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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
Part147


505 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)01:01:21 ID:D89
シンドバッド「な、なぁ…お前等さ、盗賊やめる事ねぇんじゃね?なんつってもプロなわけだしさ。ほら、もったいないだろ、技術がさ。だろ?」
ラプンツェル「もーっ!みんなが新しいお仕事探そうってしてるのに何でそんな事いうの?シンドバッドのイジワル!」プンスカ
「そうだぞお前!ちょっと顔が良いからって調子に乗ってんのか!?ふざけんなよハンサムが!」
「ちょっとモテそうだからって舐めんなよチャラ男が!くたばれ!」
「プンスカしてるラプちゃんもかわいいぃぃぃ!!」
シンドバッド「クソっ…なんだこの結束力…なんとかしてこいつら盗賊やめるの阻止しねぇと…!」
スタッ
???「おやおや、あなたにしては珍しく随分と余裕がなさそうですね…いつもは余裕ぶっていることが多いのに」スッ
シンドバッド「こんな状況で余裕ぶっていられるかってんだ!このままじゃ俺はお前に……ゲッ、シェヘラザード…!?」
シェヘラザード「ゲッとはなんですか。もう少し言葉を選びなさい、あなたはおとぎ話の主人公なんですからね。まぁ今は、それよりも……」
ゴゴゴゴゴ
シェヘラザード「何がどうなっているのか私に説明をしなさい、シンドバッド?」

506 :名無しさん@おーぷん :2016/07/04(月)01:04:25 ID:2Kz
ってラプいい子だけどいい子だけど!
どーすんのw
頑張れシンドバッドw

507 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)01:09:31 ID:D89
今日はここまで 『作者』編 次回へ続きます
可愛いは正義 
byラプちゃん親衛隊
次回、ラプの優しさと慢心によってピンチになった【アリババと40人の盗賊】あとシンドバッドはシェヘラザードの怒りを和らげることが出来るのか!(あと俺は誤字を減らせるのか)
お楽しみに!

509 :名無しさん@おーぷん :2016/07/04(月)01:45:56 ID:4yi
乙!
これはほんとどうするの?どうなっちゃうの?

510 :名無しさん@おーぷん :2016/07/04(月)03:02:32 ID:7Dd
最終決戦前なのに日常回のような安心感

511 :名無しさん@おーぷん :2016/07/04(月)11:42:19 ID:3lh
乙!
唐突のナレーションに噴いたぞww

512 :名無しさん@おーぷん :2016/07/04(月)15:13:58 ID:S45
乙です!
いやぁ、シンドバット頑張れ〜(笑)
続き待ってます!!

520 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/11(月)00:24:03 ID:fIW
・・・
シンドバッド「──で、今に至るって訳だ…。あとは見ての通り俺は身動きがとれねぇしあいつ等は宴に夢中でこっちに気づいてすらいねぇ…ってな所だ。他に何か聞きたいこと、あるか?」
シェヘラザード「いいえ、大丈夫です。大体の状況は把握しましたから」
シンドバッド「話が早くて助かるぜ。いやぁ、お前はなんつっても俺達と違って頭の回転が速いからな!一度話しただけでぱぱっと状況把握しちまう、やっぱお前は聡明な女だ。流石は俺の作者だぜ」ハハハ
シェヘラザード「ありがとうございます。でもおだてたところでお説教を中止にしたりしませんよ?」
シンドバッド「ハハハ!お前何言ってんだよ、そんな下心なんて無ぇって!……なんで解ったんだ?」
シェヘラザード「当然です。あなたが突然誉めるのは何かやましいことがある時か、お説教回避のおべっかのどちらかなんですから」フイッ
シェヘラザード「まぁ色々と言いたいことはありますが…あなたの性格ではラプンツェルさんの頼みを断ることは出来ないでしょうし、友人として彼女の相談に乗るのは当然だと思います」
シンドバッド「だろっ?困ってる女を見過ごすなんて出来ねぇしそれがダチだってぇなら尚更だ。なんだなんだ、お前今日は妙に話がわかるじゃねぇか!」ヘラヘラ
シェヘラザード「で・す・が!その方法が最悪です!百歩譲って彼女の特訓に付き合うのはいいとしても、どうしてそれを【アリババと40人の盗賊】の世界でおこなうのですか!?」
シンドバッド「そ、そりゃお前…実戦に勝る特訓無しだからな。この世界には数え切れないほどの盗賊団が存在すんだからそいつ等を退治がてら特訓の相手にすりゃ街は平和になるわラプンツェルは強くなるわでwin-winだろ?ハハハ…」
シェヘラザード「何がwin-winですか!確かに物語と関連性のない盗賊団なら退治しても直接的な問題はないでしょう…ですが結果はどうです!?あなた達二人はあろうことか40人の盗賊団の親分を倒してしまっているではないですか!」キッ
シンドバッド「そ、そりゃあうっかりっていうか不可抗力っていうか…わざとじゃねぇんだって!結果的にそうなっちまっただけで俺達には悪気があった訳じゃねぇんだよ、な?」
シェヘラザード「悪気があろうと無かろうと同じです!彼が死んでしまった今…このままにしておけば物語が立ちゆかなくなり、この世界は消えてしまうんですよ!」
シェヘラザード「完結していないおとぎ話に不用意に干渉すればこうなってしまう危険性があることをあなたは知っていたはず。それなのによく考えもせず…いくらなんでも軽率過ぎます!それなのにあなたは言い逃れや言い訳ばかり…!」

