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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
Part121


503 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/01/04(月)00:32:28 ID:etm
帽子屋「これで【不思議の国のアリス】が消える事は無いものねっ、アタシも女王様も三月ウサギちゃんも…もちろんアリスちゃんもこれからは自由に動けるのよっ!」
帽子屋「これを機にアリスちゃんは一気に目標を果たそうとしてるのっ!アリスちゃん、そしてルイスちゃんのためにもねぇ〜」
キモオタ「我々にとっては厄介な事になってしまったというわけでござるな…今まででも厄介だったアリス殿が本気を出すとは…」
玉龍「っていうことはあんたがこの世界に来たのも、アリスの目的を果たす為って言う事ッスよね!」
帽子屋「まぁそうよねぇ、さっきも言ったけれど悟空ちゃんの戦闘力は敵にするには厄介だから始末したいのよね〜…それにかぐやちゃんもね」
孫悟空「やっぱりかぐやの事も狙ってやがったか…!」
ティンカーベル「かぐやも?もしかしてかぐやを人質にとって悟空を…」
帽子屋「違うわよぉ!あんな人間凶器を人質を取るなんてしないわよっ、かぐやちゃんは戦闘力こそ低いけど…あの娘がもつ月の民の能力は脅威の一言よぉ〜?」
キモオタ「確か…光の速さで移動出来るとかでしたかな?」
帽子屋「んふふっ、そんなのはおまけ程度の能力よぉ〜。あなたたちかぐやちゃんの能力の恐さを知らないのねぇ?あの娘は何を考えてるんだか今はその能力を使わないようにしてるみたいだけど…」
帽子屋「あの娘がその気になれば、一帯を更地にするなんてたやすいのにねぇ?その能力を使って大勢の人間を殺してきたみたいだし?」クスクス
孫悟空「おいテメェ何処で聞いたかしらねぇが…あいつは自分の罪を償おうとしてんだ。水を差すような真似をするってなら…俺は黙っちゃいねぇぞ」
帽子屋「まぁ恐いっ!まぁいいわっ、アタシ達の目的は悟空ちゃんとかぐやちゃんの始末の他にもあるものねっ!」

504 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/01/04(月)00:36:54 ID:etm
ティンカーベル「別の目的?隠さないで教えてよね!」
帽子屋「んふふ、いいわよぉ!かくすつもりなんか無いわよぉ、もう一つの目的はこのおとぎ話に伝わる宝物…『龍玉』よぉ!」
キモオタ「玉龍殿のこと…ですかな?」
玉龍「違うッスよ!『龍玉』ってのは龍がもつ宝玉の事ッス!ウチにとっちゃそうでもないッスけど…人間からしちゃあ至高のお宝扱いッス」
帽子屋「調べさせて貰ったけど、その龍玉はかぐやちゃんが持ってるのよねぇ?その魔法具…ぜひとも欲しいのよぉ!」
キモオタ「この村を襲ったのも、悟空殿やかぐや殿をおびき寄せて始末し龍玉を奪う為だったでござるか!」
帽子屋「そんなところねぇ。【アラジンと魔法のランプ】の結界を破るにはもう少し魔法具が居るのよねぇっ、だから龍玉が欲しいのよぉ!」
孫悟空「ありゃあかぐやにとっても大切なもんだ。例えそうでなくてもテメェのような輩には勿体ねぇ代物だ、渡すつもりはねぇぜ」
帽子屋「あら残念っ、でも手に入るまで私はしばらくこの辺りに滞在しようかしらねっ!必要なら他の村だって襲うわよぉ〜?」クスクス
孫悟空「んなこと出来ると思ってんのかぁ?確かにテメェの実力は本物みてぇだが…俺はお前を逃すつもりはねぇぜ?」
帽子屋「ぶほほっ、悪いんだけどアタシも捕まるつもりはないのよねぇ…でもねぇ、私にも奥の手はあるのよぉ?」ゴソゴソ
ティンカーベル「奥の手…!まだほかにも魔法具とかあるって事!?」
スッ
帽子屋「そうよぉ、例えばこの魔法具とかねぇ〜。さてこれなぁにかしら?ぶほほほっ!キモオタちゃんには簡単なクイズかしらぁ?」
キモオタ「そ、その魔法具は…マッチ売り殿の…!」
帽子屋「大当たりよぉ〜。【マッチ売りの少女】の幻覚を見せるマッチ…もうあなたたちにもおなじみよねぇ?」ブホホ

