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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
Part105


734 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/09/27(日)23:45:41 ID:ZEZ
バッ
ヘンゼル「まずお千代を狙うと思ったよ、この中で争いに向いていないのは間違いなくお千代だ」バッ
アリス「へぇ、素早い対応だね。キミが相手になるならそれでもボクは構わないよ、キミの魔力を間近で見ておきたい」
ヘンゼル「キミがグレーテルを酷い目に会わせようとした事、忘れてるとでも思ってる?」ゴゴゴ
司書「ヘンゼル!また無茶して自分を傷付けるような魔法の使い方するの駄目だよ、私もグレーテルもそんな事になるのはもう嫌なんだから!」
ヘンゼル「無理な相談だね、あいつの相手をするには多少の無茶が必要そうだよ。それでも…僕が無傷だとしてもグレーテルやお千代が傷ついたら何にもならない」
スッ
キモオタ「ヘンゼル殿wwwその意気は素晴らしいでござるがwwwお主の強力な魔力を小出しにするのは勿体無いですぞwwwここは我輩にお任せあれwww」フリフリフリ
おはなしサイリウム「コード認識完了『赤鬼』 武器モード『金棒』への形状変化を実行」
アリス「その珍妙なダンスにも意味があるなら…魔法具の残光を利用して魔法を使い分けているのかな?」
キモオタ「ドゥフフwww御名答wwwお主が女王陛下式というのならばこちらは鬼の流儀でクロッケーの相手をするとしますぞwww」ズンッ
ルンペン「なんだあのブタの魔法具…!光る棒切れが金棒に変化しやがっただと!?」
アリス「それはさっきキミにシンデレラの素早さを与えた魔法具だね?キミの仲間の特徴を手に入れる魔法具、時にはその形状の変化も駆使するのか…それは赤鬼の力だね?」
キモオタ「質問攻めですなwww情報集めに余念がないのは結構でござるがwww我輩たちを始末するつもりならばその情報収集は無駄になるのではないですかなwww」
バッ
アリス「情報は魔法具以上の力を持つことだってある。それにキミ達をここで始末できても出来なくても収集した情報が無駄になるなんて事は無いよ」ビュオッ
ハリネズミ「フルシュシュー!」バシュッ
キモオタ「そうでござるかwwwならば赤鬼殿の金棒捌きを得たこのキモオタの実力wwwその目に焼き付けると良いですぞwww」ブオン

735 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/09/27(日)23:47:27 ID:ZEZ
キモオタ「罪の無い動物を痛めつけるのは避けたいでござるが、避けては司書殿やヘンゼル殿が大怪我をしてしまう故…勘弁願いたいッ!」ゴンッ
ハリネズミ「シュシュルー」コロコロ
アリス「へぇ、撃ち返したハリネズミは無傷か。金棒のトゲの無い部分にうまく当てるなんて…ただの形状変化じゃないってことだね」
キモオタ「当然でござろうwwwでなければシティ派の我輩がこのような重厚な武器を振り回すなどできませんからなwww」コポォ
アリス「それもそうだね。でもボクのハリネズミは一匹じゃないからね。ボクの攻撃がこれで終わりだなんて思ってないよね?…っと、危ない危ない」バッ
ヒョイ
ティンカーベル「ぐぬぬっ!こっそり近づいたのに見つかった…!」フワフワ
アリス「キモオタがボクの注意を引きつけている間にティンカーベルが紅瓢を狙う。そういう連携はキミ達得意じゃないか、お見通しだよ」クスクス
ティンカーベル「ふんだっ!失敗しちゃったけど次があるもん、キモオタの方も私の方も両方ともずーっと注意して警戒するなんてできないでしょ!」
アリス「それはキミも同じだろう?ほらほら、餌にされてしまうよ?」クスクス
ビュバッ ガシッ
青い鳥「前にも同じような事があったっけ、でも今度は羽をむしらせたりしないからな。クソ妖精」バサバサ
ティンカーベル「…ファミチキ!ずっと黙ってたくせに…!急に出てきたな!離せ離せー!」ジタバタ
青い鳥「もう同じ失敗はしないからね、今度は掴まえたまま叩き殺す!」ビュオッ
ティンカーベル「だから…離せって言ってるでしょバーカ!」バチーン
青い鳥「うぐっ…顔面に小さな鉛玉が…!なんだこいつ、ピストルでも持ってたのか?」ヨロヨロ
ティンカーベル「私はキモオタみたいに優しくないから教えないよバーカ!私はもうジャムを投げるだけの妖精じゃないんだからねっ!」プンス