521 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/11(月)00:25:10 ID:fIW
シンドバッド「わ、わかってるって…悪かった。ついいつもの癖で言い訳しちまったけどよ…流石に今回ばっかりは反省してる。いいや、猛省してる!見ての通りだ!」
シェヘラザード「とてもそうは見えませんけど…」ジーッ
シンドバッド「ぐっ…そうかよ、こういうとき普段の行いのツケが廻ってくるよな…」
シェヘラザード「分かっているなら普段からキチンとしなさい。まぁ…学んだこともあるようですし今回はあなたの言葉を信じます。それに、いつまでも拘束されているのは辛いでしょう」スパッ
シンドバッド「おぉ、流石はシェヘラザード!恩に着る!お前が作者で俺は幸せもんだぜー!」ヘラヘラ
シェヘラザード「言った側から軽口を叩くのですから困ったものです…。事態が落ち着いたらアリババやモルジアナにも謝罪しておくのですよ、特にモルジアナは激昂していましたから念入りに」
シンドバッド「おう、任せろ!にしてもお前がこの程度の説教で許してくれるなんて珍しいじゃねぇか。いつもだったら何時間もガミガミガミガミ…」
シェヘラザード「あら、お望みならば何時間でもガミガミしますけど?」
シンドバッド「そ、そういう意味じゃねぇよ!勘弁してくれ!」
シェヘラザード「まったく、あなたは一言多いのですから…。確かにあなたの行動に関してまだ言いたいことは山ほどありますが…」
シェヘラザード「今回はラプンツェルさんの気持ちを考えていなかった私にも非があります。ですからあなただけを糾弾するのは筋違いです、私も反省すべき所はしなければなりませんからね」
シンドバッド「まっ、そりゃあ一理あるな。お前があいつの話聞いてりゃこんな大事には…おっとやべぇ、また余計なことを言っちまうとこだったぜ」ヘラヘラ
シェヘラザード「……まぁいいです。今はこの状況をどうするか考えましょう。この世界が消滅してしまうという危機から、まだ脱していませんからね」

522 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/11(月)00:26:25 ID:fIW
シェヘラザード「このおとぎ話が本来の結末を迎える上での問題は二つ…ひとつはモルジアナが倒すはずの親分が死んでいること。そしてもう一つは…」
シンドバッド「盗賊団がどう言うわけかラプンツェルの親衛隊になっちまってることだな。あいつ等もう盗賊業どころかアリババへの仕返しなんかどうでもいいと思ってるぞ」
シェヘラザード「あなたの話だと彼等は元々親分に尽き従っていただけで根っからの悪人ではなかったのでしょう。とはいえ…この世界を守るためにアリババへの仕返しはしてもらわなければいけません」
シンドバッド「つーかよぉ、このおとぎ話の作者はお前なんだからどうにでもなるんじゃねぇの?ぱぱっとうまい具合に書き換えちまえば万事解決だろ?」
シェヘラザード「随分と簡単に言ってくれますね…。私なら書き換えは確かに出来ます、ですがここまで物語が進行している状態では大規模な改変は不可能です、つじつまを合わせることが出来なくなるので」
シンドバッド「なるほどな、作者の力も万能じゃねぇってか」
シェヘラザード「そもそも物語の改変は現実世界へ影響を及ぼしますからね…本来ならばあまり使いたくはありません」
シンドバッド「そうなのか?でも消えちまう訳じゃねぇし些細なもんだろ?」
シェヘラザード「とんでもない。大規模な改変はこの物語を気に入ってくださっている方、このおとぎ話を元に新たな物語を紡いだり作家を志してくれた方、その方達を裏切ることになりますからね」
シンドバッド「まぁ言い分はわかるけどよ、余所の世界の連中に気を使いすぎじゃねぇか?お前の物語の聞き手はあくまで国王だろ?」
シェヘラザード「確かに私は王に優しい心を取り戻してもらうために物語を紡ぎましたが…現実世界で私の物語が誰かの心を動かしているのなら、私はそれを大切にしたいのです」
シンドバッド「そうかい、頭の良い奴の考えることは良くわかんねぇけどよ。お前がそうしたいってならそれでいいんじゃねぇか」
シェヘラザード「えぇ。ですから、なるべく小さな改変で済むように…出来るだけ些細な変更で済む方法を考えましょう」