505 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/01/04(月)00:40:10 ID:etm
帽子屋「精神に直接影響を与える幻覚…どんな魔法具を手にしたってこんなに使い勝手のいい魔法具は他にないわよぉ〜」
キモオタ「お主等はまだそのマッチを…!やめるでござるよ!そのマッチはその様な事に使うものではないでござる!」
孫悟空「幻覚を見せるマッチだぁ…?そんなもんで俺を倒そうってぇのか?随分と舐められたもんだぜ」
帽子屋「あらぁ?アタシが悟空ちゃんの弱点…知らないとでも思ったのかしらぁ?」
玉龍「センパイの弱点って…そんなのあり得ないッス!だってもうお師匠様は…!」
帽子屋「んふふっ、このマッチの幻覚は視覚だけを騙すんじゃないの。精神に干渉するのよねぇ」
帽子屋「だから私達が知らなくても記憶の中にいる悟空ちゃんを叱るお師匠様の姿を映し出す事は可能なのよぉ?んふふっ、それが悟空ちゃん唯一にして最大の弱点だものねぇ〜?」
孫悟空「……帽子屋、テメェ!」ギロッ
帽子屋「んふふっ、お師匠様…三蔵法師の唱える経にかかれば、手のつけられない暴れ猿のあなたでもたちまち大人しくなるのよね、頭にはめられた緊箍児の呪縛のせいでねっ!」
帽子屋「経を唱えるお師匠様の姿…たとえそれが幻覚でも悟空ちゃんにとっては耐え難い痛みを与えるわよぉ?」
ティンカーベル「魔法具を使って悟空の弱点を突くなんてずるい!見た目はキモオタと同じくらいキモイけどあんたはほんとにわるいやつだよね!」プンス
帽子屋「あらあらぁ、随分ねぇ?ティンクちゃん、言っておくけどアタシは知っているのは悟空ちゃんの弱点だけじゃない…あなたの弱点だって知ってるのよぉ?」
ティンカーベル「……。はっ、はぁ!?そんなの、弱点とかそんなの私にはないもんねっ!」
帽子屋「ぶほほっ、強がっちゃって可愛いわねぇティンクちゃん!それだったら…今ここで、試してみましょうかぁ?」ンフフ
ティンカーベル「……っ!や、やめて…!」ビクッ
キモオタ「ティンカーベル殿…?」
帽子屋「アタシはマッチを一本こするだけで悟空ちゃんを潰せるし、ほんの一言口を開くだけでティンクちゃんを消せる…んふふっ、弱点がはっきりしてる子達は大変ねぇ!」ブホホ

506 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/01/04(月)00:44:45 ID:etm
今日はここまでです
次回更新は明日の予定です
魔女の立ち位置について聞きたいとあったのでこのssでの魔女について(長いのでスルー可)
このssに登場する魔女には二種類いて
・元のおとぎ話で『魔女』とされている人物
 魔法使い、ゴーテル、海底の魔女など
・元のおとぎ話では明言されてはいないけどなにやら普通の人間では無い人物
 赤ずきんのお婆ちゃん(寝たきりの老婆を狼が出るような森の中で一人で住ませるとは思えない→人里離れて暮らす理由がある→魔女では?という解釈)
 雪の女王(確か魔女と明言はされていませんでしたが、原作でもしていた冷気吸収や氷結はどうみても魔女ですよね)
この二種類に分かれます、後者は私の解釈であり事実ではないので注意です
魔女と言っても普通の人間と同じく得手不得手があり善の魔女も悪の魔女もいます
作中でも触れていますがシンデレラの魔法使いや雪の女王のように無償で他人の為に魔法を使うのは少数派で、対価と引き換えに魔法を行使するというのが基本的な魔女の姿です
キモオタに協力的なゴーテルも愛娘であるラプンツェルの為に魔法を行使している部分が強く、猛毒の魔女も赤ずきん達に対価を要求しています
それが色濃く出ているのが海底の魔女で、彼女は他の魔女よりも強力な魔法薬を扱えるとても優秀な魔女ですが決して自分に利益の無い魔法を使う事はしません
海底の魔女にとって魔法具・魔法薬は『商品』なので対価さえ受け取ればどんな相手にでも売り渡しますし、それが危険と解っていても作り出します
現実世界の人間から見れば魔女ってどのおとぎ話にも居るよなってなるけど、おとぎ話の世界においては差異はありますが魔女とは貴重な存在であり畏怖すべき存在でもあります
変わり者も多いのでアリスの行動を知っていながら傍観している魔女も多いです
かぐや姫とオズの魔法使い編 次回に続きます

