キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 桃太郎編
Part7
Part1<<
Part3
Part4
Part5
Part6
Part7
Part8
Part9
Part10
Part11
>>Part12
評価する!(2584)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
評価する!(2584)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
317 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)21:19:55 ID:dKH
その日の夕暮れ 鬼ヶ島
ドサッドサッ
悪鬼「うぐぐ・・・」
アリス「さて、とりあえず20人の悪鬼を倒したけど・・・あぁ、挨拶が遅れて申し訳なかったね。君が鬼ヶ島の親分かな?」
大悪鬼「どういう事だこれは・・・・・・!」ワナワナ
アリス「どういうことって・・・みての通りさ。君の子分たちはボクにやられたよ。ボクにはそれだけの能力があるという事、君に知ってほしくてね」
大悪鬼「この鬼ヶ島は、行き場をなくした札付きの悪鬼の溜まり場・・・!どいつもこいつも力自慢の猛者ばかりだというのに・・・!」
大悪鬼「このような小娘と獅子・・・ただのかかしにねじ伏せられたのか!?」
かかし「オレ達は特に何もしてねぇんだけどナ」
ライオン「さすがだよ・・・アリスちゃんさすがだよ!でも鬼20人引きずって来るのはもう正直嫌だよ・・・あぁ!嫌っていってもアレだよ?いい意味でっていうか、ちょっと疲れたかなーっていうかんじっていうか、正直疲れてないけど・・・なんていうかごめんね?」
大悪鬼「何者だ・・・小娘!」
アリス「ボクはアリス。でもこれかなり手加減したんだけど」
大悪鬼「何を望む・・・!?この大悪鬼の座か!?」
アリス「ボクはもっとふかふかしたクッションの椅子がいいな。だから君はそのまま鬼ヶ島の親分をしていたらいい、ボクは君達の味方をするためにここにきたんだ。」
大悪鬼「味方だと・・・?」
アリス「ボクの知り合いが桃太郎と一緒にここにくる、君達には歓迎の準備を手伝ってほしいんだ」
318 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)21:33:34 ID:dKH
翌日 鬼ヶ島への舟
・・・
・・
・
ティンカーベル「・・・ここまではすっごく順調だね」
赤鬼「あぁ、舟も難なく借りれたしな・・・少し順調すぎて怖いが」ギーコギーコ
赤ずきん「それだけアリスには自信があるんでしょうという下手な小細工なしで・・・鬼ヶ島で私達を殺す算段が」
キモオタ「ちょwww赤ずきん殿wwwもうすこしソフトな言い方をしていただきたいwwwでないと・・・」
桃太郎「うあああああああ」ガタガタブルブル
キモオタ「更に船が揺れることになるのでござるがwww」
赤ずきん「桃太郎。覚悟決めなさいな」
桃太郎「覚悟!?拙者ここで死ぬの!?死ぬための覚悟なんかなんの意味もねぇだろおぉぉ!!もぉ嫌だあああぁ!今からでも引き返そうよおおぉぉ!」
キジ「そうもいかねぇだろ・・・町人たちになんて言い訳するんだよ。怖くなったから帰ってきましたっていうのか?」
猿「犬が無能でしたって言えばいいんじゃねぇか?」ヘラヘラ
犬「あ?魚の餌になりてぇのかテメェ」
キジ「話がこじれるから黙ってろお前ら!」
桃太郎「言い訳とか無理じゃんそんなの!八方塞がりじゃんかもぉぉぉ!!」
赤ずきん「・・・・・・」ガチャ
赤鬼「やめろ赤ずきん!気持ちは分かるが舟が沈む!」
319 :名無しさん@おーぷん :2015/01/08(木)21:42:24 ID:kEh
そいえば鬼神病ってのはまだ発症してんのか?
321 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)21:57:49 ID:dKH
>>319
鬼神病は完治しない病っていう設定。だから赤鬼にはまだ鬼神の魂が潜んでる。
赤鬼が普通なのは鬼神を押さえ込む効果がある柊の薬を定期的に接種しているから・・・っていう感じかな。
でも柊の薬は鬼神を殺したり追い出す効果があるわけじゃないから今の状態は
『弱体化して自由が利かない鬼神の魂が赤鬼の中にいる』って考えてくれたらいいよ
320 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)21:51:12 ID:dKH
桃太郎「駄目だ・・・ビビりすぎて吐きそうだわ拙者・・・」
ティンカーベル「あっ!あそこに漁師さんいるよ!おーい!」フリフリ
桃太郎「鬼ヶ島の悪鬼め・・・この桃太郎が成敗してくれよう!」キリッ
ティンカーベル「なんちゃって!嘘でしたー!」ヘラヘラ
桃太郎「なんだよおおぉぉぉ!!そういう冗談本当にやめろよぉぉ!本っ!当にっ!やめろよティンクお前もぉぉぉ!!」
ティンカーベル「桃太郎の緊張をほぐそうと思って!妖精ジョークだよ!」フンス
桃太郎「優しさだったのかよ!ありがとねってならねぇよもぉぉぉぉ!勘弁してよもぉぉぉぉ!!」
キモオタ「桃太郎殿www落ち着いて頂きたいwwwカッコつけ通すのでござろうwwwここはカッコつけておいて余裕を見せねばwww勝てるものも勝てませんぞwww」
桃太郎「うぅ・・・そうか・・・仕方ない・・・出来るだけ頑張るけども・・・」
赤ずきん「・・・どう?そろそろ見えてきたかしら、赤鬼」
赤鬼「・・・見えてきたが、どうも様子がおかしいな」
ティンカーベル「どゆこと?」
キジ「門はあるのに門番が居ない。それ以前に門が開きっぱなしだ・・・」バッサバッサ
322 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)22:08:55 ID:dKH
鬼ヶ島
桃太郎「・・・・・・遂に上陸というわけか」
ティンカーベル「桃太郎、もう恐くない?」
桃太郎「正直、恐い・・・しかし、そうも言ってられぬだろう」
キモオタ「そうですなwwwどっちにしろここまできたからには勝つ気持ちでいかねばwww」
赤ずきん「そうね、桃太郎・・・あなた実力はあるんだから。自信持ちなさい」
桃太郎「お、おう・・・」
赤鬼「しかし・・・どうする?門番もいない、門は開けっ放し・・・こりゃあどう考えても・・・」
犬「罠じゃない?」
猿「・・・さすがに同意するしかねぇよ。罠だろこれ」
キジ「どうするんだ?もう少し様子を見るか?」
桃太郎「・・・しかし考えていても仕方あるまい・・・」
キモオタ「・・・ここは一芝居打ちますかな・・・ティンカーベル殿」
ティンク「・・・?」
324 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)22:20:37 ID:dKH
・・・
ティンカーベル「うわー!私達ただの旅人だけど、迷ってこんなところにきちゃったー!」
キモオタ「参りましたなー!我々、ただの旅人だというのにー!そして貴重なお宝を持っていると言うのにー!襲われたらひとたまりもないですなー!」
ティンカーベル「ねー!怖いねー!もしここに悪鬼がいたら絶対に襲われるよー!そして大切な宝物が奪われちゃうねー!」
キモオタ「それは参りましたなー!我々は戦うすべがないでござるよー!」
シーン
キモオタ「・・・反応ありませんな」ヒソヒソ
ティンカーベル「ただの商人の方が良かったかな?」ヒソヒソ
赤ずきん「・・・・・・今のに引っかかる悪鬼がいたら色々と楽だったでしょうね」
赤鬼「しかし、反応はなかったが・・・門の向こうに気配を感じたな」
桃太郎「拙者もだ、鬼が潜んでいるのは間違いない」
キモオタ「リスクはあるでござるが・・・強行突破といきますかな?」
赤ずきん「気は進まないけれど・・・ね」
赤鬼「ちょっと待ってくれ・・・オイラに考えがある」スック
325 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)22:32:02 ID:dKH
・・・
赤鬼「グワッハッハー!俺は鬼ヶ島の噂を聞きつけて悪鬼の仲間入りをしようとしている鬼だー!お前ら宝物をよこせー!