523 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/11(月)00:27:32 ID:fIW
シンドバッド「まぁ盗賊の連中はどうにか説得してアリババの所へ行かせるとしてもだ…問題は親分だよな。本人は死んじまってる、代役を立てようにも死んじまう役回りを無関係の奴にやらせるのもなぁ…」
シェヘラザード「そうですね。それにあれを見ていると盗賊団の皆さんの命を奪うというのも…」
・・・
ラプンツェル「あっ、アニキもうお酒無いよ?私がついできてあげるよー」ニコニコ
「ラプちゃんのお酌とかアニキズリィー!ラプちゃん俺も俺も!」
「大体さぁラプちゃんの隣占領するのズリィよアニキ!」
「アニキには俺がついで差し上げやす!だからラプちゃんこっち来てー!」
親衛隊アニキ「えぇい、ラプちゃんは俺についでくれるって言ってんだよ!お前等は後だ後!後で頼め後で!」
・・・
シンドバッド「まぁなぁ…あいつ等死んじまったらラプンツェルもショックだろうしな」
シェヘラザード「こうしましょう。物語は当初の筋書き通り進行させましょう、ただし…親分役もあの盗賊達もモルジアナに退治されるだけ。命までは失いません、それなら改変も僅かで済みます」
シンドバッド「そうすりゃ親分の代役も死なずに済むな。でもよ、俺には良くわかんねぇけど死ななくても大丈夫なのか?」
シェヘラザード「盗賊達の生死はこの物語で重要では無いですから、問題ないでしょう」
シェヘラザード「【マッチ売りの少女】のマッチ売りさんや【キジも鳴かずば】の弥平さんのように死ぬ事が物語に重大な影響を与える人物を生かしたままおとぎ話を存続させることは出来ませんが……彼等はそうではありませんから」
シンドバッド「良くわかんねぇけど大丈夫なら問題ねぇな。となるとあとは誰が親分の代役をするか、それとどうやって盗賊達をやる気にさせるかだが…」
シェヘラザード「それに関しては私に考えがあります」

524 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/11(月)00:29:09 ID:fIW
シンドバッド「そんじゃお前に任せてりゃいいな。どんな手か知らねぇけど俺が無い知恵絞るよりはずっといいしな」ハハッ
シェヘラザード「どちらにしろ、彼等と話さなければいけませんね。では行きましょうか」スッ
シンドバッド「待て待て!用心しろよシェヘラザード、あいつらラプンツェルにはゾッコンだが俺に対しては辛辣だしな…いきなり余所者のお前が顔を出すのはマズい」
シェヘラザード「そうでしょうか?私には彼らがそこまで悪人のように見えませんが」
シンドバッド「人は見かけによらないって言うだろ?用心するに越したことねぇよ。実際、俺はそうとう嫌われているようだしな…不用意に出て行かない方がいいぜ」
シェヘラザード「それはあなたが嫌われるようなことをしたのではないですか?大方、調子に乗ってヘラヘラしていたのでしょう」
シンドバッド「お前も大概辛辣だな…俺はこう見えておとぎ話の主人公、魅力はあるって自負してんだ。そもそも俺が他人に嫌われるような奴に見えるか!?」
シェヘラザード「あなたは良い人ですよ、相応の魅力もあります。ですがそれは初対面ではわかりにくいです、外見は相当チャラチャラしてますし。もう少し清潔感と誠実さをですね…」
シンドバッド「…あーっ、わかったわかった!もう行くぞ!これ以上話してたらこっちが傷ついちまうぜ、ったく」スタスタ
シェヘラザード「大丈夫ですよ、長くつきあっていれば魅力がわかるはずですから」ウフフ
シンドバッド「っつーかよ、結局親分の代わりは誰がやるんだ?つってもラプンツェルにさせるわけにもいかねぇし盗賊の兄貴分にやらせるのか?」
シェヘラザード「いいえ、親分の代役は盗賊団以外の人物でなければ39人になってしまいますからね。代役はシンドバッドに頼もうかと」スタスタ
シンドバッド「いやいやいや待てお前!何で俺なんだよ!?聞けお前!」