507 :名無しさん@おーぷん :2016/01/04(月)00:47:34 ID:7RG
乙です!
今回も楽しませて頂きました!
明日も楽しみにしています^π^

508 :名無しさん@おーぷん :2016/01/04(月)00:47:40 ID:54r
お疲れ様です

512 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/01/05(火)00:04:19 ID:Ert
帽子屋「私がその気になれば…今ここで二人とも始末する事が出来ちゃうのよぉ?ぶほほほっ!」
帽子屋「もうあまりあなた達だけに時間をかけるのもアレだし、そろそろケリをつけちゃってm」
孫悟空「オラァッ!ベラベラと手の内明かしてどういうつもりだテメェ!!」ビュオンッ
帽子屋「んもぉっ、まだ話してる途中だったのよぉ?さっきもそうだったけど、あんまりガツガツしちゃだm」ヒラッ
ドゴシャアッ!
孫悟空「何を企んでやがるテメェ…!本当に俺を始末するつもりならハナっからそのマッチを使やぁいいはずだ!……何か裏があるな!?」ビュオッ ゴシャッ!!
帽子屋「あら危ないっ!んふふっ、あからさまに腕狙って来たわねぇ?でもこのマッチはまだ私の手の中にあr…きゃあっ!」ズバーッ
玉龍「お師匠様の幻覚?そんなウチ等の事馬鹿にしたような真似、させないッスよ…?」ギロリ
帽子屋「あら…随分とスパイシーな瞳を向けるようになっちゃってぇ!大好きなセンパイのピンチでようやく本気って感じかしらぁ?」ダラダラ
孫悟空「おい!テメェ右腕持っていかれてんだろ!無茶するんじゃねぇ!」
玉龍「断るッス。ウチはまだ先輩と一緒にいたいんス、それにウチはまだ天竺への旅を諦めたわけじゃないんスよ?」
孫悟空「玉龍…!」
帽子屋「んふふっ、随分と悟空ちゃんに入れ込んでるじゃないのぉ。ワイルドなところは認めるけど、そこまでする価値がある男ぉ?んふふっ」
玉龍「愚問ッスね。センパイはいずれ天竺へたどり着いて、神様になる存在ッス。お前のような姑息な商人とはそもそもの格が違うんスよ」
帽子屋「あらあらぁ!神様とは大きく出たわねぇ玉龍ちゃん!今にも私に始末されちゃいそうなのにぃ?」
玉龍「ぐだぐだ言ってないでできるもんならやってみろッス。センパイが苦労してるのにいつまでも見てるだけのウチじゃ無いッスよ!」

513 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/01/05(火)00:06:27 ID:Ert
帽子屋「ならどうするのぉ?右腕は無いけど龍に変化しちゃぅ?やってみなさいな、きっとキモオタちゃん達まで潰しちゃうわよぉ?」
玉龍「本来の姿に戻れなくてもお前を食い止めるくらいできるッスよ。左腕と両足、尻尾だけ龍に戻せば十分ッスよ…中途半端な変化解除は体力使うッスけど、センパイの為ッス。グッと堪えるッスよ」ズズズッ
帽子屋「あらやぁだ、片腕だけならまだしもそこまで龍に戻っちゃうと…皮膚も鱗っぽさ丸出しだし、可愛い女の子なのに台無しよぉ?ぶほほっ、女の子は美肌よねぇやっぱり!」
玉龍「お前に女の子の可愛さなんか語って欲しくないッスね、おっさん」フフッ
帽子屋「言うわねぇ…!玉龍ちゃんにもそんな事言う資格は無いはずよぉ?」バッ
ピョンッ
玉龍「…センパイ、ここはウチに任せて逃げて欲しいッス。マッチの炎さえ見なければ幻覚にはかからない筈ッスから…せめてセンパイとキモオタ達だけでも逃げるッス」
孫悟空「…あぁ?」
玉龍「元々お師匠が逃がしてくれたおかげでウチの命は【西遊記】で散らずに済んだんス、センパイの為に使えるのなら…本望ッス!さぁ、行くッスよ!」
孫悟空「……うるせぇ」ゴンッ
帽子屋「!?」
玉龍「っ!?なんで殴るんスか!?そんな事より早く逃g」
孫悟空「何が『まだセンパイと居たい』だ。気色悪いわテメェ!冗談は格好だけにしとけ変態がァ!」