」
キモオタ「ひー!怖いですぞー!」ドスドスドス
ティンカーベル「宝物をおいて逃げようー!わー!」トテトテ
赤鬼「グワッハッハー!こいつを手みやげに、悪鬼の親分様に取り入ろう!きっと俺を重用してくれるだろう!グワッハッハー!」
赤ずきん「・・・・・・」
桃太郎「・・・・・・」
犬猿キジ「・・・・・・」
赤鬼「おーい!誰かいないのか!俺は悪鬼の仲間入りを考えている鬼だー!おまえ等の親分に貢ぎ物がある!入ってもかまわないか!?」
・・・・・・ホンモノノオニダゾ ドウスル ウーム イクカ ドウスル
・・・・・・ザワザワ
悪鬼1「・・・・・・お前か?今、ここで騒いでいたのは?」ガサッ
悪鬼2「訳があって潜んでいたが、俺達はこの時間の見張りだ。大悪鬼様に貢ぎ物があるだと?」ガサッ
赤鬼「ああ、そうだ!門の見張りは二人だけか?門も開いていたし不用心だな」
悪鬼1「そうだ、今は特別なんでな。さぁこっちだ、さぞ立派な貢ぎ物なんだろうな?下手な貢ぎ物だと許さんぞ」
赤鬼「・・・・・・だそうだ、赤ずきん」スッ
悪鬼2「ん?お前何を言って・・・」
ズダーン ズダーン
326 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)22:42:46 ID:dKH
悪鬼1「ぐあっ・・・!」ドサッ
悪鬼2「くっそ・・・!」ドサッ
赤ずきん「なんでもやってみるものね・・・絶対失敗すると思ったけれど」ガシャ
キモオタ「赤鬼殿なかなか演技派ですなwww」コポォ
赤鬼「とりあえず門の見張りは倒したが・・・この様子じゃあ中も一筋縄じゃあいかないぞ?」
ティンカーベル「大丈夫だよ!ほかの鬼もこんな感じでしょ?余裕すぎるよ!」
キモオタ「ですなwww鬼ヶ島の鬼も大したことないですなwww」コポォ
ユラリッ
悪鬼3「・・・・・・ほう?そいつぁ心外だなぁ?」ガシッ
桃太郎「・・・キモオタ!おのれっ!近くに潜んでいたか!?」
キモオタ「ブヒイイイィィィ!?」
ティンカーベル「キモオタが捕まった!キモオタを離せー!」ポカポカ
悪鬼3「貴様らがあのアリスとかいうガキの言っていた桃太郎の一行か・・・」
赤ずきん「・・・そう簡単にはいかないってことね」ガシャ
桃太郎「・・・・・・そのようだ」チャキ
赤鬼「むぅ・・・やるしかないな!」グワッ
スウッ
悪鬼3「お前らあああぁぁぁ!客が来たぞおおぉぉ!!丁重に相手してやれえええぇぇぇ!!」グオオォォォ
327 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)22:55:41 ID:dKH
ざわざわ ざわざわ
ざわざわ ざわざわ
悪鬼3「さぁ、こいつらの相手は直に来る。お前は牢にぶち込んでやろう」
キモオタ「ブヒイイイィィィ!も、桃太郎殿!我輩に構わず大悪鬼を倒すのですぞ!」
桃太郎「キモオタ・・・!」
悪鬼3「そこの妖精もついでだ」グイッ
ティンカーベル「だから羽根を掴むな!やめろバカー!」ジタバタ
赤ずきん「・・・・・・行くわよ」
桃太郎「し、しかしだな!」
赤ずきん「不幸中の幸いだけど・・・ティンカーベルがいればキモオタはなんとかなるわ。ここで私達がまとめてやられたらそれこそどうにもならなくなるもの」ボソッ
赤鬼「辛いが・・・今は目の前の敵に集中だ、桃太郎」ボソッ
桃太郎「・・・・・・分かった。来るぞ・・・!ここで立ち止まっていては囲まれる!敵の中を突っ切るつもりで走れ・・・!」
犬「いくよ!猿!キジ!」
猿「偉そうにすんな!言われなくても行くわ!」
キジ「空からの案内は任せろ!聞きこぼすなよ!」
赤鬼「赤ずきん!オイラの肩に乗れ!一気に突っ切るぞ!」
赤ずきん「えぇ、任せるわよ。・・・キモオタ、ティンク・・・!あとで必ず、会いましょう」
悪鬼3「ふん、後が貴様等にあればな・・・」
キモオタ「ブヒイイイィィィ!約束ですぞぉぉぉ!」
ティンカーベル「頑張ってね!赤ずきん!赤鬼!桃太郎!みんなー!」ジタバタ
328 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)22:57:26 ID:dKH
今日はここまで
キモオタとティンカーベル、捕まる。
桃太郎編 次回に続きます
329 :名無しさん@おーぷん :2015/01/08(木)23:32:06 ID:oeQ
>>328
おつんこ!
