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ディオ「君はジョナサン・ジョースターだね?」

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Part1
1 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 05:33:03.08 ID:VMTKpo2M0
ダリオ『ディオッ! おれが死んだらジョースター家に行けッ』
ダリオ『おまえは、頭がいいッ! 誰にも負けねえ一番の金持ちになれよッ』クワッ
ディオ(醜く、ズル賢こく、あげく母に苦労をかけさせて死なせた最低の父親だった)
ディオ(一番の金持ちになれだって?)
ディオ(ふさけるな! ぼくが求めているものはそんなものではない!)
ディオ(あなたの『遺産』は受け取ろう)
ディオ(だが、思いどおりには決してならない……)
ディオ(どんな未来が待ち受けていようと、ぼくは気高く生きてやる!)
ディオ(ジョースターの家に迷惑をかけないよう、誰よりも立派な紳士になるッ!)
ディオ「さようなら、父さん…………」
ゴオォーーーッ

2 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 05:42:23.06 ID:VMTKpo2M0
少年A「イエーー!」グルグル グル
エリナ「かえしてッ! かえしてッ! お人形の手がとれちゃうゥ!!」
少年A「おい、エリナ! このまま人形の服を脱がせてやるぜッ!」
少年B「あそこが本物と同じかどうか見てやるッ!」
ジョナサン「やめろォ!」
少年A「あン?」
ジョナサン「人形をかえしてやるんだッ!」ダァッ
少年B「なんだ!?」
ドガァァーーン
少年A「この野郎ッ、女の子の前だからってカッコつけやがって……やっつけてやるッ」
ガシィィィン
ジョナサン「ギャッ」

3 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 05:53:56.11 ID:VMTKpo2M0
少年B「なんでェ~~、こいつてんで弱いぞッ!」
少年A「ギャハハハハ、助けに入って逆にやれてやがる! おいッ、こいつ誰か知ってるか?」
少年B「知らないね! まさかジョースター家の一人息子じゃあねえだろーな!!」
ジョナサン「うう…」スッ
少年A「あっ……そのハンカチはッ」
少年B「こいつッ、やっぱりジョースター家の一人息子だッ!」
少年A「この野郎お高くとまるんじゃあねェーぜ!」ドガボガ バッ
少年B「思い知れ!」ガス ガスッ
ジョナサン「うっ…くッ」
少年B「金持ちはてめーの敷地内で遊びやがれ!」
少年A「行こーぜ!」
エリナ「あ、あの……」
ジョナサン「ほっといてくれ……ぼくは君に感謝されたくって向かっていったんじゃあないんだッ」

4 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 06:03:10.14 ID:VMTKpo2M0
ジョナサン「ぼくが紳士だから助けたんだ……君が女の子で困っていたから助けたんだ……」
ジョナサン「例え負けるとわかっていても、紳士は戦わなくてはならない時があるから助けたんだ」ザッ
ジョナサン「あいつら……思いっきり殴りやがって…………」ボソッ
エリナ「……」
エリナ「……」
エリナ「……」ハッ
エリナ「このハンカチ…………ジョナサン・ジョースター」
少年A「……」コソ
少年B「……」コソコソ
ジョナサン「おい」

5 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 06:12:52.51 ID:VMTKpo2M0
少年A「へへ、やったなジョジョ! もうエリナはきみにゾッコンだッ!」
少年B「これで賭けはジョジョの勝ちだぜェ」
ジョナサン「それは結構だがおまえたち、少し強くなぐりすぎだ……見ろ、血がでてる」
少年A「す、すまないジョジョ……だけど、へたに加減して演技だってバレちゃ困るだろ?」エヘ エヘ
ジョナサン「わかってるさ……だから」
ドッガァァーーン
グシャァッ
少年A「うえぇぇ」
少年B「げえぇ」
ジョナサン「一発ずつでゆるしてやる」
ジョナサン(しかしエリナ……なかなか可愛い娘だったな)
ジョナサン(バカどもから金をまき上げたらそのまま捨てようと思ったが、ちともったい無いか)