514 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/01/05(火)00:09:26 ID:Ert
玉龍「こんな時になんでそんなこと言うんスか!?ウチはセンパイを守護者として尊敬してて…」
孫悟空「何が尊敬してるだ、俺ぁんな立派なもんじゃねぇ!だがなぁ…もう仲間を見捨てるなんざ二度としねぇって決めたんだよ!絶対になぁ!」
玉龍「センパイ…!まだ【西遊記】でお師匠様達を置いて来てしまった事気にして…」
孫悟空「おい帽子屋ァ!ウチの連れがごちゃごちゃ言ってたが俺が相手してやらぁ!こいつを見捨てるわけにゃいかねぇんでなぁ!」ババッ
帽子屋「あらあらぁ、結局悟空ちゃんが向かってくるのねぇ!このマッチ奪えるものなら奪ってみなさいなっ!んふふっ!」
孫悟空「さぁて、そんじゃあさっさと片付けちまわねぇとな…弟弟子が尊敬してくれてるってのに、良いところの一つも見せらんねぇのはダセェからなぁ!」ババッ
玉龍「センパイ!そういう事ならせめて加勢はさせて欲しいッス!ウチとしてもセンパイに良いところ見せたいッスからね!」
孫悟空「へっ、下手に気張って!足ぃ引っ張るんじゃねぇぞ!」
帽子屋「んふふっ、美しい弟子同士の絆って奴かしらねっ!でもぉ…私の敵じゃないわよぉ!」
ビュオオォォッ!!  ガキィィンッ!!
ババッ ビュオッ 
キモオタ「悟空殿も玉龍殿も何と言う気迫…!しかしそれをものともしない帽子屋殿の動き…一筋縄でいきそうにないですな…!」
キモオタ「ここは我輩も加勢したいところでござる…しかし……」
ティンカーベル「……」ビクビク
キモオタ「ティンカーベル殿…何故そんなに怯えているのでござるか……?」

515 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/01/05(火)00:13:19 ID:Ert
ティンカーベル「……知ってた。あいつ、あいつら…知ってたよ……!」
キモオタ「知ってたとは……あの帽子屋殿が言っていたティンカーベル殿の弱点とやらの件でござるか…?」
ティンカーベル「…うん、【ピーターパン】の世界に来ていたならもしかしたらアリス達は知ってるかもって思ってたけど…」
ティンカーベル「でも、いままで何度も顔を合わせてきたのに、そんな素振り見せなかったから…知らないんだと思い込んでた……でも、あいつら知ってたんだ…!」ブルブル
キモオタ「落ち着くでござるよ、いつものお主は何処に言ったでござるかwwwティンカーベル殿の弱点をあの者達が知っていたとしても、それを防ぐ事は出来るでござろう?」
ティンカーベル「…無駄だよ。もう、私の命はあいつ等に握られちゃってる!ううん、きっとずっと知ってたんだ…私はあいつ等に生かされてるだけだったんだよ!」
キモオタ「命を握られてるとは大げさ…な訳ではなさそうですな、お主の様子を見ていると…」
ティンカーベル「……」
キモオタ「しかし無駄などと言わずに、その弱点とやらの事話して欲しいでござる。何か力になれるかもしれませんぞ、我輩」
ティンカーベル「……前にさ【ラプンツェル】の世界で話したこと覚えてる?」
キモオタ「【ラプンツェル】の世界で話した事と言うと、確か…」
ティンカーベル「私達【ピーターパン】の妖精がどうやって生まれるか…ラプンツェルと三人でお話してるとき、教えたよね?」