ティンク捕まってるのに他のメンバーの応援してるの可愛い
348 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)20:45:10 ID:DHn
鬼ヶ島 牢
ガチャガチャ ギィィー
キモオタ「ブヒイイイィィィ!」ドサー
悪鬼3「ここでおとなしくしているんだな、貴様等の処遇は後々決める」
ティンカーベル「レディはもっと繊細に扱ってよね!このデリカシー無し鬼!離せバカー!」ジタバタ
悪鬼3「やかましい奴だ・・・貴様を縛る綱は無い、この麻袋にでも入っていろ」グイッ
ティンカーベル「暗いんだよバカー!出せバカー!」ジタバタ
悪鬼3「やかましいぞ、大人しくしていろ。せめてもの恩情で仲間の骸くらいは拝ませてやる・・・楽しみに待っているんだな」
ガチャガチャ ギィィー
キモオタ「いやはや・・・参りましたなwww」
ティンカーベル「本当だよ!でもまぁ・・・私達は戦えないから、ある意味桃太郎達の足引っ張らなくて良かったのかも・・・」
キモオタ「それはそうかもしれませんなwww」コポォ
349 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)20:59:11 ID:DHn
ティンカーベル「とりあえずここから出ないとね。私が麻袋から出られれば何とかなるんだけどなぁ・・・結構キツく口を縛ってあるから時間かかるかも・・・」
キモオタ「我が輩の両手も塞がっておりますしな・・・カッターナイフは有れどもリュックでござるし・・・ティンカーベル殿にがんばっていただくしか無いですな・・・」
牢の奥の人影「・・・・・・ティンカーベル・・・・・・だと・・・・・・?」
ティンカーベル「・・・えっ?キモオタ、誰かいるの?」
キモオタ「ブヒャッ!?まさか先客がいたとはwwwうるさくして申し訳ないwww」
捕らえられた鬼「構わん・・・それよりお前、ティンカーベルという名前を口にしたが・・・」
キモオタ「そうですぞwwwあの麻袋の中に我輩の友達が閉じこめられておりましてなwww」
捕らえられた鬼「・・・消失した【ピーターパン】のティンカーベルか・・・?」
ティンカーベル「・・・!そうだよ!ごめんね、ちょっと今はそっちが見えないんだけど・・・あなたはだれ?」
捕らえられた鬼「俺は鬼・・・悪鬼だ。【一寸法師】というおとぎ話からやってきた。訳あって・・・今は捕らわれの身だ」
350 :名無しさん@おーぷん :2015/01/10(土)21:00:36 ID:1yC
ファッ!!
なぜに一寸法師の鬼さんがここに!?
351 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)21:11:16 ID:DHn
捕らえられた鬼「俺はそのおとぎ話で主人公の一寸法師と戦う悪鬼だ」
キモオタ「【一寸法師】・・・どこかで聞いた名前ですなwww」
ティンカーベル「【一寸法師】・・・!知ってる!ほらキモオタ、赤ずきんが教えてくれたおとぎ話だよ!うちでの小槌っていう魔法具の!でも今は消えちゃったんじゃなかったっけ・・・えっと、名前聞いていい?」
捕らえられた鬼「名前など無い。普通に鬼とでも呼んでくれ」
キモオタ「しかし、それでは紛らわしいですからなぁwww」
ティンカーベル「じゃあ、ちっちゃい一寸法師の敵の鬼だから、おっきい大鬼!」
大鬼「呼び名はなんでも構わん。しかし、ティンカーベルに赤ずきんという名もでるとは・・・お前ら一体何者なんだ・・・?」
ティンカーベル「私はね、消えちゃった【ピーターパン】のおとぎ話を元に戻すために・・・それとおとぎ話の消滅を防ぐために旅をしてるの!」
大鬼「・・・・・・消滅したおとぎ話を元に戻す・・・?何か手立てはあるのか?」
キモオタ「今のところはまったくないでござるwww」
大鬼「だろうな・・・俺も消えてしまった【一寸法師】のおとぎ話を元に戻すために旅をしている」
ティンカーベル「仲間だ!じゃあさじゃあさ、大鬼はなにかおとぎ話を元に戻す考えあるの?」
大鬼「俺は・・・俺達の世界とは別のおとぎ話にうちでの小槌が無いか探している」
352 :名無しさん@おーぷん :2015/01/10(土)21:17:59 ID:jBW
大鬼……倒される運命を背負っているというのに……それでも本来の居場所を求めるか……
353 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)21:30:01 ID:DHn
キモオタ「うちでの小槌は・・・【一寸法師】に出て来る魔法具でござろう?ほかのおとぎ話にもあるんですかな?」
大鬼「解らぬ、だが、うちでの小槌は鬼の種族に伝わる宝・・・鬼の登場するおとぎ話ならば可能性はあるのではないかと思ってな。
俺はおとぎ話とおとぎ話の境目を潜り抜ける道具・・・鬼の隠れ蓑を持っていたからそれを使って旅をしている、隠れ蓑はここの大悪鬼に奪われてしまったが・・・」
ティンカーベル「・・・ねぇ大鬼、大鬼のおとぎ話・・・【一寸法師】は何で消えちゃったの?聞いてもいい?」
大鬼「構わん。先程も話したが・・・【一寸法師】では俺は都を襲い悪事を働く悪鬼だった。つまり・・・主人公の一寸法師からみたら敵だ。だが、俺はその世界がおとぎ話の世界であり、結末の決まったものがたりであり、その結末で俺は一寸法師にやられると言うことも知っていた」
キモオタ「【シンデレラ】の魔法使い殿や【裸の王様】の大臣殿と同じというわけですなwww」
ティンカーベル「おとぎ話の世界にいながら自分たちの世界がおとぎ話だっていう自覚がある登場人物だね!それでそれで?」
大鬼「ある日俺は・・・元の筋書きとは違う・・・『俺が一寸法師を殺す』幻覚を見せられたら・・・いや、正確には見せられかけたというべきか・・・」
ティンカーベル「幻覚・・・!青鬼が言ってた鬼って大鬼の事だったんだ」
キモオタ「マッチ売り殿のマッチですな・・・!大鬼殿に幻覚を見せたのは黒幕の女の子の仕業だということですな・・・!」
大鬼「・・・あの娘のことも知っているのか。では、少し長くなるが話そう」
大鬼「【一寸法師】が消えた理由、そしてその娘のことをな」