525 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/11(月)00:30:08 ID:fIW
ワイワイ ガヤガヤ ワイワイ ガヤガヤ
「いやー!しかしようやく盗賊から足を洗えるぜ。なぁ、お前はどんな仕事に就きたい?俺は騎士がいいな、白馬の騎士」
「白馬の騎士ってお前(笑)俺は独学だけど剣術くらいしか取り柄ないしなぁ、どっかの城で雇ってもらえりゃ御の字だな」
「俺は仕事はなんでもいいがとにかく彼女が欲しい」
「真顔はやめろよ切実すぎて笑えねぇ」
親衛隊アニキ(うんうん、ラプちゃんのおかげでこいつ等もまともな仕事に付けそうだ。昨日まで将来を語るなんて出来なかったのに、良い事だな)
スッ
シェヘラザード「盛り上がっているところ失礼いたします、少しお時間よろしいでしょうか」
親衛隊アニキ「なっ!?なんだぁ!?今日は次から次へと…!」ザワザワ ザワザワ
シェヘラザード「申し遅れました、私シェヘラザードと申します。シンドバッドとラプンツェルさんの友人なのですが、二人がお世話になったようなので…私もご挨拶をと思いまして」
親衛隊アニキ「ラプちゃんの友達か。俺はこいつ等盗賊の兄貴分…いや、ラプちゃん親衛隊のアニキだ。そんな事よりあんた、随分良い身なりしてるがこの辺は物騒だから気をつけろ…ラプちゃんもだがもっと危機感を持つべきだ」
シェヘラザード「ご忠告ありがとうございます、私には立派な護衛が居ますのでご心配なく。ところでラプンツェルさんはどちらに?」
親衛隊アニキ「おう、ラプちゃんならそこに……ラプちゃんなにしてんだ…?その前髪なんだ?一発芸か…?」
前髪がすげぇ長い人「わ、私ラプンツェルじゃないデース!人違いダヨー」コソコソ
親衛隊アニキ「なぁラプちゃん、あの嬢ちゃん友達なんだろ?何でそんな嘘t」
前髪がすげぇ長い人「う、嘘じゃないデース!シェヘラザードは友達だけど今私がここにいることバレたら怒られちゃうから内緒にしてて!…あっ、内緒にしててデース」

526 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/11(月)00:30:56 ID:fIW
シェヘラザード「そうですか。申し訳ありません、友人によく似ていたので」ペコリ
前髪がすげぇ長い人「気にしないでイイヨー。あとラプンツェルに会っても怒らないであげてネー?あっ、私はラプンツェルじゃないケドネ?」コソコソ
シェヘラザード「はい。しかし困りました、これ以上ラプンツェルさんの居場所がわからないとなるとゴーテルさんが心配しますね…きっと食事も喉を通らず夜も眠れない程に…お年を召されていますし寝込んでしまうかも…」
ラプンツェル「…!だ、ダメだよそんなの!ママに心配かけたくないもん!」バッ
シェヘラザード「おはようございます、ラプンツェルさん」ニコリ
前髪がすげぇ長い人「あっ、えっと…おはようデース…」バサッ
シェヘラザード「もうその小芝居は良いですよラプンツェルさん、私はあなたを叱りに来た訳じゃないんですから」
ラプンツェル「本当?シェヘラザード、怒ってない?」チラッ
シェヘラザード「そうですねぇ…怒ってないわけではないです」ウフフ
ラプンツェル「えーっ!?やっぱり叱りにきたんだ!」ガビーン
シェヘラザード「ですがそれは、あなたがかかしさんを巻き込んでまで嘘を付いたこととおとぎ話の世界の事情を知っていながらシンドバッドの誘いに乗ったことです」
シェヘラザード「ですから私の反対を押し切って戦うことを選んだことに関しては怒っていません。むしろ私が謝るべきです、昨日の私はラプンツェルさんの話を聞かずに自分の意見を押しつけてしまいました」