736 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/09/27(日)23:49:14 ID:ZEZ
キモオタ「ティンカーベル殿!そっち任せて大丈夫でござるか!」
ティンカーベル「平気平気!この戦い終わったらファミチキ食べられると思ってても良いくらいだよっ!でもそっちはお願いー!」ピューッ
アリス「やれやれ、彼は偵察は得意だけど戦いはそうでも無いからな…さっさとフォローしてやらないといけないな」スッ
ヒュオ
アリス「それに引き換えティンカーベルは随分と頼もしい仲間だね、キモオタ」スッ
ビュオッ バチーン
キモオタ「おぶっ」ドシャー
司書「キモオタさん!」
キモオタ「フラミンゴで殴られるなど後にも先にも我輩くらいのもんでござろうこれ…しかし、またあの瞬間移動ですかな!?いつの間に我輩の目の前に…などといってる間にまた消えt」
ヘンゼル「どこを見てるんだ…!アリスはあんたの後ろだ!」
ビュオッ バチーン
キモオタ「うぐっ…我輩がいかにどんくさかろうと流石に目の前のアリス殿が動けば気がつけるはずでござるのに…新手の魔法具でござるかな!?」
司書「キモオタさん、気を付けてください!予想ですけど…アリスさんのその瞬間移動は……!」
アリス「…やっぱり気がついたね」スッ
ヒュオ
司書「……っ!」
ヘンゼル「性懲りもなくお千代を狙いに来たってわけか…!」バッ
アリス「知られても問題は無いけどね、ただ知られずに済むのならその方が良い」スッ

737 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/09/27(日)23:51:21 ID:ZEZ
ラプンツェル「さっせないよーっ!ヘンゼルも司書も逃げて逃げてーっ!」バッ
アリス「ああ、そう言えばキミも居たね」
ラプンツェル「重たい物髪の毛に結んで振り回したら強いよって悟空が教えてくれたからね!それっ!」ビュオッ
シュルルッ
ヘンゼル「なにやってるんだ、柱に髪の毛なんか撒きつけて…あいつ、まさか……!逃げようお千代!ここにいたらあいつの馬鹿な戦略に巻き込まれる!」
ラプンツェル「いっくよーっ!せーのっ!」グイッ
ベキベキッ ミシミシミシッ
アリス「クスクス、やっぱりそうだ。おバカなキミはそういう事を躊躇なく実行に移す。柱をひっこ抜いて投げ飛ばすなんて考えついても普通はやらないよ」クスクス
ラプンツェル「えへへー、私を褒めても柱しかあげないよー?」ブンッ
ドゴシャアアァァァ
キモオタ「ちょ…ラプンツェル殿!そんな事して二階が抜け落ちてきたらどうするつもりですかな!?」
ラプンツェル「あっ、そっか!考えてなかったよー、みんなー?怪我してない?」キョロキョロ
司書「はい、なんとか…でも驚きすぎてちょっと動けそうにないです…」
ティンカーベル「も、もーっ!そういうことするなら先に言ってよね!」プンス