355 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)21:46:51 ID:DHn
大鬼「2人は【一寸法師】の内容は知っているか?」
キモオタ「まだちゃんと読んでいないのでござるwww」
ティンカーベル「ごめんね、私も・・・」
大鬼「構わぬ。・・・一寸法師という男はその名の通り一寸・・・お前たちの世界の言い方をするなら3cm程度だ、それほどに背丈の小さな男だった。
しかし大きな志を持っていた一寸法師は都へいき、大きな屋敷の家来にして貰った・・・ある事件があり、一寸法師はその屋敷の姫と共に旅をすることになる。
そこで悪名高い鬼・・・俺に出会い、退治し、うちでの小槌を手に入れる。そのうちでの小槌で背丈をのばした一寸法師は英雄となり幸せに暮らすというのが大体の物語だ」
キモオタ「・・・んん?ちょっといいですかな?」
大鬼「どうした?」
キモオタ「その話だと大鬼殿は一寸法師殿にやられるのでござるよね?」
大鬼「あぁ、そうだ。一寸法師が腹の中に入って針を振り回して暴れた後、最終的には目玉を抉られる」
ティンカーベル「そうなの!?一寸法師やりすぎじゃないの!?」
大鬼「そういう話の筋だからな」
キモオタ「・・・それを解っていながら、結末を受け入れたと?」
356 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)21:55:29 ID:DHn
大鬼「・・・一寸法師はな。生まれつき背丈が一寸しかない、しかしどれだけの年月が経とうと一向に成長しない・・・」
ティンカーベル「もしかして・・・成長しないからって、桃太郎みたいに村の人に気味悪がられたんじゃ・・・」
大鬼「それだったらいくらかマシだったかも知れんな。幾年たっても成長しない一寸法師を不気味がったのは、他でもない一寸法師の両親だった。化け物ではないか・・・我が子でありながらそう思うようになり多い一寸法師は自ら家を出た」
キモオタ「なんという・・・日本の昔話の主人公はどこもそんなのばかりでござるな・・・」
大鬼「だからって訳じゃねぇけど・・・苦労が多い男だ、一寸法師は報われてもいいんじゃねぇかと思ったんだ、俺は」
ティンカーベル「目玉抉られるのに?」
大鬼「・・・それは、まぁ嫌だったが・・・だがどちらにしろ、俺と一寸法師は出会うことはなかったんだ」
キモオタ「異変が起きたからですな・・・」
大鬼「一寸法師との対決が迫ったある日、俺はある娘と出会った・・・それは物語の筋には含まれない出来事だった」
ティンカーベル「その娘が・・・黒幕!」
358 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)22:06:37 ID:DHn
・・・・・・大鬼の回想 一寸法師の世界
女の子「こーんにーちわ!はじめまして!悪い鬼さん!」ヘラヘラ
大鬼(・・・何者だ?妙な着物だが・・・こいつ、このおとぎ話の人間じゃあねぇのか・・・?)
女の子「あれっ?無視?ちょっとー!ノリ悪いんじゃないかなぁ?そう言うのちょーっとイライラするんだけど!」
ブリキ「落ち着け、いきなり知らない奴に話しかけられたら警戒するもんだ」
ライオン「わかるわかる、知らない人に話しかけられたら怖いもんね。僕だったら全力で逃げちゃう・・・」
かかし「まずは自己紹介するんダ!それが人付き合いの基本だろウ!」
女の子「面倒くさー・・・そういうもんなの?」
大鬼(ブリキ人形、かかしにライオン・・・こいつ・・・?)
アリス「どっちだって構わないさ。ボク達はこの鬼に用事があるんじゃない・・・うちでの小槌に用事があるんだ」
大鬼「うちでの小槌を狙っているのか・・・お前ら!」
アリス「そうだよ。君の持つうちでの小槌は数ある魔法具の中でも屈指の逸品だろう?振るだけでどんな願いも叶うんだから」フフッ
359 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)22:23:34 ID:DHn
アリス「おとぎ話を消すのも楽だろう?それがあればね」フフッ
大鬼「なんだと・・・!?おとぎ話を消すだって・・・!?」
かかし「うちでの小槌が手に入ったラ・・・俺はやっぱり脳みそを入れてもらいたいナ!俺はもうカラス共にバカにされない頭のいいかかしになるんダ」
ライオン「僕はねぇ、やっぱり勇気が欲しいよ。だからうちでの小槌に勇気をくださいってお願いするんだ!
・・・あ、でも僕が使うのは一番最後でいいよ?みんなが願いを叶えてから・・・一番最後でいいよ?」
ブリキ「ならば・・・俺は心を貰うとしよう。あの頃の気持ちを思い出すためにもな・・・」
女の子「私のお願いはね・・・アリス!なんだと思う?当ててみてよん!」
アリス「さぁ?降参だ、正解を教えて欲しいな」
女の子「諦めが早いなぁ!・・・私のお願いはね!今度こそブリキとかかしとライオンみんなの願いが叶う事!私達みーんなが幸せになることだよん!」ニコニコ
ライオン「優しいよ!ほんとに優しいよ!聞いた?アリスちゃん?こんな優しいこ他にいる?僕はもう泣きそうだよ、感動でね?」ジワッ
かかし「でもまずハ、手に入れないとナ」
ブリキ「そうだな・・・」
アリス「そうだね、さっさと奪ってしまおう」
大鬼「・・・脳味噌がほしいかかしに、勇気がほしいライオン、心がほしいブリキ人形・・・と銀色の靴の娘・・・お前ら、もしかして【オズの魔法使い】の・・・!!」
アリス「あぁ、随分と物知りな鬼だね。さぁ、面倒なことになる前に例のマッチを使ってしまおうか、ドロシー?」
ドロシー「オッケー!それじゃあ、見て貰おうかな!素敵な素敵な物語・・・あんたが一寸法師を殺す、そんな幻をね!」シュッ
361 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)22:36:30 ID:DHn
ボワー
大鬼「なんだ・・・これは・・・!幻覚か・・・?」
大鬼(俺が一寸法師を殺す・・・?そんな事は・・・あっちゃいけねぇ・・・そうなっちまえばこのおとぎ話は消えちまう・・・!うぉぉ!)