6 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 06:22:10.33 ID:VMTKpo2M0
ジョナサン「決めたぞ」
ジョナサン「エリナ・ペンドルトンはこのジョジョがいただく」バーーン
少年A「な、なんだって~~~ッ」
少年B「本気なのかいジョジョ!?」
ジョナサン「もちろん本気さ」
少年A「みんなから『なにマジになってんだよゥ』ってからかわれちまうぜッ!」
ジョナサン「好きに言わせておけばいいさ」
ジョナサン「大体“誰が一番に落とせるか”なんてゲームは相手が不細工面か……」
ジョナサン「ちょっかいだしたくなる程の美人じゃないとやろうと思わない……そしてエリナは不細工ではない」
ジョナサン「他のヤツらだって照れ隠ししているだけであわよくば……なんて思っているはずだぜ」
ジョナサン「だからこそぼくが最短でうばい取るッ!!」
少年A「さすがジョジョ! おれたちが言えなかった事を平然と言ってのけるッ」
少年B「そこにシビれる! あこがれるゥ!」

7 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 06:32:14.36 ID:VMTKpo2M0
ジョナサン「すでに種はまかれている……あとは収穫できる時をまつだけでいい」
少年A「お、おいジョジョ、どこへ行くんだいッ」
ジョナサン「家に帰るんだよ」
ジョナサン「今日は新しい『家族』が来るからね、そろそろ戻らないといけないのさ」
少年B「またなーー、ジョジョーッ」
ジョナサン「……」
ジョナサン(『家族』……か)
ジョナサン(父さんは命の恩人の息子だと言っていたが、冗談じゃない)
ジョナサン(ジョースターの家はぼくのものだッ! その恩人の息子とやらは徹底的に叩き潰してやる)
ジョナサン「うん?」
オクッテイタダキアリガトウゴザイマシタ
コレハコレハ、ゴテイネイニ…
ジョナサン「そうか、あいつが……そこの君」
ディオ「あッ」ハッ
ディオ「君はジョナサン・ジョースターだね?」
ジョナサン「そういう君はディオ・ブランドー」

8 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 06:43:10.64 ID:VMTKpo2M0
ジョナサン「みんなからはジョジョって呼ばれている、君もそう呼んでくれてかまわない」
ディオ「ではジョジョ、これからよろしく」スッ
ジョナサン「……」
ディオ「?」
ジョナサン「ああ、こちらこそよろしく……それと」ピィーーーー
ダニー「ワンワン、ワン、ハッハッ、ハッハッハッ」
ジョナサン「飼い犬のダニーだ、仲良くしてやってくれ」
ディオ「すまないジョジョ……ぼくは犬が苦手なんだ…………その、あまり近寄らせないでくれないか」
ジョナサン「それはいけないッ、君はこれからこのダニーとも一緒に暮らすんだぜ?」
ディオ「うぅ、そう言われても」
ジョナサン「だいじょうぶ、利巧な犬さ。 自分から歩み寄ればすぐ仲よしになれる……さ」
ディオ「君がそこまで言うなら……ダニーこれからよろしくな」
ジョナサン「ダニー」ニヤッ
ダニー「バゥッ」ガブッ
ディオ「う、うおあぁぁぁぁぁぁっ! 何をするだァーッ! 止めさせてくれッ」
ジョナサン(こいつがクソのようなブランドー家のひとり息子、ディオか!)
ジョナサン(精神的にとことん追いつめ、しっかりと上下関係というやつを仕込んでやる!)

9 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 06:52:23.82 ID:VMTKpo2M0
ジョージ「ようこそディオくん! 君は今からわたしたちの家族だ」
ジョージ「わたしの息子ジョジョと同じように生活してくれたまえ」
ディオ「…ジョースター卿、御好意大変感謝いたします」ペコリ
ジョージ「ジョジョも母親を亡くしている……それに同い年だ、仲良くしてやってくれたまえ」
ジョージ「それとディオくん、改めてダニーの事はすまなかったね」
ディオ「いえ…………アマガミをぼくが必要以上に怖がり、暴れてしまったせいだと思いますので」
ジョージ「手当済みとはいえ、荷物を持つには大変だろう……ジョジョ代わりに運んであげなさい」
ジョナサン「はい、父さん」
ジョージ「来たまえディオくん、君の部屋に案内しよう!」
ディオ「すまないがジョジョ、よろしくたのむよ」
ジョナサン「待てよ」ガシィッ
ディオ「うあぁ! ……う……う!!」ギリギリ
ジョナサン「何してんだ? 自分のカバンは自分で持って行けよ」
ディオ「え!?」
ジョナサン「この、こぎたないカバンを自分で持って行け! と言ったんだ、マヌケがッ!!」