738 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/09/27(日)23:53:35 ID:ZEZ
ヘンゼル「…もう少し考えて動いてよ。あんたのせいでこっちが全滅するじゃないか」ハァ
ザザッ
アリス「フフッ、まったくだね。広範囲に攻撃するっていうのは良かったけどあんな掛け声あげたらバレバレだよ、それにどんな攻撃をしたところでボクはキミの目の前に一瞬で移動する事が出来るって忘れたの?」
キモオタ「ラプンツェル殿!アリス殿は距離を詰めるつもりでござる!気を付けるのですぞ!」
スッ
アリス「遅いよ。キミの髪の毛は長過ぎて、近くにいる相手には逆に効果が薄いだろう?フラミンゴでの一撃、キミに耐えられるかな?」グッ
ラプンツェル「よーしっ!思った通りだねっグレーテル!」ニコッ
クルリッ
アリス「……っ!」
キモオタ「なんですと!?ラプンツェル殿の背中にグレーテル殿が結び付けられてるでござる!いつの間に…!」
ラプンツェル「へへーんっ!避けられちゃって私の近くに来る事なんてグレーテルが予想済みだよ!ヘンゼルっ!ちょーっとお願いっ!」
ヘンゼル「はっ…?ちょっと、なんで僕を髪の毛で縛り上げて…うわっ!」ビュオッ
グレーテル「だからなんで言っちゃうの……でもアリス……捕まえた、もう放さないよ……」ギュッ
アリス「髪の毛でグレーテルを背中に結びつけていたってわけか…でも所詮は魔力も腕力もない子供だ、これくらい振り払えばいい」グッ
ラプンツェル「させないよっ!ヘンゼル!二人が一緒なら魔法、つかえるんだよねっ!」ヒュッ
ヘンゼル「距離を詰めさせて魔法で仕留めるって……グレーテルが一番危険じゃないかこの作戦…!話は後だ、今はそいつに魔法を思い切りぶつけてやろうグレーテル!」
パシッ
グレーテル「お兄ちゃんありがと……熱い熱いかまど、アリスを……燃やしちゃえ……!」ブンッ
ボボッ
アリス「……っ!」ザザッ
メラメラメラメラーッ!!ボボボウッ

739 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/09/27(日)23:56:22 ID:ZEZ
メラメラメラーッ
ヘンゼル「またこんな無茶して、気分は悪くない?平気だよねグレーテル?」
グレーテル「うん……大丈夫、でもうまくいって良かったね……ラプお姉ちゃん……」ニコッ
ラプンツェル「うんっ!アリス見当たらないから、別の場所に瞬間移動したわけでもなさそうだしねっ!」キョロキョロ
キモオタ「ちょ、お主等ー!流石にやり過ぎですぞ!それに我々の目的は紅瓢の栓を抜く事でござるよ、早くアリス殿を炎の中から助けださねば…!」
ラプンツェル「確かにちょっとやりすぎちゃったかも……ママに酷いことしたからってやり過ぎは駄目だよね。助けてから怪我ややけど治してあげないと!じゃあ私の髪の毛でちょちょっと助けちゃおう」スッ
ザッ
司書「……ラプンツェルさん!」
ブスリッ
ラプンツェル「あっ…あれ…?おかしいな…気がつかない間に…お腹に、剣……刺さっ」ドサッ
アリス「助けなんかいらないよラプンツェル。確かにやり過ぎに思えるけどこれで貸し借りは無しにしてあげよう」ジャキッ
司書「アリスさんが持っている剣…北斗七星の意匠…七星剣!早くラプンツェルさんの所へ急ぎましょう!キモオタさん!」
キモオタ「もちろんですぞ!ラプンツェル殿…!恐れていた事が起きてしまったでござる…!」
ティンカーベル「ラプンツェル…!ちょ、私に構わないでよファミチキ!ラプンツェルの所行くんだから!!」バッ
グレーテル「……ラプお姉ちゃん……!」
ヘンゼル「なんで平気なんだ…これほどの炎に焼かれたっていうのに!」バッ
アリス「簡単な事だよヘンゼル。ボクは炎熱を無効化する魔法具を持っている、それだけの話さ」