アリス「いけない。ドロシー、避けるんだ」
ブォンッ
ドロシー「おっとっとぉー!いきなり金棒振り回すとか勘弁してよねー・・・ほらぁ、マッチ消えちゃったじゃん!」
アリス「仕方ないね・・・もう一本・・・」
大鬼「ふざけるなよお前ら・・・幻覚を見せるマッチ?それをどこで手に入れた・・・おとぎ話を消す?そんな事・・・なんのためにそんな事するっていうんだ!それでどれだけの命が消えると思ってる!?」
ドロシー「どれだけなの?教えてよ、かかし」ヘラヘラ
かかし「無茶ぶりはやめロ!知らんワ!」
アリス「君に教える義理は無いよ、ただボク達は必要だからそうするだけさ」
大鬼「そうか・・・だったら!」グッ
ドロシー「あぁ、抵抗は無理だと思うよん?ブリキもかかしもライオンもアリスも私も・・・強いよ?あんたは私達のおとぎ話知ってるみたいだけど、そのなかのまんまだとおもわないほうがいいんじゃない?」クスクス
その日の夕暮れ 鬼ヶ島
ドサッドサッ
悪鬼「うぐぐ・・・」
アリス「さて、とりあえず20人の悪鬼を倒したけど・・・あぁ、挨拶が遅れて申し訳なかったね。君が鬼ヶ島の親分かな?」
大悪鬼「どういう事だこれは・・・・・・!」ワナワナ
アリス「どういうことって・・・みての通りさ。君の子分たちはボクにやられたよ。ボクにはそれだけの能力があるという事、君に知ってほしくてね」
大悪鬼「この鬼ヶ島は、行き場をなくした札付きの悪鬼の溜まり場・・・!どいつもこいつも力自慢の猛者ばかりだというのに・・・!」
大悪鬼「このような小娘と獅子・・・ただのかかしにねじ伏せられたのか!?」
かかし「オレ達は特に何もしてねぇんだけどナ」
ライオン「さすがだよ・・・アリスちゃんさすがだよ!でも鬼20人引きずって来るのはもう正直嫌だよ・・・あぁ!嫌っていってもアレだよ?いい意味でっていうか、ちょっと疲れたかなーっていうかんじっていうか、正直疲れてないけど・・・なんていうかごめんね?」
大悪鬼「何者だ・・・小娘!」
アリス「ボクはアリス。でもこれかなり手加減したんだけど」
大悪鬼「何を望む・・・!?この大悪鬼の座か!?」
アリス「ボクはもっとふかふかしたクッションの椅子がいいな。だから君はそのまま鬼ヶ島の親分をしていたらいい、ボクは君達の味方をするためにここにきたんだ。」
大悪鬼「味方だと・・・?」
アリス「ボクの知り合いが桃太郎と一緒にここにくる、君達には歓迎の準備を手伝ってほしいんだ」
318 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)21:33:34 ID:dKH
翌日 鬼ヶ島への舟
・・・
・・
・
ティンカーベル「・・・ここまではすっごく順調だね」
赤鬼「あぁ、舟も難なく借りれたしな・・・少し順調すぎて怖いが」ギーコギーコ
赤ずきん「それだけアリスには自信があるんでしょうという下手な小細工なしで・・・鬼ヶ島で私達を殺す算段が」
キモオタ「ちょwww赤ずきん殿wwwもうすこしソフトな言い方をしていただきたいwwwでないと・・・」
桃太郎「うあああああああ」ガタガタブルブル
キモオタ「更に船が揺れることになるのでござるがwww」
赤ずきん「桃太郎。覚悟決めなさいな」
桃太郎「覚悟!?拙者ここで死ぬの!?死ぬための覚悟なんかなんの意味もねぇだろおぉぉ!!もぉ嫌だあああぁ!今からでも引き返そうよおおぉぉ!」
キジ「そうもいかねぇだろ・・・町人たちになんて言い訳するんだよ。怖くなったから帰ってきましたっていうのか?」
猿「犬が無能でしたって言えばいいんじゃねぇか?」ヘラヘラ
犬「あ?魚の餌になりてぇのかテメェ」
キジ「話がこじれるから黙ってろお前ら!」
桃太郎「言い訳とか無理じゃんそんなの!八方塞がりじゃんかもぉぉぉ!!」
赤ずきん「・・・・・・」ガチャ
赤鬼「やめろ赤ずきん!気持ちは分かるが舟が沈む!」
319 :名無しさん@おーぷん :2015/01/08(木)21:42:24 ID:kEh
そいえば鬼神病ってのはまだ発症してんのか?
321 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)21:57:49 ID:dKH
>>319
鬼神病は完治しない病っていう設定。だから赤鬼にはまだ鬼神の魂が潜んでる。
赤鬼が普通なのは鬼神を押さえ込む効果がある柊の薬を定期的に接種しているから・・・っていう感じかな。
でも柊の薬は鬼神を殺したり追い出す効果があるわけじゃないから今の状態は
『弱体化して自由が利かない鬼神の魂が赤鬼の中にいる』って考えてくれたらいいよ
320 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)21:51:12 ID:dKH
桃太郎「駄目だ・・・ビビりすぎて吐きそうだわ拙者・・・」
ティンカーベル「あっ!あそこに漁師さんいるよ!おーい!」フリフリ
桃太郎「鬼ヶ島の悪鬼め・・・この桃太郎が成敗してくれよう!」キリッ
ティンカーベル「なんちゃって!嘘でしたー!」ヘラヘラ
桃太郎「なんだよおおぉぉぉ!!そういう冗談本当にやめろよぉぉ!本っ!当にっ!やめろよティンクお前もぉぉぉ!!」
ティンカーベル「桃太郎の緊張をほぐそうと思って!妖精ジョークだよ!」フンス
桃太郎「優しさだったのかよ!ありがとねってならねぇよもぉぉぉぉ!勘弁してよもぉぉぉぉ!!」
キモオタ「桃太郎殿www落ち着いて頂きたいwwwカッコつけ通すのでござろうwwwここはカッコつけておいて余裕を見せねばwww勝てるものも勝てませんぞwww」
桃太郎「うぅ・・・そうか・・・仕方ない・・・出来るだけ頑張るけども・・・」
赤ずきん「・・・どう?そろそろ見えてきたかしら、赤鬼」
赤鬼「・・・見えてきたが、どうも様子がおかしいな」
ティンカーベル「どゆこと?」
キジ「門はあるのに門番が居ない。それ以前に門が開きっぱなしだ・・・」バッサバッサ
鬼ヶ島
桃太郎「・・・・・・遂に上陸というわけか」
ティンカーベル「桃太郎、もう恐くない?」
桃太郎「正直、恐い・・・しかし、そうも言ってられぬだろう」
キモオタ「そうですなwwwどっちにしろここまできたからには勝つ気持ちでいかねばwww」
赤ずきん「そうね、桃太郎・・・あなた実力はあるんだから。自信持ちなさい」
桃太郎「お、おう・・・」
赤鬼「しかし・・・どうする?門番もいない、門は開けっ放し・・・こりゃあどう考えても・・・」
犬「罠じゃない?」
猿「・・・さすがに同意するしかねぇよ。罠だろこれ」
キジ「どうするんだ?もう少し様子を見るか?」
桃太郎「・・・しかし考えていても仕方あるまい・・・」
キモオタ「・・・ここは一芝居打ちますかな・・・ティンカーベル殿」
ティンク「・・・?」
324 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)22:20:37 ID:dKH
・・・
ティンカーベル「うわー!私達ただの旅人だけど、迷ってこんなところにきちゃったー!」
キモオタ「参りましたなー!我々、ただの旅人だというのにー!そして貴重なお宝を持っていると言うのにー!襲われたらひとたまりもないですなー!」
ティンカーベル「ねー!怖いねー!もしここに悪鬼がいたら絶対に襲われるよー!そして大切な宝物が奪われちゃうねー!」
キモオタ「それは参りましたなー!我々は戦うすべがないでござるよー!」
シーン
キモオタ「・・・反応ありませんな」ヒソヒソ
ティンカーベル「ただの商人の方が良かったかな?」ヒソヒソ
赤ずきん「・・・・・・今のに引っかかる悪鬼がいたら色々と楽だったでしょうね」
赤鬼「しかし、反応はなかったが・・・門の向こうに気配を感じたな」
桃太郎「拙者もだ、鬼が潜んでいるのは間違いない」
キモオタ「リスクはあるでござるが・・・強行突破といきますかな?」
赤ずきん「気は進まないけれど・・・ね」
赤鬼「ちょっと待ってくれ・・・オイラに考えがある」スック
325 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)22:32:02 ID:dKH
・・・
赤鬼「グワッハッハー!俺は鬼ヶ島の噂を聞きつけて悪鬼の仲間入りをしようとしている鬼だー!お前ら宝物をよこせー!