10 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 07:02:33.72 ID:VMTKpo2M0
ディオ「さっき君は持って行ってくれるって…………」
ジョナサン「ケガは自分のせいだと君が自分で言ったんだ!」グイ
ジョナサン「だったら、荷物を人に押し付けてるんじゃあないぜ!」クル!
ズンッ
ディオ「くげッ! …………ぐぐぐ」
ジョナサン「いいか! ディオ、最初に言っておく!」
ジョナサン「これから君はこの家に住むと事になったからといって、ぼくと対等だと思うなよな」
ジョナサン「君はあくまでジョースター家に転がり込んできた牛のクソだ!」
ジョナサン「ぼくの前でイバらせはしないッ!」
ディオ「そんな…ぼくはただ仲よくしたいだけで」
ジョナサン「もうひとつ! ぼくはグズが嫌いだ!」
ジョナサン「日々安穏と生きているだけの人間には虫酸が走るのだ!」
ジョナサン「この家で暮らしていくつもりなら、しっかりと品格を身につけろよな」バッ
ジョージ「ふたりとも何をしておるのだ? 早く来なさい」
ジョナサン「ハイ、父さん……ディオがカバンを自分で運ぶときかなくて」トントントン
ディオ「…………」
ディオの新生活は期待とは裏腹に、厳しいものとなっていった

11 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 07:12:17.19 ID:VMTKpo2M0
ジョージ「またまちがいだぞ、ディオ……6度目、同じ基本的なまちがいなのに6回も、だ」
ディオ「う、うぅ、すみません」
ジョナサン「仕方がないよ父さん、今やっている勉強は彼が独学で学んだものよりずっと難しいんだ」
ディオ「…ジョジョ」パァ
ジョナサン「しかし何度もミスをってのは問題だ…ディオは少し緊張感をもった方がいいかもしれないね」
ジョナサン「一度まちがう度にムチでぶっていくーーーと、いうのはどうかな?」
ディオ「ジョジョ!?」
ジョージ「ジョジョ、いくらなんでもそれは……」
ジョナサン「もちろんぼくもぶってくれてかまわない……いや、ぼくはディオの10倍ぶってくれ」
ディオ「ジョジョ……きみは……!」
ジョージ「ジョジョ、ディオのためにそれ程までッ」
ジョージ「わたしも心を鬼にし、ジョジョの『覚悟』に答えよう! ディオ、まずは1回だ」バチン
ディオ「ギャッ!!」
ジョナサン「……」ニヤリ

12 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 07:22:09.44 ID:VMTKpo2M0
ディオ「ムシャムシャ、ムシャ、パクバク、ズルベチャ、」
ディオ「あ!」ガシャ!
ジョージ「ディオ、もう少しおちついて食べなさい」
ディオ「す、すみませんジョースター卿……ゆっくり食べるということになれていなくて……」
ジョージ「はっはっは、誰もとったりはせんよ」
ジョナサン「御馳走様」ガタッ
ディオ「!」
ジョージ「ジョジョ、まだ残っているがもういいのか?」
ジョナサン「父さんには悪いけど今のディオとは一緒に食事をとれそうにないからね……このまま失礼するよ」
ディオ「ジョジョ……」
ジョージ「ジョジョは人一倍作法を重視しているからな……」
ディオ「ぼく……明日からはもっと気をつけて食事をとります」
ジョージ「そうしてくれると助かる……なに、それほど難しいことではないさ」
ジョナサン「フフフ」