740 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/09/27(日)23:59:14 ID:ZEZ
ヘンゼル「炎熱を無効化する魔法具…!」
アリス「それくらい予想しないとどんな奇策を練っても奇襲を仕掛けてもかわされてしまうよ?さて、そこをどいてもらおうかグレーテル。ラプンツェルにとどめを刺したい」
グレーテル「……駄目、ラプお姉ちゃんは優しい大人……」ギュッ
アリス「大人に優しいも何もないよグレーテル、どかないのならキミもそのラプお姉ちゃんと一緒に逝くと良い」
バッ
ヘンゼル「僕は言ったよ、妹に手を出すとただじゃすまないって」ゴゴゴゴゴ
アリス「今更そんなただの魔力を打ち出して、ボクに当てる事が出来ると思う?…と、さらに邪魔が入りそうだね、そのシンデレラの機敏さが身に付く魔法具は厄介だな」
シュバッ
キモオタ「ヘンゼル殿、グレーテル殿!我輩の後ろに、アリスは我輩に任せるですぞ!司書殿はラプンツェル殿を頼むでござる」ググッ
アリス「またその『赤鬼』か、金棒相手にボクがまともに戦うと思ってるの?キミが金棒を持つのなら、ボクは遠距離の攻撃を仕掛ける。逆も然りだ」
キモオタ「……ドゥフwww」
アリス「何がおかしい?仲間が刺されておかしくなったかな?」
キモオタ「いやはや、ラプンツェル殿に傷を負わせたのは我輩が至らぬせいでござるが…ラプンツェル殿もなかなかに強い精神力を持っていると思いましてな、流石はおとぎ話の主人公でござるよ」
アリス「まさか…っ!」バッ
カランッ
アリス「紅瓢の栓が抜かれている…!こいつ…動けないと思っていたのに、髪の毛を紅瓢に伸ばしていたなんて……っ」
ラプンツェル「えへへ……これで悟空……紅瓢から逃げられるんだよね……」ニコッ

741 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/09/28(月)00:02:32 ID:YOx
ラプンツェル「ごめんね、キモオタ……桃太郎の所……連れて行って欲しいな、あとママには心配かけちゃうから内緒にして……ね……?」
キモオタ「もちろんですぞ!さぁ、急いで桃太郎殿の所へ…いや、これは桃太郎殿を及びたてした方がいいですな。司書殿、ラプンツェル殿を安全な場所へ…!」ダダッ
司書「キモオタさん、ラプンツェルさんは酷い怪我です…これはむやみに動かさない方がいいですよ!」
アリス「まったく、参ったな…【ラプンツェル】の世界で無理にでも捕えておくべきだったかな。いいや、ラプンツェルはおバカだから戦力にならないなんて身誤ったボクのミスだね」ハァ
ブーン
蜂「…アリス、俺はテメェを褒めてやるべきなのかもしれねぇな」
ボウンッ
孫悟空「テメェ程の奴が俺が紅瓢から脱出したのに気がつかねぇ訳ねぇ、だってのに逃げずに堂々としてるってのは中々胆が据わってるじゃねぇか」スタッ
ガシッ
アリス「あまり強く掴まないでほしいな…紅瓢の栓を抜かれた時点で、ボクの負けだ。今回はしてやられたから、労いくらいはしてやろうと思ってね」
孫悟空「そうかい、だがテメェには聞きたい事が出来ちまった…炎熱を防ぐ魔法具をどの世界から持ち出したか、とかなぁ!」シュッ
アリス「そんな事が気になるのかい?」クスクス
孫悟空「ふん縛ってからよくよく聞かせて貰うとするぜ。さぁ、観念しやがれ!捕まえちまったら瞬間移動なんざ関係ねぇからなぁ!」
アリス「フフッ、どうかな?今回は酷い醜態をさらしてしまったけど…得たものもあった、それを次に生かさないといけない」スッ
孫悟空「ああ?俺がしっかりと捕まえてんだぞ?まだ逃げられるとでも思ってんのかテメェ」
アリス「もちろん。言っただろ、ボクが逃げてないのはキミ達を労うためだって」