516 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/01/05(火)00:17:07 ID:Ert
キモオタ「そうでしたな、我輩もちろん覚えておりますぞ!」
キモオタ「ティンカーベル殿達【ピーターパン】の妖精は、人間の赤ちゃんが生まれて初めて笑った時に、その笑顔から生まれるのでしたな?」
ティンカーベル「うん、そうだよ。良く覚えてたね、何でもない会話だったのに」
キモオタ「印象に残っておりましたからなwwwしかし何度聞いてもファンタジーですなぁwww」コポォ
ティンカーベル「そうかも、私は赤ちゃんの穢れの無い無垢な心から生まれるの。だからちっちゃな子供には私の事が見えるんだ、まだ信じる心を持ってくれてるからね」
キモオタ「しかし大人はほとんど妖精の姿を見る事が出来ないのでしたな…我輩はレアケースというわけでござるな」
ティンカーベル「うん、どんな子供も成長していつかは大人になるからね。その間にいろんな事を知るんだよ、イジメとかズルとかウソとか、あとはニコニコしてる人が本当は悪い人かもしれないとか…」
ティンカーベル「現実世界だったらあれだよ、仮面ライダーの中には普通のおじさんが入ってるとか、サンタクロースは本当は居ないとか…そういう現実を知って、ちょっとずつ無垢な心は失われていっちゃう」
ティンカーベル「そうするとね、子供のころは見えた私達妖精の事も居ないって思いこんじゃうんだ。ライダーやサンタが作り話だってのと同じで妖精の事も作り話って思っちゃう。そしたらもう、わたしの事は見えない」
キモオタ「しかし、それはあくまで普段ティンカーベル殿の事が見えるか見えないかの話であって、それがティンカーベル殿の弱点となんの関連が…」
ティンカーベル「妖精は無垢な心と一緒に生まれるんだよ?だったら…無垢な心が完全に死んじゃったら、どうなるかわかる?」
キモオタ「……っ!?いやいやいや、ちょっと今変なこと想像してしまいましたぞwwwいくらなんでもwwwそれはwww」
ティンカーベル「……妖精はね、人間が無垢な心を完全に失った時。存在を否定されると姿を維持できなくなっちゃうの」
ティンカーベル「『妖精なんかいない!』…って口にするだけで、そのたった一言だけで私は消えちゃうんだ」

517 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/01/05(火)00:19:35 ID:Ert
キモオタ「なんという…!そんな話、いままでに一度も…!」
ティンカーベル「あっ、違うよ!?キモオタを信じてなかったとかじゃなくて…私もあまり人にいいたい事じゃないから、黙ってたの。ごめんね」
キモオタ「そんな事は気にする事では無いですぞ!しかし言ってくだされば…!もしうっかり我輩がその…口に出してしまうかも知れなかったでござるのに!」
ティンカーベル「いやいや、それはないって信じてたからね。キモオタが私の存在を否定したりしないでしょ?」
キモオタ「まぁ、それは…そうでござるけど…」
ティンカーベル「だから、それを知ってる帽子屋もアリスも…私をいつでも殺せたはずなんだよ、でもそれをしなかっただけ」
キモオタ「普段近くにいすぎる故に忘れがちでござるが、ティンカーベル殿も魔力を持った存在。その為アリス殿も手を出さないとかかもしれませんな…」
ティンカーベル「そうかもしれないね。でも、どっちにしてもさ…私はもう、こうして喋ってる間にも殺されちゃうかもしれないって事だよ…」
キモオタ「ティンカーベル殿…何と言っていいか、我輩何でもしますぞ!言ってくだされ!」
ティンカーベル「……。もーっ、ごめんごめん!暗くしちゃったら駄目だよね!もう落ち込んでもどうにもならないし!」
ティンカーベル「こうなったらさ!私をここまで生かした事を後悔させてやるくらいの気持ちで行こう!うんうん!そーしよそーしよ!」ヘラヘラ
キモオタ「ぶぉっふぉwww確かにそうですなwww目にもの見せてやりますぞwww」コポォ
タッタッタッタッ
ティンカーベル「あっ、ドロシーとかぐや来たよ!まだ帽子屋倒せてないんだから、私達だけサボってちゃ怒られる!急げー!」ピューッ
キモオタ「……ティンカーベル殿」

