな顔してたよ人魚姫」クスクス
ドロシー「で、どうすんの?結ばれちゃったからこのままじゃおとぎ話は消えるよ?それでいいじゃん!まぁあんた達の完全敗北だね?あの二人は幸せなまま消滅する世界に巻き込まれて死ぬけどさ!」
赤鬼「お前達は……おとぎ話が消せればそれでいいのか!」
ドロシー「うん、いいよ!それを阻止したいならそっちは頑張ったらいいよ!でもわかるよね?この状況で人魚姫を泡にするにはどうする必要があるかさ!」ヘラヘラ
ドロシー「赤ずきんちゃんには人魚の友達がいます!その娘とはいっぱいお話ししたり一緒にご飯食べたりして楽しく過ごしました!で、その友達は人間に恋をして自分の声を失ってまで彼に会いに行きました!」
ドロシー「素敵なおさげの女の子ドロシーちゃんのおかげでその友達は王子と恋人同士になりました!結婚できそうです!二人は幸せそうです!さぁ、赤ずきんちゃんはどうする?」ヘラヘラ
ドロシー「おとぎ話を救うために、大好きな人と恋人同士になれた人魚姫と王子の仲を引き裂いてあの幸せそうな笑顔を奪っちゃう?そのあと死んじゃうってわかってて、友達の幸せを奪っちゃう?」ニヤニヤ

434 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:55:53 ID:vO0
赤鬼「……なんでそんな考えができるんだ、お前は俺たちを悩ませるために人魚姫を利用するのか!」
赤ずきん「悪魔…!あんたはなんでそんな事ができるのよ!」
ドロシー「私を罵る前にどうするか考えなくちゃね!もうちょっと時間はあるでしょ、せいぜい二人でよく話し合ったらいいよ」クスクス
ドロシー「もっかい選択肢を明確にしてあげるよ!あんたたちが選べるのは二つのうち一つだけ。このまま幸せそうな人魚姫と過ごして【人魚姫】を消しちゃうルート!」
ドロシー「それか友達を見捨てるどころか、幸せを潰してでもおとぎ話を守るルート!さぁ、選ぼう選ぼう!」ヘラヘラ
赤ずきん「……私は屈さないわよ、あんたなんかに……!」
ドロシー「その方が嬉しいね!楽しみが出来てさ!でもさ、これだけは言っとくよ」
ドロシー「おとぎ話を守ることを優先した場合、人魚姫を死に追いやるのは運命でも魔女でも作者でも現実世界の人間でもない……あんたたちだからね?」
ドロシー「さぁ私に見せてよ!苦労に苦悩を重ねた後、幸せな友達をどん底にたたきつけて殺す、無慈悲なあんたたちの姿をさ」クスクス

435 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/12(日)23:57:37 ID:vO0
今日はここまでです
ちょっと解りにくいかな?説明不足だったら補足するよ
更新ペースあげたい(願望)
人魚姫編 次回に続きます

436 :名無しさん@おーぷん :2015/04/13(月)00:18:17 ID:SMG
来てたのか、乙!
ドロシー、かわいい顔して(?)悪魔のような所業やな

437 :名無しさん@おーぷん :2015/04/13(月)12:42:47 ID:8Nd

ドロシーはやろうと思えば海岸で王子殺せたのに、あえて赤コンビに苦渋の決断を迫るとかえぐい

438 :名無しさん@おーぷん :2015/04/13(月)15:08:01 ID:ykH
ドロシーちゃん鬼畜すぎ・・・赤コンビはどう動くかな

439 :名無しさん@おーぷん :2015/04/13(月)18:39:45 ID:3u3
>>1さん乙です!
ドロシーはホントにぐう蓄過ぎる…。
赤コンビはこれから大変ですね。
今は難しい所だと思うのでゆっくりと書き上げて下さい。
楽しみに待ってます!!