742 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/09/28(月)00:06:13 ID:YOx
アリス「キミ達はボク相手に良く戦ったよ。まさか悟空を本当に助けだすとは思わなかった」
孫悟空「なん……だとっ!?」バッ
ヘンゼル「悟空がしっかり掴んでいたはずなのに…!また何か魔法具を使ったのか…!」
グレーテル「……わかんない……でも、無理矢理逃げたのは間違いないよ……洋服破けちゃってる……」
孫悟空「何をしたんだテメェ!流石に掴んでるテメェが逃げた事に俺が気がつかないわけねぇ!」
孫悟空「だってぇのにお前が俺の手の中から逃げだした事にまったく気がつかなかった!そんなことがあってたまるか!」
アリス「フフッ、まぁこれは今回善戦した君たちへのご褒美として教えてあげよう」
スッ
ガシッ
ルンペン「ぐお…っ!は、離しやがれテメェ!」
アリス「とは言ってもそこの司書はもう気が付いているみたいだから、彼女に聞いてもらおうかな」クスクス
孫悟空「待ちやがれ!テメェ、ちょこまかとしやがって…いい加減に観念しやがれ!」
スッ
アリス「いやいや、もう帰るよ。少し手の内をさらし過ぎてしまった。だけどその前に……」
スッ

743 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/09/28(月)00:09:23 ID:YOx
アリス「ヘンゼル、キミに一言だけ」フフッ
ヘンゼル「何…?僕はあんたと話す事なんて…」
アリス「そう言わずに、聞いてもらうよ」
ソッ
アリス「……だ。……だから、ボクは……」ヒソヒソ
ヘンゼル「……っ!」
アリス「フフッ、それじゃあ。また会おうね、ヘンゼル」クスクス
ヘンゼル「……」ギュッ
グレーテル「……お兄ちゃん……?」
ダッ
孫悟空「うおおぉっ!喰らいやがれぇ!」ビュオッ
アリス「数を重ねれば当たるなんて物でもないだろう、キミも懲りないよね」
スッ

744 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/09/28(月)00:12:47 ID:YOx
アリス「さて、キモオタもティンカーベル……キミ達がここまでするとは思わなかったから正直驚いているけど、聞いてもらうよ?青い鳥、彼女を解放してやれ。もうそろそろ帰ろう」
青い鳥「……」ペイッ
ティンカーベル「ぐぬぬ、なんのつもりなのさ!」
キモオタ「……アリス殿」
スッ
アリス「キミ達の成長はしっかりと見させてもらった。僕達の目的の脅威になるかもしれないと言う事も認める、けれどそれはキミ達を戦争の相手だと認めたという事だ」
アリス「ひとたび戦争が起きれば、傷付くのは戦っている者だけじゃない。キミ達はボクに脅威になると認められた事によって…」
アリス「手放すの無い物まで失う事になってしまう。形があるものも、無いものもね」
キモオタ「それは一体どういう事でござるか!?」
アリス「フフッ、手段を選ばないと言う事さ。戦争は綺麗事じゃあ覆えないから」
ティンカーベル「なにわけわかんないこといってるのさ!」
孫悟空「勝手なことばっかりいいやがって!待ちやがれテメェ!」バッ
スッ
アリス「フフッ、待たないよ。次に会えるのが少し楽しみだよ、また会おう。キモオタ、ティンカーベル」クスクス

747 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/09/28(月)00:36:43 ID:YOx
今日はここまでです
ヘンゼルとグレーテル。キジも鳴かずば編 次回に続きます

749 :名無しさん@おーぷん :2015/09/28(月)00:45:09 ID:QoK
>>1さん乙です!
アリスも去ったからそろそろ七冊目が終わりそうな感じがして寂しくなります…
次回の元気なラプちゃんに期待して、更新を楽しみに待ってます!!