518 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/01/05(火)00:20:48 ID:Ert
ティンカーベル「かぐやっ!ドロシー!こっちだよ!はやくはやく!」
ドロシー「あっ、よかった…!ティンクちゃんとキモオタさんは無事みたいです、かぐやさん!」
かぐや「そうね、二人の実力は話にしか聞いていなかったから少し不安だったけれど、無事なら一安心ね」
キモオタ「我々は無事でござるが…。いや、それよりも竹取の翁殿は大丈夫でござるか?」
かぐや「ええ、お爺様は屋敷まで送り届けたわ。戻ると言ったら引きとめられてしまってね…心苦しいけれど、振り払って来たの」
キモオタ「翁殿としてはかぐや殿を危険な場に送りだすなどありえんでござろうしな…」
かぐや「それよりも…キモオタ君、今の状況を説明してくれる?悟空と玉龍が戦っている相手は…?」
キモオタ「【不思議の国のアリス】の帽子屋のようでござる。腕をもぐ魔法薬に大息を吐きだす魔法薬、死神の鎌やなにやら傷を癒す魔法具か魔法…さらには幻覚を見せるマッチまで…」
ティンカーベル「帽子屋の奴がね、そのマッチで悟空にお師匠様の幻覚を見せて動けなくしようとしてんの!」
かぐや「…その幻覚を見せるマッチで、経を唱える三蔵様を映し出すつもりね。悟空はまだ旅の途中、緊箍児をはめられたままだもの」
ドロシー「幻覚を見せるマッチ……!」ビクッ
かぐや「ドロシー?マッチがどうかしたの?」
ドロシー「そのマッチは…私が【マッチ売りの少女】でマッチ売りちゃんを騙して手に入れていた魔法具で…その…それをアリスちゃんが帽子屋さんに…!」
かぐや「あなたがその魔法具を調達していた、と言うわけね?」
ドロシー「はい…だから、いま悟空さんや玉龍ちゃんが帽子屋さんと戦っているのはわたしの責任で…!あの、そのっ…!」オドオド

519 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/01/05(火)00:22:37 ID:Ert
ドロシー「えっと、帽子屋さんはアリスちゃんの世界の中でも一番強くて…魔法具の管理をしていたんです、だからマッチや他の魔法具も持ってて、それで…あと、えっと…!」
キモオタ「ちょwww戦いを目の当たりにして焦る気持ちはわかるでござるがドロシー殿www落ち着いてあの者について話してくだされ、何か帽子屋殿打倒の手掛かりになるやも知れませんぞwww」
ドロシー「あの…きっと期待に添えられるような情報は…無いです。ただ、私はその、物凄く…帽子屋さんの事苦手で…」
ドロシー「帽子屋さんは…答えの無いなぞなぞだしてきたり、飲みきってないのにお茶を注いで来たり…その、ちょっと、ちょっとおかしな人で…あと…」
ティンカーベル「なにそれ…見た目以上にキチガイだね…あっ、でもマッドハッターって呼び名もあるんだっけ…そう考えれば当然なのかも」
キモオタ「むむむ…とにかく、ドロシー殿は今、戦う事が出来ないのでござるよね?我々は悟空殿に加勢する故、かぐや殿はドロシー殿を…」
ガキーンッ! ババッ スタッ
帽子屋「…あらぁ!?そこにいるのってもしかして、ううん、もしかしなくてもぉ…かぐやちゃんとドロシーちゃんじゃないのぉ?」ンフフ
ドロシー「ひっ、あ、あの…こんにちは……」ビクッ
帽子屋「んふふっ、以前の凶悪ドロシーちゃんとは随分違う対応ねぇ?前みたいに開口一番『くたばれキチガイオカマ』とか言わないの?ぶほほっ」
ドロシー「すいませんすいません!違うんです、あれは私が言ったんじゃなくて…あっ、私が言ったには違いないんですけど、私じゃない私で…あのっ…!」
かぐや「落ち着きなさいドロシー。彼は全てを知っているはずよ、その上で貴方をおちょくっているのよ。相手にしないの」
ドロシー「あっ…はい、すいません…」
帽子屋「あなたの事も待っていたのよぉ!それにかぐやちゃんもねぇ!」ブホホ