」
キモオタ「ひー!怖いですぞー!」ドスドスドス
ティンカーベル「宝物をおいて逃げようー!わー!」トテトテ
赤鬼「グワッハッハー!こいつを手みやげに、悪鬼の親分様に取り入ろう!きっと俺を重用してくれるだろう!グワッハッハー!」
赤ずきん「・・・・・・」
桃太郎「・・・・・・」
犬猿キジ「・・・・・・」
赤鬼「おーい!誰かいないのか!俺は悪鬼の仲間入りを考えている鬼だー!おまえ等の親分に貢ぎ物がある!入ってもかまわないか!?」
・・・・・・ホンモノノオニダゾ ドウスル ウーム イクカ ドウスル
・・・・・・ザワザワ
悪鬼1「・・・・・・お前か?今、ここで騒いでいたのは?」ガサッ
悪鬼2「訳があって潜んでいたが、俺達はこの時間の見張りだ。大悪鬼様に貢ぎ物があるだと?」ガサッ
赤鬼「ああ、そうだ!門の見張りは二人だけか?門も開いていたし不用心だな」
悪鬼1「そうだ、今は特別なんでな。さぁこっちだ、さぞ立派な貢ぎ物なんだろうな?下手な貢ぎ物だと許さんぞ」
赤鬼「・・・・・・だそうだ、赤ずきん」スッ
悪鬼2「ん?お前何を言って・・・」
ズダーン ズダーン
326 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)22:42:46 ID:dKH
悪鬼1「ぐあっ・・・!」ドサッ
悪鬼2「くっそ・・・!」ドサッ
赤ずきん「なんでもやってみるものね・・・絶対失敗すると思ったけれど」ガシャ
キモオタ「赤鬼殿なかなか演技派ですなwww」コポォ
赤鬼「とりあえず門の見張りは倒したが・・・この様子じゃあ中も一筋縄じゃあいかないぞ?」
ティンカーベル「大丈夫だよ!ほかの鬼もこんな感じでしょ?余裕すぎるよ!」
キモオタ「ですなwww鬼ヶ島の鬼も大したことないですなwww」コポォ
ユラリッ
悪鬼3「・・・・・・ほう?そいつぁ心外だなぁ?」ガシッ
桃太郎「・・・キモオタ!おのれっ!近くに潜んでいたか!?」
キモオタ「ブヒイイイィィィ!?」
ティンカーベル「キモオタが捕まった!キモオタを離せー!」ポカポカ
悪鬼3「貴様らがあのアリスとかいうガキの言っていた桃太郎の一行か・・・」
赤ずきん「・・・そう簡単にはいかないってことね」ガシャ
桃太郎「・・・・・・そのようだ」チャキ
赤鬼「むぅ・・・やるしかないな!」グワッ
スウッ
悪鬼3「お前らあああぁぁぁ!客が来たぞおおぉぉ!!丁重に相手してやれえええぇぇぇ!!」グオオォォォ
327 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)22:55:41 ID:dKH
ざわざわ ざわざわ
ざわざわ ざわざわ
悪鬼3「さぁ、こいつらの相手は直に来る。お前は牢にぶち込んでやろう」
キモオタ「ブヒイイイィィィ!も、桃太郎殿!我輩に構わず大悪鬼を倒すのですぞ!」
桃太郎「キモオタ・・・!」
悪鬼3「そこの妖精もついでだ」グイッ
ティンカーベル「だから羽根を掴むな!やめろバカー!」ジタバタ
赤ずきん「・・・・・・行くわよ」
桃太郎「し、しかしだな!」
赤ずきん「不幸中の幸いだけど・・・ティンカーベルがいればキモオタはなんとかなるわ。ここで私達がまとめてやられたらそれこそどうにもならなくなるもの」ボソッ
赤鬼「辛いが・・・今は目の前の敵に集中だ、桃太郎」ボソッ
桃太郎「・・・・・・分かった。来るぞ・・・!ここで立ち止まっていては囲まれる!敵の中を突っ切るつもりで走れ・・・!」
犬「いくよ!猿!キジ!」
猿「偉そうにすんな!言われなくても行くわ!」
キジ「空からの案内は任せろ!聞きこぼすなよ!」
赤鬼「赤ずきん!オイラの肩に乗れ!一気に突っ切るぞ!」
赤ずきん「えぇ、任せるわよ。・・・キモオタ、ティンク・・・!あとで必ず、会いましょう」
悪鬼3「ふん、後が貴様等にあればな・・・」
キモオタ「ブヒイイイィィィ!約束ですぞぉぉぉ!」
ティンカーベル「頑張ってね!赤ずきん!赤鬼!桃太郎!みんなー!」ジタバタ
328 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/08(木)22:57:26 ID:dKH
今日はここまで
キモオタとティンカーベル、捕まる。
桃太郎編 次回に続きます
329 :名無しさん@おーぷん :2015/01/08(木)23:32:06 ID:oeQ
>>328
おつんこ!