750 :名無しさん@おーぷん :2015/09/28(月)00:49:44 ID:mcz
乙です!
ラプンツェルが心配です…。
続き待ってます!

774 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/04(日)00:03:07 ID:CBX
フッ
キモオタ「アリス殿…何やら意味深な言葉を残して消えてしまいましたな…」
ティンカーベル「どうする!?ルンペンなんとかを連れて帰るって事は【不思議の国のアリス】に移動したはずだよ!今だったら追いつけると思う!追いかけてやっつけようよ!」
キモオタ「いやいや、やめておくでござるよ。確かにアリス殿はその世界に居るでござろうけど、完全に向こうのホームでござるよ。まともな準備も無しに乗り込むのは危険ですぞ」
ティンカーベル「でも言ってたじゃん!私達の事を脅威として認めるって!それって今逃げたのは達に負けちゃいそうだったからってことでしょ?」
キモオタ「例えそうだとしても、万全な状態で挑んでも勝てるかどうかわからない相手でござる。下手に追撃しようとして返り討ちなんて笑えんでござるよ?」
ティンカーベル「むぅ…そっか、そうだよね、ラプンツェルの事も心配だし…」
キモオタ「焦りは禁物でござる。おはなしウォッチで桃太郎殿に来てもらってるでござるからラプンツェル殿は心配いらないでござるよ。どうやら司書殿やヘンゼルグレーテル兄妹も見てくれているようでござるし」チラッ
ティンカーベル「みんなが見てくれてるなら安心だね!でもアリスの事はなんとかやっつけたかったね。会うたびに新しい魔法具使ってくるから嫌になるよ…なんかさ、あっちばっかり強くなってる感じー」
キモオタ「向こうも力を付けているのは仕方ないでござる、それ以上に我々が強くなればいいだけでござるよ。まぁ気持ちを切り替えて次の機会に掛けるでござるwww」コポォ
孫悟空「畜生…ッ!すまねぇ、折角紅瓢から出られたってぇのにアリスを取り逃がすなんざ不甲斐ねぇ…!」バンッ
ティンカーベル「まー仕方ないよ、悟空は悪くないって。あのズルイ瞬間移動をどーやってるかわかんないとどうにもなんないかも」
キモオタ「悟空殿ですら目で追えない瞬間移動でござるからな…そう言えばアリス殿は言っておりましたな、司書殿がその秘密の答えを掴んだようだと」

775 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/04(日)00:04:36 ID:CBX
孫悟空「そういやそんな事言ってたな、後で司書に聞いてみるとするか。あの瞬間移動は相当に厄介だが、カラクリさえ暴けりゃあなんとでもなるからよぉ」
ティンカーベル「そうそう!強気で行こうよ!どうやってるか解ればあんな奴……あれ?誰かいるよ…!」
ザッ
中華娘?「あーっ!悟空センパイ…!やーっと見つけたッスよ!」ニッコォ
キモオタ「ちょwwwこんなところにチャイナガールがwww悟空殿の事を知っているという事はあの者もしやwww」コポォ
孫悟空「おっ、玉龍!もしかしてテメェもこの廃墟に捕えられていたってのか?」
タッタッタッ
玉龍「そうなんスよ!あのチビのおっさんにおかしな魔法掛けられて…ずーっとこの地下の部屋に閉じ込められていたッス!でも突然魔法が解けて部屋から出られたって訳ッス!」ギューッ
孫悟空「どさくさに紛れて抱きつくな!まっ、なんにせよ無事でよかったけどよ。おう、オメェ等に紹介しねぇとな!こいつは俺と一緒にお師匠の旅の供をしていた奴でな、玉龍って名の…」
玉龍「自己紹介なんてどーだっていいッス!それよりウチずーっと狭い部屋に一人で寂しかったッス…」
玉龍「だから今夜は一晩中慰めて欲しいッスよ、セ・ン・パ・イ♪」チュッ
孫悟空「なに服はだけさせてんだ!お師匠が居ねぇからって好き放題しやがって…たまには大人しくしてやがれっ!」
ゴンッ
玉龍「痛っ…!なにするッスか!愛情表現なら拳よりも抱擁や口づけにして欲しいッス!まぁ玉龍ちゃん的には痛みを伴う愛情表現も…全然アリなんスけどね?」スリスリ
孫悟空「ナシに決まってんだろ黙ってろお前!…あぁ、すまねぇこいつは玉龍、こんなナリだがこれでも竜王の血を継ぐ龍の子だ。どんな奴かってのは今のやり取りで察しただろうが、要は変態で馬鹿だ」
玉龍「ちょ、センパーイ!直球すぎるッスよー!」タハー