527 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/11(月)00:32:26 ID:fIW
シェヘラザード「今では後悔と反省をしています。それと…思わず叩いてしまったこと、本当に酷いことをしてしまいました。ごめんなさい」ペコリ
ラプンツェル「ううんっ、私も勝手なことする前にもっかい話した方が良かったよね…ごめんね!もう二度とぺたんこおっぱいって言わないよ!気にしてるのにぺたんこおっぱいって言ってごめんね!」
「あぁ…確かに…」
「あぁ、ぺたんこだな…」
「お前等!あんまりじろじろ見るんじゃねぇ!ぺたn嬢ちゃんに失礼だろうが!」
シェヘラザード「……。いえ、ラプンツェルさんがわかってくださったのならそれ以上は望みません。では仲直りのしるしに」スッ
ラプンツェル「うん!あくしゅ!なーかーなーおーりっ!はいっ!仲直りしたー!」ブンブン
シェヘラザード「はいっ。でもかかしさんとモルジアナには謝っておくんですよ?迷惑をかけていますからね」
ラプンツェル「うんっ!わかった!で、モルジアナって誰!」ニコニコ
親衛隊アニキ「なんだかよくわかんねぇが、仲直りしたってことは良いことだ。おい、嬢ちゃんにも何か飲み物を出してやれ!」
シェヘラザード「あっ、お気遣いなく。突然押し掛けたというのにもてなして貰っては…」
親衛隊「いいんだよ!ラプちゃんは俺らの友達!友達の友達は友達だからな!」
シンドバッド「そうだよな!いやぁ二人が仲直りできて良かったぜ。俺も二人の友達だから俺にも酒を頼むぜ」
親衛隊「シェヘラちゃんお待ちどうー!ノンアルでよかったかな?」ニコニコ
シンドバッド「おい無視はやめろ」

528 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/11(月)00:33:24 ID:fIW
・・・しばらくして
親衛隊アニキ「おいおい待て待て!?余所の王妃だぁ!?嬢ちゃん、案内付けてやるから今すぐ戻れ!そんな高貴な奴が居ていい場所じゃねぇぞここは!」
シェヘラザード「ご心配感謝します、ですが私はそんな大層なものではありませんよ。いざとなればシンドバッドも居ますし」
親衛隊アニキ「しかしなぁ…わざわざ治安の悪い場所にくるんじゃねぇよ。盗賊には女子供だろうと容赦ねぇ卑劣な奴も多いんだぞ」
シェヘラザード「説得力に欠けますね、それが真実ならば私は今頃拘束されているはずですよね?」
ラプンツェル「アニキやみんなはもうとーぞくじゃないから大丈夫!それにみんな優しいよ!」ニコニコ
親衛隊アニキ「ラプちゃんがそう言ってくれるのはありがてぇが…」
シェヘラザード「ところでラプンツェルさんは彼等に新しいお仕事を探してあげるのだと言っていましたね。あてはあるのですか?」
ラプンツェル「えーっとね、お友達みんなに聞いてみようかなって思ってるしパパにも相談してみる!あっ、シェヘラザードのお城でお仕事余ってない?みんな強いらしいからお城の兵士とか!」
親衛隊アニキ「ラプちゃん、気持ちはありがたいがいくらなんでも余所の国の盗賊団崩れを雇うような王族はいねぇよ。あんまり嬢ちゃんを困らせるようなこt」
シェヘラザード「そうですねぇ、陛下に相談してみましょうか?」
親衛隊アニキ「そんな簡単に決めて良いことじゃねぇだろ!?見ず知らずの連中をお前…」
ラプンツェル「うん、お願い!あとあとシェヘラザードは頭良いからみんなが新しいお仕事見つけるいい方法考えつくよね?なにかないかな?」
シェヘラザード「うーん…そうですねぇ…」
シェヘラザード「やはり新たな仕事に就くのなら盗賊時代の行為は清算しておくべきですね」