ティンク捕まってるのに他のメンバーの応援してるの可愛い
348 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)20:45:10 ID:DHn
鬼ヶ島 牢
ガチャガチャ ギィィー
キモオタ「ブヒイイイィィィ!」ドサー
悪鬼3「ここでおとなしくしているんだな、貴様等の処遇は後々決める」
ティンカーベル「レディはもっと繊細に扱ってよね!このデリカシー無し鬼!離せバカー!」ジタバタ
悪鬼3「やかましい奴だ・・・貴様を縛る綱は無い、この麻袋にでも入っていろ」グイッ
ティンカーベル「暗いんだよバカー!出せバカー!」ジタバタ
悪鬼3「やかましいぞ、大人しくしていろ。せめてもの恩情で仲間の骸くらいは拝ませてやる・・・楽しみに待っているんだな」
ガチャガチャ ギィィー
キモオタ「いやはや・・・参りましたなwww」
ティンカーベル「本当だよ!でもまぁ・・・私達は戦えないから、ある意味桃太郎達の足引っ張らなくて良かったのかも・・・」
キモオタ「それはそうかもしれませんなwww」コポォ
349 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)20:59:11 ID:DHn
ティンカーベル「とりあえずここから出ないとね。私が麻袋から出られれば何とかなるんだけどなぁ・・・結構キツく口を縛ってあるから時間かかるかも・・・」
キモオタ「我が輩の両手も塞がっておりますしな・・・カッターナイフは有れどもリュックでござるし・・・ティンカーベル殿にがんばっていただくしか無いですな・・・」
牢の奥の人影「・・・・・・ティンカーベル・・・・・・だと・・・・・・?」
ティンカーベル「・・・えっ?キモオタ、誰かいるの?」
キモオタ「ブヒャッ!?まさか先客がいたとはwwwうるさくして申し訳ないwww」
捕らえられた鬼「構わん・・・それよりお前、ティンカーベルという名前を口にしたが・・・」
キモオタ「そうですぞwwwあの麻袋の中に我輩の友達が閉じこめられておりましてなwww」
捕らえられた鬼「・・・消失した【ピーターパン】のティンカーベルか・・・?」
ティンカーベル「・・・!そうだよ!ごめんね、ちょっと今はそっちが見えないんだけど・・・あなたはだれ?」
捕らえられた鬼「俺は鬼・・・悪鬼だ。【一寸法師】というおとぎ話からやってきた。訳あって・・・今は捕らわれの身だ」
350 :名無しさん@おーぷん :2015/01/10(土)21:00:36 ID:1yC
ファッ!!
なぜに一寸法師の鬼さんがここに!?
351 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)21:11:16 ID:DHn
捕らえられた鬼「俺はそのおとぎ話で主人公の一寸法師と戦う悪鬼だ」
キモオタ「【一寸法師】・・・どこかで聞いた名前ですなwww」
ティンカーベル「【一寸法師】・・・!知ってる!ほらキモオタ、赤ずきんが教えてくれたおとぎ話だよ!うちでの小槌っていう魔法具の!でも今は消えちゃったんじゃなかったっけ・・・えっと、名前聞いていい?」
捕らえられた鬼「名前など無い。普通に鬼とでも呼んでくれ」
キモオタ「しかし、それでは紛らわしいですからなぁwww」
ティンカーベル「じゃあ、ちっちゃい一寸法師の敵の鬼だから、おっきい大鬼!」
大鬼「呼び名はなんでも構わん。しかし、ティンカーベルに赤ずきんという名もでるとは・・・お前ら一体何者なんだ・・・?」
ティンカーベル「私はね、消えちゃった【ピーターパン】のおとぎ話を元に戻すために・・・それとおとぎ話の消滅を防ぐために旅をしてるの!」
大鬼「・・・・・・消滅したおとぎ話を元に戻す・・・?何か手立てはあるのか?」
キモオタ「今のところはまったくないでござるwww」
大鬼「だろうな・・・俺も消えてしまった【一寸法師】のおとぎ話を元に戻すために旅をしている」
ティンカーベル「仲間だ!じゃあさじゃあさ、大鬼はなにかおとぎ話を元に戻す考えあるの?」
大鬼「俺は・・・俺達の世界とは別のおとぎ話にうちでの小槌が無いか探している」
352 :名無しさん@おーぷん :2015/01/10(土)21:17:59 ID:jBW
大鬼……倒される運命を背負っているというのに……それでも本来の居場所を求めるか……
353 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)21:30:01 ID:DHn
キモオタ「うちでの小槌は・・・【一寸法師】に出て来る魔法具でござろう?ほかのおとぎ話にもあるんですかな?」
大鬼「解らぬ、だが、うちでの小槌は鬼の種族に伝わる宝・・・鬼の登場するおとぎ話ならば可能性はあるのではないかと思ってな。
俺はおとぎ話とおとぎ話の境目を潜り抜ける道具・・・鬼の隠れ蓑を持っていたからそれを使って旅をしている、隠れ蓑はここの大悪鬼に奪われてしまったが・・・」
ティンカーベル「・・・ねぇ大鬼、大鬼のおとぎ話・・・【一寸法師】は何で消えちゃったの?聞いてもいい?」
大鬼「構わん。先程も話したが・・・【一寸法師】では俺は都を襲い悪事を働く悪鬼だった。つまり・・・主人公の一寸法師からみたら敵だ。だが、俺はその世界がおとぎ話の世界であり、結末の決まったものがたりであり、その結末で俺は一寸法師にやられると言うことも知っていた」
キモオタ「【シンデレラ】の魔法使い殿や【裸の王様】の大臣殿と同じというわけですなwww」
ティンカーベル「おとぎ話の世界にいながら自分たちの世界がおとぎ話だっていう自覚がある登場人物だね!それでそれで?」
大鬼「ある日俺は・・・元の筋書きとは違う・・・『俺が一寸法師を殺す』幻覚を見せられたら・・・いや、正確には見せられかけたというべきか・・・」
ティンカーベル「幻覚・・・!青鬼が言ってた鬼って大鬼の事だったんだ」
キモオタ「マッチ売り殿のマッチですな・・・!大鬼殿に幻覚を見せたのは黒幕の女の子の仕業だということですな・・・!」
大鬼「・・・あの娘のことも知っているのか。では、少し長くなるが話そう」
大鬼「【一寸法師】が消えた理由、そしてその娘のことをな」
355 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)21:46:51 ID:DHn
大鬼「2人は【一寸法師】の内容は知っているか?」
キモオタ「まだちゃんと読んでいないのでござるwww」
ティンカーベル「ごめんね、私も・・・」
大鬼「構わぬ。・・・一寸法師という男はその名の通り一寸・・・お前たちの世界の言い方をするなら3cm程度だ、それほどに背丈の小さな男だった。
しかし大きな志を持っていた一寸法師は都へいき、大きな屋敷の家来にして貰った・・・ある事件があり、一寸法師はその屋敷の姫と共に旅をすることになる。
そこで悪名高い鬼・・・俺に出会い、退治し、うちでの小槌を手に入れる。そのうちでの小槌で背丈をのばした一寸法師は英雄となり幸せに暮らすというのが大体の物語だ」
キモオタ「・・・んん?ちょっといいですかな?」
大鬼「どうした?」
キモオタ「その話だと大鬼殿は一寸法師殿にやられるのでござるよね?」
大鬼「あぁ、そうだ。一寸法師が腹の中に入って針を振り回して暴れた後、最終的には目玉を抉られる」
ティンカーベル「そうなの!?一寸法師やりすぎじゃないの!?」
大鬼「そういう話の筋だからな」
キモオタ「・・・それを解っていながら、結末を受け入れたと?」
356 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)21:55:29 ID:DHn
大鬼「・・・一寸法師はな。生まれつき背丈が一寸しかない、しかしどれだけの年月が経とうと一向に成長しない・・・」
ティンカーベル「もしかして・・・成長しないからって、桃太郎みたいに村の人に気味悪がられたんじゃ・・・」
大鬼「それだったらいくらかマシだったかも知れんな。幾年たっても成長しない一寸法師を不気味がったのは、他でもない一寸法師の両親だった。化け物ではないか・・・我が子でありながらそう思うようになり多い一寸法師は自ら家を出た」
キモオタ「なんという・・・日本の昔話の主人公はどこもそんなのばかりでござるな・・・」
大鬼「だからって訳じゃねぇけど・・・苦労が多い男だ、一寸法師は報われてもいいんじゃねぇかと思ったんだ、俺は」
ティンカーベル「目玉抉られるのに?」
大鬼「・・・それは、まぁ嫌だったが・・・だがどちらにしろ、俺と一寸法師は出会うことはなかったんだ」
キモオタ「異変が起きたからですな・・・」
大鬼「一寸法師との対決が迫ったある日、俺はある娘と出会った・・・それは物語の筋には含まれない出来事だった」
ティンカーベル「その娘が・・・黒幕!」
・・・・・・大鬼の回想 一寸法師の世界
女の子「こーんにーちわ!はじめまして!悪い鬼さん!」ヘラヘラ
大鬼(・・・何者だ?妙な着物だが・・・こいつ、このおとぎ話の人間じゃあねぇのか・・・?)