776 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/04(日)00:05:37 ID:CBX
ティンカーベル「へえーっ、龍だって!かっこいいね!あっ、私はティンカーベルっていうんだ、ティンクって呼んでね玉龍ちゃん!」ニコニコ
玉龍「了解ッス!いやー、妖精って初めて見たッスよー!妖怪は見慣れてるんスけどね、やっぱり妖精は可愛いッス。センパイ、玉龍ちゃんとティンクちゃんどっちが可愛いッスか?」チラッ
孫悟空「ああ、はいはい、わかったわかった。テメェの方が可愛らしいって事にしてやるよ玉龍」ハイハイ
玉龍「んもーっ!玉龍、愛してる。だなんて…!人前で恥ずかしいセンパイっすねー」テレテレ
孫悟空「うるせぇよ、そこまで言ってねぇ。……おい、ティンカーベル。気を悪くしねぇでくれ、こう言っておかねぇと怒りに身を任せた龍が大暴れするんでな」ヒソヒソ
ティンカーベル「あはは、それは大事件だねー。私は別に気にしないけどー」ヘラヘラ
キモオタ「ドゥフフwwwなかなかユニークな娘さんに懐かれているようですな、悟空殿はwww」コポォ
バッ
玉龍「!? 気がつかなかったッス…!猪八戒が何故この世界に居るッスか!?」バッ
キモオタ「ちょwwwまた猪八戒殿ネタwwwそのくだりもう二回やったでござるからwwwもう十分でござr」
シュバッ ジャキッ
キモオタ「ブヒィッ!?ぎょ、玉龍殿の爪が突然鋭くなっt」
玉龍「しらじらしいッスね、龍なんだから爪が鋭いのは当たり前ッス」スルッ
ティンカーベル「キモオタ!下手に動いちゃダメだよ、玉龍ちゃんの爪でスッパリいったら首が取れちゃう!」
キモオタ「ちょ、ちょ…っ!我輩、今日は命を狙われ過ぎですぞぉ!」