13 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 07:32:13.94 ID:VMTKpo2M0
ジョージ「またまちがいだぞッ、ディオ!」バチン
ディオ「ウグッ!」
   ・
   ・
   ・
ディオ「ハァ……ハァ……」チラ
ジョナサン「……」ジー
ディオ「……うう」カチャ  カチャ
ジョナサン(フフフ、ディオのやつかなりまいっているな)
ジョナサン(勉強で心身ともに疲弊し、食事の時でさえくつろぐ事を許されない……)
ジョナサン(やつは今、日常をぼくという『恐怖』に支配されている)
ジョナサン(『詰み』まではあと少しといったところか)
ディオ「あッ」ガシャ!
ジョナサン「フン! マヌケが」

14 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 07:42:09.98 ID:VMTKpo2M0
レフェリー「つづいての試合は、みなさんお待たせしました……チャンピョン、ジョナサン・ジョースターッ!!」
レフェリー「彼はその卓越した技巧にくわえ、最近体格もたくましくなってまいりました!」
レフェリー「そして挑戦者……」
ジョナサン「レフェリー、実は紹介したいヤツがいるんだ」ボソボソ
レフェリー「え? うんうん、なるほど」
ワーー      ピーーー
    オイ、ナニヤッテンダッ!   ピーーー
ハヤクリングヘハイレ!   ワーーー
ディオ「?」
レフェリー「みなさん! みなさん! お静かにッ!」
レフェリー「ここにいるチャンピョンから今、新しい友人を招待したいとの申し入れがありましたッ!」
レフェリー「我われはその友人の顔と名前は知っていますが、どんな性格なのかあまり知りません!」
レフェリー「新しい友人を知るのためにも参加してもらうのもいいと思うのですが、いかがでしょうか!」
ワーー   ワーーー
イッタイダレナンダヨォ!
   ワーーー
レフェリー「ディオ・ブランドーくんです!」バーーン
ディオ「な、なんだってーーッ!!」

15 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 07:53:22.02 ID:VMTKpo2M0
イイゾ、ヤラセロッ!   ワーーー
  ワーーー   ドンナヤツナンダ?
   OK!ミトメテヤルゼ!    ワーーー
ディオ「ジョジョ! いったいどういうつもりなんだ!」
ジョナサン「どういうつもりもなにもそのまんまさ……まさか逃げたりはしないよな?」
ディオ「……」ゴクリ
レフェリー「みんなの了解を得た所でブランドーくん、我われのボクシングはガキの遊びじゃあない!」
レフェリー「自分自身にカネを賭けてもらうがいいね?」
ディオ「金を賭けるだって?」
ジョナサン「もちろんかまわないよな、ディオ」チャリチャリチャリーーン
レフェリー「こ………こんなに!」
ディオ「あ、あれは! ジョースター卿からいただいた一か月分のお小遣い全部だ!」
レフェリー「ブランドーくんどうする? この額で受けて立つかい?」
ディオ(も…もし負ければ、せっかくいただいたお小遣いを全てジョジョに渡すことになる)
ディオ(そんな事になればお小遣いをくれたジョースター卿に申しわけない……でも!)
ディオ(ここでジョジョに屈してはいけない気がする!)
ディオ「ジョ…ジョ…」
ジョナサン「出しな…君の…今月分の…小遣い…を…」

16 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/03(月) 08:02:11.06 ID:VMTKpo2M0
レフェリー「ルールを説明しよう、顔面に一発でもくらえば負け、ノックダウンはもちろん10カウントだッ」
ディオ「よかった、そのルールならロンドンでやってて知っている……やってやる、やってやるぞッ!」バン バン
ジョナサン(ディオの顔つきが変わった!! これは少し注意した方がよそそうだ)
カァーーーン!
ジョナサン「!」ガシィ
ディオ「!」クル
イケーーッ、JOJO
ヨソモノモチョットハガンバレイーッ!
ジョナサン「まずは、小手調べッ!」バオーッ
ディオ(はッ、はやい! ……だけどッ)
ナンダ、アノウゴキハ!?    ワーーー       ワーーー
ワーーー JOJOノラッシュヲ、カミヒトエデカワシテイルゾ!
ジョナサン(こいつ思ったよりいい動きをする…………だがね! ……)ザッ
ディオ「!」
ジョナサン「よけてるだけでは勝てないぞ、ディオッ!」
ディオ(今…………だ!??)ドボォッ

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