女の子「あれっ?無視?ちょっとー!ノリ悪いんじゃないかなぁ?そう言うのちょーっとイライラするんだけど!」
ブリキ「落ち着け、いきなり知らない奴に話しかけられたら警戒するもんだ」
ライオン「わかるわかる、知らない人に話しかけられたら怖いもんね。僕だったら全力で逃げちゃう・・・」
かかし「まずは自己紹介するんダ!それが人付き合いの基本だろウ!」
女の子「面倒くさー・・・そういうもんなの?」
大鬼(ブリキ人形、かかしにライオン・・・こいつ・・・?)
アリス「どっちだって構わないさ。ボク達はこの鬼に用事があるんじゃない・・・うちでの小槌に用事があるんだ」
大鬼「うちでの小槌を狙っているのか・・・お前ら!」
アリス「そうだよ。君の持つうちでの小槌は数ある魔法具の中でも屈指の逸品だろう?振るだけでどんな願いも叶うんだから」フフッ
359 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)22:23:34 ID:DHn
アリス「おとぎ話を消すのも楽だろう?それがあればね」フフッ
大鬼「なんだと・・・!?おとぎ話を消すだって・・・!?」
かかし「うちでの小槌が手に入ったラ・・・俺はやっぱり脳みそを入れてもらいたいナ!俺はもうカラス共にバカにされない頭のいいかかしになるんダ」
ライオン「僕はねぇ、やっぱり勇気が欲しいよ。だからうちでの小槌に勇気をくださいってお願いするんだ!
・・・あ、でも僕が使うのは一番最後でいいよ?みんなが願いを叶えてから・・・一番最後でいいよ?」
ブリキ「ならば・・・俺は心を貰うとしよう。あの頃の気持ちを思い出すためにもな・・・」
女の子「私のお願いはね・・・アリス!なんだと思う?当ててみてよん!」
アリス「さぁ?降参だ、正解を教えて欲しいな」
女の子「諦めが早いなぁ!・・・私のお願いはね!今度こそブリキとかかしとライオンみんなの願いが叶う事!私達みーんなが幸せになることだよん!」ニコニコ
ライオン「優しいよ!ほんとに優しいよ!聞いた?アリスちゃん?こんな優しいこ他にいる?僕はもう泣きそうだよ、感動でね?」ジワッ
かかし「でもまずハ、手に入れないとナ」
ブリキ「そうだな・・・」
アリス「そうだね、さっさと奪ってしまおう」
大鬼「・・・脳味噌がほしいかかしに、勇気がほしいライオン、心がほしいブリキ人形・・・と銀色の靴の娘・・・お前ら、もしかして【オズの魔法使い】の・・・!!」
アリス「あぁ、随分と物知りな鬼だね。さぁ、面倒なことになる前に例のマッチを使ってしまおうか、ドロシー?」
ドロシー「オッケー!それじゃあ、見て貰おうかな!素敵な素敵な物語・・・あんたが一寸法師を殺す、そんな幻をね!」シュッ
361 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/01/10(土)22:36:30 ID:DHn
ボワー
大鬼「なんだ・・・これは・・・!幻覚か・・・?」
大鬼(俺が一寸法師を殺す・・・?そんな事は・・・あっちゃいけねぇ・・・そうなっちまえばこのおとぎ話は消えちまう・・・!うぉぉ!)
アリス「いけない。ドロシー、避けるんだ」
ブォンッ
ドロシー「おっとっとぉー!いきなり金棒振り回すとか勘弁してよねー・・・ほらぁ、マッチ消えちゃったじゃん!」
アリス「仕方ないね・・・もう一本・・・」
大鬼「ふざけるなよお前ら・・・幻覚を見せるマッチ?それをどこで手に入れた・・・おとぎ話を消す?そんな事・・・なんのためにそんな事するっていうんだ!それでどれだけの命が消えると思ってる!?」
ドロシー「どれだけなの?教えてよ、かかし」ヘラヘラ
かかし「無茶ぶりはやめロ!知らんワ!」
アリス「君に教える義理は無いよ、ただボク達は必要だからそうするだけさ」
大鬼「そうか・・・だったら!」グッ
ドロシー「あぁ、抵抗は無理だと思うよん?ブリキもかかしもライオンもアリスも私も・・・強いよ?あんたは私達のおとぎ話知ってるみたいだけど、そのなかのまんまだとおもわないほうがいいんじゃない?」クスクス
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 桃太郎編
Part1<< Part3 Part4 Part5 Part6 Part7 Part8 Part9 Part10 Part11 >>Part12
評価する!(2584)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
ショートストーリーの人気記事
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
神様の秘密とは?神様が叶えたかったこととは?笑いあり、涙ありの神ss。日常系アニメが好きな方におすすめ!
→記事を読む
女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」
→記事を読む
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
→記事を読む
魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
→記事を読む
男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
→記事を読む
同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
→記事を読む
妹「マニュアルで恋します!」
→記事を読む
きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」
→記事を読む
月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」
→記事を読む
彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」
→記事を読む