777 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/04(日)00:07:38 ID:CBX
玉龍「ハハーン、読めたッスよ。お師匠様と沙悟浄をほったらかして自分だけ逃げてきたッスね?相変わらずとんだ豚野郎ッス」ギリッ
キモオタ「だ、だから我輩は猪八戒殿とは別人でござると言うのに…」
玉龍「言い逃れは見苦しいッスよ。さぁ白状するッス、ただし返答の内容次第じゃ玉龍ちゃんの爪がお前を煮て良し焼いて良しのぶつ切り豚肉に変えてしまうッスよ?」ジャキッ
キモオタ「ご、悟空殿ォ!なんとか言ってやっていただきたい!というかなんで黙ってるのでござるかwww」
孫悟空「あぁ、テメェならあの魔法具で何とかなるんじゃねぇかと思ってな。すげぇ魔法具だからなありゃあ、どんな事が出来るのか見てみてぇ気持ちもある」
キモオタ「魔法具見たさに我輩をいけにえに捧げるのはやめていただきたいwww普通に助けてwww」コポォ
孫悟空「仕方ねぇな…おう、玉龍。そいつは猪八戒じゃねぇんだとさ、現実世界のキモオタっていう男だ。見た目もだが中身も猪八戒ぐらい無害な奴だから放してやれ」
玉龍「本当ッスか…?センパイが言うなら放してやるッスけど……こんな豚が世界に二体も居るなんて信じられないッス」バッ
キモオタ「二体www単位に悪意を感じますぞwww」コポォ
ティンカーベル「私はそれよりも猪八戒がどんな人なのか気になる!何回も間違えられるとか逆に興味が出てきたよー」ヘラヘラ
キモオタ「笑いごとじゃないでござるよwwwさて、やるべき事もつもる話も山ほどあるでござるが…まずはラプンツェル殿の様態が気になりますな、そろそろ治癒も完了したころでござろう」
グレーテル「……キモオタお兄ちゃん」スッ
キモオタ「グレーテル殿。確かラプンツェル殿についていてくださったのでは…どうかしましたかな?www」
グレーテル「桃太郎さんが……呼んでる……ラプお姉ちゃんの治療、とりあえず出来る事はした……でも、おかしなことがあるって……すぐ来て」
ティンカーベル「おかしなことがある…?なんだか歯切れが悪い言い方だね、失敗しちゃったのかな?」
キモオタ「そんなことはないでござろう。しかし気になりますな、とにかくラプンツェル殿の元へ行きますぞ」
タッタッタ ドスドスドス

778 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/04(日)00:10:08 ID:CBX
キモオタ「桃太郎殿ー!急に呼び出したうえ治癒まで頼んで申し訳なかったでござるー!」ドスドス
桃太郎「来たかキモオタよ。いかなる時であろうと、友の危機とあらば馳せ参じるが日ノ本の侍…故に気にする事など無い」スッ
ティンカーベル「それよりさ、グレーテルに聞いたよ?なんだかおかしなことがあるってどういう事?もしかして治癒に失敗しちゃったの?うっかり?」
桃太郎「うっかりってお前……否、拙者は日ノ本一の侍、その様な失態は犯さぬ。はずだったのだがな……どういうわけか拙者の能力ではラプンツェルの傷を完全に治す事ができぬのだ。このような事は初めて故、拙者自身困惑している」
ラプンツェル「もーっ、桃太郎はあれだなー。かんぺきしゅぎしゃ?だよー、これだけ治ったらバッチリだってばー」ニコニコ
ティンカーベル「あれー?ラプンツェル元気そうじゃん!洋服血まみれだけど、傷は塞がってる感じだし…全然失敗じゃ無いじゃん!」
ラプンツェル「桃太郎の治癒能力って凄いんだねっ!手をかざしただけなのにしゅわわーって傷が塞がっていって、痛いのが無くなっていったよ!」ニコニコ
キモオタ「それは何よりwwwって桃太郎殿話が違いますぞwwwラプンツェル殿普段通りではござらんかwww」コポォ
桃太郎「しかしだな…ラプンツェルよ、刺された場所に痛みは無いと言ったな?」
ラプンツェル「うん、バッチリだよ!あっ、でも洋服が血でぺとぺとするから着替えたいなー」
桃太郎「…暫く辛抱せよ。刺された場所以外に身体に違和感があると言っていたが…その違和感とやらはまだ感じるか?」
ラプンツェル「あー、うん、なんかねー…こう身体がだるーい感じっていうかちょーっともやっとするかなぁ?痛いって言うのとは違うけどちょっと気持ち悪い感じ…我慢できなくは無いんだけどー」
キモオタ「なんだかふわふわしておりますなwwwしかし、その違和感とやらも身体の不調には変わりないのでござるから桃太郎殿に治してもらえばいいのではwww」
ラプンツェル「それ、さっき桃太郎にお願いしたよ?傷は治ったけど、なんだかもやっとするから治してーってね」
桃太郎「うむ、しかし…何度治癒を行おうとも症状が改善しないのだ」
ティンカーベル「身体に感じる違和感なのに、何故か桃太郎でも治せないってこと?」