529 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/11(月)00:34:54 ID:fIW
ラプンツェル「とーぞくじだいのこーいをせーさん…?よくわかんない!」
親衛隊アニキ「シェヘラの嬢ちゃんは俺達に罪を償えって言ってるのさ、散々盗みも殺しもしてきた俺らが今更普通の暮らしを手に入れようなんて虫がいい話だからな」
シェヘラザード「どんな事情があったとはいえ窃盗は犯罪です。犯罪を犯せば償うのは当然です」
親衛隊アニキ「あぁ、それは当然の報いだ。だが…自首なんかすりゃいつ牢から出られるか…そもそも出られるかどうかも怪しい」
ラプンツェル「シェヘラザードー、何とかならない?みんなホントは良い人だからろーやはかわいそうだよ」
シェヘラザード「そう言われましてもこの国でも窃盗は罪なのですよね、なら法に則った罰を受けるべきです。ですが…この国から出て行けばもうこの国の法律に縛られることはありません」
ラプンツェル「そっか!別の国に逃げよう!」ポンッ
親衛隊アニキ「あんたら王族なのにとんでもねぇこと言い出すな…要するに高飛びじゃねぇか」
シェヘラザード「厳密には違います、罰からは逃げますが罪を捨てる訳ではないのです。法律ではなくあなた方が出来る方法で今までの罪を償えばいいのでは無いでしょうか?」
親衛隊アニキ「まぁ…そうするしかねぇけどな、この国じゃ働き口はみつからねぇだろうし捕まれば牢屋だしな」
ラプンツェル「じゃあきまり!みんなで別の国にお引っ越ししてそこから仕事探そう!」
シェヘラザード「ところでアニキさん、盗品はまだどこかに保管してあるのですか?」
親衛隊アニキ「あぁ…金はほとんど使っちまったが宝石やら何やらはまだ随分残ってる」
シェヘラザード「出来ればそれは元の持ち主に返しておきたいですね。それは可能ですか?」

530 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/11(月)00:35:41 ID:fIW
親衛隊アニキ「盗賊やめるなら盗んだ物は元の場所に…ってか。全てってわけにはいかねぇが…大体はどこから盗んだのかわかると思うぜ」
シェヘラザード「ならば返せるものだけでも返しましょう。返したからといって罪が消えるわけではないですが、その方がいいです」
親衛隊アニキ「そうだな、じゃあお前等!宴が済んだら早速お宝返却開始するぞ!」
親衛隊「へい!しかしアニキ…そうするとアレ、どうします?」
親衛隊アニキ「あぁ、アリババに奪われた宝物か…」
シェヘラザード「まぁ、何者かに宝物を奪われたのですね。ならばそれも取り返した上で元の持ち主に返却しましょう」
シンドバッド(なるほど、名目は違えど盗品を取り返すって部分は同じ。それなら自然にこいつ等をアリババの所へ誘導できるってわけか)
親衛隊アニキ「そうだな、それがいい。だがアリババには頭の切れる奴が付いててな、一筋縄じゃいかねぇだろう…親分もいねぇしな。嬢ちゃん、あんたも頭が良さそうだ。知恵を貸してくれねぇか?」
シェヘラザード「それならば亡くなった親分代わりにそちらのシンドバッドをお貸ししましょう。こう見えて機転も利いて戦いの腕も立ちますよ、皆さんの役に立つはずです」
シンドバッド「来た来た来やがった…はいはい!やりゃいいんだろ!こうなったのは俺のせいだし盗賊の親分でもなんでもやってやるよ!」
「は?お前が親分とかねぇわ」
「女の子ならいいけどよぉ、でもラプちゃんやシェヘラちゃんを危ない目にはあわせらんねぇし…」
「いくら罪滅ぼしのためだっていってもこんなチャラ男の下につくとか形式上だとしてもごめんだわ」
シンドバッド「こいつら…」