520 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/01/05(火)00:24:57 ID:Ert
孫悟空「だからよぉ…テメェは俺達を舐めてんのかぁ!?戦闘中に余所見だのありえねぇんだよぉ!ぜぇいっ!」
ビュバッ!
玉龍「ウチの友達に手ぇ出したら八つ裂きッスよぉ!」ズバ
帽子屋「んふふっ、二人とも口ばっかりじゃないのぉ〜。私はこの通りピンピンしてるわよぉ!」
玉龍「ぐぬぬ…!折角、ウチが斬りつけてもセンパイが叩きつけてもすぐに立ちあがってくるッス!」
孫悟空「あの野郎…妙な植物を口にしながら戦ってやがる、おそらくあれが傷をいやす魔法具だ…クソッ!キリがねぇ!」
帽子屋「んふふっ、落ち込まなくていいわよぉ?あなた達は良くやったわよ、マッチを擦る間も無いほどの連撃は効いたわぁ〜。でもアタシのが一枚上手だったわねぇ?」
かぐや「二人とも、遅れてごめんなさいね。思ったよりも、あの帽子屋という男は強いようね。悟空が易々と倒せないんですもの」
孫悟空「んな事直球で言うんじゃねぇよ。俺だって結構な衝撃なんだぜ?押される事はねぇがのらりくらりと避けちゃあ回復なんざ小賢しい…!」
かぐや「いいわ、二人とも少し休んでてちょうだい」
スッ
かぐや「…私が彼の相手をするから」スッ
帽子屋「あらぁ!光栄ねぇ、かぐやちゃんは月の民の能力が使えるんですものね!どんなものなのか見ておきたいわぁ〜」
かぐや「うふふっ、あなたが思ってるほど美しいものじゃないと思うわよ?」スッ
玉龍「待つッス!待つッス!かぐやは月の民の能力はなるべく使わないように暮らしたいって言ってたッスよ!?」
孫悟空「玉龍の言うとおりだぜ、テメェはその月の民の能力で戦う事を避けてきた。いまここでその禁を自ら破る必要なんぞねぇだろ」

521 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/01/05(火)00:30:31 ID:Ert
かぐや「悟空と玉龍ちゃんが束になっても倒す事が出来ないのなら、もう私が月の民の力を使うしかないわ」スッ
孫悟空「そう言われちまったら立場がねぇな…悪ぃ」
かぐや「ごめんなさいね、そんなつもりで言ったんじゃないの。二人のおかげでお爺様は逃げる事が出来たのだし、それに…この村を襲った事は許せないのは私も同じなのよ」
帽子屋「んふふっ、あんな立派な屋敷に住んでるくらいなんだからこんな村の連中なんてどうでもいいんじゃないのぉ?かぐやちゃんって優しいのねぇ〜」ンフフッ
かぐや「自分のおとぎ話の世界に住む人たちの幸せを願う事がそんなに特別とは思えないけどね、優しくなんか無いわよ私は」
帽子屋「そうねぇ、優しいっていうよりも甘いって感じかしらぁ?ねぇ、ドロシーちゃん?」
ドロシー「えっ、あのっ…なんで私…」ビクッ
帽子屋「かぐやちゃんの優しさ、あなたは良く知ってるでしょぉ?だって、普通は助けたりしないわよぉ?あんたみたいな悪人をねぇ?」
ドロシー「…うぅっ」
ティンカーベル「そんないい方無いでしょ!私も赤ずきんもドロシーのやってきた事はもう責めない事にしたんだよ!だってドロシーは操られてただけだもんね!」
キモオタ「そうですぞwwwドロシー殿は操られてつられていただけでござる!故にこれからは我々の味方として共にアリス殿打倒を目指すのでござる!」
帽子屋「あぁらあらあら、すっかりキモオタちゃん側ね。アリスちゃんがあなたの事を切り捨てたとはいえ…そうも容易く裏切るとはねぇ〜」
ドロシー「う、裏切りだなんて…!私は、ただ今までやってきた事の償いを…償いたくて!」
帽子屋「償い?ぶほほほっ、笑わせないで欲しいわねぇ〜!かぐやちゃんやティンクちゃん、赤ずきんちゃん達が優しく許してくれたからってあなた勘違いしてなぁい?」
帽子屋「あなたがどれだけ償おうと、優しく接してくれる人が居ようと、善行を積み上げようと真実は変わらないのよぉ!あなたはもう善人にはなれない」
帽子屋「誰がどう思おうがあなたはおとぎ話の世界を消滅していった、悪人なのよぉ?それは今後も決して変わる事の無い事よぉ?」
帽子屋「他人の幸せを奪ったドロシーちゃんが、優しい人たちに囲まれて幸せに暮らすなんて望んじゃ駄目よぉ?無理な話なんだからねぇ〜」ンフフ
帽子屋「一度罪を犯した物は死ぬまで犯罪者、そんな奴に普通の生活なんか訪れないわよぉ?んふふっ」

522 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/01/05(火)00:31:51 ID:Ert
今日はここまでです
かぐや姫とオズの魔法使い編 次回に続きま

523 :名無しさん@おーぷん :2016/01/05(火)00:35:16 ID:upx
乙でございます

526 :名無しさん@おーぷん :2016/01/05(火)14:04:10 ID:itu
乙です!
アリス一味ほんとに腹立つ…
でも、そこまで駆り立てる理由って何なんだろう…。
続き待ってます!