531 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/11(月)00:37:40 ID:fIW
シンドバッド「お前等俺を舐めるのも大概にしろよ!俺はあの怪鳥ロックを従える優秀な船乗りなんだからな!」
「それロック鳥がすげぇだけだろ、勘違いすんなよ」
「自分で優秀とか言う奴は大概雑魚だよな(笑)」
「つぅか丘の上で船乗りの経験とか生かせねぇだろ、結局一般人じゃねぇかこいつ」
シンドバッド「畜生…おいラプンツェル!こいつらに俺のすごさ教えてやれ!俺は気がすすまねぇが親分代わりはしねぇといけねぇんだ!」
ラプンツェル「うん!えーっとね、シンドバッドはね!女の子好きでいっつも女の子のことばっかり気にしてるけど強いし頭もちょっとだけ良いからみんなの親分の代わり出来ると思う!だから宝物返す間だけ親分にしてあげてよ、ねっ?」
「ラプちゃんがそう言うならもちろんだよー!なぁみんな!」
「おうよ!それに考えて見りゃ親分って目立つし命も狙われやすいから親しい奴より案外どうでもいいこいつのほうが適任かもな!」
「あぁ、確かに。こいつならうっかり別の盗賊に殺されようがどうでもいいしな!」
シンドバッド「……」
親衛隊アニキ「よし、じゃあ頼むぞ兄ちゃん。ありがとなシェヘラの嬢ちゃん、色々と知恵を貸してくれてよ」
シェヘラザード「いえいえ。ただ…あなた達が盗賊をやめようとしていることが周囲にバレては余計なトラブルを招くでしょう。あくまで内密に…盗みを働くふりをして返却した方がいいと思います」
親衛隊アニキ「そうか、そうだな!よし!ここが正念場だぞお前ら!きっちりケジメ付けてまともな生活送れるように頑張るぞ!」
オォォーッ!

532 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/11(月)00:39:46 ID:fIW
・・・
親衛隊アニキ「よし、じゃあ宴はここまでだ!ちゃっちゃと片付けて仕事に移るぞ!」ヘーイ!
ラプンツェル「あっ、じゃあ私もお手伝いするよ!」
シェヘラザード「私もお手伝いします。この量ですからね、手は多い方がいいでしょう」
親衛隊アニキ「いやいや、二人には世話になっちまったからな。座っててくれよ。それにシンドバッドの兄ちゃん、気ぃ悪くしねぇでやってくれな、こいつら暗い青春しか送ってねぇからあんたのようなモテそうな男に厳しいんだよ」
シンドバッド「ったく、何で俺がムサい盗賊どもの面倒を…」
ラプンツェル「あっ、違うよ!とーぞくじゃなくてしんえーたい!」
シンドバッド「あぁそうだったな。まぁ俺が代役してこの世界が消えないならそれで良いけどよぉ…もうちょっとなんとかなんねぇかなあいつら」
シェヘラザード「それじゃあシンドバッドに任せて私達は帰りましょうかラプンツェルさん。あなたの特訓をどうするかも考えなければいけませんし」
ラプンツェル「そうだった!じゃあ帰るねアニキ!また遊びに来るしみんなのお仕事ちゃんと探しとくからみんなにも頑張ってねって伝えといて!」
親衛隊アニキ「あぁ、俺たちなりの罪の償いを見つけて必ずそれをやり遂げてみせる。そしてラプちゃんの親衛隊として胸張れるようになるからよ、またいつでも来てくれ。みんな喜ぶ」
ラプンツェル「うん!みんな友達!友達はいつでも会えるんだよ!だからまたね!」
親衛隊アニキ「あぁ、あんたに会えて良かったよラプちゃん。そんじゃあまたな」
シェヘラザード「ふふっ、では行きましょうか。帰りは魔法の絨毯で空の旅です、だからといってあまりはしゃがないようにしてくださいね?」
ラプンツェル「はーい!よーし、次来るときはもっともっと強くなってるようにしよっ!」ニコニコ
・・・

533 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/11(月)00:51:26 ID:fIW
今日はここまで 『作者』編 次回へ続きます
悲報 シェヘラのコンプレックスまた刺激される
次回、ライオンとともに【舌切りすずめ】の世界を訪れた桃太郎
強くなるために修行にいそしむ二人だが…
お楽しみに!

536 :名無しさん@おーぷん :2016/07/11(月)09:21:10 ID:3jS
乙!
うまいこと考えるもんだ

538 :名無しさん@おーぷん :2016/07/12(火)03:01:24 ID:Fsa
前髪がすげぇ長い人てw
ラプちゃん可愛いすぎ。絶対シャンプーのいい香りがする

539 :名無しさん@おーぷん :2016/07/13(水)11:22:08 ID:db1
乙です!
なんとかなってよかったー(笑)
そして桃ライコンビか!
続き待ってます!!